人と人
先週もお伝えしましたが、今週の土曜日10月8日は都合によりお休みです。よろしく。
土曜日のクラスで話が出たことだけれど、ベンチワークに参加の皆さんのほとんどは仕事を持っています。飲食店でバイトの人や、OLさんなど。ビジネス・マンの方達は平日は、7時前に家を出て、11時ごろ帰宅との事。お疲れ様です。私が驚いても、結構皆さん「そんなもんでしょ!」なんてクールに言うので、今度は声にも顔にも出さずに心の中でかなり驚きました!!うーん。平日はそのような生活で、週末にハンドソーンで靴を作るなんて!肩こりには注意してくださいね。
いろんな職業、考え方の人と話せるのは本当に楽しい。特に日本に帰ってきて、私と反対の意見を私にぶつける人があまりいなくて、驚いた。イギリスでは、毎日毎日、意見の衝突、違いがある。でも、それは考え方、ものの見方が違うだけで、なんら個人的感情にはつながらないく、相手を深く知る意味でも有効的である。また、反論などをしないと「考えのない奴!」として馬鹿にされる。
この間、アメリカで6年ほど暮らしていた友人が、「会社で仲の良い女性がいるのだけれど、会議で彼女と正反対の意見を述べたら、その後彼女との関係がギクシャクしてしまって。。。本当に日本人って面倒くさい!」(彼女も日本人だが。。。)という話をして、「わかる!わかる!」と盛り上がった。なぜ、みんなと同じ意見で、同じ考え、同じライフスタイルをしなくてはならないのか?そんなの世界が狭すぎる。。。
ベンチワークでは、色々な意見をバトルさせつつ、「靴を作ること」「ものをつくるということ」について、色々なアングルからこれからも考えていきましょう!
日本に帰ってきて、「私は世間とは折り合いがつかないので、自分の世界をつくり、自分と同じ考えを持った人との輪を広げて生きたい!」という人に数人会った。まあ、これもいいだろうけれど、一つその人達が勘違いしていると思ったのは「世間と折り合いがつかない」ということ。私はその人達は「世間」ではなく、「自分」と折り合いがつかない人たちなのだと思う。だから、自分を否定されることを恐れ、自分のコピー達とと狭い世界で暮らしていたいのだ。そして、そういう人達はほとんど必ず、自分と違う意見、考え方の人達を「否定」することによって自分を「肯定」する。自分と折り合いをつける為にはそうしなくては「自分」が見えない為であろう。自分を否定されたって、自分がしたいんだからいいじゃないか!ははは!と笑い飛ばせばいいじゃない、ね~。
私は同じような人間ばかりが集まって、同じことしか言わない環境は恐ろしくて苦手だ。自分とは意見が違っても、解りあえる人もいれば、趣味は同じなのに話がぜんぜん通じない人もいる。自分と違う人間に合うと、色々突っ込んで話したくなってしまう。そして、通じ合えた時本当の人間関係が生まれるのではないだろうか?
ロンドンはかなりエキサイティングな町だと思うが、その理由はイギリスにある階級と人種の多さの為だと思う。イギリスのクラスシステムは、アッパー・クラス、ミドル・クラス(アッパーとローワーに分かれる)、ワーキングクラスに分かれているが、見た目でも話し方でもアッパー・クラスとワーキング・クラスの人々ははっきり違う。そして、クラスはお金では決して買えない。
しかし、ワーキング・クラスの人達は自分達に誇りを持ち、アッパー・クラスを皮肉るのはかなり上手。アッパー・クラス出の友人が2人いるが、両方とも「ワーキング・クラス」に憧れワーキング・クラスの話し方をする。(彼らがアッパー・クラスだと知ったのは知り合って1年以上してからだった。)また、ワーキング・クラス出だけれど、DJとして成功してかなり裕福に暮らしている友人もいるが、自分を「ワーキング・クラス・ヒーロー」と呼ぶ。こういう階級を超えたイギリス人達と、世界中から集まってくる人々(本当に国を挙げて言ったら切りがない!)と簡単に知り合える町、ロンドン。だから、トンでもないファッションも生まれるし、ハングリー精神だとか、「自我」だとか、他人との関わりによって、大きなエネルギーが生まれる。自分と同じような人達と付き合うと、自分を深く掘り下げることが出来、自分と違う人間と付き合うと、自分の幅が広くなる。ロブの顧客はみんな大富豪であったけれど、大富豪であろうとなんら変わらぬ人間で、本当に気を使ってくれるやさしい紳士もいたし、大金持ちなのに、けちで小さい人間もいた。これは、収入や環境に関わらずいる。いろんな人を知り、いろんな幅で交友(交友でなくて、顧客と職人という関係でも!)を持ち、信頼関係を持つことは、人生をより豊かにすると思う。
想像力
急に涼しくなって風邪を引き始めたのか、のどがとても痛かったので、昨夜寝る前にアロエの棘を取り除いて、おろし金ですったものを飲んで寝たら、朝のどの痛みは消えていた。さすが、アロエ!すごいぞ、アロエ!GO! GO!アロエ!
