あの頃
俺は、夢を見ていた。バイクの免許を取って初めて買ったRZ250R。色はブラック。
はじまりは、全てここから。
何も考えず、ただバイクを走らせていたあの頃。
バブルの真っただ中で、世の中が不景気になるなんて想像もできなかった。
純粋に毎日が楽しかったな。
あの頃
俺は、夢を見ていた。バイクの免許を取って初めて買ったRZ250R。色はブラック。
はじまりは、全てここから。
何も考えず、ただバイクを走らせていたあの頃。
バブルの真っただ中で、世の中が不景気になるなんて想像もできなかった。
純粋に毎日が楽しかったな。
LINE
新幹線の車内で、俺はLINEにメッセージを打ち込むことにした。昔の峠仲間のグループLINEだ。
同級生の北山、川道、一つ上の野畑さん、何個か年下の竹川君──そして俺を含めた5人。それぞれ今も何かしらのバイクに乗っている。
俺は、メッセージを打ち込んだ。
「CB650Rの購入を決めたときに、『峠K1でキングを奪還する』と大風呂敷を広げましたが、本日、謹んで撤回させていただきます。」
しばらくすると、ポツポツと返信が届いた。
「マジやったん?」
「アラ還ライダーとしては適切な判断」
「山ちゃんならキングになれる!」
「バイク、大切にしてくださいね!」
それぞれ、らしいメッセージが返ってきた。
CB650Rの適切解
正しいか、間違っているか。
早いか、遅いか。
カッコいいか、悪いか。
そんなことは、今の俺には関係ない。
俺の走りの基準はただひとつ──「事故リスクの最小化」。
スピードをなるべく落とさずコーナーに進入する。「ヒラリヒラリ」と機敏にではなく、「ジワジワ」とリーン(車体を傾ける)。コーナー中も前後ブレーキを併用し、出口ではリアタイヤのグリップを感じながら、慎重に加速。
これが、俺のCB650Rの最適解だ。
森君は直線で俺を追い越すと、手でスピードを落とせとジェスチャーし、「K1ビデオコーナー」と呼ばれる場所でバイクを止めた。
ヘルメットを脱ぎながら、俺に近づく。
「おじさん、話を最後まで聞けよ!今日はR1がこの峠に来ている。バイクをここに停めて、じっくり見てみなよ。俺が言ったことが、きっとわかるはずだからさ。」
しばらくすると、遠くからR1のエンジン音が聞こえてきた。
俺は、R1の走りを見て、言葉を失った。
何か森君が呼びかけてきたようだったが、耳に入らない。俺は無言でヘルメットを被り、そのまま家路についた。
帰宅後、すぐに身支度を整え、妻の華と長女の彩とともに大阪駅へ向かう。そこで次女の史と合流し、一家で博多行きの新幹線に乗り込んだ。
腹落ちしたよ。
森君は、俺の後ろを走った時のことを思い出しながら、まるで予備校の先生みたいに語り始めた。
「R1は高速を保ったままコーナーに向かい、コーナリングに入る直前に前後のブレーキをかけて、一気に車速を落とす。おじさんはコーナー手前からじわじわ減速。ここで0.3秒離れる。コーナリング速度はさておき、コーナー出口でR1は車体を起こしてフルスロットル、おじさんはハーフスロットル。はい、ここで0.3秒差。つまり、一つコーナーを回るごとに0.6秒ずつ遅れる。何個か回ったら——『はい、さよなら』ってわけ。分かった?」
「なるほど……。」
「『なるほど』じゃねえよ、まったく。おじさんは、グルメと温泉が大好きなツーリングライダーって決まってんだからな!」
「言うねぇ、森君。でも、君の言ったこと、腹落ちしたよ。」
「何だ?『腹落ち』って?切腹でもする気かよ!」
森君が叫ぶのをよそに、俺はさっさとヘルメットをかぶり、グローブをはめた。
感想をお願いします。
「なんで?」と森君がたずねた。
「こないだ、俺の後ろを走ってくれただろ?」
「あぁ」
「その感想を詳しく聞いていなかったもんだからさぁ。」
森君は腕を組んで考え込んだ。
「正直に言ってもらって構わんよ。むしろダメ出ししてもらわないと、どこを直せばいいかわからないからね。」
「直すって、まさかまだR1を追うのを諦めてねーの?」
「諦めるも何も、まだ実物を見たこともないのに。」
「じゃあ、せめて覚えておけよ。冥途の土産ってことでな。」
「冥途の土産とはずいぶんだなぁ。」
「R1とおじさんの決定的な違いを一つ教えてやるよ。」
「おう、ぜひぜひ。」
「……スローイン・ファーストアウト。」
「は?」
「おじさん、分かる?」
「まぁ、40年前に教習所で習った気がするな。」
さて、どういうことだろうか。俺は真剣に森君の話に耳を傾けた。
ミルクロードとは…
CB650R E-clutch はとりあえず納屋の中。
子供たちが春休みで、自分だけバイクを楽しむわけにはいかない。
九州熊本の阿蘇山の外輪山(カルデラ)にある、九州のオートバイのメッカ「大観峰」に来ている。
2025年3月下旬であるが、熊本地方はまさかの雪。
俺はたまらず、雪見ツーリング中(失礼、公務中でした)の白バイ隊のお兄さんに話しかけた。
「この辺りだと、どの辺をツーリングするバイクが多いんですか?」
すると、白バイ隊のお兄さんは北西の方を指さして、「あの白く見える水平線があるでしょ。あそこがミルクロードといって、バイクでツーリングするライダーが多いですよ。」と教えてくれた。
空との境目に「ミルクロード」があるらしい。
こりゃ、CB650R E-clutch で流してみたいぞ!
九州の阿蘇周辺、マジでヤバイ!
公務とはいえ、雪の中、お疲れ様です!
このブログの内容はフィクションです。 実在の人物や団体などとは関係ありません。
九州のライダーのメッカとは…
CB650R E-clutch はとりあえず納屋の中。
子供たちが春休みで、自分だけバイクを楽しむわけにはいかない。
さて、いよいよ福岡から熊本へ向かう。目的地は九州のオートバイのメッカ、「大観峰」である。
九州のバイクの聖地と言えば、阿蘇の外輪山にある「大観峰」だと誰もが口をそろえて言う。
さて、2025年3月下旬であるが、熊本地方はまさかの雪。道路交通情報では「冬タイヤ規制」とのこと。
華の兄さんが、カローラ・クロスに朝から冬タイヤを履かせて、うちら家族に貸してくれた。
華の兄さんに感謝しつつ、阿蘇の外輪山(カルデラ)にある大観峰を目指す。
ただ、この積雪の中、オートバイはいるのか? という疑問を抱きつつ、目的地の大観峰へカローラ・クロスを走らせる。
すごい。大観峰に停めてあったバイクは10台ばかりだが、結構な数のライダーが雪見ツーリングを楽しんでいるのにすれ違った。
さすが、ライダーのメッカ、「大観峰」。
その景色の雄大さは、最高でした。
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