気まぐれ厨房「親父亭」 -51ページ目

気まぐれ厨房「親父亭」

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落語に見る食の風景~「青菜のおひたし」

   万葉の時代から日本人の大事な食材

   1年を通じて安価に入手でき、栄養豊富です
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「青菜」…青い菜の総称ですから春の七草をはじめとして、太古の昔から私たちの先祖が食べてきたものです。

農作物の直売所などで、葉がついたまま売られている大根や蕪などがあります。

レジで支払いをすませた後、わざわざ葉っぱを切り捨てて帰る人をよく見かけますが、何ともったいないことをと、いつも思います。


冷蔵庫もなけりゃエアコンなんてものも全然ない時代…人々はいろんな工夫をして「涼」を演出したものです。簾、風鈴、団扇に浴衣、打ち水、縁台、吊りしのぶなど、みんな懐かしいですね。

「ツリシノブ?何、それ」って言う人が多くなったかもしれません。

竹や針金を芯にして山苔を巻きつけた上に、シノブというシダ類の根茎を植え付けてさまざまな形に仕立て、風鈴と同じように縁側の鴨居などにぶら下げていたものですが、最近は本当に見かけなくなりました。

先人は視覚や聴覚に訴えて、涼しく感じる努力をしていたのだと思います。

味覚のほうでも然り…氷なんて物は貴重品ですから、野菜や果物、お茶やお酒も井戸の水でしっかり冷やしていました。

京都では葛きり、葛饅頭、水羊羹に冷やし飴(飴湯を井戸水で冷たくした物)などが、各地の名物となっています。

アユやハモの料理、鯉の洗いななども、見た目に涼やかな夏らしい料理です。



さて、そんな暑い日の昼下がり、お屋敷の縁側と植木屋の家が舞台の「青菜」という落語があります。

陽射しが強く暑い日の午後、植木屋があるお庭で仕事をしていると、その屋敷の主人に声をかけられます。

「植木屋さん、ご精がでますな」

植木屋は一休みすることにして、その後主人と縁側で一杯やることに…。

酒は上方の柳影といわれて「いやーこんな銘酒を、ありがてえ」と何も知らない植木屋は褒めますが、実は「直し」という安酒です。

冷たくした酒ですっかりいい心持ちになり、鯉の洗いもご馳走になります。

「時に植木屋さん、菜をおあがりかい?」

「へい、大好物で」

というので、主人が奥に向って青菜のおひたしを持ってくるように声をかけます。

すると次の間から奥さまが顔を出して、

「だんなさま、鞍馬山から牛若丸が出まして、名を九郎判官(くろうほうがん)」と妙なことを言います。すると主人が「義経にしておきな」と、これもまた訳のわからぬ返事をします。

実は菜は食べてしまってもうないから「菜は食らう=九郎」「それならよしとけ=義経」という意味。

他人の前で「あいにく切れてしまった」などと言うと、主人に恥をかかせることになるので掛け言葉の符丁を使ったというわけです。

これに感銘を受けた植木屋は、早速帰って女房にそのことを話し、自分の家でも同じようにやろうと決め込みます。

「やい、これこれこういうわけだが、てめえなんざ、亭主のツラさえ見りゃイワシイワシって言いやがって…。お屋敷の奥さまは違うぞ。同じ女ながら、こんな行儀のいいことはてめえにゃ言えめえ」

