”Benchwork study Laboratory" 英国式 靴作り教室 -151ページ目

マイケル センプル氏 来日

お待たせいたしました。ジョン ロブのラスト・メーカーのマイケル氏が11月25日(金)にbench work study にお越しいただけることになりました。残念ながら、土曜日は仕事が入っていてお越し願えないのですが、土曜日のお教室の方でも時間のある方は、どうぞ参加してください。


当日は採寸方法、木型の削り方などお話いただくことと、皆さんからの質問にお答え願えることになっています。質問を考えておいてくださいね。それから、ロブから靴のサンプルもお持ち下さるそうですので、見て触って、質問して、、、の有意義な時間にいたしましょう!


ワックス ボールも持って来て下さるそうなので、またチャン作りをする機会が遠ざかる。。。。ウッシッシ。

ご無沙汰してました。

ご無沙汰しております。スーパー・ハードな日々がこの3ヶ月ほど続いておりますが、この2週間はどう考えても異常。頭の中は注文の靴のことでぎっしりで、頭の中の空気の入れ替えを実行しなくては!などと思いながら、一週間。人間考えすぎると、頭が腫れるのですね。心なしか脳が浮腫んでいる感覚がしていたのですが、夏にかぶっていた帽子がパンパンで被れないのです。これは、少ない脳みそを絞りすぎた為か?


そんなわけで、昨夜は久々に罪悪感を持たずに「ゆっくり」しよ~と本棚をじーと見つめること30分。私は自分のコレクションのレコードの棚と本棚を眺めるのって絶対に厭きない。恍惚とさえなる。で、目に入ったのは私の若かりし頃のバイブル「on the road」(路上)ジャック・ケルアック。ビートジェネレーションのニール・キャサディーの手紙を元に書かれた小説。何度も何度も、JAZZの、ハード・バップのレコードを聞きながら貪るように読んだ本。疲れているにも関わらず、夜更かしして読み直す。は~。私の人生からニールがどんどん遠ざかって行ってるわ。心だけでも近づけておきたい。チャールズ・ミンガスの(ジョージ・アダムス VO.)「DEVIL BLUES」をリピートにして何十回も聞き続ける。頭を休めたいのに、興奮する一方。もう、頭が破裂したってかまうものか!と強気になる。


この間良い言葉を聞いたので、友人にメールで送ると、その言葉がそのまま私を慰める言葉として帰ってきた。

                  「神様は乗り越えられない試練は与えない。」

さて、明日からまたがんばろ~。


驚き

 昨日、底付けをしていてステッチを縫うのに歯を食いしばって糸を引いていたせいか、両あごが痛い。両あごが筋肉痛。今まで、こんなことなかったのに。。。


 それより、このブログ、お教室の人達だけが読んでいると思っていたのだけれど、いろんな人達が読んでいるようです。その割りに「読者数2人」(左の欄参照)なのだけれど。。。。(笑!!)ホワイ?


 

風邪っぴき

 やっぱり風邪を引いて、今日はダウン。かなりがんばって持ちこたえていたのだけれど。考えてみれば、一日も休暇がないって生活が異常なのだ。日曜日に家族でFC東京VSガンバ大阪 戦を見に行って、(FC東京2-1で勝ち!!)「あー仕事をしないのもいいな~」と家に帰って、夜中1時まで事務処理を。。。。。スパッと、仕事を家に持ち込むことを禁止にするしかないのかな。


 既に11月。今月はジョン・ロブの受注会があり、通訳を頼まれているので久々に元・仕事仲間と会えるのは嬉しい。仲の良かった職人達とはメールのやり取りはまだ頻繁にあるので、社内のゴシップは大抵知っているが(笑)会うのはまた、別次元。まだ、退職して1年ちょっとだけれど、なんだか遠~い昔のような気がする。


 今日は病人らしく、パジャマで熱いお茶など飲みながら、うつらうつらとTVを見る。「新小泉内閣」について、流れていた。こわーいメンバー揃いましたね。そろ~り、そろ~りと日本は戦争へ向かっています。こんな風に、じわりじわり平和は壊れていくのですね。「靖国」「憲法改悪」「共謀罪」。何で60年も退化してしまうんだろう?人間は進歩ばかりしているわけではないのね。


