「青よりも白く、やや灰色を帯びる。」


青磁の色は「雨過天青」

つまり雨上がりのしっとりと
水気を含んだ空の色。
それは観る者の心を静める穏やかな「青」



明日6月26日(土)
東京都庭園美術館 重要文化財茶室「光華」にて
今回特別に茶碗を提供いただく為
若尾誠先生の工房を訪ねました。


若尾先生は
私の多治見工業高校 の先輩でもあり、
粉青瓷作家として
日本工芸会 を中心に活躍されています。

北宋汝窯の青瓷、
南宋官窯の南宋龍泉窯の青瓷。

青瓷を志す、もののふの
目指す頂はさまざまですが

特にその表現が難しく
究極の青瓷と言われるのが、
皇帝のためにつくられた




茶道の世界の青磁といえば「馬蝗絆」の茶碗、
砧青磁、天龍寺青磁、飛青磁の花入などが
知られています。



室町時代日本に伝わり、
数々の逸話が残る青磁は、
茶道では格の高い道具として扱い、
現代にもその歴史的背景 に
私達茶道を実践する者は
畏敬の念を表しています。



引用元 青磁鯱耳花入(千利休所持「砧花入」)
南宋 龍泉窯(13~14世紀)静嘉堂文庫美術館


日本における青磁への取り組みは、
第二次大戦後にはじまりました。
特に1950年代以降に
宋代の青瓷に挑みながら、
独自の青瓷をつくったのは、
加藤唐九郎氏の長男
岡部嶺男氏であることは
やきものの世界では、あまりにも有名です。

中国で粉青と呼ばれる
青瓷釉を再現し「嶺男青瓷」とまで
よばれる独自の青瓷の世界を展開しました。

一方、若尾先生は
美濃焼 の代々の窯元の家に生まれ
身近な環境で「嶺男青瓷」を見たことで
青瓷の研究制作に取り組まれるきっかけになったと、私はもう10年以上前に聞いていました。




しかし「嶺男青瓷」は大変数が少なく
幻の存在です。

さらに実際に茶室で茶碗として
使われるなど夢のまた夢です。

しかし、今回東京都庭園美術館様の
ご協力により
時空を越えたコラボレーションが
皇室ゆかりの重要文化財茶室
「光華」で実現致します。

前回開催した


 

 

 

 


「誠青瓷茶」若尾誠 作


実際に
「茶室で茶碗に茶を点て服す」

あたりまえのようで
あたりまえにできない日本で

日本の伝統《茶の湯の力 × 陶芸の力》で
日本でしか実現できない事があります。


今回「嶺男青瓷」と「誠青瓷」が
東京都庭園美術館にて実現します。

参加者の皆様
ぜひその瞬間にお立会ください。






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