今週初めに月に一度の「勉強会」あり。前回に引き続きクロージングについてでした。イギリスだと、クロージングはアッパーを縫い終えておしまいだが、日本ではサイド・ライニングを作るのもクロージングに入るよう。イギリスでサイド・ライニングはライニングと同じ素材を使うが、日本ではアッパーと同じ素材を使っている。日本のビスポークの見た目の硬さは芯材のためだ。なるべく、ジョイント部はやわらかくしておきたいと思っていたが、サイド・ライニングに厚めの革を入れても、履き心地にはあまり影響しないようだ。アッパーのデザインにあわせて、芯材も少し変えていこうかな?
芯材について意見交換をした後、私が「ハンド・ブロッキング(クリッピング)」について説明。どうやら、日本で「ハンド・ブロッキング」をしている人はいないようだ。外注で1足200円と聞いて、驚いた!お湯につけたり、水につけたりしながら、一時間程ラスティングに奮闘し、乾燥させるのに最低1日かかる「ハンド・ブロッキング」が、機械で200円!!しかし(大声で!)、ハンドでやるとブーツのラインに沿って、微妙な調節も出来るし、断然綺麗なラインを作ることが出来る。譲れないな。
今月に入ってどうも精神的、肉体的に調子がおかしい。今月は2度ほど友人と飲みに行ったり、踊りに行ったりしたが、どうもテンションがあがらない。小泉圧勝もへこむ原因。日本国民の「想像力」の欠乏にはがっかり。靴作りもそうだけれど、創造するには「想像力」が必要だ。「想像力」こそ、「人間の自由の核」であると、私は思っている。自民党に票を入れた人間は、小泉内閣以降膨れ上がり続ける、国の赤字の行く末や、自民党が望んでいる憲法改正(改悪!!)により、戦争をする国に変わることの恐ろしさ、「郵政民営化」の「民」がさしているのは「大企業」であって、民間人を指すものでないということ、小泉の行動、言動がヒトラーと同じ「独裁」であることの未来、などについての「想像」が出来ないのだろう。毛沢東が行ったのも、「言論の自由」を禁止し国民から「想像力」を奪ったのだ。日本国民は既に、くだらないTV漬けか?、テレビゲーム漬けか?、内容のない、大量の無駄な情報の処理の為に脳みそをすり減らしているのか?単純作業の仕事のせいか?携帯電話の電磁波による脳のダメージによるものか?インスタント食品による害か?そんなこと知らないが、哀れみに値するほど「想像力」を奪われている。
英国紳士靴デザイン パート1
OXFORD
オックスフォード・スタイルはイギリスにあるオックスフォード大学の生徒達に愛用されていたのでこの名前がついたというのは有名ですが、日本では内羽根式と呼ばれ、いわゆるクウォーター(腰革)がヴァンプ(爪先革)の内側に入っているスタイルです。
このスタイル、イギリスのメンズ・シューズの基本中の基本で、シェフの修行が”オムレツに始まり,オムレツに終わる”というのであれば、靴職人の修行は”オックスフォードに始まり、オックスフォードに終わる”と言えるほど、奥が深いスタイルであります。
