この国のマスゴミが為政者のために国民を騙したり沈黙するのは珍しくもなんともなくなりましたが、これでもかという内容がまた出てきました。これは月刊誌ではなく、NHKでスクープ報道すべきレベルの話です。(知らんぷりを決め込む御用メディアの頂点がそんなことするわけないけど本来の報道機関の役目をリマインダーとして書いてみました。)
石井一 約束を破ったのは北朝鮮ではない、日本だ https://t.co/NfP6ntFx8M ”この時、金正日は日朝首脳会談を機に拉致を国家犯罪として認め、主席の立場で正式に謝罪したのです。その上で小泉と金正日は平壌宣言に署名しました。…両首脳の間で「事実」として決着したということです。”
— ちほたん(・0・)☆不正選挙は無効だ!! (@chihointokyo) 2018年5月4日
先週5月5日に月刊日本の記事が流れてきたときに2度、拡散したのですが、ツイッターやFacebookでさえ反応があまりに乏しいので、驚いています。
【今、読まれています】
— 月刊日本 (@GekkanNippon) 2018年5月5日
石井一「約束を破ったのは北朝鮮ではない、日本だ」
『月刊日本』5月号 https://t.co/FfMpGePb1G
拉致問題は日朝間で未解決だと聞かされていませんでしたか?
2002年に金正日が北朝鮮のトップとして、日本の首相であった小泉純一郎に公式に謝罪し、それを小泉が受け入れたからこそ、平壌宣言に二人の首脳が署名したことを私たちは知らされてきたでしょうか。
1990年の金丸訪朝団の交渉で、金日成が2人の人質を解放し、帰国させたことを知っていましたか?
全国報道されたのでしょうか。私は2002年の小泉訪朝で初めて人質帰国が実現したと思っていました。
月刊日本の石井一氏(元自治大臣・元日朝議員連盟会長)へのインタビュー記事には、取りこぼすにはもったいなさすぎる貴重な言説が掲載されています。オンライン版から漏れたところも含めて、紙版から書き起こします。全部読んでみてください。
Post-311石井一「約束を破ったのは北朝鮮ではない、日本だ」- 金正日は謝罪していた!で紙版のスキャン画像を貼り付けています。
約束を破ったのは北朝鮮ではない、日本だ
元自治大臣・元日朝議員連盟会長 石井 一
核の脅威は対話を拒否した結果だ
―― 北朝鮮情勢は対話路線に進む中、日本は蚊帳の外に置かれています。現在の状況をどう見ていますか。
石井 僕の話は現在の世論を逆撫でするものかもしれませんが、後世の評価に足る言説を残さなければならないという思いで、長年、日朝議連会長としての度重なる訪朝で得た体験を通して、あえてこの時期にお話しします。
これまで安倍政権はアメリカを後ろ盾としながら、北朝鮮に対して強硬な態度をとってきました。安倍総理は「日米は100%共にある」と名言しながら、「必要なのは対話ではない。圧力だ」と訴えておりました。
しかし、日朝関係と米朝関係は全くの別物であって、アメリカとの共同歩調を続けることには限界があります。
まず我々は大前提として「日朝関係は特別だ」ということを腹に据える必要があります。北朝鮮はアメリカにとっては太平洋の向こうの遠い国ですが、日本にとっては一衣帯水の隣国です。日朝両国には歴史的なしがらみもあるし、日本社会では在日韓国人・在日朝鮮人の影響力や存在感は非常に大きいものがあります。
日朝外交においてアメリカの顔色を窺う必要もなければ、アメリカの言うことを聞く必要もない。我々は我々でやればいいのです。それができないならば、アメリカに梯子を外されても文句は言えません。
―― 朝鮮半島の非核化については、どう見ていますか。
石井 北朝鮮はずーっと国際社会からポンヤ(仲間外ずれ)にされてイジメに遭ってきたのです。彼らは日本が繁栄を極めてドンチャン騒ぎしている姿を横目で見ながら、寒風に耐えて「なにくそ、今に見ておれ」という怨念を胸に、食うや食わずや臥薪嘗胆で核開発に血道を上げてきたということです。
