Q.314
2006年に東京都現代美術館が企画した、1960年代末から70年代生まれの作家たちによる日本画を一堂に集めた展覧会は?

① 「日本画から/日本画へ」展

② 「日本ゼロ年」展

③ 「ネオテニー」展

④ 「ひそやかなラディカリズム」展

 

 

 

 

答え ① 「日本画から/日本画へ」展

 

「MOT アニュアル2006 No Border 『日本画』から/『日本画』へ」展

 

ゼロ年代(2000年代)の

多様で新しい日本画の登場を告げる展覧会ですビックリマーク

 

 

出品作家は7名

 

篠塚聖哉 天明屋尚 長沢明 町田久美

松井冬子 三瀬夏之介 吉田有紀 

 

当時30代の若手画家が参加しました音楽スペクトル

 

 

 

 

 

 

「日本画」といえば

膠や岩絵の具 墨といった

日本伝統の画材と技法を用いて描かれたもの

と思いますが

 

新しい世代の画家たちは

装飾  余白  描線  情緒  見立

といった日本画的表現を取り入れながら

 

他の表現や画材

こだわりなく取り入れて

 

現代美術  洋画  日本画といった

分類にこだわらない新しい画風をもたらしましたキラキラ

 

 

日本画の現在のあり方を世に問う

画期的な展覧会でした目

 

 

 

 

篠塚聖哉(しのつか せいや/)

故郷の原風景をモチーフとした半抽象的な絵画

指を使って描く

 

 

 

天明屋 尚(てんみょうや ひさし/1966~)

現代風俗を取り入れた日本画

 

 

 

長沢 明(ながさわ あきら/1967~)

虎をモチーフ

伝統的な手法にとらわれず制作

 

 

 

町田久美(まちだ くみ/1970~)

ストイックな童子

不気味なかわいさ

 

 

 

松井冬子(まつい ふゆこ/1974~)

女性や動物 幽霊などをモチーフに
恐怖や狂気を感じる作品

 

 

 

三瀬夏之介

アクリル絵具やコラージュなど

様々な手法を取り込む

繁殖的に結合させたモチーフを描写

 

 

 

吉田有紀(よしだ ゆき/1971~)

視覚芸術の分野を探求

 

 

 

 

東京都現代美術館のこの「MOTアニュアル」

 

若手アーティストの活動を通じて

現代美術の潮流のひとつを紹介し

 

問いかけや議論のはじまりを

引き出すグループ展として

 

1999年より毎年開催されていますキラキラ

 

 

 

 

 

出題:知る、わかる、みえる 美術検定2級問題[応用編 intermediate] 美術出版社 2021 

参考図書

アートの裏側を知るキーワード 横山勝彦+半田茂男監修 美術出版社 2019

芸術教養シリーズ8 アジア・アフリカと新しい潮流 近現代の芸術史 造形篇II 林洋子編 幻冬舎 2013

 

 

 

 

ダイヤオレンジ西宮市大谷記念美術館  8/13~9/25

「2022 イタリア・ボローニャ 国際絵本原画展」

世界で唯一の児童書専門の国際見本市「ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア」で行われたコンクール入賞作品を紹介キラキラ今年は日本人4人を含む29カ国78人が入選音譜

このコンクール 5点1組のイラストを用意すれば誰でも応募できる公募展のようですよウインクビックリマーク

​​​​​

 

Q. 313
2002年のドクメンタ11でアーティスティック・ディレクターを務めたのは?

① ホウ・ハンルゥ

② 中森康文

③ オクウィ・エンヴェゾー

④ 片岡真実

 

 

 

 

答え ③ オクウィ・エンヴェゾー(1963~2019)

 

Bengt Oberger, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Okwui_Enwezor_01.JPG 

 

 

ナイジェリア人のキュレーター キラキラ

 

エンヴェゾー

ドクメンタ」初

非欧米圏出身の芸術監督を務めましたビックリマーク

 

 

ドクメンタ

ドイツの小都市カッセル

5年に一度開催される

大規模な現代美術の国際展キラキラ

 

 

以前

ドクメンタ7(1982年)で ヨーゼフ・ボイス

「7000本の樫の木プロジェクト」が問題にでてきましたね(Q.172)ウインク

 

 

 

2002年の「ドクメンタ11」では

エンヴェゾーがアートディレクターを務め

 

都市化 植民地主義などをテーマ

非欧米圏出身の作家が数多く参加しました音譜

 

 

 

 

 

 

 

 

参加した作家

 

シリン・ネシャット(1957~)

イラン出身女性映像作家キラキラ

 

 

 

 

インカ・ショニバレ(1962~)