現在はタウン・シューズ、オフィス・シューズとして履かれていますが、「フォーマルな靴と呼べるのはオックスフォードのみ!」といわれていた時代があったほど、エレガントなデザイン。このエレガントさを出す為に、ウェルト(コバ)はヴェベル・ウェイストで仕上げるのが基本。このヴェベル・ウェイストとはウェイスト部分のウェルトをぐっと内側に削り、スッテッチは見えないように内の方で縫うものをいい、こうすることによって軽く、かつシャープに見せる効果が生まれます。ヴェンプ・ライニング(裏爪先革)にはホース・ライニングと呼ばれるシープスキン(なぜ、このように呼ばれるのかは、未だ不明。。。)を使います。このホース・ライニングは柔らかで丈夫で汗をよく吸収する特性を持っているのに加え、伸ばすと薄くなるので、エレガントな木型のラインをそのまま靴の形として再現できる優れもの。しかし、裏面は繊維がボサボサで裁断した端から繊維がぽろぽろと出てくるので、内羽式のヴァンプ部のライニング以外には使い難いと言う難点があるのが残念なところ。ホースライニングを使うのは、イギリスのビスポークのトラディションなのだそうですが、現在では正しく伝統を守っているのは「ジョン・ロブ」のみらしいです。
このようにエレガントさを極めたオックスフォードですが、これに少々手を加えて作られたデザインがいくつかあります。まずは、オックスフォードの5段のアイレットを取り除きフェーシングをつなげて、その両脇にエラスティック(ゴム)をつけたものが、エラスティック・サイド・シューズ。この靴は、脱ぎ履きが楽なので、日本人の生活様式にはマッチしていると思います。ちなみに、ジョン・ロブのラスト・メーカーの仕事靴にはこのスタイルを愛用している人が多いです。
クウォーターとヴァンプを分けずに一枚の革で仕上げた,ホールカット・オックスフォード。フェーシングを下のほうへぐっと下ろして、クウォーターを2つに分けた、サドル。ヴァンプのラインをググーと後ろまでつなげたゴロッシュなど。。ラインを少々変えて顔が変わっても、何故かエレガントなオックスフォード・ファミリー。これは所謂、育ちのよさなのかしら。
ちなみに、女王陛下の前に呼ばれた時に履いてゆくべき靴も、オックスフォードだそうです。(ジョン・ロブのマネージャー談)。万が一に備えての豆知識でした。
中学校で。。。。
はあ~。やっと一息つける。今日は、ビスポークのオープニングよりも緊張していた(!)講演会をしてきました。講演会といっても、大人の前でつらつら話すなど恐ろしいことでなく、品川区の中学校で中学3年生に「仕事について」話すというボランティア活動。実はいとこが青年会議所の会長をしていまして、そんなことから話が来て、断れず行ってきました。講演は50分間で、質問時間10分と言う構成だったのですが、緊張すると私の早口はよりいっそうスピードアップし、考えていった原稿を20分で話尽くしてしまった!!(涙)もう、どうしていいのか、つらつらと靴作りについて説明を詳しく始めたり、冷や汗ものでした。とほほ。しかし、中学生達はかわいらしい目をこちらに向けて、持っていった作りかけの靴や木型を丁寧に見回し、初々しく驚き、私の早口にもめげずに話を聞いてくれました。なんて、素直な子供たちなのだろう!最後には一緒に記念撮影と、代表の生徒による暖かい言葉と、暖かい拍手に囲まれて、私は全身照れつつも、感動し退場しました。かなり、非日常的な一日でした。
しかし、私は人前で話すのは本当に苦手だと言うことがわかり、このようなことはもう二度としないであろう!来年頼まれたら、友人の靴職人を推薦しよう!と心に誓いました。
ビスポーク開始!
