MEN'S EX 連載 4月号
MEN'S EX 4月号
4月号の特集は ”これがスーツのベストアンサー”
スーツの特集号ですが、本誌の中で特に気になったのがこのページ。
2月号の連載でも紹介したモンクストラップ。
モンクストラップは、クラシックな靴の中ではしばらく存在感の薄いモデルでしたが、私にとっては80年代から90年代のフレンチアイビーやフレンチトラッドのマストアイテムだったこともあり、個人的にもいま一番履きたい靴です。
近年大人気のタッセルと同じく、80年代から90年代に一度流行していて、スーツにもジャケットにもあう汎用性があるというのも同じ。
さらに、昨今は色々なテイストをミックスする流れもあるので、久しぶりにモンクストラップが履きたい気分なのです。
私の連載 ”中村達也の買い足しノート”
今回のテーマは ”イエロー×ネイビータイ” です。
ネクタイの流れを語る前に、今シーズンの色の傾向を少しお話ししなければなりません。
今シーズンのバイイングを行った昨年の6月のイタリア出張では、久しぶりにイエローがトレンドカラーとして打ち出されていました。
ご覧のように多くのブランドが様々なアイテムでイエローを打ち出しており、今シーズンの明らかなトレンドカラーであることがわかります。
上の画像のように、特にイエローとネイビーのコンビネーションが多く見られたのも、傾向のひとつであると言えます。
それはネクタイの色づかいにおいても同じ。
ご覧のように、多くのネクタイブランドがイエロー×ネイビーの柄を打ち出していました。
このイエロー×ネイビーのタイ、突然出てきたトレンドではなく、90年代に大流行したことがあります。
90年代後半に私がイタリアのセレクトショップやロンドンの老舗のシャツ屋、PITTIのネクタイブランドのブースで撮った画像があるのでお見せします。
ご覧のように、当時はイエローのネクタイ自体が流行っていて、その中でもイエロー×ネイビーのコンビネーションが定番となっていました。
そして、当時はイエローのネクタイは女性うけも良く、”モテるネクタイ” と言われていました。(笑)
そんなことがあるわけないと思う方も多いと思いますが、当時のメンズファッション誌には度々イエローのタイがモテるネクタイとして紹介されていて、私と同世代の人たちにとっては、「たしかに昔イエローのタイをしてたな」 という方も多いのではないでしょうか。
ちなみに、私も90年代BEAMS Fのショップマネージャーだった頃、イエロー×ネイビーのストライプタイしていました。
私はモテたいわけではなかったので、イエローが少なめのネイビー×イエローでした。(笑)
当時色々なブランドで散々バイイングしましたが、とにかく人気があって良く売れた記憶がいまでもあります。
それだけ当時はイエローとネイビーのコンビネーションのネクタイが定番だったと言う事ですね。
コーディネートは特に難しいことはありません。
本誌で提案しているように、普通のネイビーのジャケットやブレザーと合わせることから始めると良いでしょう。
また、上の90年代の画像のようにベージュのスーツとの相性が良いので、ベージュのコットンスーツとあわせるのも良いと思います。
そして、今シーズンはストライプだけでなく、小紋や幾何学柄やペイズリーでもイエロー×ネイビーのネクタイが出てきていますので、こちらも是非チャレンジしてみてください。
私が選んだイエロー×ネイビーのタイはコレです。
JOHNCOMFORTのストライプ
https://www.beams.co.jp/item/beamsf/suit/21446574107/
ブラウンがポイントカラーになっているのでコーディネートしやすいタイです。
ブレザーとシャンブレイのタブカラ―とベージュのコットンパンツで合わせました。
すべて持っているモノとのコーディネート。
連載の名のとおり、”まさに買い足しアイテム” ですね。
新しいリーディンググラスを購入しました。
ブラウンとマットブラックのフレームで2本。
サングラス・・・?