そして今、ついに核を手にした北朝鮮は国際舞台に躍り出て、世界一のアメリカを向こうに回して五分に渡り合っておるわけです。
日本と北朝鮮の国力には何十倍もの差があるでしょう。しかし、日本が頭の上がらないアメリカに北朝鮮は対等にものを言い出している。
これが核の力なんです。北朝鮮にとって核は外交交渉の切り札であり、体制維持の命綱です。
アメリカは「朝鮮半島の非核化」を掲げていますが、北が簡単に核を放棄することはありません。初の米朝首脳会談に内外の期待が集まっていますが、トランプが気安く考えているような簡単な作業ではない。
すべてを犠牲にして三代に亘る血と涙の結晶として完成し、いまの国際的立場を築いた核に対する北の思い入れは想像を絶するものがります。韓半島の非核化はまだまだ道遠しの感を禁じ得ません。
金正恩も若いながらしたたかで、往年の抗日戦争や朝鮮動乱を生き抜いた金日成の血を受け継いでおり、この世離れした恐ろしさを感じます。
―― アメリカが条件付きで北朝鮮の核を容認する可能性もあります。
石井 日本は困ったことになりますが、それは半ば自業自得です。北朝鮮は過去に2度、日本に頭を下げて国交正常化を求めましたが、いずれも日本が交渉のテーブルを蹴っ飛ばしたのです。
このときに日朝国交正常化を成し遂げ、北朝鮮が核に頼らずとも存続できる環境を作っていれば、今日の危機はなかったのかもしれない。
「窮鼠猫を噛む」といいますが、ネズミを追い込んだ猫にも責任があるのです。それを認めない限り、北朝鮮は日本にとって脅威であり続けるのではないか。日本は相互理解を求めて真摯に北朝鮮と対話すべきです。
Blogger記事のほうでも引用しましたが、ここにも月刊日本オンライン版の抜粋箇所をコピーします。
北朝鮮との約束を破った金丸信と小泉純一郎
―― 今後の日朝交渉を成功させるためには、過去の日朝交渉に学ぶ必要があります。石井さんは1990年9月の金丸訪朝団で事務総長を務めました。
石井 まず僕は1990年7月に金丸訪朝団の先遣隊の団長として訪朝しました。自社両党から3人ずつ代表を出し、6人で行きましてね。当時は1982年に第十八富士山丸の紅粉勇船長と栗原好雄機関長がスパイ容疑で拿捕された後、7年間も拘束されたままでした。この事件の解決のため長いこと協議し、救出できそうだという心証を得て、金丸訪朝団の実施を決めたわけです。
2か月後の金丸訪朝団では自民党、社会党、朝鮮労働党の間で三党合意を交わしました。そこで約束したのは、まず国交正常化のテーブルにつくことです。妙香山では金日成が金丸と二人きりになり、「ぜひ国交正常化をやってもらいたい」と頼みました。北朝鮮は経済的には相当困窮していましたから。金丸も理解を示し、「まず政府間交渉を進め、その後話がまとまれば、富士山の麓で調印式をやりましょう」と応じたのです。
次に戦後補償です。「戦前の償い」だけではなく「戦後の償い」を一応認めたわけです。北朝鮮はこの文言にこだわり続けたんですが、僕は「日韓基本条約で韓国には戦後の償いを認めていない。新たな問題になる」と主張し、机を叩きながら反対しました。ギリギリまで交渉しましたが、最後は金丸が「国交正常化が遅れた利息だ」と妥協して認めることになったのです。その結果、紅粉さんと栗原さんは無事に解放されて帰国しました。
ところが、日本国内は文句と北への批判ばかりで、アメリカや韓国も横槍を入れてきました。金丸はこの抵抗に抗しきれず、日本は国交正常化交渉のテーブルから降りてしまったわけです。このとき、僕は金丸に「アメリカを振り切って、自主外交を貫くべきです」と迫りましたが、当時の金丸の力をしてもできなかった。
―― 2002年9月17日には小泉総理が訪朝して平壌宣言に署名しました。これはどう評価していますか。
石井 小泉訪朝には裏話があるはずです。小泉一行は平壌に到着後、北朝鮮側から予期に反して「拉致被害者13人のうち、5名は生存しているが、8名は死亡している」と通告されました。しかし、日本側は事前に「拉致被害者13人は生きていて、全員返す」というメッセージを受けとっていたはずです。小泉は拉致被害者13人を奪還できると思って平壌まで行ったが、土壇場で「8名死亡」を告げられ、茫然自失したのではないか。
