櫻の原産国はどこなのか?
近年各国に自生する櫻のDNAを解析して
明らかになった事実は、
判明したそうです。
◼️呼び名は神様の「さ・くら」
漢字は可愛いから「櫻」に!
古語では『さ』とは耕作を意味し
『さ』は山の神であり、春になると
つまり櫻とは『さ』の神が降りる坐=鞍(くら)
から『さ・くら』となったという説もあります。
確かに、さけ、さつき、さなえ等々農業と
関わりのある言葉が多く感じますね。
一方漢字の「櫻」ですが、
サクランボの赤い実はネックレスの玉のようで、
また赤ちゃん嬰児の唇のように
見立てることもできる。
嬰に含まれる賏エイは本来貝をつないだ
ネックレスという意味があり、
「嬰+木」を合わせ「櫻」という字に
なったのではないかと白川静先生は
推測されています。
◼️西行の「櫻」と花明かり
願わくは 花の下にて 春死なん
その如月の 望月のころ
西行法師
西行法師
お釈迦様の入滅の日は2月15日(涅槃会)。
平安時代の歌人・西行法師は出家の身で
あればこそ、お釈迦様の亡くなられた日の頃に
美しい桜の花の下で自分も死にたいと願い
(旧暦なので実際は3月中旬)
実際に2月16日に亡くなりました。

引用 東山魁夷《花明り》(習作)1964-66年 京都・円山公園
*花明り*満開の桜の花によって、
夜でもあたりが明るく感じられること。
◼️少庵好「夜桜棗」に映るもの
皆さん、 夜桜は見えましたか?
黒塗の大棗の甲から胴にかけて
桜の花が黒漆で描かれ、
その上にさらに黒漆をかけるもので、
一見すると無地のように見えますが、
透かしてみると桜の文様が浮き出て見え、
夜桜の風情を見事に表現している大棗です。
私も一度拝見しましたが、
ガラス越しにはなかなか見えませんでした💧
「櫻」という花はそのままで、
とても雅で華やかな存在です。
しかし、少庵さんはあえて夜桜棗を作り
「隠逸の美」で櫻を表現しました。
豊臣秀吉公の赦免を受け
京都へ戻った少庵さんは大名へ出仕をせず
利休居士の茶の在り方を忠実に継承し、
それを宗旦さんへ伝えることに
重きを置いたとされています。
「隠逸の花」とは、
闇夜その所在がわからなくても、
その清香によって存在が知れます。
古溪和尚は利休居士の存在を、
「隠逸の花」の様であると賛美していました。
「夜桜棗」が多くの人々を惹き付ける魅力。
それは少庵さんの真摯な志が映っているからだと
思います。
⚫京菓子「しだれ桜」
◼️紫野源水さん 京都市北区北大路新町下ル075−451−8857
きたる3月27日(土)、東京都庭園美術館
重要文化財 茶室「光華」にて
第四回「重文わかる茶会」を開催いたします。
東京の開花予想も3/16との事。
ちょうど櫻が見頃だと思います。参加者の皆様に安全に
そして心から楽しんでいただけるよう
美術館さんも私達も趣向やお菓子、茶碗など
あれこれ悩みながら茶会の準備を
日々進めております。
当日お会いできます事を楽しみにしています。