初出張は?
「まず、山本副部長には『福井』に行っていただきます。」
「北陸の福井ですか?」
思わず、少し驚きが顔に出てしまった。
福井に行くのは、30年ぶり。前回は東京からバイクに乗って東尋坊と永平寺などを観光した記憶がわずかに残っている程度である。
「そうです。まず、福井総合研究所を訪ねて、そこで主任調査役の島根英男 君からレクチャーを受けてください。」
「島根さんですか、分かりました。」
「夕食は、県庁OBで『みらい創生部』の部長を務められた鷲尾美紀さんも合流します。行政目線のレクチャーを受けてほしいんです。食事の場所は『ステーキ鐵船(てっせん)』を予約してあります。」
「ステーキですか、いいですねぇ」
「ちなみに、二人とも私の古くからの友人なので、何も心配いりませんよ。」
それを聞いて、少し安心した。
「夕食の費用は全て当社持ちです。法人カードで処理してください。二人とも日本酒が好きなので、値段は気にせず、飲みたいものを飲んでもらって構いません。」
「おお、まさかの無制限ですか…!」思わず口に出してしまった。
「向こうの二人には、夕食の接待がレクチャーの謝金代わりだと言ってありますから。」
なるほど、そういうことか。飲みすぎには気をつけないと…。
「翌日は完全にフリー行動で結構です。永平寺とか恐竜博物館でも行ってきてください。ただし、ビジネス目線をお忘れなく。」
「もちろんですが、恐竜博物館のビジネス視点、なかなか難しそうですね」
「宿泊は、福井駅前のコートヤード・バイ・マリオット福井。樫本さんが手配してくれたので、安心してください。ここもオープンしてから1年。地方にできたハイブランドホテルをしっかり見てきてください。」
「あ、大事なことを伝えるのを忘れていました。今回の視察のテーマは、『なぜ福井県は「幸福度日本一」なのか』です。」
「なるほど、幸せの理由を探るわけですね。」
「4月17日から18日まで、一泊二日でよろしくお願いします。」
「分かりました!」
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