 靴作りも同じだ。既製靴は売る側にとって、簡単に早く靴が作れるようになったが、履く側にとってはどんどん窮屈(窮靴?)になっている靴多いですよね。既製靴はまだまだ、内容を濃く進歩できると思うのだけれど。。。。。ただ簡単に、大量に作れるだけが進歩か?形や色だけ真似て「高級靴」と自称してしまえば、中がどんなだろうと、購入者にはわからない。既製靴は、履く側と作る側の接触がないから、信頼関係を結ぶのは難しい。そういえば、最近の既製靴の価格に絶句。既製靴で十万を超えるなんて!信じられない。どうやったら、そんな値段をつけられるの?材料のコストや人件費など知っているだけに、疑問が大きい。買う人間がいるからだろうけれど。。。。。こういう、信頼感がわかないビジネスやってると、再び靴業界の低迷につながると思うんだけれど。

靴を綺麗に作るには パート5 インソール2

昨夜は「勉強会」でした。一ヶ月がやけに早く感じます。今回のテーマは「底付けの製法」について。底付けの種類はかなり色々あるのですが、名前が職人同士でも今ひとつわかっていなかったり、名前と実物がそれぞれ違ったり。。。。「PUMP」の製法を誰も知らないようでしたので、黒板を使って説明しようと試みましたが、実物で見せないと理解不能。。とのこと。実際に縫えば難しくはないが、どうも説明が下手なのも手伝って。。。ちなみに「PUMP」はウェルトを使わないで底付けする方法。オペラ・パンプスや室内用革底スリッパ(主にベルベットに刺繍を施した物)やレディースの靴に使われる製法。私も長らく作っていないので、皆さんに見せながら、無駄話ばかりしていないで、作ってみようかな~。


 底付けの製法も、しっかり名前を確定したほうが良さそうです。雑誌等で製法の名前が間違ったまま一人歩きしている物が多いので、困ります。それから、見た目だけ真似て作っている場合が多いようです。それぞれの製法には「意味」があって形が形成されているのですが、ほとんど「意味」が無視されていたり、知られていなかったりで、「ただ面倒」な製法。。。なんて事になっていることもあり、長い年月をかけて知恵を寄せ合い作られた製法が、ただの装飾になってしまっては靴職人の先輩方に申し訳が立たない。。。。とも思います。靴作りはまだまだ奥が深いです。


 毎回思いますが、勉強会のメンバーは皆さん勤勉で、本当に良い刺激を受けます。職場を退職してから叱ってくれる人も、「ナンだよ、この出来は!」と、けなしてくれる人もいないのは寂しいです。ロブではお互い罵りあったり、褒めあったり、喧嘩しあったり。同業の人間に、「がつん!」と言われるのは「ありがたいこと」なのだと、しみじみ思います。


 さて、今日のタイトル「インソール パート2」。パート1で、インソールのつり込みが終わり、木型の周りの釘を全部取り、エッジを90度にナイフでカットしていきます。まず、土踏まず部分以外を丁寧に。インソールは木型の底部の形そのまま。角度はきっちり90度。土踏まず部は左右のラインが同じになるように、ボールペンでマークをつけてから、丁寧に。くれぐれも切り過ぎないように。エッジが90度になっているか、なっていないかで、出来上がりのラインが変わってきます。しっかりと!


 インソールの形が出来たら、インソールのエッジから5ミリ(スタイルや製法によって違いますが、ここでは初心者用、スクウェア・ウェイスト用に)内側にラインをヒール部までペンで書き、そのライン上にナイフを深さ2ミリ位入れてからそのカットした部分に、マイナスのドライバーを入れて溝を作り、その溝から外側を90度に切り取ります。(日本製のやり方は角を45度位落とします)アッパーをつり込みした後ここにウェルトの端が乗っかるので、ここが波打っていると、ウェルトが波打つ結果になり、ウェルトが波打つとソールが波打つ結果になります。ですから、フラットになるように綺麗にカットし、ガラスやラスプでしっかり整えて。



 次に90度に落としたラインから約1センチ内側にもラインを引き、その上から45度位の角度で内側にナイフをいれてカットしていきます。カットした部分はドライバーなどで立ち上げて起こし、起こした革を、今とは反対側からナイフを入れてカットしていき、溝を作ります。


 あ~解ります?ここまで書いて、かなり神経疲れました。やっぱり言葉で説明するのって大変。今日はここまで。本当に疲れた。これから、アッパーのハンドステッチしなくちゃならないのに。。。。靴作るより疲れた。。。

 

 

お芋堀り

今日は幼稚園の芋ほりがあり、綺麗な紫色のお芋を袋いっぱい掘ってきました。毛虫系が大の苦手なのだが、土の中からはもごもご動く虫達がわんさか出てきていましたが、良い土なんでしょうね、きっと。。。


午後はひたすら靴作り。今日は出し縫いをしてたのですが、「とても好きだわ!この作業。」と久し振りに感じました。忙しさに追われていると、ついつい楽しむ感覚を忘れてしまいます。貧乏性の私は、楽しむべき時に、思いっきり楽しまないと「もったいない!!」と損した気分になってしまいます。一秒も逃さず、仕事を楽しまなきゃ!