「言ってやるから、鯉の洗いを買ってみな」と、もめているところへ大工の熊さんがやってきます。

よし、ウチでも同じようにやってみようと、女房を無理やり次の間ならぬ押入れに詰め込んで熊さんを迎えます。

突然「たいそうご精がでるねえ」ときたもんで、熊さんは驚きます。

「青い物を通してくる風が、ひときわ心持ちがいいな」

「青いものって、向こうにゴミためがあるだけじゃねえか」

「あのゴミだめを通してくる風が……」

「変なものが好きだな、てめえは」

「大阪の友人から届いた柳影だ。まあおあがり」

「ただの酒じゃねえか」

「さほど冷えてはおらんが」

「燗がしてあるじゃねえか」

「鯉の洗いをおあがり」

「イワシの塩焼きじゃねえか」

「時に植木屋さん、菜をおあがりかな」

「俺は大工だよ。植木屋は、てめえだ」

「菜はお好きかな」

「大嫌えだよ」

「タダ酒飲んで、イワシまで食って、今さら嫌いはねえだろう。ここが肝心だから、頼むから、食うと言ってくれ」と泣きつかれ、

「しょうがねえ。食うよ」と熊さん。

待ってましたとばかり手をたたいて「おーい、奥や」と言うと、押入れから汗びっしょりになった女房が飛び出してきて、

「だんなさま、鞍馬山から牛若丸がいでまして、その名を九郎判官義経」。

最後まで言われてしまった亭主は困って「うーん、弁慶にしておけ」

というばかばかしい噺です。


夏場に青菜のおひたし…さてどんなものでしょうか。菜の花や春菊はもう終わっています。

小松菜、三つ葉、ホウレン草などでしょうかね。

おひたしは最も手軽な調理法です。茹ですぎないようにして、水気を絞って一口大に切り、おかかや摺りゴマなどをかけお醤油でいただくのが一般的です。

お醤油にお出汁や煮きったみりんなどを加えたタレを作り、ゴマなどと一緒に和えてもいいですね。
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春に美味しい菜の花(左)と春菊(右)のおひたしです。
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同じく春の青菜のからし菜です。(左)(右)


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BENのブログ   初夏から夏場は三つ葉もいいですね。

決して茹ですぎないこと・・・シャキシャキっとした食感と、独特の匂いを楽しめます。



男の料理レシピ「アサリ御飯」

      アサリの出汁がしみこんで美味い

     アサリと三つ葉だけのシンプルさがいい
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<材料 3~4人分>

米 3合、アサリ 400g程度(なるべく大きなもの)、三つ葉 適量

~調味料~

醤油 大さじ1、白だしor薄口醤油 大さじ1、 みりん 大さじ1、酒 大さじ1、 塩 小さじ0.5

<作り方>

アサリは殻をこすり合わせてよく洗い、海水程度(3%)の塩水に浸けて十分に砂出しをしておく。釘や包丁などを一緒に浸けておくとよく砂を吐きます。

お米は洗ってザルに上げておく。
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700cc程度の水を沸騰させ、砂出ししたアサリを入れる。

アサリが全部開いたら火を止めて、アサリを引き上げ身だけを取り出す。

茹で汁は漉してボウルなどに移し、冷ましておく。

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茹で汁が冷めたら、炊飯器にお米を入れて冷めた茹で汁を560cc(柔らかいのが好きな人は600cc)入れてアサリの身を載せる。

調味料を加え、30分ほどおいてから炊飯のスイッチを入れる。

(調味料を入れてすぐに炊くと、お米に十分しみ込みません)

炊きあがったら、三つ葉を刻んで混ぜ込んで、出来上がりです。
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土鍋で炊くともっと美味しくなりますし、ほどよいお焦げを作ることができます。

アサリの出汁の風味が、たまりません。

男の料理レシピ「和風焼うどん」

      だし粉(魚粉)が決め手

     ソース味と違って、あっさりしています
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焼そば同様に、焼うどんもご当地B級グルメとして全国各地にあります。

北九州の小倉発祥だといわれていますが、調理法は焼きそばとほぼ同じで、麺が違うだけなので、各地で生まれたものと思われます。

うどんも乾麺を使ったり、細麺あり太麺ありです。

基本的には肉と野菜を炒めて、麺を加えてソースなどで調味したものです。

一般的には、ウスターソースや中濃ソースなどで調味しますが、醤油ベースの和風の味付けもなかなかいけます。今回はそちらを紹介します。

<材料 3人分>

茹でうどん 3玉、豚肉 200g、キャベツ 1/6玉、モヤシ 1袋、タマネギ 1/2個、ピーマン 1個

~調味料など~

サラダ油 大さじ2、塩&コショー 適量、醤油 大さじ5、白だし 大さじ2、みりん 大さじ2、酒 大さじ1、だし粉(魚粉) 適量、昆布茶 小さじ2
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<作り方>

モヤシは洗ってザルに上げておき、他の野菜は適当な大きさに切っておく。

うどん玉は水にさらしてザルに上げておく。

中華鍋(3人前はフライパンではちょっと無理かもしれません)にサラダ油を熱し、強火で豚肉を炒め、肉の赤味が取れたらモヤシ以外の野菜を入れてさらに炒める。
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そこで軽く塩&コショーをし、だし粉を適量(結構多めに)ふりかけて炒める。