その後、日本側は北の用意していた昼食をキャンセルしましたが、それは「騙された」「話が違う」という不満の表れでしょう。それならば、その場で机を蹴飛ばして帰国すればよかったのです。
この時、金正日は日朝首脳会談を機に拉致を国家犯罪として認め、主席の立場で正式に謝罪したのです。その上で小泉と金正日は平壌宣言に署名しました。つまり、拉致被害者に関する北朝鮮の説明は、両首脳の間で「事実」として決着したということです。この事実はトップの間で確認されているので非常に重いものであり、拉致問題はこの時点で終わったということです。
日本側も不本意ながらこれを認めました。現に小泉訪朝の当日に、東京では福田官房長官が外務省飯倉公館に拉致被害者の家族全員を招集して、北朝鮮側の説明を伝達しました。国際社会から客観的に見た場合、「両首脳の合意によって事実を確認した上で拉致問題は決着した」ということになります。
とはいえ、これは日本人には受け入れがたい結果です。そのため、小泉訪朝後に国内世論は激高しました。またアメリカは日本の独自外交を快く思っていなかった。その結果、日本はその後に平壌宣言を無視し、国交正常化交渉を進めることができなくなったわけです。
金日成と金正日は親子2代にわたって日朝国交正常化を求めました。金丸信と小泉純一郎はその要求に理解を示したものの、最終的に国内・国際情勢に抗しきれず約束を守ることができませんでした。日朝国交正常化交渉において約束を破っているのは、北朝鮮ではなく日本だということです。
北朝鮮の金正恩氏は「いつでも日本と対話を行う用意がある」と韓国の文在寅大統領を通して言っていますが、首相の安倍晋三は逃げ回って自らの交渉を避けています。もし拉致問題が未解決であるなら、逆ではないでしょうか。
最後、あと1セットなので紙版から書き起こし続けます。
北朝鮮への偏見を捨て、友好への扉を開け!
―― 過去の日朝国交正常化交渉は日本側の事情で頓挫しました。その背景には、北朝鮮に批判的な世論と独自外交を嫌うアメリカの存在があると思います。
石井 外交交渉には世論の支持が不可欠ですが、過去の日朝交渉は国民の支持が得られず頓挫してしまった。確かに日本国民は拉致問題や核・ミサイル問題を腹に据えかねています。
ただ、頭に血が上っていたら、問題解決に向けた話し合いが上手くいくはずがありません。お互いに言い分はありますが、一方的な主張をぶつけ合うのではなくて、頭を冷やして相手の立場を理解し合う必要があります。
この問題について言えば、戦前35年間の植民地支配、戦後73年間の国交断絶を通じて、100年以上にわたって日本は北朝鮮を敵対関係を続け、鬼か蛇のように忌み嫌い、人間扱いしてこなかったのです。一時期、日本人パスポートに明記されていた北朝鮮排除規定(Except North Korea)はその最たる一例です。
僕が北朝鮮と交渉した経験からいうと、彼らは核・ミサイル問題について「自分たちは国際社会から仲間はずれにされて、生き延びるためには核にすがるしかなかったんだ」と、正当な行為だと考えています。
拉致問題についても「拉致は生き延びるためにやむを得ずやったことだが、一方的に責められる筋合いはない」「日本は拉致被害者を返せというが、それなら先に戦前戦中に日本本土の炭鉱や金山へ強制連行した同胞を返してくれ」という認識のようです。
現在まで日本は「拉致問題は解決していない」「残りの拉致被害者を返せ」と主張しております。一方、北朝鮮は「拉致問題は解決した」「もう拉致被害者は残っていないから、日本の要求はないものねだりだ」という立場です。
日朝の立場は相容れませんが、何事も一方が絶対に正しく他方が絶対に間違っているということはないということは肝に銘じる必要があります。ただこの辺の経過を冷静にみると日本政府が今でも拉致問題解決が最大で最優先の政治問題だと言い続けることには私はいささかの違和感を持ちます。