老眼世代の方は、屋外で本を読んだりスマホを見たりするときに普通のレンズでは眩しさを感じる人が多いと思います。
これから日差しが強くなるシーズンは、屋外では普通のクリアなレンズのリーディンググラスではかなり眩しくて目が疲れてしまうので、カラーレンズの付いたリーディンググラスが欲しいと思っていました。
BEAMSとJINSのコラボ、プロダクト デザイナーJASPER MORRISONのデザインです。
一番濃いブラックのレンズは完全に屋外用ですが、グリーンとブラウンは明るい屋内であれば使えます。
もちろん、ブルーライトもカット。
ありそうでなかったリーディンググラス。
BEAMSのカジュアル店舗で販売しています。
展開店舗も確認できますので、こちらをご覧ください。
https://www.beams.co.jp/item/bprbeams/fashiongoods/33070126118/
ご興味があれば是非お試しください。
おすすめのネクタイ。
イタリアメーカーの傘下でイタリア生産になりましたが、現在もコレクションは英国的なクラシックな色柄が多く、他のイタリアのネクタイブランドとは明らかに趣の違うコレクションです。
それはそれで良いのですが、反面あまりにもクラシックすぎて、数年オーダーすると新たな柄を選ぶのが難しくなるのが、このブランドの課題でした。
このネクタイもそのひとつ。
今までのホリデー&ブラウンにはなかった絶妙なオレンジのトーンは、BEAMSのリクエストで作ってもらったものです。
ちなみに、このヘリンボーンのジャケットは赤やオレンジのネップが入っているので、それもこのタイをコーディネートするポイントでした。
英国発祥のブランドでイタリア生産、そして少しアメリカ的な色使い。
なので、フマガッリのコレクションは、他のブランドにはない独特な柄と色づかいの生地がとても多く、日本での知名度はまだ低いですが、個人的にここ数年注目しているブランドです。
ネクタイの色柄は個人の好き嫌いがはっきりわかれるものなので、すべての人におすすめとは言えません。
MR BEAMS
2019年春夏のスタイルブックが完成しました!
今回は新しい試みとしてMR BEAMSと題して、BEAMSのドレスクロージングの世界観をスタイリングと読みもので紹介しています。
ページ数は、なんと99ページ!
手前味噌ですが・・・ ファッション誌並みのスタイルブックです。
今日はその内容を少しご紹介したいと思います。
巻頭はスタッフが選んだ新作アイテムの紹介。
社長の設楽や私、西口など、スタッフが選んだ今シーズンのおすすめアイテムを紹介しています。
因みに、私が選んだのはBRILLAのオリジナルのグリーンのスーツ。
これはかなり洒落ています。
今シーズン個人的に一番欲しいスーツです。
”MR BEAMSってこんな人” というコピーで、BEAMSが思う理想の男性像が書かれています。
ここで説明すると長くなってしまうので、実際にスタイルブックでじっくり読んでいただけると嬉しいです。
”WITH A TIE” のページは、2019年春夏のタイドアップのスタイルサンプルとして、スーツやジャケットのタイドアップコーディネートを載せています。
かなり多くのバリエーションがありますので、皆さんの参考になるコーディネートもあると思います。
是非チェックしてみてください。
”「昔はよかった」なんて絶対に言わない。”と題して、私が毎シーズン作成している通称 ”中村ノート” について解説しています。
そして、その中で解説している今シーズンの流れを、実際にコーディネートとアイテムで紹介しています。
これはほんの一部で、18のキーワードについて18ページにわたり紹介しています。
アイテムもたくさん載っているので是非ご覧ください。
”らしさ” は ”個性” というテーマで、スタッフのコーディネートも紹介しています。
今回は個々のコーディネートのコダワリをコメントしています。
コメントもスタッフの個性が出ていますので是非ご覧ください。
”やっぱり人が好き。” と言うテーマで、BEAMSのもの作りを支えているスペシャリストの方々も紹介されています。
スペシャリストの皆さんからモノづくりに対するこだわりを伺いしました。
普段なかなか聞けないエピソードも書かれています。
じっくり読んでいただければ、スペシャリストの方々も喜んでいただけると思います。
”本当に自分に必要なものを知っている” というページでは、各界の著名人の方々から、BEAMSでご購入いただいたアイテムをご紹介いただいています。
ご本人のコメントもいただいています。
是非ご覧ください。
後半3ページは、BEAMSでしか買えない別注アイテムを紹介しています。