銀座みゆき通りにある「ミユキ・ハンドレッド クラブ」とのコラボレーションで「bench made YUKIKO BASSETT OKAWA」のオープニングがついさっき終わりました。ほ!考えていた以上の反響で本日2足のオーダーを受けました。やっと、10代の頃から持っていた夢のスタートラインから一歩前に踏み出したわけで、プレッシャーと責任感が重くのしかかっているのですが、イギリスでの10年を生かしてお客様に満足してもらえる靴作りをしていきたいと燃えています。(メラメラ。。。)
上記の「ミユキ・ハンドレッド クラブ」内に本日より常時靴のサンプルが置いてありますので、」興味のある方は見に行ってみて下さい。
とりあえず、「ビスポークの原点」であると私が思っている「欲しい靴を誂える」と言う考えの下、展示してあるサンプルはすべてまったく違う色を出した。今日会った人達から多く言われたことは「他の店はお店の色があり、お店で打ち出す形がある程度決まっているが、このサンプルからはそういう押し付けがましさがなく、まさにビスポークであって嬉しい」と。私も嬉しい。私は所謂デザイナーブランドの押し付けがましいコンセプトにはうんざりしている。「もうあなたの考えはいいよ。自分で考えているのだから!」と思う。私はデザイナーではない。そして、自分の考えがない人間は好きではない。自分の考えをしっかり持った人に、私の手を貸してその人の欲しい靴を作ってあげたい。本当は自分の物を自分で作るのが一番なのだけれども、そういうわけにもいかないので、作ることが好きな人が代わりに作ればいいのだ。しかし、これは相手の気持ちになって考えてゆかなくてはならないので、本当に難しいと思う。今後どんな困難にぶつかるのだろうか?茨の道はいちいち避けて通っていたら前に進めない。茨のとげを受けながら、前進あるのみだと気合が入る。息を引き取る前日まで靴を作っていられたらどんなに幸せだろう。私が最後に作る靴は果たして満足がいく出来になるだろうか?今まで一度も自分の靴に満足を覚えたことがないが、果たして私の手は、私を満足させることが出来るのだろうか?さーて、明日からも靴作り、靴作り!
今週の話題9月2週目
今日の午前中の教室は、「味噌作り」「ベランダ菜園」の話で盛り上がりました。結構、皆さん作れる物は、自分で作ろう!と言う精神がある人が多く、共感でき嬉しいです。「靴作り好き」は「ものづくり好き」ですよね。自分の物は自分で作ると言う姿勢は、自分の身の回りの物に責任を持つことでもあると思います。特に食べ物は、健康と深い関係があるのですから、蔑ろにしてはいけない。なんだか訳の解らない化学調味料を大量に含んでいるインスタント食品などを食べていたら、肉体だけでなく思考能力も鈍り、精神的な病気の原因にもなるそうです。他人の健康を害しても、利益を重視する食品会社の「かも」にならぬよう、作れる物は、自分で作りたいものです。作って楽しく、食べて楽しく、健康に良いなんてことを、やらないって手はないでしょう。
午後のクラスでは「足の測定のこと」についてや、デザインについて話したり、私の「毒舌」に耐えつつ(笑)がんばっていました。(金曜日のクラスでは、私の「毒舌」が出ると、3倍返しされますが。。。。)足の測定は本当にさまざま。測定は木型を作る為の「情報収集」なのですが、どんな情報が欲しいのか、その情報をどのように生かすのか、が解っていないとやたらお客さんの足をこねくり回して、メジャーであちこち図りはしたが、出来た靴は合っていない。なんてことになります。これは、何度も作りながら、経験で学んで行かねばならぬ工程です。1足作るごとに必ず得ることがあるはずですから、自分の新しい知識として、どんどん蓄えてゆきましょうね。自分でやってみて、よかったことなどあったらみんなに公表し、検討してゆけたらなお良し。
デザインについては、近々まとめて説明したいと思っています。イギリスの紳士靴のデザインは、よく考えられていて、面白いですよ。「伊達」を好むイタリアに対して「機能性かつエレガント」のイギリスとでも言いたいくらい、しっかりした考えの上でのデザイン。100年以上もの間、ほぼ変わらぬデザインの物が未だに人気があるなんて、スーツと靴だけのような気がする。これって凄くない?