ナイジェリア系イギリス人音譜

 

 

 

他 全部で117人ものアーティストが参加していますキラキラ

 

 

 

21世紀に入ると

アフリカの美術も不可欠の存在となり

世界各地で展覧会が開かれるようになります音譜

 

 

 

 

 

出題:知る、わかる、みえる 美術検定2級問題[応用編 intermediate] 美術出版社 2021 

参考図書

続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018

芸術教養シリーズ8 アジア・アフリカと新しい潮流 近現代の芸術史 造形篇II 林洋子編 幻冬舎 2013

 

Q. 312
「マイクロポップ」についての説明として、適切なものは?

①精神科医で現代美術コレクターの高橋龍太郎が示した、1990年代以降の作家の傾向

②1950年代末から1960年代に生れた作家に見られる傾向

③東京都現代美術館で展覧会が開催された

④展覧会には、奈良美智、杉戸洋、島袋道浩、野口里佳などさまざまな作家が選ばれた

 

 

 

答え ④
展覧会には、奈良美智、杉戸洋、島袋道浩、野口里佳などさまざまな作家が選ばれた

 

 

マイクロポップとは

美術評論家の松井みどりが提唱した

新たな芸術概念 目

 

松井みどり(1962~)キラキラ

 

 

答えの解説では

 

マイクロポップとは

独自の脱線や言い換え、表現コードの組み替えを行い、既存の表現の限界を超えて新しい表現をつくっている想像力のありかたを指します。1960年代末以降生れの作家に見られる傾向です。

(『美術検定2級問題集』 解説 p.175)

んん…目

 

 

さらに別の解説では

主要な文化ではなくマイナーな位置にある人々の創造性に着目し、「制度的な倫理や主要なイデオロギーに頼らず、さまざまなところから集めた断片を統合して、独自の生き方の道筋や美学を作り出す」表現を「マイクロポップ」と定義した。

(『続 西洋・日本美術史の基本』 p.142)

んん…目

 

 

歴史的、社会的な思想や制度に頼らず

自らのこれまでの知識を組み合わせて

新しい独自の美意識をつくりだそうとする姿勢キラキラ

 

ってことですね…キョロキョロ!?

 


2007年 松井みどり

水戸芸術館 現代美術ギャラリーで

「夏への扉 マイクロポップの時代」展

企画・開催音譜


こちらで少し展示の様子がわかりますキラキラ

 

 

 

 

出品作家は

 

奈良美智(なら よしとも/1959~)

奈良美智

Hsinhuei Chiou, CC BY-SA 4.0 <, via Wikimedia Commons

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Yoshitomo_Nara_Yokohama_2012.jpg

 

 

 

 

杉戸洋(すぎと ひろし/1970~)

 

 

 

落合多武(おちあい たむ/1967~)

 

 

 

島袋道浩(しまぶく みちひろ/1969~)

 

 

 

野口里佳(のぐち りか/1971~)

 

 

など

ドローイング写真 インスタレーション

作家15人の新旧作品250点が展示されました音譜

 

 

日常の出来事だったり

ちょっとした視点のずれや

子どものような想像力など

マイナーな視点による表現は

1960年代以降に生まれた作家に見られる傾向ですビックリマーク

 

 

 

ここのところの いろんな概念

わかったようでわからない……キョロキョロあせる

 

 

 

 

 

出題:知る、わかる、みえる 美術検定2級問題[応用編 intermediate] 美術出版社 2021 

参考図書

改訂版 西洋・日本美術史の基本 美術検定1・2・3級公式テキスト 美術出版社 2019

続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018

芸術教養シリーズ8 アジア・アフリカと新しい潮流 近現代の芸術史 造形篇II 林洋子編 幻冬舎 2013

2000年代に入ります音譜

 

Q. 311
「スーパーフラット」の概念として、適切なものは?

①日本古来の自然に即した造形精神を示す

②伝統的な日本絵画とアニメ、漫画に共通する構図から見出された概念である

③公共空間で、無許可かつ匿名で行われる表現行為を示す

④幼児性とともに、脆弱性や華やかさ、愛らしさなどを特徴とする表現を示す

 

 

 

 

答え ②
伝統的な日本絵画とアニメ、漫画に共通する構図から見出された概念である

 

「スーパーフラット」

現代美術家の村上隆が提唱した概念ビックリマーク

 

「超平面」ともいわれますキラキラ

 

 

村上隆(1962~)は

つい先日も出てきましたねウインク

 

村上隆

Sodacan, Public domain, via Wikimedia Commons

 

シミュレーショニズムの影響を受け

1990年代の日本では

 