ミリ単位の修正から、いちから作り上げたものまで、今シーズンのコダワリの別注アイテムを紹介しています。
別注ポイントにも触れていますので、是非ご覧ください。
今回のスタイルブックは、手前味噌ですが書店で販売されてもおかしくない内容です。
店頭での配布は明日22日から。
とにかく、今までのスタイルブックとは全く違う新しいスタイルブックです。
きっと ”コレ、ほんとにタダなの?” と思っていただけると思います。
是非最寄りの店舗でお持ち帰りください。
そして、ご自宅でじっくりご覧になってください。
ほんとにタダです。(笑)
CUSTOM TAILOR BEAMSのオーダーフェアが始まりました。
いつものとおり、私の監修しているバンチから、おすすめの生地を紹介しています。
是非ご覧ください。
https://www.beams.co.jp/news/1342/
MEN'S EX 連載 3月号
MEN'S EX 3月号
3月号の特集は ”春のお洒落具体策”
ピンクの表紙とブラウンのジャケットのコントラストがとても綺麗です。
ファッションの仕事やっていると、こういうところも気になるものです。
BEAMSが別注した英国製のバッグやカスタムテーラーの紹介ページもあります。
こちらも是非チェックしてください。
私の連載 ”中村達也の買い足しノート”
今回のテーマは "スエードジャケット"です。
以前にも少しお話しましたが、今シーズンのバイイングを行った昨年の6月のイタリア出張で、レザーのジャケットやアウターがかなり打ち出されていました。
PITTIの会場やミラノのショールームで私が撮ってきた画像をお見せします。
ご覧のように、レザーブランドだけでなく、テーラードブランドやアウターブランド、シャツブランドなど、専業ブランドではないところからもスエードのジャケットやアウターが打ち出されているのを見ても、今シーズン重要なアイテムであることがわかります。
これだけスエードのジャケットやアウターが打ち出されるのは10年ぶりくらいでしょうか。
私の記憶だと、VARSTARINO(バルスタリーノ)のスエードのドライビングブルゾンが流行っていた頃だったような・・・
スエードのジャケットやアウターの流れが来ている背景には、近年のレザーブームがあると思います。
ここ数年のライダースジャケットやミリタリーテイストのレザーやムートンのブームでもおわかりのように、オトナのカジュルスタイルにおいてレザーのジャケットの流れが来ているのは明確です。
そして、今シーズンはリゾートやリラックスというキーワードのもと、くつろいだ印象のアイテムが数多く出てきているなか、レザーのジャケットやアウターも柔らかな印象のスエードが注目され、多くのブランドから打ち出されています。
さらに、靴やバッグなど他のアイテムを見てもスエードが打ち出されていることから、スエード自体がレザーの中でトレンドになっているような印象もうけます。
ヨーロッパの人達にとって、もともとスエードのジャケットやアウターは定番アイテムなので、日本より流行とは関係のないアイテムと思う人が多いでしょう。
夏でも湿度が低いヨーロッパでは、真夏でも夜になると肌寒いこともあり、軽くて柔らかいスエードのジャケットやアウターは、サマーカシミアのニットと並んで、ある意味必需品であるとも言えるでしょう。
それでも近年はナイロン系の軽いアウターが大流行していたので、ヨーロッパでも明らかにスエードのジャケットやアウターを着る人が減っているなと感じていました。
そう言った意味では、定番アイテムのリバイバルと言えるのではないでしょうか。
私も以前購入したスエードジャケットを何着か持っているので、今シーズン久しぶりに着ようと思い、クローゼットから引っ張り出しました。
CINQUANTAのドライビングブルゾン
8年くらい前に購入したような記憶が・・・
当時バルスタリーノが大流行していましたが、へそ曲がりな私はチンクアンタを購入しました。
色も今シーズンのブラウン系のトレンドカラーであるタバコブラウンなので、これはかなり重宝しそうです。
今見ても裏地のストライプが洒落ています。
因みに、今シーズンこのモデルの復刻版を展開しています。
こちらをチェックしてみてください。
https://www.beams.co.jp/item/beamsf/blouson/21180296837/
EMMETIのシャツジャケット
これも7~8年前に購入したような記憶が・・・
襟がテーラードカラ―で裾がシャツのようにラウンドしているこのジャケットは、当時人気のモデルでした。
シャツタイプのジャケットは、まさに今の流れなのでこれも重宝しそうです。
EMMETIのM65タイプ
これは5年前くらいに購入したような記憶が・・・
ショート丈のM65タイプです。
