雪柳(ゆきやなぎ) 京都鴨川にて 4/10

今回も茶花から
茶道や日本の文化、工芸を
皆さんと一緒に學んでいきたいと思います。

今回は【雪柳(ゆきやなぎ)】です。

春になると京都の鴨川 
真っ白な雪柳に覆われます。
三年間毎日10キロの重りを担いで
歩いていてハッとする美しさに
良く写真を撮りました。

この雪柳、原産は日本説、
中国説があります。
関東以西に分布しています。

「柳」とついていますが、
バラ科シモツケ属です。


◼️平安和歌のなかの雪柳

平安時代中期、近江御息所歌合で
雪柳が詠まれた和歌があります。

いは柳 花色見れば山川の
水のあやとぞ あやまたれける

万葉歌には柳は「糸」に
例えられていましたから、

いわやなぎの花はまるで
山や川が織り成す
波紋のように見えてしまうと
解釈してみました。



別名「小米柳(こごめやなぎ)」という名前も
ピッタリですね。


◼️肩衝茶入「雪柳」
肩衝茶入 銘 雪柳 瀬戸 
日本・桃山〜江戸時代 17世紀

雪柳手と呼ばれる茶入の本となる作品。
胴全体に黄釉が幾筋も流れ、
その景色を春の柳に積る雪にたとえ

かつらぎや はるのみさとの ふる柳
よそめはおつる 滝の白糸

小堀遠州さんが歌を引き
「雪柳」の銘がつけられました。



◼️京菓子「花の宴」

御菓子司 聚洸さん 

「小田巻」という、餡や練切を
細い糸状にする技法で都の春を表現しています。

本格的な春がもうすぐ
桜のシーズンが待ち遠しいですね。
近いうちに「桜」も取り上げてみたいです。