昨日2021年12月6日をもって、東名阪3ヶ所で行われた野口五郎さんと岩崎宏美さんのジョイントコンサート、『Eternal Voices』がめでたく千穐楽を迎えた。諸般の事情で名古屋、大阪は涙を呑んだ私である。仲間からの報告で大きな期待をしてはいたものの、その想像の遥か上を行く、まさにプレミアムなステージであった。

 

 昨日もらったチラシによれば、来年3月にWOWOWで放映予定とのこと。😍コンサートに行かれなかった方は是非!チェックをお薦めする。一応コンサートが3本とも終了したので、昨日の東京渋谷・オーチャードホールでの公演を振り返ってみたい。完全ネタバレになるので、テレビ放映まで曲目を知りたくない!あるいは追加公演があるかも知れないのでそれまでは!という方は、お読みにならないでいただきたい。

 

 

 では、以下完全ネタバレです。

野口五郎・岩崎宏美 『2021プレミアムコンサート〜Eternal Voices〜』東京公演【完全再録】❣️

 

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●第Ⅰ部

 

ロマンス(岩崎)

♪ オレンジの雨(野口)

シンデレラ・ハネムーン(岩崎)

甘い生活(野口・岩崎)

 

 幕が上がると、バックバンドを従えてギターを抱えた五郎さんの登場だ。エレキがバリバリ、サックスがブリブリ鳴るプロローグは、「ロマンス」のフレーズである。聞き慣れたイントロに乗って下手から宏美さんが登場すると、早くも客席からは割れんばかりの大拍手。

 

 ここからMCなしで、一気に70年代の京平サウンド4曲のヒット・メドレー。先日のNHK『SONGS』と同じ選曲、構成だ。「ロマンス」は、宏美さん近年のステージのアレンジではなく、オリジナルに近い懐かしいサウンドだ。続く「オレンジの雨」では、岩崎宏美親衛隊としては、ピンク以外のペンライト使用は初めてではないか?オレンジに切り替えての五郎さんの応援だ。宏美さんも五郎さんの横で楽しそうに口ずさんでいらっしゃるようだった。「シンデレラ・ハネムーン」では、本当にこのビッグなコラボが今目の前で行われているのだ、ということを改めて実感し、感激でワナワナ震えている自分に気づいた。

 

♪ 青いリンゴ(岩崎)

二重唱(野口)

 

 次いでお二人の挨拶、MCというよりまるで夫婦漫才のようなテンポの良い抱腹絶倒のかけ合いである。東名阪とも参加した仲間に聞いたところ、MCも毎回違ったそうだ。打ち合わせるのか、アドリブなのか、いずれにしても素晴らしいお二人のトーク力だ。

 

 そんなMC中で、五郎さんは「使えるオタク」ぶりを発揮。『SONGS』の折りにも触れていた京平先生の裏拍を引っかけるシンコペーションの話に熱がこもる。バンドのメンバーにも、「そんな訳で、君たちもちゃんとリズム、裏拍強調で頼むよ」的な声かけ。

 

 持ち歌交換コーナーで、デビュー曲をと考えたようだが、五郎さんのデビュー曲「博多みれん」は、宏美さんが早々に「演歌はパス」宣言。2曲目の「青いリンゴ」に落ち着き、結局またしてもいずれも筒美作品ということになった。宏美親衛隊は、今度は五郎親衛隊と同じグリーンのペンライトで対応。😊

 

 「二重唱」の軽快なイントロが流れ、五郎さんが歌い出す。宏美さんは横で口パクで振り付け。と、バックバンドが徐々に裏拍を極端に強調し始めて、演奏がメチャクチャに。😅💦演奏を中断して五郎さんが、「ちょっとそれはいくら何でも強調しすぎでしょ!」ということで、会場大爆笑。ここまで含めてネタ、演出という…。🤣

 

すみれ色の涙(岩崎)

思秋期(岩崎)

♪ 針葉樹(野口)

♪ 君が美しすぎて(野口)

 

 続いては、お互いのヒット曲2曲ずつをゆっくり聴かせるコーナーだ。印象に残ったのは、五郎さんのMCで「ぼくはブルー・コメッツが大好きだった。そしてぼくに初めて歌手になることを薦めてくれたのは、『すみれ色の涙』の作詞者である万里村ゆき子さんだった。なので、宏美ちゃんが『すみれ色の涙』を歌うようになり、とても感慨深かった」という話だった。「君が美しすぎて」は、私が小学校高学年でシンシア愛に目覚め、歌謡番組を見たり聞いたりするようになった頃の作品で、「オレンジの雨」と共にたいそう懐かしかった。今朝から頭の中では、この2曲がエンドレスで流れている。