最近「中国」が気になります。日中関係危ういですね。東シナ海のガス田開発問題が非常に気になります。中国って言う国は、アメリカ同様むちゃくちゃですからね。個人的に私は、「靖国参拝」は反対派だけれど、中国って国は日本を批判できるような立場なのだろうか?どの国も、自国のことは棚に挙げているのは確かですね。ますます、「戦争」への不安がつのります。「九条の会」応援してます。

尼子さんの工房へ

 今日は友人のY氏と逗子にある「あまこ靴工房」を訪ねてきました。あいにく、雨で景色はいまいちでしたが、尼子さんが駅まで車でお迎えに来てくださって、海岸を右手に逗子を少々ドライブ。「あまこ靴工房」は光の多く入り、使い良さそうに整頓されていていて「うわーいいな~」と言うのが第一印象。やさしそうな旦那さまはお話しても面白く、時間が過ぎるのがあっという間で、とても充実した時間を過ごしました。ご夫婦の「ものづくり」に対する真摯な気持ちもひしひしと伝わり、沢山刺激を受けて東京に帰ってきました。(1時間半くらいの距離でしたが。。。)そうそう、海の見えるカレー屋で本場インドカレーも食べ、すっかり満喫!

 あまこ靴工房はこちらhttp://members.jcom.home.ne.jp/amacokk/

 

そうそう、私の初体験もこの工房にて。それは、初めてルームシューズを注文しました!私はこの十数年、スニーカー以外の靴は全部自分で作っていて、「靴は買う物」ではなく「作る物」として、何の疑問も持たずにきたのですが、あまこさんの作るフェルトのルームシューズは尼子さんの人柄がそのまま出ていて、あったかそ~。我が家では暖房も冷房もあまり使用しないので、冬は足元が冷えて困っていたのでそのルームシューズを見たとたん、「こんなの欲しかった!」と一目ぼれ。いつできるのかな~とすごく楽しみ。そういえば、私のお客様もこんな気持ちで靴が出来上がるのを待って下さっているのかな~と。お店に行って即買って即使えるのもいいけれど、注文して出来上がるのを待つというのは、また違った楽しみがありますね。(作る側はその間、プレッシャーと時間的ストレスなどを抱えるのですが、、、)


 さて、今夜は仮縫いの底付けを今から自宅で。。。。一日が私だけ38時間あれば、もっと人生楽しいな!


靴を綺麗に作るには パート4 インソール1

どうも家に帰ると頭を切り替える癖がついていて、靴のことより他の事で頭がいっぱいになっていて、「靴を綺麗に作るには」がクロージングで止まっていました。(って言うか、すっかり忘れていました。。。)催促があったので、ぼちぼち始めます。


メイキングについて少しづつ話そうと思いますが、メイキングは工程が多いので一つ一つ話していくと、いつ終わるか解りませんが、別に急ぐこともないので出来るだけ細かく話せたらいいな、と。


メイキングの第1回目は、「インソール」。靴作りはどの工程も手を抜けないし、どれも大事だけれど、インソールは特に大事。なぜなら、ソールやヒールは減れば取り替えるが、インソールは一生付き合うパーツであり、ステッチをインソールで押さえるので、素材は最もタフで柔らかで繊維詰まったしっかりしたものを使います。それらの条件を満たす革はオーク・バーク(オーク・なめし)のショルダー部分が最適。足に直接、接地するものだから。そして、靴の土台であり、靴の形の元であるのでとても、とても大事なのです。


 雑誌の取材なんかでもイギリスと日本の靴の違いなどをよく聞かれますが、私が思うに一番の違いは「革」。特に底材。イギリスのビスポークで使われているのは上にも書きました「オーク・バーク」と言われる革で、とにかく繊維が詰まっていて、水を吸収するのに時間がかかる。国産のインソールは繊維が荒く、直ぐに水を吸収し即使えますが、オークバークを使う場合、1~2時間たっぷりの水に漬けたあと、新聞紙に丸めビニール袋に入れて一晩置いてから使います。