色はタバコより少し薄いベージュですが、これも着れますね。
他のものと比べると少し重めなので、3月くらいから着れそうです。
そして、今シーズン個人的にワードローブに加えたいのがこの2着。
EMMETIのシャツジャケット
https://www.beams.co.jp/item/brilla_per_il_gusto/blouson/24180274832/
上で紹介したシャツジャケットのアップデート版とも言えるジャケットです。
レザーの厚さを0.5mmまで薄くしてあるので、かなり軽くて柔らかい。
上質なニットやTシャツの上にさらっと羽織りたいジャケットです。
畳んでもコンパクトになるので、出張に持って行くにも便利です。
タバコブラウンの色もいいですね。
CINQUANTAのダブルライダース
https://www.beams.co.jp/item/beamsf/blouson/21180268837/
ライダースジャケットはかなりカッコいいと思うのですが、表革の黒は自分のキャラクターに合わない気がして、今まで手が出ませんでした。
スエードのブラウンになるとハードな印象がなくなり、このサンプルを初めて見たときからかなり刺さりました。
それ以降プレスルームのサンプルを何度もチェックしています。(笑)
2着ともいきたいところですが、安いモノではないので、どうしようか悩むところです。
それでもメゾン系ブランドと比べれば半値以下ですからね。
富裕層の方々にとっては、2着購入しても1着以下という値段です。
ブランドによっては3着買えるかもしれません。
そう言った意味では、EMETTIやCINQUANTAのクオリティーを考えれば相当バリューがあると思います。
私は富裕層ではないので、しばらく悩むとします・・・(苦笑)
スエードのブルゾンやジャケットは、年間を通して着られるのもいいところです。
以前購入したものがクローゼットに眠っているのであれば、私のように引っ張り出して着てみてください。
まだ着たことがないという方は、是非今シーズンワードローブに加えてください。
コーディネートを上品に格上げしてくれるので、費用対効果を考えてもおすすめです。
私は2着いくか・・・
しばらく悩みます。
4ポケット ジャケット
年明けからイタリア出張の話ばかりでしたので、今回は春夏のアイテムについてお話したいと思います。
ここ数年、カジュアルジャケットの定番となった4ポケット ジャケット。
サファリ、ミリタリー、アウトドア、ワークと、様々なテイストの4ポケットが存在します。
さらに、それらのテイストをミックスさせたものも多く、今やドレス系のカジュアルジャケットとしては定番化しているとも言えます。
春夏のバイイングを行った昨年の6月のPITTI UOMOの会場でも、4ポケット ジャケットを着た人たちがかなり増えていました。
BEAMSの名カメラマン?が撮ってきたスナップがありますのでお見せします。
ご覧のように、様々なテイストの4ポケットジャケットを着た人がかなり増えていました。
コーディネートも様々で、Tシャやポロシャツと合わせたり、シャツと合わせたり、タイドアップした人も見られます。
アジア勢はショーツを合わせたりもしています。
コーディネートの決まりごとがなく、自由にコーディネートできるのも4ポケット ジャケットの良いところですね。
今やアウターブランドだけでなく、テーラード ブランドやシャツ ブランドまで、4ポケット ジャケットを展開していないブランドはないと言っても過言ではないでしょう。
これだけ4ポケットジャケットが広がった理由は、サファリ ジャケットやミリタリージャケットがトレンドとして浮上してきたこともありますが、クラシックなスタイルが軸にある彼らにとって、コーディネートしやすく新しく見えることが、取り入れるべきアイテムとして広がったのだと思います。
以前、MEN'S EXの私の連載でも紹介しているので、すでにお持ちの方も多いと思いますが、まだお持ちでないという方は、今シーズン是非チャレンジしていただきたいと思います。
4ポケットジャケットを着たことがないという方は、まずベルトのないタイプを選ぶと良いでしょう。
上の画像でもわかるように、ベルトの付いているタイプは、ベルトの結び方やフロントの合わせ方で印象が変わるので、こなれた感じで着こなすにはある程度テクニックが必要になります。
もちろん、ベルトを結ばずに無造作にポケットに突っ込むのもいいですが、それでは落ち着かないと言う人も多いようです。
ちなみに、読者の皆さんが最も馴染のある4ポケット ジャケットはM65タイプだと思いますが、昨今の4ポケット ジャケットの流れは襟が付いているものなので、立ち襟のM65は今の流れと少し違うと言う事はお伝えしておきたいと思います。