―― アメリカの圧力については、どう見ていますか。
石井 戦後の総理大臣は吉田茂から安倍晋三まで30人ほどおりますが、その中で対米自主外交を貫いたのは田中角栄ただ一人です。
田中はアメリカの頭越しに日中国交正常化をやって、米石油メジャーを無視して独自の資源外交も世界各国でやりました。アメリカからしたら、これほど「目障りな男」(Dangerous Jap)はいない。
だから潰されたのです。1974年に総理を辞める前の田中は訪問先のインドネシアで反日デモに遭遇しましたが、これはCIAの仕業です。
総理を辞めた後は1976年にロッキード事件で逮捕・起訴されましたが、これとてアメリカ側の意向がなければできることではない。むしろアメリカが震源地と言ってもいい。
それ以来、永田町には「この国で対米自主外交を貫いたら、内閣総理大臣は務まらん」という不文律ができてしまったのです。誰も彼も総理になったらまずワシントン詣でに行くようになってしまった。アメリカに安全保障上の負い目がある以上、服従するしかないのかも分かりません。
しかし自主外交は不可能ではないのです。現に田中は日中国交正常化を実現して、大きな財産を残しました。
問題は、時の総理が自分の政治生命を犠牲にしてでも日本の国益を追求する気概があるか、それを国民が後押しするかということなのです。
―― 日本がこれ以上北朝鮮との対話を先延ばしにすることはできません。
石井 今こそ戦前35年の植民地支配、戦後73年の国交断絶で出来上がってしまった100年の氷を解かすべきときです。そのためには、日本の過去の悪行も潔く認識しながら、日朝対話に臨むことです。
重要なのは、日朝国交正常化交渉の再開です。これは北朝鮮の悲願ですから、金正恩も必ず求めてくるはずです。日本は賠償金を受けて立たねばなりませんが、金丸の言葉を借りていえば、国交正常化を遅らせた分だけ「利息」が高くつくのは仕方がない。
日本の総理大臣には三度目の正直として、今度こそ自主外交を貫く気概を持ってほしいと願っております。
(敬称略)
(4月2日インタビュー、聞き手・構成 杉原悠人)
「約束を破ったのは北朝鮮ではない、日本だ」PDF はこちら。
A4x3枚分、印刷して配布に使ってください
知能指数が奈落の底のような悪ガキ集団の安倍内閣の面々は言うまでもなく、最近の与党政治家からは聞いたこともないような石井氏の誠心誠意の正論に目が洗われる思いです。
たとえこの石井氏の立場とは見解は違えど、主権者国民の代表として国会の議論の場に立ち、行政を担ってもらうには、我々はもう一度これぐらいの水準の人たちを選ぶ必要があるのではないでしょうか。
韓国ではすでに国民の力でそれを実現しました。安倍と同等のことをやった朴槿恵前大統領を刑務所に送り、文在寅大統領と参謀の文正仁氏のように、自分の政治生命を賭けて国のために尽くす人たちを国民が選びました。戦時中の自国の虐殺も認めて文在寅大統領が4月にチェジュ島で謝罪スピーチを行いました。
隣国にどんどん水をあけられる一方で、誰が見ても頭空っぽの安倍晋三という首相と独裁参謀を務める今井尚哉の政治は、記者クラブと大手広告代理店とテレビを利用していかに国民を騙し続けるかに既に5年以上も集中。国民はワイドショーでスポーツ・芸能ネタ、三面記事ネタに年中踊らされて、軍国化し始めている自国の危機にも気づかない。50年ぐらい一気に時計の針が戻されたかのように、甘やかされた二世の老害たちが何もかも牛耳る国に成り果てました。日本だけ20世紀に戻りたいんでしょうか。
拉致被害家族にはこのインタビュー記事は素直に読めないかもしれません。拉致問題に関しては、政治の外で引き続き再会に向けて消息を知る手立てが講じられることを祈ります。死亡したとされる人たちはいずれも若すぎます。以前、横田めぐみさんとご両親は実は再会されていたという説をこのブログでも取り上げましたが、それが真実であることを願います。
月刊日本5月号は、この記事以外も興味深いトピック満載なので、是非、バックナンバーも併せて買ってみてください。