 インソールを程よく湿らせた状態に整えたら、銀面をガラスで削り、後々面が割れるのを防ぎ、革の裏側もガラスややすりで起毛させ、いらない繊維質を削り表面を綺麗にします。この裏面の繊維質を残して置くと、靴自体余分な重さがつきますし、(微々たる物ですが。。。)ボールペンでマークする時や、ステッチする時などジャマになるので、手を抜かないように。


 インソールをカットする時は5ミリ~10ミリ木型より大きくカットし、木型につり込みやすくする。ここでは、とにかく木型にインソールが吸い付くように、しっかり革を引っ張りながら、釣り込む。木型の形状をしっかりインソールに伝えないといけない。ここで、しっかりつり込みをしないなら、水に濡らす必要がなかったのである。革は水に濡れると繊維が膨張し、乾くと繊維がきゅっと収縮する。その性質を利用して、しっかり木型の形にする。


 つり込みをする時は長めの釘を使い、(25ミリ位が丁度よい)釘の半分までを打ち込み、後はインソールのはみ出た部分で木型を包み込むように倒す。


 インソールが乾くのには一晩あれば足りるが、時間があるならば4日以上置いたほうが、しっかり出来る。メーカーの中には仕事を急いでするために、ヒーターの前に置いて乾かしたりする人がいますが、「邪道」だと言われています。自然乾燥が一番繊維をしっかり収縮させて、革に負担をかけなくてよいと聞いた事があります。「急ぐ」ということは、自然の理に反することで、急ぐことによってクオリティーが落ちることは多いですよね。生活全般に言えることのような気がします。だからと言って、だらだらと時間ばかりかけていても、駄目なのですが。。。


 靴を作るのには色々な方法が各工程にありますが、各工程のやり方を選ぶ時、この足にこのデザインを履かせる時、どのやり方がこの足に良く、耐久性が出せ、作業がしやすく、美しく仕上げることが出来るのか選択していくことにより、「クオリティー」が出せるのだと思います。この「やり方を選ぶ」事が出来るようになる為に、日々手を動かし、頭を使い、経験を積んでいくのが必要だと思います。なんだか、自分に説教している感じになってきたので、仕事に戻ります。インソールの続きはまた次回。(こんな調子で進めるので、気長にお付き合い願います。。。。)ではでは。

ノーベル平和賞

今日は息子の「運動会」でした。途中ぱらぱらと小雨が降ったりしましたが、そんなものナンのその。園児達は顔いっぱいの笑顔で一生懸命走り、ダンスし、玉を転がしていました。年齢に関係なく、一生懸命にがんばる人は人を感動させます。障害を持ったクラスメートを助けながら何週も余計に走った男の子には目頭が熱くなりました。ちなみに私はPTAの競技の「フラフープくぐり」でハッスル!


 最近は特にニュースを見るたび腹が立つことが多い。電車のつりビラは「小泉劇場喜劇版」で、あまりのアホさ加減に電車に乗るのもうんざりする。「小泉劇場恐怖版」はhttp://homepage.mac.com/ehara_gen/jealous_gay/koizumi_rape.html かな?友人同士の間では前から、かなり話題になっていた歌ですが、ネットで事件を調べるとかなり、真実ですね。こわ!


 それから「ノーベル平和賞」はがっかり!やっぱりね~としか言いようがないが、私は日本人候補者の、日本被爆者団体協議会代表理事の山口仙二さんに受賞していただきたかった。「今」だからこそ。http://www2.nbc-nagasaki.co.jp/peace/voices/no06.html


 国際原子力機関(IAEA)とムハンマド エルバラダイ事務局長(発音すると舌をかみそう!)が受賞しましたが、彼らがしてきたことは「アメリカのみが核を持つことが出来、反アメリカ国家が核を所有するなんて絶対許さん!奴らは悪者なんだから!」と叫んでいるだけではないか?大体、何でアメリカは持ってよくて、他の国はだめなの?そんなわがまま、園児なみの駄々こねでしょ?それにね、アメリカのみが実際に原爆を使った国で、しかもアメリカは日本の被爆者を「治療」と称して「モルモット」として実験に使っていた事実も暴露されている。そして、被爆者はなお今も苦しんでいると言うのに、核が「平和利用」できるって!!冗談じゃない。「核」にしろ「銃」にしろ、平和利用は無理だとまだ解らないのか?「力」で言うことを聴かせること等、「恐怖政治」の始まりだ。広島の長崎の人々の死がなぜ、無駄にされなくてはならないのだ。もう、悔しくってしょうがない。ノーベル平和賞なんて、既に何の意味もないのか?平和ってナンだ?