ミリタリージャケットであれば、M43タイプがおすすめです。
4ポケットジャケットの流れは2019秋冬も続いているのでご安心ください。
と言いますか、すでに定番化しているので、もはや流れもなにもないと言うのが正直なところです。
BEAMSでも今シーズンはかなり多くのバリエーションで展開します。
ORIAN
https://www.beams.co.jp/item/beamsf/jacket/21161542837/
FORTELA
https://www.beams.co.jp/item/brilla_per_il_gusto/blouson/24180271689/
CINQUANTA
https://www.beams.co.jp/item/beamsf/blouson/21180103837/
EQUIPE 70
FINAMORE
是非最寄りの店舗でご試着してみてください。
最後にウチのイケメン達の4ポケットジャケットの着こなしを。
高田はシンプルに、西口はちょっとテクニックを使って、という感じですね。
イケメンはなに着ても似合います。
羨ましい。
2019年春夏 トレンド解説動画Vol.2アップしました。
今回はスーツ編です。
是非ご覧ください。
LARDINI 2019秋冬
国内の展示会が始まりました。
今週から既にフル回転です。
先週は11:00からスタートして、終わったのが20:00過ぎと言う日もありました。
5ブランドのバイイングなので、どうしてもそのくらいの時間はかかります。
BEAMSのバイイングは、ただ並んでいるものを選んでカラーカードを見てオーダーする訳ではなく、サンプルのシルエットや着心地のチェックから別注サンプルチェックや修正、色や柄がなければ再度リクエストしたり、こちらから提案したりと、とにかくオーダーするまで細かいチェックが多いので時間がかかるのは当然なんです。
感性が良くて、完成度も追及するのがBEAMSのバイイングや企画なので、我々の業界で良く聞く ”ノリで・・・” みたいなことは私が絶対に許しません。(笑)
なので、展示会を一日中まわってもコレクションの内容が悪くて収穫の全くない日もあるので、そういう日はどっと疲れます。
3月の初めまで毎日展示会まわりが続きますが、そういう日がないことを望みます。
今日は出張中現地でアップできなかったLARDINIのミラノのショールームのレポートです。
PITTIのブースよりも更にサンプルも増えて、打ち出しもよりわかりやすくなっていましたので、PITTIのレポートよりも更に詳しくレポートします。
PITTIのブースで見られたモノトーンの打ち出しは、さらにバリエーションが増えて提案されていました。
ブラック、グレー、ホワイトで表現される様々なモノトーンのバリエーション。
スーツやジャケット、パンツだけでなく、ニットやネクタイ、シャツ、アウターにいたるまで広がっています。
LARDINIのコレクションをずっと見てきましたが、これほどモノトーンが打ち出されているのは初めてです。
個人的には上段のグレンプレイドのコーディネートが新鮮です。
黒ストライプのラウンドクレリックに黒のクレストタイ。
BEAMSだとBEAMS FというよりBRILLLAのテイストですね。
モノトーンの挿し色にはイエロー系が使われています。
モノトーン+イエローというコーディネートだけでなく、モノトーン柄にイエローが挿し色に使われている生地も今回のイタリア出張ではかなり多く見られました。
イエローは今年の春夏の代表的なトレンドカラーなので、来秋冬も継続的な流れになっているのは間違いありません。
モノトーンとは対照的な温かみのあるベージュからブラウンのバリエーションもかなり多く展開されていました。
こちらは近年のラルディーニのイメージを踏襲した打ち出しというイメージですが、合わせるカラーに変化がありました。
PITTIのレポートでもご報告したとおり、キャメルやブラウンにレッドやオレンジを合わせる提案は、PITTIのブースよりさらにバリエーションを増やして提案されていました。
レッドやオレンジは今回のイタリア出張で本当に多く見られたカラ―でした。
鮮やかなレッドだけでなく、ボルドーを使ったコーディネートもありますが、これは従来のラルディーニのイメージなので馴染がある感じですね。
ブルーは他のブランドと同じくロイヤルブルーのようなトーン。
グリーンはブルーを混ぜたようなダークめなターコイズ?が打ち出されていました。
来秋冬はレッド、オレンジ、イエローの打ち出しが特に目につきますが、日本人にとってはロイヤルブルー系の方が取り入れやすいカラ―だと思います。