 

好きだなんて言えなかった(野口・岩崎)

 

 そしてⅠ部ラストはお二人の新曲である。11/24の発売以来、売り上げも好調ということで、お二人の力の入り方もひとしおだ。Ⅰ部ラストにこの曲を置いたのは宏美さんのアイディアとか。それは「休憩時間にこのCDをお買い求めいただくため」とのこと。それはさておき、Ⅰ部ラストにふさわしい圧巻のハーモニーを聴かせてくれた。何気に難しく、演奏効果抜群のこの曲でまた涙。このままヒットチャートを駆け上がって欲しいものだ。

 

●第Ⅱ部

 

オン・マイ・オウン(岩崎)

♪ 恵みの雨(野口・岩崎)

♪ カフェ・ソング(野口)

夢やぶれて(岩崎)

♪ 彼を帰して(野口)

 

 ガラリと趣向を変え、「筒美京平」に次ぐお二人の共通項、『レ・ミゼラブル』メドレーだ。相模大野のコンサートでも予告し、実際『SONGS』で五郎さんが、マリウス役の持ち歌ではない「彼を帰して」を披露していた。大いに期待していた、レミゼコーナーである。

 

 『レ・ミゼラブル』序曲と共にⅡ部の幕開け。岩崎ファンティーヌならぬ岩崎エポニーヌの「オン・マイ・オウン」と「恵みの雨」には、ただただ涙が流れる。会場のお客さんも、拍手するのさえ忘れて聴き入っている。ファンティーヌとマリウスの持ち歌である「夢やぶれて」「カフェ・ソング」は言わずもがな、野口バルジャンの「彼を帰して」は、とんでもなく広い音域を駆使した難曲だが、完全に自分のものにしている。野口五郎、恐るべしだ。

 

♪ 太陽が笑ってる(岩崎)

♪ これが愛と言えるように(野口)

♪ 聖母たちのララバイ(岩崎)

♪ 私鉄沿線(野口)

 

 息もつかせぬようなレミゼのナンバーの後は、それぞれソロの最近の推し曲から1曲ずつ、そして締めにふさわしい大ヒット曲を1曲ずつだ。「聖母〜」もシングルバージョンに近いアレンジで、五郎ファンの耳にも馴染んでいるだろう。宏美さんの衣装は、私は初見の濃いめのピンクのドレス、すごく素敵だ。なんと、爆笑続きのMCだらけだったⅠ部と見事なまでに対照的に、Ⅱ部はここまで全くMCなしで来たのだ。ここで、長いキャリアと実績を持つお二人だからこその苦悩も聞くことができた。そしてそれを乗り越えようとされていることも。

 

スマイル・アゲイン(野口・岩崎)

 

 本編最後の曲は、「二人共思い出の曲」と五郎さんから紹介があった。ニュートン・ファミリーが歌った、映画『イエスタデイ』の主題歌である。五郎さんのバージョンをYouTubeで見たことがあったので、「ああ、五郎さんもレパートリーにされているんだな」と思っていたが、シングルとしてもリリース(1988)されていたことは、昨日初めて知った。もうここからは涙が止まらない。

 

●アンコール

♪ 好きだなんて言えなかった Another Version(野口・岩崎)

♪ 追憶(野口・岩崎)

 

 新曲の「今日のメンバーバージョン」と言うことで、ワンハーフだったが披露してくださった。シングルバージョンよりやや地味で落ち着くサウンドで、いっそう歌詞の切なさが伝わって来た。そして「追憶」。これも宏美さんのリスペクトするバーブラ・ストライサンドのナンバーで、81年のリサイタルをはじめ、宏美さんもこれまで何度も取り上げて来た曲だ。これをピアノ一本のやや変わった構成でしっとりと聴かせてくれた。聴いていてあまりに歌の世界に入り込んでしまい、途中から他の楽器が加わって来たのかさえ、記憶が定かではない。幕が降りた後は、しばし放心状態で口がきけなかった。

 

 

 「スマイル・アゲイン」の前のMCでお二人が口にされていた「初心に帰る」ことの難しさ。でもお二人は、「二人のデビュー曲」という言葉を奇しくも使われていた通り、未来を見据え、夢を持って新しいことにチャレンジされているではないか。その謙虚さと、初心を忘れないお二人に、改めて拍手喝采を送りたい。

 

 こんな素晴らしいステージを体験することができて、またここから始まるお二人の新たなスタートを見届ける場に立ち会えたこと、本当に感謝しかない。五郎さん、宏美さん!どうぞいつまでも元気で歌い続けてください。そして機会があったら、是非また素晴らしいデュエットと、息の合った爆笑トークを聞かせてください❣️😍