英国紳士靴デザイン パート1;ダービー

「靴」といわれて皆さんの頭の中にぱっと浮かぶのは、どのようなスタイルですか?私は茶色のダービーを思い浮かべます。


ダービーは外羽根式と呼ばれ、クウォーター(腰革)がヴァンプ(爪先革)の上に縫い付けられているスタイル。このスタイル、ロンドンのジョン・ロブではナビ・カット(NAVVY・CUT)と呼ばれています。NAVVYとはイギリスで肉体労働者を指し、彼らが作業ブーツとして外羽根式のブーツを履いていることからこのように呼ばれています。昔はハイキング用、ウォーキング用として履かれていましたが、今ではオフィスやフォーマルな場でも履かれていますし、ジーンズにも合わせやすいのでとても便利なスタイルです。しかも、女性でもこのスタイルは履きこなしやすく、(女性用はギブソンと呼ぶ)紐でぎゅーと締めたり、たっぷり緩めたり出来るので、コンフォート・シューズにもこのスタイルは多く使われています。


外羽根式の構成上ベローズ・タン(Bellows・tongue)と呼ばれる、フェーシングの裏に一枚の長いタンをつけることが出来、これによって砂埃や雨を靴の内側に入れない工夫も出来ます。


ダービーはカジュアル・シューズなので、基本的にはウェルトはスクウェア・ウェイストで仕上げ、ボリュームを持たせます。ダービー・ブーツの場合、ヒールの回りもウェルトをつけるシート・ウェルトでさらに重厚にしてもバランスが良いです。


話が少し外れますが、ビスポークの老舗が「shoes maker」でなく「boots maker」と看板を出しているのは、100年以上昔のイギリス人はほとんどがブーツを履いていたからです。ロンドンにある恐ろしいミュージアム「ロンドン ダンジョン」へ行った事がある方はお分かりでしょうが、一世紀ほど前のロンドンには下水システムがなく、糞尿はつぼに入れて窓から捨てる(怖!)という生活様式。そんなわけで、町中糞尿とねずみ(とその死骸)などで、とても靴など履いていては足からペストにかかってしまいそうだったらしいです。そんなわけで、ブーツに対して短靴(シューズ)はほんの一握りの金持ちにしかはけない物でした。短靴の上から足首を包むように履く(ボタンブーツの足首だけの物)」「スパッツ」は紳士の外出には欠かせないカバーだったようです。ところで、先ほど話に出た「ロンドン・ダンジョン」はかなり怖く、面白く、楽しめます。ビクトリアン時代の「匂い」(臭い!)の再現や、実際に行われていた拷問の数々(本当に恐ろしく、私は貧血で途中倒れました。ほんと!)実際にあった恐ろしい殺人事件の裁判状況や、昔のロンドンの町(恐ろしく、汚い!)の再現など、ロンドンへ行ったら是非どうぞ。私は観光名所へはほとんど行ったことがないのだけれど、ここだけは歴史を知る上でも行く価値あり!と思います。


さて話を戻して、ダービー。オックスフォード同様、少々ラインを変えると新たな顔を見せてくれます。まずは革を贅沢に使い、クウォーターとヴァンプを一枚革にしてフェーシングのみに革をつなげるホールカット・ダービー(Wholecut)。ステッチしていることを極力隠す製法の「フラット・シーム」はホールカットの時に限りなく革を一枚に見せる為にあみ出されたステッチ方法。

色々なステッチでレイク(エプロンまたはUーチップ)を飾ったノウィージョン(Nowegian)、フェーシングをV字型にカットしたヴィーフロント(V-front)、フェーシングをハイ・インステップからステイまで緩やかなカーブで落としていくハイ・ロウ(high-low)。このハイ・ロウのブーティー(bootee)がチャッカーブーツ。ちなみにブーティーとは、踝の上くらいの短めのブーツを言います。それ以上の長さの物はBOOTS。

これらのスタイルはどれもダービー同様紳士のカジュアルとしてはきこなしやすいスタイルです。