グリーンは80年代にダートマスグリーンが流行ってから何度もグリーンの流れがありましたが、結局日本で受け入れられたのはミリタリーグリーンだけと言ってもよいでしょう。
BEAMSでは、グリーンが目立つブラックウオッチが最近人気なので、意外と難しくないと感じている方も多いのではないかと思っています。
スーツはミディアムからライト系のバリエーション。
白黒のグレンプレイドやハウンドトゥースばかりが目立ちますが、スーツはミディアムグレーからライトグレーの打ち出しが増えています。
白黒のグレンプレイドやハウンドトゥースは、遠目にはライトグレーに見えるので、そういった関連性もあると思います。
ブラックを着れない人はチャコールグレーのスーツを着て ”黒っぽく見せる” と言うのも良いと思います。
コートは色々新しいモデルもありましたが、個人的に刺さったのがこのコート。
ブラック×パープルのガンクラブも刺さりますが、今までのラルディーニのコートと比べるとゆったりとしたシルエットで長い着丈が特徴です。
こんな感じのゆったりとしたシルエットで着丈が長く、軽い仕立てのシングルのコートが今回は多くのブランドから打ち出されていました。
まさに、来秋冬の流れを象徴するようなモデルです。
ゆったりとして着丈が長いコートが好きではないという方も多いと思いますが、クラシックの観点から言えば、オーバーコートはゆったりとして長い着丈がと言うのが基本なので、トレンドではなく原点回帰だという事だけはご理解ください。
今回も良いコレクションでした。
トレンドの適度な取り入れ方と、従来のラルディーニらしいテイストのバランスが絶妙なコレクションでした。
やはり、PITTIのブースだけでなく、ミラノのショールームでフルコレクションをチェックすることが重要ですね。
ピックアップはほぼ終わっているので、最終のオーダーは今週末。
今回も良いオーダーができると思います。
あとは値段だけですか・・・
すでにご覧になった方も多いと思いますが・・・
2019年春夏 トレンド解説動画アップしました。
第一回目はアウター編です。
是非ご覧ください。
PITTI UOMO 95 続報 2
今週から国内の展示会が始まりました。
ここから3月初めくらいまで、毎日展示会まわりです。
先週、各レーベルのディレクター、バイヤーと来秋冬のディレクションのミーティングも終わり、後はどのようにバイイングや企画に落とし込むかという段階です。
ウチのチームは優秀で、私がいちいち細かく言わなくても皆しっかり流れを掴んでいるので、毎回ディレクションとの大きなズレはありません。
それでも私を含め各々が見落としている部分もあるので、それを補い小さな変化も見逃さない事が重要なのです。
あとは買い過ぎ(オーダーし過ぎ)注意ですね。(笑)
皆洋服大好きですから、バイイングしたいモノはたくさんあるんです。
全部買えるわけないので、ここから絞り込むのもディレクターやバイヤーの力量が問われるところですね。
と言うことで、今日も展示会から戻り、諸々仕事を片付けてからブログを書き上げました。
今回もPITTI UOMO 95の続報です。
GABRIELE PASINI
PITTIの会場の出展ブースの中でも、毎回ひと際派手でエキセントリックなイメージのガブリエレ パシーニ。
今回はパジーニなりの解釈で英国スタイルを提案していました。
フェアアイル、タータン、ガンクラブ、チョークストライプ、クラブタイ、クレリック、ラウンドカラ―等など、トラディショナルなアイテムを多く使っていますが、全くクラシックに見えないのがパジーニの真骨頂でしょうか。
英国調の流れをこれだけデフォルメして表現しているブランドはなかなかありません。
パジーニのようなブランドでも、これだけ英国色の強い色柄やアイテムを多く取り入れているのを見ても、英国調の流れが強くなっているのがわかります。
DRUMOHR
毎回ミラノのショールームでチェックするドルモアのコレクション。
今回はスケジュールが合わず、PITTIのブースでチェックしました。
ディスプレイは、ニットを中心にジャケットやコートとパンツを組み合わせたコーディネート。
トレンドであるモノトーンやキャメル~ブラウンのコーディネートをおさえつつ、英国調の柄を多用したコーディネートで英国の流れをを誇張した見せ方をしていました。
ニットはドルモアらしい、クラシックをベースに現代的にアップデートされた色柄が多く、オリジナリティーのあるコレクションになっています。
反面、ルーツであるクラシックな英国の老舗ブランドのイメージが薄れているところは評価が分かれるところだと思います。
カラーはレッド、イエロー、グリーン、パープルと、流れをしっかりとらえています。
さらに、それらのカラーを発色の良いトーンで表現しているのもドルモアらしいところです。