全体にしんなりしたら、モヤシとうどんを入れて炒める。
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醤油、白だし(なければ醤油をその分量だけ増やす)、みりん、酒を入れ、最後に昆布茶をふりかけて鍋返しをして出来上がりです。

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紅ショウガの代わりに、自家製ガリをあしらっています。これがよく合います。

ソース味に比べるとあっさりしていますので、飽きがこない味です。

男の料理レシピ「新生姜の甘酢漬け」

    「夏は来ぬ」…季節感漂う新生姜

     ほんのり桜色でいい香り
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入梅前後、市場に新生姜が出回るようになります。

これを使って、「甘酢漬け」いわゆる「ガリ」を作ります。

寿司屋さんでお馴染みの「ガリ」…よほどの高級店でない限り、自家製の物が出されることはないでしょう。あるブログで寿司職人が「ガリ屋が手間無しの出来合いを、安く卸してくれますからね」と呟いています。

一般的なお店では「ガリ屋」なるものから調達、もっと大衆的なところになると、着色料なんぞをうんと使った「ガリもどき」が並んでいるかもしれません。

手間いらずで簡単ですから、自分で作ってみてはいかがですか。

お弁当の脇に添えたり、お寿司、焼き魚、お刺身などのあしらいにお洒落ですよ。

<材料>

新生姜 1パック(500gくらい)、酢 150cc、砂糖 120g、塩 小さじ1.5

<作り方>

生姜はいくつかに切り分けて流水できれいに洗います。土や皮のぬるっとした部分があったら取り去りましょう。先っぽの赤い部分は取らないでください。…この部分がほんのり桜色を出してくれます。
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くびれや隙間に土がいっぱい付いています。(左)

きれいに洗って、いくつかに切りおわけます。(右)
生姜の皮はむかずにスライスします。

スライサーを使うと便利ですが、切り口の細胞が破壊されやすく食感が悪くなるので、不ぞろいでもいいので包丁を使いましょう。

切り方は繊維に沿って縦であっても、逆に横であってもかまいません。シャキッとするのは横、少しやわらかくなるのは縦です。

親父亭は二通りに切って、両方一緒に入れています。

スライスしたら、塩(分量外)を軽くまぶして、15分ほどおきます。水に軽くさらしてザルに上げ、団扇などで風を送って水気を切ります。

それを3分間茹でます。

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その間に甘酢を作ります。

お鍋に酢、砂糖、塩を入れて熱し、砂糖と塩が溶けたところで火を止め、軽く混ぜて冷ましておきます。
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生姜の水気が十分に切れたら、容器に入れて甘酢を加えます。

そのまま3時間ほどすれば、ほんのり桜色になって味も馴染んで食べられます。
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漬けてすぐ夜10時頃。(左)

翌朝6時にはきれいな桜色になっていて、もう食べられます。(右)
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どうですか、着色料なしですが、自然な桜色になっていますよね。

美味しいですよ。さあ、新生姜を買って、お試しください。

男の料理レシピ「鯵のバター醤油焼き」

        野菜ではモヤシ、魚ではアジが価格の優等生

      年間通して店頭に並びますが、最盛期は春から夏
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真鯵(マアジ)はアジ科の代表的な魚で、年間20万トン前後の漁獲量があります。

産卵期が長いために、季節を問わず店頭で見かけない日はないといえるほどです。

産卵最盛期は西日本で1月~5月、東日本では5月~7月で、一般的には春から夏にかけて旬といえます。

価格も比較的に安定しており、刺身や焼き魚、煮付けにフライ、素朴なところではなめろうなど、どんな料理にも合う優れものです。干物にしても美味しいですね。

アジにはビタミンA・B・E、カルシウム、カリウム、タウリンなどがバランスよく含まれています。
必須脂肪酸であるDHAやEPAが豊富に含まれていることも、よく知られています。
価格も安定していますので、食卓での出番も多い大衆魚といえます。

今回は、手軽な「バター醤油焼き」を紹介します。

<材料>

アジ 1盛(5尾ありました)、塩 適量、小麦粉 適量、バター 20g、醤油 小さじ2、レモン絞り汁

大さじ2~3  ※あしらいとしてパセリやトマト
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<作り方>
アジは頭を落とし、ワタとゼイゴを取って3尾は開きにしました。