本の話
今週はかなりのハードスケジュールで、来週末のビスポークのオープニングに向けてあれこれと目まぐるしい日々を送っています。唯一のリラックス・タイムは、息子と紙を使って工作する時間と(彼は工作好きで、暇さえあれば何かを作っています。)電車の中での読書。
現在読んでいるのは、「ダライ・ラマ自伝」。かなりすごい人生です。ダライ・ラマの人生は「チベットの歴史」でもあり、中国から(毛沢東)の卑怯な侵略により、亡命へと向かう時期の凄まじいこと!独裁者の恐ろしさ、権力の恐ろしさがひしひしと伝わります。しかし、ダライ・ラマと言う人は知性とウィットに富み、読者を疲れさせない。ダライ・ラマ関連、毛沢東関連の本は色々と読んでいるのですが、「ダライ・ラマ自伝」は亡命にいたるまでの、毛沢東とのやり取り、ネール首相とのやり取りが事細かに書かれていて、偉大な人物も「やはり人間」というのがわかる。読み終えるのが楽しみ。
「自伝」は本の中でも好きな分野で、断食を(今までに4回挑戦していますが)しているときの定番は、「ガンジー自伝」で、これを読みながらだと、心も浄化されるように感じる。ガンジーは13歳で結婚したり、宗教上「肉食」は禁止されているのに、不良の友人に誘われて、肉を食べてしまったり!(まるで、インドでは肉が、日本でのマリファナのように扱われているよう!)
彼の、「非暴力」への革命は本当に尊敬に値する。どうして、世界はこのような偉大な人物が示してくれた、平和への道をもっと尊重し、広げていかないのだろう?インドという国は本当に神秘的で不思議で、しかも、ガンジーやマザー・テレサなど人間離れした偉人を生んでいる。インド本もかなり集めていますが、もー魅力がありすぎて、最低5年は暮らしてみたい国。遥か遠い夢だな~。
他には「自伝」ではないですが、「Vivienne Westwood AN UNFASHIONABLE LIFE」 はかなり面白かった!あの、パンクの女王、ヴィヴィアン・ウェストウッドの半生を彼女や、彼女の周りの人々からの長時間のインタビューを元に、追っている。さえない旦那と、一人息子を持つ田舎娘が、マルコム・マクラーレンと出会い、(センセーショナルな下着のブランド、エージェント・プロボカティーのデザイナーは彼らの息子)パンク道をひた走り、「デザイナーに最も尊敬されているデザイナー」になるまでの様子が書かれている。もーこれも凄まじい人生。特に、マルコムの我の強さと、暴力に振り回されながらも、それによって成長してゆく彼女の強さには応援せずにはいられない。現在の夫は、24歳年下のイタリア人のゲイだが、彼との馴れ初めや、夫婦関係なども(長いこと不思議だったが)かなり突っ込んで書かれている。日本語訳されているのかわからないが、私が通訳したい!と思ったほど面白かった。パンク好きとファッション好きには絶対お勧め。SEX PISTOLSの面々の個性もうかがわれる。シド・ビシャスを悪く言う人がいないのも、以外だったけれど、その後に出たSEX PISTOLSのドキュメンタリービデオ「THE FILTH AND THE FURY」で見る彼らのやんちゃ坊主ぶりを見て、「大人に媚びなくて、いい子達だな~」などと、感心。若者はこうでなくちゃね~。
こういう、すごい人達の本を読むと、人間ってのは自分の思ったように、信念に向かって進めば道は開き、次の世代に勇気と元気を与えることが出来るのだな~と。先人達に感謝。
趣味の靴作り
昨日は11時頃から9時までワークショップで靴作り。木型の修正にほとんどパテを使ったことがなかったので、パテに硬化剤を混ぜるのを忘れていて、木型に時間のかかることかかること。途中で大平さんに気づかせてもらい、何とか終わったけれど、今日木型を見たらまた変えたくなって、今日は家で一日奮闘。昨日より断然綺麗なラインが出来て満足しているが、明日見たらどう思うのだろう。。。。。「初心忘るべからず」だけれど、私のしているのは、素人に逆戻りしただけのような。。。ふんどしを締めなおして(そんなのつけたことないけれど 笑)がんばらねば。
昨夜、仕事の後友人の働く靴屋を覗くと、友人が仕事をちょうど終えた感じだったので声をかける。友人とは月に数回会う機会があるのだけれど、そのたびに靴関係の話題で話し込む。昨夜聞いた話は、すごいな!と思った。
先週彼の店に青年が靴を持ってやってきて、靴職人になりたいのでここで働きたいと言ってきたそう。彼のところにはそういう若者がかなり多く来るので、「またか~」ってな感じで応対し、青年の作った靴を見ると、まあ形にはなっているが、明らかに初心者の1足目という仕上がり。何処で習ったのか聞くと、関さんの本を見ながら自分で作った、との事。これには友人もかなり驚いたそう。その靴自体は見ていないけれど、私もびっくり!
