こんにちは。
Q&Aです。
Q
「夜なかなか眠れず、不眠です。
不眠症で病院に行き、睡眠導入剤などを
いろいろ変えても、効果がないです。
やはりなかなか眠れない…。」(Jさん)
A
そういうこともありますよね。
薬より、人間の心のパワーの方が大きいんだなあと思います。
もちろん、薬が役立つこともありますが。
これは私の推測ですが、
何かあったときに周囲の人に思いきり当たり散らす人、遠慮なく八つ当たりをする人は、眠れているのではないかと思います。
推測なので、ちがうかもしれませんが…。
一方で、
まじめで優しくて、人を傷つけたくない人、八つ当たりしないように自分を抑える人は、つらい気持ちを自分一人で抱えることが多いのではないでしょうか?
優しい人ほど、心の中につらい気持ちが残っているのではないかと思うのです。
信頼できる人に少しは話すかもしれないけれど、
それでも、思いきりぶちまけることはなかなかないかもしれません。気を遣って、途中までしか話さなかったりするのではないでしょうか?
それに、一般的にも
暗い話、重い話、ネガティブな話は避ける傾向がありますよね。
「相手を困らせないように」と思いやったり、
場の空気をこわさないために。
明るい話、軽い話、ポジティブな話はしやすいけれど。
でも、人生は明るいこと、楽しいことばかりではないですよね。
つらいこと、悲しいこと、憤ること、しんどいことも少なくないです。
つらいときに感じた気持ちに「フタをして」耐えていると、
そのフタをするためにエネルギーを使います。
なかなかリラックスできません。
気を抜いたら、フタが開いてしまうから。
無意識に緊張状態が続いたりします。
緊張すると、肩がこりませんか?
肩がこっていると、首や脳の血行が減ってしまい、
眠りが浅くなったり、眠りにくいことがあります。物理的に。
肩こりを解消すると、眠りが深くなります。
運動や、ケア(マッサージや鍼灸など)をして
肩こりを解消すると、眠りやすくなります。
もしもつらい体験があったとしたら、
(たいていの人はあるのでは…)
「つらさをガマンして耐えている気持ち」「ネガティブな気持ち」を、安心して話せる場があると、とてもいいです。
最近のことはもちろん、
ずっと昔のことでも。何十年も前のことも大事です。
心の中にはずっとあるからです。
「話す」ことは「手放す」こととなって、
心が軽くなっていきます。
何年か前に、
精神科医の蟻塚亮二先生の講演会を聞きに行ったことがあります。
蟻塚先生は、
投薬しても改善しない不眠、うつ、統合失調症などのご高齢の人に、
「戦争のとき、どこにいたの?」とたずねて、話を聞くそうです。
そうすると、不眠などの症状が改善したそうなのです。
たとえば、車いすに乗っていた人がスタスタ歩くようになったりするほど、回復に効果があったそうです。
それは大切な視点だなあと思いました。
戦後に生まれて戦争を直接体験していない人も、
子ども時代、学生時代に何かあったかもしれません。
50代、60代、70代になってから、症状が出てくることもあるそうです。
子どもが大きくなったり、ある程度、社会的責任を果たして気を抜いたころに。
あるいは、何十年もこらえてきたことが、いよいよ持たなくなってくるころに。
記憶を抑えこんで思い出せなくても、症状に出ることがあります。
その場合も、「この症状の原因を知りたい」と自分でハッキリ決めると、ヒントが現れます。
心は、「気づいてほしい」と本当は思っているような気がします。
気づかないと心や体の健康にも影響があったりしますし、
知らないふりをされたままというのは、悲しいですから。
自分で、自分の気持ちを孤独にしてしまうような。
(やむを得ないほどのつらさがあったからですが)
安心できる場で聴いてもらうことができたら、
自分の中のこらえていた気持ちが出てくる可能性があります。
・プロのカウンセラーにかかる
(1時間1万円くらいするかも。
でもいいカウンセラーなら、行く価値があると思う。
体の症状で病院に何回か行ったら、1万円くらいします)
・自助グループやピアカウンセリングの場に参加する
(安いです。会場費のみだったり、無料の場合もある)
・似たような体験をした人の本を読む、ドラマやアニメ、映画を見る
(思い出せなくても、泣ける作品は役に立っています)
・電話相談、こころの相談のようなところに電話して話す
(たいてい、無料です)
・紙に体験や気持ちを書き出す
(自分一人でもできます)
・絵に気持ちを描き出す
(上手でなくていいです)
・似た感覚の音楽を聴く、歌を聴く、自分で歌う
(音楽や歌は、心のマッサージになる気がします)
「あまり気持ちを話すのは得意ではないな」という場合も、
・1時間~2時間くらい散歩をすること、
・海や山、川など、自然の風景をゆっくり見ること、
・少し汗をかくくらいの、軽い運動をすること、
・手芸や木工、掃除、草むしりなどの手作業をすること、
も心のケアになります。
気持ちが洗われて、スッキリしてきます。
いちばん効果が高いのは、
安心できる場で「話を聴いてもらうこと」「気持ちを聴いてもらうこと」ではないかと、個人的には思っています。もし、可能であれば。
ムリはしないでいいのです。
ずっとガマンしてきたことを話すと、
その後に心が揺れ動くことがあります。
そのケアのために、少なくとも何回か(何ヶ月かの期間で)、継続して話せる場があると安心です。
私自身も、自分の気持ちを聴いてもらう作業を、ずっとしています。
いろいろな心理系の講座やワークショップに参加したり、カウンセリングをしたり。
聴いてもらうと、
つらかった人はだんだん元気に、
そんなにつらくなかった人は、ますます元気に優しくパワフルになります。
だれにとっても役に立つのです。
心を大切にすると、
不眠や、体の症状が軽快することがあります。
次に、生物的な話をします。
朝は7時くらいには、カーテンや雨戸を開けて、光を浴びるとよいそうです。まだ、布団で寝ていてもいいですから。
光を浴びると、その十数時間後にメラトニン、眠りのホルモンが出るそうです。
「寝ていて、カーテンを開けられないよ」という場合には、その専用のライトも市販されています。
・朝、光るライト。
どの商品がいいかわからないけど、いっぱい類似品があります
寝るためにアルコールを飲む人もいます。
でも、アルコールは、一時的に眠くなりますが、眠りを浅くして、睡眠の質は落とすそうです。夜中や明け方に目が覚めやすくなったり。
スマホやパソコン、テレビのブルーライトは、神経を覚醒させて、
睡眠を妨害するそうです。
寝る前の2時間くらいは、見ないほうがいいそうです。
現代は、なかなかむずかしいかもしれませんが…。
(私もつい、見てしまうことが多いです)
関連記事
・蟻塚亮二先生の講演会のレポート
本
「戦争とこころ 沖縄からの提言」
(蟻塚亮二 著 沖縄タイムス社)
「うつ病を体験した精神科医の処方せん」
(蟻塚亮二 著 大月書店)
「3.11と心の災害 福島にみるストレス症候群」
(蟻塚亮二 著 須藤康宏 著 大月書店)
「統合失調症との付き合い方 闘わないことのすすめ」
(蟻塚亮二 著 大月書店)
また、
「心の仕組み」「回復の仕組み」をくわしくお伝えしています。
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