ロココ美術 1

ロココ美術に入りますニコニコ音譜

 

【資料】

18世紀の初頭からフランス革命の頃まで、フランスを中心とした欧州美術は総称してロココと呼ばれます。フランスでは、ルイ14世時代の国家美術主義から解放されたような優美さと洗練、装飾性を極めたスタイルが流行しました。一方で、北方絵画を学び、市民の日常を主題とした画家も現れます。この時期には室内装飾が円熟期を迎え、ヴェルサイユやパリにロココ様式の装飾を持つ建築が建てられました

 

 

Q.61

以下のロココ絵画と作者の組み合わせのうち、正しいものは?

① 《ヴィーナスの勝利》 - フラゴナール

② 《父の呪》 - グルーズ

③ 《シテール島の巡礼》 - ヴァトー

④ 《食前の祈り》 - プーシェ

 

シテール島の巡礼 ヴァトー

1717年 ルーブル美術館 PD

 

 

 

答え ③ 《シテール島の巡礼》- ヴァトー

 

アントワーヌ・ヴァトーキラキラ

(1684-1721)

ヴァトー

1721  PD

 

 

ロココ様式の初期に活躍ビックリマーク

 

明るい色彩

優雅で軽やかな作風で

ロココの絵画スタイルを決定づけた画家ですキラキラ

 


17世紀の厳格な古典主義に反発するように

18世紀のフランスでは

ロココ美術が誕生します音譜

 

「ロココ」の由来は

装飾用語の「ロカイユ」目

 

もともとは16世紀の庭園に造られた

人工洞窟にはめ込まれた

小石や貝殻の装飾を表す言葉ですビックリマーク

 

曲線軽やかな色彩

装飾的優美貴族主義の様式ですキラキラ

 

 

シテール島

愛の女神ヴィーナスが流れ着いた場所で

女神と愛の聖地ラブラブ

 

この島を独身者が巡礼すると

よい伴侶に出会えるといわれ音譜

 

この作品は

若い男女が巡礼を終えて

帰路につくまでの様子が描かれています

 

 

ヴァトーはこの作品によって

雅宴画(がえんが)の画家」として

アカデミー入会を認められていますキラキラ

 

「雅宴画」とは

男女が戸外で楽しむ愛の宴の情景ラブラブ

上流社会の風俗や

貴族趣味を反映したものです

 

 


 

 

Q.62

下図を描いた画家についての説明として、ふさわしいものは?

①生涯のほとんどをパリから離れず、台所の什器類や中産階級の日常的な主題を、厳しい造形性と豊かな詩情で描き出した。

②「フェート・ギャラント」というジャンルを、サロンに生み出した。

③宮殿などの装飾からタピストリー用の原画、セーブル陶器のデザインまで、多様な分類で才能を発揮し「万能の職人」と呼ばれた。

④時代の趣味に応え、パステル画の即興性と精緻さで、肖像画の新境地を拓いた。

 

シャルダン 市場帰り

シャルダン 《市場帰り》 

1739年 油彩・キャンヴァス 

47x38㎝ ルーブル美術館 PD

 

 

答え ①

生涯のほとんどをパリから離れず、台所の什器類や中産階級の日常的な主題を、厳しい造形性と豊かな詩情で描き出した。

 

ジャン=パティスト・シメオン・シャルダンキラキラ

(1699-1779)

自画像 

1771年 ルーブル美術館 PD

 

 

ロココ隆盛期に活躍ビックリマーク

 

静物画風俗画の需要の高まりに答えました音譜

 

ヴァトーのような

まさにロココ的な華やかさはないですが

 

繊細なタッチや

ぼかしの効果を使った彩色法

やわらかな光の表現などキラキラ

 

オランダ絵画に影響を受けた写実描写

 

温もりや優しさを感じる

静謐な絵を描いています照れキラキラ

 

 

《シャボン玉》 

1734 メトロポリタン美術館 PD

 

 

 

 

 

 

出題:美術検定2級問題集ー応用編:アートの知見を広げる 美術出版社 2019

参考図書

改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト (株)美術出版社 2019

続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018

増補新装 カラー版 西洋美術史 美術出版社 2021

芸術教養シリーズ6 盛期ルネサンスから十九世紀末まで 西洋の芸術史 造形篇II 水野千依編 幻冬舎 2013