【Vol.5】勉強の仕方(次のステップに向けて) | 合格への道のり("3つの道"編)

合格への道のり("3つの道"編)

これまで宅地建物取引士試験、行政書士試験、司法書士試験、海事代理士試験及びマンション管理士試験に一発合格しました。2022年からは受験生、実務家(士業)及び講師の3つの道を歩みますので、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m。

10月の合格発表までまだ約2ヶ月もありますので、次のステップに向け、改めて「(法律の)勉強の仕方」について考えてみることにしました。


次のステップとは、司法試験予備試験ルートでの司法試験です。最短だと2025年合格目標になります。


7月の司法書士試験後、既に伊藤塾、LEC、TAC及び辰巳法律研究所で何度かカウンセリングを受け、受講予定の講座は絞り込んであります。


その際、最も不安を感じたのは、「論文式試験の攻略法」です。これまでのように理解⇨集約⇨記憶の各フェーズに加えて、文章にまとめて他人(試験官)を説得する技術が必要となります。


この点、実家に帰省中、自室の段ボールの中からたまたま発掘した書籍に(商法の)勉強の仕方についてまとめた箇所があって、大変参考になりました。


ちなみに、著者の加藤晋介先生は弁護士として活躍する傍ら、かつて辰巳法律研究所主任講師として新・旧司法試験の受験指導に携わってこられました。無類の読書家でもあるそうです。


本書には次のような件(くだり)があります。

「勉強とは、ただ知識を覚えこむことではありません。勉強の結果達成すべきは、「知識を材料」として、「論理を道具」として、そして「表現を演出」として、これらを使いこなして、他人を説得できるようにすることです。


士業を志す私にとって、当然に必要となるスキルだと感じました。どれだけ知識や経験が豊富でも、クライアントを納得させる説明ができなければ、それらは宝の持ち腐れですからね。


司法試験論文式試験においても、その出題趣旨の中で、受験生には、判例及び学説に関する知識を単に「書き連ね」たような、観念的、定型的、「自動販売機」型の答案を求めるものではなく、「考える」ことを求めていることからも、単なる知識のひけらかしでは通用しないことがわかりますね。

▼全文はこちら

https://www.moj.go.jp/content/000006469.pdf


また、外山滋比古先生の著書「思考の整理学」にも似たような記述があります。


すなわち、学校で生み出されるのは風任せの「グライダー型」人間であるが、社会・実務に求められているのは、自動飛行能力のある「飛行機型」人間である、と。


要約すれば、社会・実務には、他人の頭ではなく、自分の頭で問題設定し、解決していく自立的知性を持った人材が求められているという意味だと理解できますね。


あとは、この自立的知性をどのように鍛えていくか、自分なりに工夫が必要だということです。


そこで、まずは以下の書籍から、自立的知性を鍛錬するためのヒントを得たいと考えています。

▼「考える」をテーマにした書籍


▼「問題解決」をテーマにした書籍

一方で、これまでに勉強法の師匠、リーダーズ総合研究所・山田斉明先生から学んだ方法論を全く捨て去るわけではなく、今後は両者の併存も課題になると考えています。


▼これまで習得し実践してきた勉強法




これからは「守」の段階で師匠から学んだ勉強法の基本をベースに自分なりの味付けを加え、創造性を養う「破」の段階へと進むことを求められているのかもしれません。


更に、私は師匠の教えに従って学習法を①理解⇨②集約⇨③記憶の3ステップで捉えていますが、①理解フェーズにおける講義の受け方や基本書・受験指導校の読み方についても、これまでの受動的学習態度から能動的学習態度へと改めていきます。



結局のところ、1日にテキストを何頁読もうが、講義を何講受けようが、そこから仕入れた知識を論理的に構成し、自分なりの表現で形にして他人を説得できるようにならなければ意味はなく、もっと言えば、テキストを読み込んだ時間や講義を受けた時間は無駄になります。


これまでの私は講義を受けても基本書を読んでも知識の習得(基本書やテキストなどから知識を取るだけ)で止まっていた感があり、しかも一度の受講では達成感が得られず、同じ講義を二度、三度と受講していました。


結局のところ、DVDプレーヤーやタブレットから流れてくる音声を聴き流していただけなのかもしれません。


このやり方は、行政書士試験や司法書士試験(択一式試験)ではたまたま通用したのかもしれませんが、司法試験論文式試験やその先の実務では全く使いものにならないということですね。


また、具体の訓練方法についても、加藤晋介弁護士の著書にヒントがありました。


加藤晋介先生は受験生を良く「料理人」に例えます。基本書・学術書は一流の料理人(=学者)の作った料理であり、これを「読む」ということは、「客として味わう」ことに他ならない。「客として味わう」ばかりでは、いかに「一流の料理人に対する憧れ」があったにせよ、「料理人」になど到底なれない、と。


そして、料理人になるためには、一流の料理人の料理(基本書)から、

①素材が何であるかを知り(「知識という材料」をとり)

②手順をレシピとしてメモをし(「論理という道具」の仕組み・構成を理解して可視化して残し)

③材料の分量や煮炊きの加減を調整して味を調整し(「表現という演出」)、その訓練ができて初めて料理人になれる、と述べています。


これから基本書や受験指導校のテキストを読む際は決して分量に捉われず、上記訓練を繰り返すことによって、自立的知性を鍛錬していくつもりです。


さて、間もなくTAC「上級総合本科生」が開講します。


今年の司法書士試験が不合格だった場合に備えて既に申し込んだ講座(無事に合格できれば、合格返金制度を活用します)ですが、自立的知性を身につけるには最適な講座と言えそうです。


受験に失敗した原因を緻密に自己分析し、勉強法が確立できていない受験生は何度受験しても同じ失敗を繰り返すことが多いので、もし私が今年の司法書士試験が不合格で来年受験することになっても、正直なところ"ライバル"とはなり得ません(恐るるに足りません)。


それよりも、来年の受験に向けてしっかり自己分析し、着々と準備を進めている受験生はやはり強敵ですね。


漸く課題解決法が見つかって、今の私はまだ勉強法を確立する段階ですので、担当の姫野寛之先生がどのようにテキストをまとめ、どのような筋道で、どのような表現で講義されるのかを把握する訓練をし、同時に、私ならこういう筋道を立てて表現するなどと考えながら、講義を能動的に受講していきたいと思います‼️


【予習の必要性】

受験指導校の講座を受講するにあたり、復習は当然するとして、予習は必要ないと仰る講師が大半です。そして、私も初受験の時は予習をすることなく講義を受講してきました。


でも、これこそが受動的学習態度の最たるもの。

初学者は兎も角、2年目の私は「上級総合本科生」講義の予習として、テキストをざっと一読して理解できている分野とそうでない分野を明確にした上で、自分なりのまとめをします。


そして、講義では予習段階で理解が不十分な分野を特に集中して受講したいと思います。


【我妻榮先生の勉強法】

亡き我妻榮先生の古典的名著、「民法案内」

第1巻の巻末附録には「私の試験勉強」と題して、先生御自身のの勉強法を綴った頁があります。


先生の勉強方針を一言で言えば、徹底的に理解すること。本書には、「私は、入学試験勉強としては、中学の3年からの教科書を全部集めて詳細・正確に復習することをその中心とした。受験のための参考書は、その時分にも、むろん沢山あったが、私はほとんど見なかった。狭く深く、徹底的に理解する。これが私の一生を通じての勉強方針といってもよいかもしれない」とあります。


上述の通り、私は"理解"に対する認識が甘かったと痛感しました。


このように、先生の勉強への取組姿勢や勉強法には、時代を越えて見習うべき点が多々あります。