驚くべき女性週刊誌の稚拙偏向記事
2月22日
昨日一昨日と、NHKと朝日新聞の政治的偏向報道のひどさに触れました。
かなり前の記事ですが、消費税増税を容認するしかないと、もっともらしい経歴の御用学者に語らせている女性セブン、女性週刊誌の政治偏向記事を紹介したいと思います。
テレビなどへの出演も多い、元銀行出身の御用学者の話として、とんでもない記事を展開しています。
女性セブンと言えば、集英社の女性雑誌で、集英社は週間ポストも出版しているから、文芸春秋や新潮社と比較すれば政治偏向の度合いは少ないと感じていましたが、こんな有害な記事を書くのは意外です。
こんな記事を書くぐらいなら、もっと得意なジャンルの芸能人のスキャンダルをもっと書いたほうが良いと思います。
国債を全て返済するには消費税63%にする必要ありと専門家
子ども手当が廃止されることが決まり、今後、家計はさらなる負担増に襲われそうだ。というのも、現在、国の財政は破綻寸前といわれているのだ。財政問題に詳しい東京福祉大学大学院教授の水谷研治さんが警告する。
「いま日本の国家予算は約80兆円ですが、収入にあたる税金は40兆円しかありません。つまり、半分は借金して賄い子供や孫の世代に回しているんです」
財務省の発表によると、積み上がった「国債」(=国の借金)は過去最大の924兆3596円に達する。現在の税収の23年分で、国民ひとり当たりに換算すると722万円になる。仮に金利が1%とすると、借金の利息を返すだけでも年間9兆円という莫大な支払いになる。さらに高齢社会の進行で、医療、介護、年金といった社会保障費が年間1兆円ずつ増えていく。
「これらの借金は増税で返すしか道はありません。所得税や法人税より安定して公平な消費税で納めざるを得ないでしょう。私の試算では、すべての借金を返すには消費税を63%にする必要があります。そこまでいかずとも、いずれ大増税はまぬがれないでしょう」(水谷教授)
すでに目の前の問題として、震災復興に必要とされる13兆円が、増税によって賄われることが決まっている。10年間の期間限定とされるものの、そのために早ければ来年から所得税率が5~10%程度上がり、一般家庭にとって数万円の増税になる。
水谷教授がいう借金返済はさらにその先の話であり、つまり、家計にとってはこれから大増税の時代がやってくるのだ。
※女性セブン2011年9月8日号
女性週刊誌を馬鹿にするわけではないけれど、さすがにレベルは高いとは言えず、消費税容認を世論誘導する、まさにTPRの記事としては、よくある典型的な内容になっています。
ますこのインチキ学者が許せないのは、国家予算を80兆円で税収40兆円と、一般会計だけを取り上げて話をしているところです。
何度も書いていますが、日本は一般会計以外に、特別会計と言うものがあって、規模は一般会計の数倍もあり、この中に、官僚利権に塊ともいえる余剰金などが存在しています。
国家予算と言うのであれば、一般会計と特別会計を足した話をしないと、議論が成り立たないのに、このような話の展開は、大マスコミもよくする手法で、国民を馬鹿にした代表的なインチキ話の一つです。
さらに、国債残高が1000兆円近くもあって云々の話ですが、ここにも大きな情報操作が入っています。
そもそも、国債と言っても種類があって、よく使われる数字に、2011年度末の政府の借金残高(国債残高)は894兆円と言うのがありますが、まずは、この政府債務の中に、返済原資が厳しくチェックされ、事業も限定されている地方政府の分の201兆円含まれています。そもそも、この部分に破綻の懸念はなく、894兆円から201兆円を引いた693兆円が問題になるのです。さらに、この中にも問題となる赤字国債以外に、実質的に法律で60年返済が認められているインフラ整備のための建設国債が存在しています。
建設国債は債務に見合う資産が存在しているから健全ですが、赤字国債は資産への投資と言うことではなく、経常的な支出に使われてしまうから、借金に見合う資産を形成されないため、この部分が将来へのつけを回す問題の国債になるのです。
つまり、この御用学者が指摘する将来へのつけというのなら、まさにこの赤字国債の部分のみを問題視するのがまっとうな話のはずです。
そして、規模を言うと。中央政府の債務の693兆円の中で、建設国債は大まかな数字で言えば251兆円で赤字国債は391兆円となっています。
つまり、このような財政の懸念の問題になるのは、まさにこの391兆円の赤字国債の部分で、問題にしなければならないのはこの部分です。
さらに、日本政府は2010年度末で694兆円もの資産を持つ、世界的に見ても類を見ない規模を持つ経済主体であることと比較しなければならないのは常識だと思いませんか?
それこそ、通貨発行権や徴税権を持つ国家財政の話を、そんな権利を持ち合わせない家計を例にたとえる滅茶苦茶な議論がありますが、あえて普通の会社の話にたとえれば、債務の額だけで、やばい企業を見るような馬鹿げた話はありません。
もし、私のようなコンサルタントで、借入期の額だけ見て、やばい企業と思うコンサルタントがいたとしたら、このコンサルタントは相当なヘボです。
同じ1億円の借金があっても、預金が1000万円しかない会社と、預金が2億円ある会社なら、前者は経営に対する懸念が存在しても、後者に経営の不安を感じる馬鹿はいないはずです。
だから、純粋な意味での借金である391兆円と694兆円にも上る資産の存在触れずに、ことさら日本の財政危機をあおるのは、本当に国家反逆罪のような法律がこの日本に存在すれば、このインチキ学者など、直ちに風評被害を与える人物として逮捕されても当たり前と思うぐらい悪質さを感じます。
とにかく頭にくるのは、この水谷研治がこんな私のような浅学の馬鹿から批判されるような馬鹿であるはずもなく、この男が財務省のTPR(増税PR)のために国民をだますための情報発信をしていることが分かるところです。
そして、極めつけのところは、「借金を返すには消費税を63%にする必要があります」という大暴言です。
この話の根拠は、今の消費規模に63%の消費税率を掛け合わせたもので試算していると思いますが、それでなくても景気が悪いのに、ここで、58%も消費税率を上げたら、今の消費額がそのままで推移するはずもなく、このようなこの世にありえないような試算によって、国民を脅す悪質さには、まったく唖然としてしまいます。
この辺りは読者の方にも、ご自分で本やサイトなどでお調べいただくといいと思いますが、歴史上も理論的にも、増税によって中長期的に財政再建を果たした国の事例はありません。
当たり前ですよね。消費税に限らず増税をすれば消費が小さくなりGDPも縮小するから、当然税収も下がってしまい、財政状況が良くなるどころか悪化するのは常識です。
これも水谷なら知らないわけがなく、本当に学者の良心もくそもないくだらないやつと、心から軽蔑してしまいます。
よく取り上げられる話では橋本政権が2%の消費税増税をした結果どうなったか?
これもお調べいただくと良いと思います。
女性週刊誌にまで、こんな御用学者の妄言が書かれている今の日本。
本当に邪悪なやつらに汚染されていると思います。
間違っても、この水谷研治の本など絶対に買わないようにしたいものです。
そして最後に言いたいのは、デフレの日本で消費税増税と言うインフレ政策を不退転の決意でしようとする野田の頭は相当おかしいとしか言えません。
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