軽く塩をして10分ほどおき、キッチンペーパーで水気を取って、両面に小麦粉をまぶす。

フライパンを熱してバターを溶かし、開いたものは身の部分を下にして中火で焼きます。

しばらくして醤油を回しかけ、裏返します。
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バターと醤油がしみこんで、身が少し引き締まった感じのところで火を止めて、出来上がりです。

レモンの搾り汁をかけていただきましょう。

ご飯のおかずにもってこいです。

男の料理レシピ「白切鶏(パチケイ)冷し中華」

          夏の定番をちょっと豪華に

        あっさり味で、栄養バランス抜群
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6月に入って「冷し中華始めました」の貼紙をよく目にするようになりました。
スーパーマーケットの麺類コーナーでも、インスタント冷し中華がたくさん並んでいます。

家人が出かけて一人でいるときに、ちょっと豪華な白切鶏をのっけた冷し中華を作りました。

関東では「冷し中華」関西では「冷麺」・・・呼び方だけが違うと思っているかもしれませんが、厳密には冷し中華と冷麺は違います。

冷し中華は仙台が発祥といわれ、麺は普通の中華麺で、キュウリ、玉子焼き、ハムなどをトッピングし、スープは醤油ベースに砂糖や酢で甘くてさっぱりしたものです。

冷麺は元来朝鮮半島の麺料理で、麺はそば粉、でんぷん、小麦粉を主な原料として作られていて、ゴムのような弾力があります。一般的に韓国冷麺といわれるものです。

今回紹介するのは、あくまで日本的な「冷し中華」です。

トッピングを豪華にするために白切鶏を加えました。

白切鶏(パチケイ)というと聞き慣れないかもしれませんが、簡単にいうと蒸し鶏です。

かつて鹿児島に住んでいる頃、郊外の日置町にある小さな中華料理店の白切鶏が有名で、特製のタレに白髪ネギと辛子をつけて食べていました。

今回は白切鶏をぜいたくに使いましょう。

<材料 1人分>

鶏モモ肉(小) 1枚、中華麺 1玉(130g)、モヤシ 100g、生椎茸 2枚、キュウリ 1/3本、ミニトマト 5個、卵 1個、ロースハム 2枚、大葉 数枚、他に紹興酒、塩、コショーなど適量

~タレ用~

チキンスープ 50cc、砂糖 大さじ1.5、醤油 大さじ2、酢 大さじ2、塩 小さじ0.5、生姜の搾り汁 小さじ1、レモン汁 大さじ1、胡麻油 小さじ2、黒ゴマ(白ゴマでも可) 小さじ2
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<作り方>

まず、白切鶏を作ります。鶏肉に紹興酒または酒をふりかけ、塩、コショーをまぶして30分おいておく。

それを蒸し器で10分程度(串を刺して蒸し具合を確認)蒸す。その時、洗ったモヤシとスライスした生椎茸も一緒に蒸し、蒸しあがったら水にさらさずに冷ます。
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その間に、薄焼き卵を作り、キュウリ、ハム、大葉などと同じように細切りにしておく。

タレも各調味料を混ぜ合わせて、黒ゴマをふっておく。                      
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麺を茹でて冷水で締め、皿に盛ります。
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その上に鶏肉と一緒に蒸した、モヤシと椎茸をのせます。

キュウリ、薄焼き卵、ハムをトッピングし、さらに白切鶏とミニトマト、大葉をあしらって、最後にタレをかけて出来上がりです。
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ボリュウム満点、しかもさっぱりしてヘルシーな冷し中華の完成です。

見た目にも豪華でしょう。

落語に見る食の風景~居酒屋・・・庶民の社交場

       仲間と飲むもよし、一人静かに飲むもよし

      その日の憂さの掃けどころ
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北千住駅前の永見。一人でも気軽に入れる気さくな居酒屋です。

Wikipediaには「居酒屋」について次のような記述があります。
酒類とそれに伴う簡単な料理を提供する飲食店である。
主に酒類を提供している点で一般のレストランと異なり、バーやパブなどは洋風の店舗で洋酒を中心に提供しているのに対し、居酒屋は和風でビールや酎ハイ、日本酒などを提供している店が多く、バーやパブに比べると料理の種類や量も多い。

起源は江戸期に遡り、酒の量り売りをしていた店が、その場で飲ませるようになり、次第に簡単な肴も提供するようになったものが始まりという。

酒屋で飲む行為を「居続けて飲む」ことから「居酒」(いざけ)と称し、そのサービスを行う店は売るだけの酒屋と差別化する為に「居酒致し候」の貼紙を店頭に出していた。

現在でもこうした酒販店に付属する形式の立ち飲みスタンドは残存しており、近隣住民の気軽な社交場として機能している例も見られる。※注(九州ではこれを「角打ち」と呼んでいました)