私も靴作りの本は見たことがある。が、共通して言えるのは、靴を作ったことがない人が見てもわからない、ということ。それに、工具だって革だって初心者にしたら「こんなに使うの!しかも、何処で買うの?」って思ってそこで挫折すると思うのだけれど。。。いやー、本だけみて靴の形にしてしまうのは才能だな、あっぱれ!しかし、せっかくこのようなやる気のある、カンの良い職人志願者がいても、仕事がない。ビスポークをやっている店は何処もそこそこビジネスとして成り立っているけれど、人を育てる時間も、スペースも余裕もないのが現状。しかも、「靴がすき=靴職人になりたい=誰かの弟子になって一人前になる」と言う構図を描いている人が多い。しかしこれは、本当にむか~しむかしのお話。では、現代はいかにして靴職人になれるのか?私が思うに、かなり原始的な構図を描くほうが現代的ではないかと思う。「靴がすき=靴作りを趣味にする=作った靴を周りが褒めてくれ、注文をもらう=口コミで広まり、靴屋をオープン!」。かなり、楽観的過ぎるが(特に一番最後の!)大昔の靴屋の始まりはきっとこんな感じだったのではないだろうか?、この構図にはリスクはないし、本人が楽しんだ結果に生じることで、親方にどやされることもなければ、安給料で何年も下積みすることもない。「趣味の靴作り」がこの先どうなるのか、興味津々。
ニューオリンズ
1足目の人達はつぎ込みも終わりに近づき、ナイフの使い方も上手になってきました。パチパチ(拍手!)
2足目で木型に入った人たちは地道に木型とドラフトと格闘していて(ちょっとテンション落ちてる感じ。。。)、パターンの人たちは黙々とパターン作成(楽しんでいるのか苦労しているのかも、理解不可能なほど、モクモク。。。)。クロージングの人たちは「おお!俺ってうまい!」などの声を上げて喜んでいましたね、今週は。いやー、クロージングは私もはっきり言って驚きました。お見事。これは、次の段階のメーキングでもテンション上がってきますね。きっと。やっぱり、自分の好きなものを好きなように作れる喜びは格別ですよね。メーキングもがんばれ!
今週、来週と新メンバーも続々加わわり、全クラス満員になりました。皆さんのご要望に、よりいっそう応えられるように、私もがんばります。けれど。。。今日も教室で嘆きましたが、つくづく私は説明下手だな~と感じ気分的に、へこみ始めている。何とかもっと「言葉」でうまく説明がしたいのですが、なかなか難しいです。何とか理解をしてもらおうと力が入ると何故か声ばかりが大きくなって、体力消耗するばかり。こちらの方も勉強していきたいです。
話は変わりますが、ジャズの町ニューオリンズがハリケーンの被害で8割が浸水し、救援物資が届くまでに5日もかかっていて、死者も数千人出ている。「世界で一番豊かな国アメリカ」の光景とは思えないような、地獄絵巻さながらに人々はパニックを起こし、ヒステリックになっている。ハリケーン通過中の映像には車に乗って避難場所へ逃げようとしている白人が多く映っているが、現在ニューオリンズで涙ながらに空腹と救援を訴えているのは黒人の群れ。白人の顔は実況中継のニューオリンズの避難場所では一人も見えなかった。つまり、避難命令が出されて実行できたのは、お金を持って車を持っている人たち(白人)で、「国」に見放されたのは貧しい人(黒人)たちだ。
アメリカはテロ対策に40兆円の予算を持っているが、自然災害の救済予算は40億円!!とニュースで聞いた。そんな、馬鹿な!イラクに多くを派遣し人殺しをし、人に殺されるのに、40兆円使い、国内のしかも地続きのニューオリンズの人々が死に物狂いで救済を訴えているのにほとんど手付かず状態。これが国のとる体制か?彼らが必要なのは水であり食料であり、清潔で人間らしい避難所であるのに、町中強盗を防ぐ為に軍隊が肩からライフルをぶら下げて突っ立っている。まるで戦争さながら、救助とは程遠い。調達できる物資はくれてやりなさいよ。命に引き換えられる物なんてないのだからと思うでしょ、普通。緊急事態で、強盗もへったくれもないだろうに。それにアメリカ人は「銃」を持っているから、パニックになって食料の奪い合いで殺し合いも発生しているなんて、「政治」「人種問題」「銃問題」の悪い面が一気に表面に出て最悪の事態を招いている。日本も「ペット」役ばかりしていないで、早く救援に向かって欲しい。まだ、救済募金とか見かけないが日本のボランティア団体がとる態度もスマトラの時より遅い気がする。まさか!のアメリカの処置の悪さだし、今のアメリカに必要なのは「お金」ではなく、「まともな政府、まともな指導者」だからか?