個人的にはイエローとキャメルやブラウンのコンビネーションがとてもキレイで刺さりました。
クラシックな英国柄をアップデートさせた提案が多かった今回のPITTIですが、かなり前からそのような提案をしてきたドルモアにとっては、必然的な流れと言っているような内容のコレクションでした。
DRAKE'S
PITTIに出展しているネクタイブランドの中で、いつも来場者であふれているドレイクス。
ネクタイブランドで、こんなに盛り上がっているブースは他にありません。
今回はネクタイやスカーフだけでなく、ここ数年力を入れてきたアパレルのバリエーションを更に増やしていました。
ネクタイは、さらに大柄になったビンテージ調のプリントが目を引きました。
ストライプは80年代に流行したマルチカラ―のストライプなどもあり、クラシックでありながらアメリカ的な雰囲気も感じさせるバリエーションになっています。
以前から評価の高いマフラーのコレクションは相変わらず充実していますが、今回はプリントのスカーフのバリエーションを増やして打ち出していました。
これは他のネクタイブランドと同じ流れですね。
近年ちからを入れているジャケットやスーツは、クラシックな英国柄やコーデュロイを使い、英国とイタリア、アメリカをミックスさせたようなコーディネートを打ち出しています。
こういった、国やジャンルに縛られないミックス感が今の英国の若い世代のテイストで、実際にロンドンでも、このようなテイストのショップが増えてきています。
ドレイクスは創業当時から、英国ブランドでありながらフランスやイタリアやアメリカをメインのターゲットとしてネクタイを販売してきたので、そのようなテイストが今も受け継がれているとも言えるでしょう。
カジュアルは完全にアメリカンテイストです。(笑)
アメカジ先進国?に住む我々日本人にとっては、どこかで見たことのあるテイストですが、アメカジのベースが全くない英国人にとっては、このようなアメリカンなテイストは、かなり新鮮であることは間違いありません。
クリエイティブディレクターであるマイケル ヒル自身、来日すると東京のカジュアル ショップも綿密にリサーチしているので、コレクションは日本的なアメカジの雰囲気も感じます。
彼自身BEAMS PLUSが大好きですからね。(笑)
今回のコレクションで敢えて苦言を呈すると、Dの文字が大きいカラフルなレタードニットは個人的には・・・? でした。
パーマン(古いか)みたいで、アニメっぽくてポップな印象が強いんです。(苦笑)
なので、正直にスタッフに伝えました。
スマホでパーマンの画像を見せて。(笑)
専業ブランドのトータル化に苦言を呈する人もいますが、ドレイクスはロンドンに自身の名を冠したショップを展開しているので、そのショップを見るとトータルで展開している意味も理解できると思います。
良いお店です。
ロンドンに行かれた際は是非行ってみてください。
PITTIのレポートは今回で終わりです。
ミラノのショールームやロンドンのレポートもありますし、そろそろ春夏の話題もアップしたい・・・
色々アップしたいことがあるのですが、なにぶん文才がないので人一倍時間がかかるんです。
文才があってすらすら文章が書ける人がうらやましい。
この歳になって、やっと若い時にもっと勉強しておけばと思います。(苦笑)
PITTI UOMO 95 続報
先週金曜日に帰国しました。
結局今回の出張では時間がなく、レポート3回しかアップできませんでした。
すみません。
毎日アップするくらいの気持ちでいるのですが、内容を重視すると寝る時間がなくなってしまうのです。
今回もブログ書いている最中に何度も寝落ちしながら書いていました。(笑)
短く軽い内容であれば毎日アップできるのですが、それは読者の方たちも望んでいないと思うので、中途半端な内容でアップできないなと思っています。
今週月曜から出社しましたが、少し時間の余裕があるかと思いきや、私の帰国を待ち構えていた人たちが多く・・・
全く余裕のない毎日です。
それでも現地でアップできなかったレポートをなるべく早くアップしたいと思い、空いた時間に少しづつ下書きしつつ仕上げました。
と言うことで、今回はPITTI UOMO 95の続報です。
MACLOUREN
BEAMSでも今シーズン好調だったマックローレンは、小さなコレクションでありながら流れをしっかり捉えた内容でした。
アーガイル、フェアアイル、チルデンとクラシックなパターンのニットをアップデートさせた提案でした。
今回のPITTIを見ると、クラシックな英国調のニットは継続した流れですが、色柄を今の時代感に合わせてアップデートさせたものが多く見られました。
個人的には久しぶりにアーガイルもいいかなと思っています。
GUYROVER