他にも煮売屋が酒を置くようになったことに始るもの、また屋台から発展したものなどの別系統もある。

江戸は男女比率が極端に男性に偏っており、一人住まいの独身男性が多かったことから、お酒が飲めて簡便に食事もできる居酒屋は大いに広まっていった。<後略>


したがって「和民」「白木屋」「土間土間」のような、ビルの一角にあってワーワーキャーキャーと騒ぎまくる若者がわんさとやってくる、今でいう居酒屋とは、全く別の世界をいいます。

あえて居酒屋の定義を問われたならば、先ず「安いこと」「気取らないなこと」、そして最後に「旨いこと」で完璧なのですが、その評価基準は人によって異なるようです。

さて落語「居酒屋」は、私が落語をこよなく愛すようになったきっかけの演目。

酒は何度もお変わりするけどちっとも料理を注文しない客に、小僧がしきりに肴を進めます。

「何が出来るんだい?」

「へい、出来ますものは汁、貝、柱、鱈、昆布、鮟鱇のようなもの、鰤にお芋に酢ダコでございます、へイー」

「おもしれえな、その最後の『フィー』ってのもらおうか」

「これは出来ません」

「じゃあ、ようなものっての、くれよ」

「それも出来ません」

「何でも出来るって言ったじゃないか、出来ねえものは言うなよ」

「壁に貼ってあるものはみんな出来ます」

「そうか、じゃあ、クチ上っての一人前。あれくれ」

「あれは口上ですよ、その次からが肴です」

「じゃあ、とせうけ一人前」

「トセウケ? ああ、あれは『どじょう汁』です。『け』じゃありません『汁』です。濁りを打って『どぜう汁』です。いろはに濁りが付いたんです」

「おめぇ、物知りだなあ。じゃ『い』に打ってみろ」

「い~…」

「じゃ『ろ』は?」

「お客さん、打てないものばかり言うんですもの」

「ざまぁみやがれ。おめえの顔の真ん中にあるのは『ばな』か。濁りが打ってあるぞ」

「これ ホクロですよ」

「棚の上にある赤いのは何だ」

「蛸です」

「生きてるのか」

「死んでます」

「えーッ、いつ死んだんだ。チットモ知らなかったぞ。知らせてくれたらお悔やみに行ったのに。可哀そうなことしちゃったな。どうして赤いんだ」

「茹でたんです、蛸でも海老でも、赤いものはみんな茹でたんです」

「ふうん 猿の尻は誰が茹でたんだ。ポストは誰が茹でたんだ。」

「そんなもの茹でませんよ」

「お前今、赤いものはみんな茹でたって言ったじゃないか。大きな魚がぶら下がってるな」

「鮟鱇です。鮟鱇鍋はいかがですか」

「いらないよー。言ってみただけなんだから。その傍で、印半纏着て真赤な顔でねじり鉢巻きしてるの、ありゃなんだ」

「あれは、うちの番頭です」

「それでいいや。番頭鍋一人前こしらえてこい」

とまあ、こんな感じのばかばかしい噺です。


学生時代、ラジカセから流れてきた先代・三遊亭金馬のこの噺。実に上手いと思いました。小僧の甲高い声と酔漢のどすの効いた声の使い分け。酔いが回るにしたがってだんだん呂律が回らなくなって、ときに小さなしゃっくりが入るところなど、その芸術性の高さに痺れましたね。

たまたま録音していたので何度も何度も聴いて、そのうち他の噺家のモノも聴くようになり、すっかり落語の虜になってしまいました。

この噺、設定は違いますが、壁に書いてあるメニューを選ぶという部分は上方落語の「煮売り屋」とほぼ同じです。

元は上方のネタだったのではないかと思われます。

したがって「居酒屋」というと、先代の金馬でお馴染みの東京落語となります。

落語の世界では昔ながらの大衆酒場のことで、今でも各地にいいお店がたくさんあります。

全国各地にいい居酒屋がたくさんあって、どこもそれなりに馴染みのご贔屓さんがいるものですが、そんなところに一人で出かけて行って、初対面の隣の客と仲良くなるってのも、なかなかいいものです。