日本もこのまま小泉独裁政権の下にいれば、貧富の差はどんどん広がり、金持ちは贅沢で安全で将来の保障された生活を営み、それ以外は年金もなく、給料は上がらず税金ばかりが上がり、都会から忘れられた過疎地では近所に郵便局もコンビ二もなく、自然災害にあっても救済されないようなことになるかも知れない。選挙まであと8日。パフォーマンスや選挙カーで騒音出すより、しっかりした将来のビジョンを各政党とも出してほしい。マニフェストはかなりお粗末で国民を馬鹿にしている。一昨日NHKで放送された政党討論は自民党も民主党も”行く先は同じ”であると感じたし、これらの人達が日本のリーダーかと思うと世界平和どころか、国の平和もおとぎ話の夢物語だと感じてしまうのは悲観過ぎでしょうか?
勉強会
今日は月に一度の「勉強会」の日。若手の靴職人が13~16人毎回集まり、情報交換。若手といっても、ほとんどの人が靴歴10年前後で、専門学校や教室で講師を務めていたり、ビスポークに徹していたりする。靴職人の年齢層自体が、70歳以上の職人の次の職人世代は30~40代で、50、60歳代が不在と言う不思議な業界。で、我々の世代はかなり平和主義だと思うのだけれど、それがこの「勉強会」にも大きく役立ち、気持ちよく「オープンマインド」と「ギブ&テイク」が出来ていて、毎回得ることも多く、内容が濃く、とても楽しんでいる。(勉強会の様子をライターの竹川さんが書いてくれています。興味のある方はこのアドレスの7月6日の記事をご覧ください。http://allabout.co.jp/fashion/shoes/nlbn/NL000301/bnbody_1.htm
)
今日は、[スキンステッチ」について。全員、スキンステッチの色々を持ち寄り、使う工具、糸、やり方を説明。今回持ち寄ったもので13種類。日本では、名前がさまざまで紛らわしいので、今回名前を決める事まで発展。今日決まらなかった物もあるが、決まったステッチは各々教える専門学校や教室で今後使い、この名前で定着させようと思う。今までは職人との会話で、「ここをスカイビングして、糸を貫通させるやつ。」とか、説明していたりしていて面倒くさかったからね。
その他、同世代の工具屋さんも参加して、新たに製作してくれた「ワニ」と「コテ」を見せてくれる。「ワニ」は釘を打つメンも大きめで、重さも適度にあり値段も6千円くらいで出してくださるとの事。かなり良い出来です。今後、数個購入し教室で使おうと思ってる。「コテ」は改良中だが、こちらが角度や幅、長さを設計図にして書いたものを、そのまま精密に作ってくださるとの事。うれしいことこの上ない。彼のおかげで、日本での工具の問題はかなり解決しそうです。この工具屋さんは「小島台助」の小林さんです。小林さんは「ポンチ」も改良してくださり、かなりよい物を作ってくださっている。次は「2:1のポンチ」もお願いしているが、これは難しいとの事。私は理想の大きさの、サイズと幅と二つの穴の距離が頭にあるのだが、どこでも難しくて作れないと言われるか、高いお金を出して注文して、私が設計した物でないものが出来上がってきたりして、なかなか手に入らない。今日、小林さんもおっしゃっていたが、工具職人は後継者不足で、どんどん潰れていき、鍛冶屋もほとんどなくなってしまい、残っている鍛冶屋に仕事を頼んでも、少ない仕事だとお金にならないのでやってくれないとの事。本当に、この業界は何から何まで大変な環境にある。だからこそ、面白いんだけれどね。目標に向かっている過程は、目標を達成するより遥かに楽しいと思う。