条件とは。
大阪にあるホテルの中華料理店で、久しぶりに林夫妻と会食することになった。華さんと俺、そして林夫妻の4人。こうしてご夫婦と華さんを交えて会うのは、実に久しぶりだ。
予約しておいた個室に案内され、華さんと一緒に席に着いたところで、間もなく林夫妻がいらっしゃった。
「お忙しいところすみません。本日はありがとうございます。」
俺が立ち上がって挨拶すると、ヤス子夫人が柔らかい笑顔で答える。
「華さん、会いたかったわ~!」
そんな和やかな雰囲気もつかの間、着座すると林社長がズバリと切り出した。
「で、式はいつだ?」
あまりの直球に、俺は思わずたじろぐ。
「ああ、いきなり結論からですか……。」
すると華さんが、にっこりと笑って言った。
「21世紀初日の2001年1月1日に婚約届を出して、式は2月18日、日曜日に挙げる予定です。」
さすが華さん、怯みがない。
「で?」
林社長の鋭い目線が、今度は俺に突き刺さる。
「あの……ご夫妻に仲人をお願いできないかと……」
俺は恐る恐る切り出した。
その瞬間、林夫妻は顔を見合わせ、にっこりと笑った。
「ただし条件があるぞ、山本!」林社長がニヤリとする。
「もちろん、会場はうちの『メモリーライフ』だな?」
「ええ、それはもちろん……」
「あたり前だ!それから費用は特別価格で高めにしておくぞ!ハッハッハ!」
豪快な笑い声に、つられて全員が笑う。これが林社長のペース。
「じゃあ、乾杯だ!」
林社長がグラスを掲げる。
「お二人の幸せに、カンパーイ!」
「カンパーイ!」
乾杯の声が個室に響く中、料理が運ばれてきた。
熱々の小籠包や香り高い麻婆豆腐を囲みながら、会話は自然と昔話に花が咲く。
俺たちの未来を祝うような、温かいひとときだった。
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