いくつかお薦めのお店を紹介します。
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BENのブログ  横浜・野毛の武蔵屋・・・人呼んで「三杯屋」

写真のとおり、看板も何もない普通の民家・・・でも、知る人ぞ知る横浜の名所。

武蔵屋にはお品書きがありません。メニューは決まった小料理とコップ三杯の日本酒(熱燗)という内容で料金は二千円。随時ビールなどは頼めるが、但しコップ酒を三杯呑み干したら帰らなくてはならないという決まりがあります。
昭和21年からこのスタイルを貫いて、おじいちゃんが亡くなって、今は御年90歳になるというおばあちゃんがアルバイトの人と火水金の週3日のみ営業しています。

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赤羽も居酒屋のメッカ・・・OK横丁の「八起(やおき)」は1階も2階もいつも満員。チャーメンというモヤシ炒めが絶品。

「まるます家」は毎日朝9時開店の居酒屋。ここもお酒類の注文は一人3本までという決まりがあります。鰻のテイクアウトでも昔から有名です。
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東京駅八重洲北口から歩いて10分もかからないところにあるのが酒亭「ふくべ」・・・まるで江戸時代にタイムスリップしたかと思うような店内の雰囲気だけでも、味わう価値があります。

昭和14年に酒屋から居酒屋になったそうで、1階は入口すぐにカウンター12席と、入口右手の別の間に4人掛テーブルが4卓、2人掛テーブルが1卓の合わせて30席。
のれんやお品書き、無造作に懸けてあるふくべ(ひょうたん)がいいですね。

メニューにクサヤもあります。思い切って注文しましょう。美味いから・・・。

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BENのブログ   十条駅前の「斎藤酒場」

板橋区は十条、埼京線の十条駅前にあります。京浜東北線の東十条からもさほど遠くはありません。とにかく安い。お銚子1本170円です。ここで飲んで食べて2000円を越すといったら、相当の酒豪です。

明るくてにぎやかな雰囲気がやけにいい。
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(左)仙台の居酒屋では「もっきり」といって、しっかり表面張力の限りにお酒を注いでくれます。

(右)八戸の屋台が並ぶ通りは、夜遅くまで多くの酔漢が歩きまわっています。

日本酒と演歌は、なぜか北国が似合いますね。

「居酒屋」って、本当にいいですね。



男の料理レシピ「ガーリックトースト・親父亭風」

          休日の午後、ワインでも飲もうか・・・

        そんなときにおススメ。

        いい香りで、ワインに合います
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<材料 3人分・6切れ>

フランスパン 1本(小)、 ニンニク 1片、 タマネギ 1/2個、 パセリ 適量

~調味料など~

バター 50g、 塩 小さじ1/3、 白ワイン 小さじ2

<作り方>

まず、バターガーリックを作ります。

ニンニクはすりおろし、タマネギとパセリは細かいみじん切りにします。

フライパンでバターを溶かし、弱火でタマネギを炒めます。  

※火が強いとバターがこげてしまい、タマネギがふんわりとなりません。

タマネギが透き通ってきたら、おろしたニンニクとパセリのみじん切りを加えてさらに炒めます。

塩を入れた後、最後にワインを入れて木べらなどで軽く一混ぜして出来上がりです。
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フランスパンを適当な大きさに切り、バターガーリックをたっぷりつけて、オーブントースターでほどよい加減に焼きます。
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焼きたてがおいしいですよ。ニンニクとバターの香りがとてもマッチしています。

ワインにとても合います。

バターガーリックは、冷蔵庫で保存できますので、多めに作っておくといいですね。

手間もそんなにかかりません。ぜひお試しください。
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男の料理レシピ「淡竹(ハチク)とコンニャクのきんぴら

         胡麻油の香りが食欲をそそります

         日本酒や焼酎に合います
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若葉の季節から青葉茂れる頃に移る頃、孟宗竹が終わり淡竹(ハチク)が出てきます。孟宗竹に比べてアクが少なく、茹でるときに糠や米の研ぎ汁を用いなくても大丈夫です。

皮をむいて大きな鍋に入れ、水から20分ほど茹でてそのまま冷めるま待ちます。

冷めたら容器に水と一緒に茹でたハチクを入れて、冷蔵庫で保存します。

毎日水を換えれば、2週間ほどはもちます。

<材料>

茹でたハチク 4~5本(コンニャクと同量になるくらい)、コンニャク 1枚、鷹の爪 0.5本~1本

(鷹の爪は好みで量を加減・・・子供がいる場合などはでき上がって七味をかけてもいい)