特撮映画 や プラモデル 

漫画 や アニメ など

戦後の「おたく文化」を通して

「ネオ・ポップ」が台頭キラキラ

 

その先駆となったのが村上隆

キャラクターフィギュアプロジェクトなどの

作品を展開しました音譜

 

 

 

 

そして

1990年代末から2000年頃

「スーパーフラット」というコンセプトを提起しますビックリマーク

 

村上自身は東京藝大で日本画を専攻しており

 

やまと絵や水墨画などの伝統的な日本絵画

現代の和製マンガアニメーション

 

ともに平面的余白が多く

遠近法をあまり使っていないところに注目目

 

その構図を日本美術の優位性として

海外のアートシーンに

戦略的に発信していきましたキラキラ

 

 

2000年 「スーパーフラット」展を開催

海外への巡回展もはたします音譜

 

 

 

 

日本美術史やオタク文化を

都合よく解釈しているだけとの批判もあるようですがあせる

 

現在の村上隆高い評価

この概念による問題提起の成果でもあるようです 目

 

 

 

 

こちらも参考にキラキラ

 

 

 

 

 

 

出題:知る、わかる、みえる 美術検定2級問題[応用編 intermediate] 美術出版社 2021 

参考図書

続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018

芸術教養シリーズ8 アジア・アフリカと新しい潮流 近現代の芸術史 造形篇II 林洋子編 幻冬舎 2013

 

 

 

 

 

ダイヤオレンジ国立新美術館  8/10~11/7

「国立新美術館開館15周年記念 李禹煥」展キラキラ

「もの派」を代表する李禹煥(リ・ウファン)の 東京では初めての規模な回顧展音譜

 

 

Q.310
日本美術のあり方にも大きな影響を与えた、ニコラ・ブリオーの著作はどれ?

① 『関係性の美学』

② 『オリジナリティと反復』

③ 『第三の意味』

④ 『反美学』

 

 

 

 

答え ① 『関係性の美学』

 

 

ニコラ・ブリオー(1965~)キラキラ

ニコラ・ブリオー

Luis Alvaz, CC BY-SA 4.0 ,via Wikimedia Commons

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Nicolas_Bourriaud_en_el_MECA,_Aguascalientes,_M%C3%A9xico_05.JPG

 

フランス出身の美術評論家・キュレーター

 

 

ブリオ―は1998年に

著書『関係性の美学』を出版本

 

その中で

リレーショナル・アートに触れています音楽スペクトル

 

 

「リレーショナル・アート」とは

 

観客との関係性

作品を生み出す目的や

公共性といった社会との関係など

 

関係(relation)を重んじる芸術作品の総称ですキラキラ

 

 

作品の内容や形式よりも

制作過程で生じる周囲との接触による関係

の方に重点がおかれていますビックリマーク


 

その関係の存立には

「ユーザー・フレンドリー」(誰にもわかりやすい)や

「インタラクティブ」(相互作用のある)などの

要素があげられ

 

中でも

作品と観客との間に1対1ではなく

集合的な関係を設定しようとした

「コレクティヴな出会い」

重要な要素としていますキラキラ

 

 

 

今日では 最初の定義を超えて

新しいタイプの作品

コミュニティ・アートなどにも

理論的な後ろ盾とし援用されているようです目

 

 

 

 

代表的な作家

 

リクリット・ティラヴァーニャ(1961~)

展示会場に屋台を設営し

観客に食事を振る舞う音譜

 

 

 

 

フェリックス・ゴンザレス=トレス(1957~96)

エイズで亡くなった恋人を悼む作品を制作
自信もエイズで亡くなっています

積まれたキャンディやクッキーなど
来場者は自由に持ち帰ることができるキャンディー

 

 

 

 

 

 

 

 

出題:知る、わかる、みえる 美術検定2級問題[応用編 intermediate] 美術出版社 2021 

参考図書

続 西洋・日本美術史の基本 美術出版社 2018

芸術教養シリーズ7 欧米のモダニズムとその後の運動 近現代の芸術史 造形篇I 林洋子編 幻冬舎 2013

参考URL

アートスケープ 現代美術用語辞典 1.0  リレーショナル・アート

https://artscape.jp/dictionary/modern/1198634_1637.html 20220809 閲覧

アートスケープ 現代美術用語辞典 1.0  『関係性の美学』N・ブリオー

http://artscape.jp/artword/index.php/『関係性の美学』N・ブリオー 20220809 閲覧
ニコラ・ブリオー「21世紀の関係性のランドスケープ:人間的そして非人間的領域の狭間におけるアート」

http://ga.geidai.ac.jp/2017/12/25/bourriaud/ 20220808 閲覧