~調味料など~

胡麻油 大さじ1.5、砂糖 大さじ1.5、醤油 大さじ2、みりん 大さじ2、酒 大さじ2、顆粒だし 小さじ1

<作り方>

ハチクは斜め薄切りにします。

コンニャクは茹でてアク抜きをし、5~6mmの薄さに切ってから細長く切ります。
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フライパンに胡麻油を入れて熱し、コンニャクとハチクを強火で炒めます。

全体に油がなじんだら、砂糖、酒、醤油、みりんと顆粒だしを入れてさらに炒め、鷹の爪を入れます。
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煮汁がほとんどなくなったら、出来上がりです。

ご飯にもお酒にも、なかなかいけますよ。

手軽にできます。お試しください。

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男の料理レシピ「石狩鍋」

    時鮭(トキシラス゛)を使って、贅沢に

    上質の脂がたっぷり・・・スープが最高!
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サケはニシン目サケ科。川で生まれて海で育ちます。白鮭、紅鮭、銀鮭という種がありますが、日本の川で獲れるのは白鮭です。

孵化したサケは海へ下り、北太平洋や北大西洋を回遊して34年後に成魚となった秋、生まれた川に産卵のために戻ってきます。

これを母河回帰といい、日本では北海道が主な漁場ですが、東北各地や新潟県村上市などもその産地として知られています。

漁期が秋真っ盛りということもあり、秋味と呼ばれます。

母河回帰ではなく、回遊中季節はずれの春から夏に獲れる時鮭(トキシラス゛)というものがあります。

卵や白子が成熟していない未成年で、脂が内臓よりも身に広がっています。

秋味よりも身にたっぷりと脂肪がのっていて旨いとされ、高価で取引されます。

北海道の知人から日曜の朝に「市場から時鮭を送りますので、明日着きます」という電話があり、翌日立派な時鮭が届きました。測ってみたら66cmありました。

すぐにおろして、中落ちの部分を食べてみたら、その美味しいこと…。
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柵にして、近所にいる子供や孫たちにも分けてあげました。とても美味しかったと喜んでくれました。
我が家でも、刺身と炙りでいただきましたが、頭やハラミの部分を使った石狩鍋…これがもう、最高!

<材料>

サケの頭とハラミ 適量、キャベツ 4枚、ジャガイモ 2個、里芋 2個、タマネギ 1個、ネギ 1本、しめじ 1パック

~調味料など~

昆布 10cmm1枚、味噌 100g、酒 大さじ2、みりん 大さじ1、バター 10g、ヨーグルト 大さじ1(なければ牛乳 大さじ2

<作り方>

鍋に水(800cc)を入れ、昆布を30分以上浸しておく。

サケの頭はいくつかに割り、ハラミも適当な大きさに切って、熱湯をたっぷり回しかけた後、流水で洗っておく。生臭さが消えて、上品な味になります。

(生鮭ではなく、塩をしたもので作る場合は塩抜きをしてください)

野菜やしめじは適当な大きさに切っておく。

味噌(できれば赤と白など2種類を合せたほうがいい)に酒とみりんを入れて混ぜておく。
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鍋を火にかけ、沸騰前昆布から小さな泡が出始めたら、昆布は取り出す。そこにサケを入れてアクを取ってから、味噌を半分ほど溶き入れて野菜などを入れる。

隠し味として、バターとヨーグルトを入れる。
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火が通ったら出来上がりです。七味や粉山椒を薬味にして、頂きましょう。

野菜を加えたりスープが少なくなってお湯を足したりしたら、味の加減をみて残ったお味噌を足します。

サケはほとんど捨てるところがありません。皮が美味しい魚です。とくに頭の部分はゼラチン質の軟骨がたっぷりあって、皮と骨を一緒に味わえます。

終わったら、締めは雑炊、うどん、ラーメン…このスープは何にでも合いますよ。わが家では雑炊に…これがまたすごく美味しかった。

<付録>

刺身と炙りです。

刺身は皮をむいています。(皮は軽く塩をして焼いて食べたら美味)

炙りは皮をむかずに、全体に軽く塩をしてフライパンで周りだけを焼いています。
BENのブログ  左が刺身、右が炙りです。