ブースがシンプルすぎて我々も気づかず素通りしてしまいそうなGUYROVERのブース。(笑)
私も素通りしてしまったので最終日にしっかりチェックしました。
ドレスシャツはグレー×ホワイトのモノトーンのストライプとチェックが目をひきました。
ブラック×ホワイトのストライプやチェックを展開しているブランドもありましたが、ビジネスシーンを考えるとグレー×ホワイトの方が取り入れやすいですね。
グレーのスーツに合わせてグレーとホワイトでシンプルにまとめるコーディネートも良いと思います。
グレーのプリントも展開していました。
他のブランドで展開しているブラックベースのプリントより取り入れやすそうです。
プリントの流れは続いているので、今回のPITTIでも多く見られましたが、秋冬はコーディネート的にちょっと難しいかなと言う印象です。
春夏の軽快なスタイルの方が合わせやすいと言うのが正直なところです。
春夏からの継続としては、プリントよりもタータン系の方がリアリティーがあります。
今回のPITTIで多く見られたオーバーシャツのようなタイプも中綿を入れたアウター的な要素のものもあり、バリエーションを増やして展開していました。
FINAMORE
フィナモレは本業のシャツよりも4ポケットジャケットやダブルポケットのオーバーシャツの提案が目立っていました。
昨今のイタリアのシャツブランドでは、一部の高級ブランドを除いて、ほとんどのブランドがこのようなオーバーシャツや4ポケットのモデルを展開していると言っても過言ではないでしょう。
フィナモレも最初はこのようなものが売れないと思っていたようですが、実際に展開してみるとセールスも良く、バリエーションを広げて積極的に展開しているようです。
BEAMSでもサファリジャケットタイプを春夏展開しているので、是非店舗でお試しになってみてください。
フィナモレはモノトーン系のシャツはディスプレイされていませんでしたが、ブラウン系のストライプで目を引くものがありました。
キャメルとブラウンのトーンがいいですね。
ブラウン系のスーツに合わせると映えそうです。
グレー×ホワイトと同じくトーン オン トーンで合わせるといいですね。
LUIGI BORRELLI
年齢層が高く、ラグジュアリー層をターゲットとし、トレンド要素を強く取り入れないルイジボレッリもモノトーンを展開していました。
他のブランドと比べるとホワイトの分量が多く、ブラック×ホワイトよりグレー×ホワイト、ダークネイビー×ホワイトでモノトーンを表現している印象です。
ルイジボレッリのようなラグジュアリー系ブランドは、このような感じで流れを取り入れた方がブランドの雰囲気と合うので、正しい選択だと思います。
全体的にはブラウン系のバリエーションが一番多く、次にグリーン系、新たな打ち出しとしてモノトーンが提案されている印象です。
日本ではシャツブランドとしての認知度が高いですが、本国ではトータルブランドのイメージの方が強いので、PITTIのブースも毎回シャツ以外のアイテムのバリエーションが多いです。
FRANCO BASSI
PITTIに出展しているネクタイブランドの中でも打ち出しが明確で傾向がわかりやすいフランコバッシ。
春夏のネクタイのトレンドカラーであるイエロー×ネイビーのトーンが継続的に打ち出されていました。
個人的にはオレンジを使ったバリエーションが新鮮です。
柄は大柄のプリントやジャガード、ワイドピッチのストライプ、ビンテージ調という流れは継続しています。
トレンドカラーであるイエローやオレンジやグリーンの取り入れ方が上手く、さすがフランコバッシという印象です。
スカーフもプリント系のバリエーションがかなり多いです。
少し落ち着くかなと思っていたプリントスカーフの流れですが、他のブランドも積極的に展開していたので、来秋冬も流れが続いているの間違いないでしょう。
因みに、オレンジのストライプ、既にPITTIでしていました。
フランコバッシではないですが、これはおすすめです。
https://www.beams.co.jp/item/beamsf/suit/21446415380/
既に入荷ししていますので、ご興味のある方は最寄りの店舗にお問い合わせください。
来週から国内の展示会が始まります。
忙しくなりますが、PITTI、ミラノ、ロンドンと、まだまだレポートしたいことがありますので、なるべく早くアップできるように頑張ります。
現地でほとんど買い物しない私ですが、傾向が見えると帰国して色々欲しいものが増えます。
早速買おうと意気込んでいたものがあったのですが、在庫を調べたらマイサイズ完売・・・
他のショップで売っているようなものでないので、今年の秋まで待つしかないですね。
セールも終盤ですが、次の秋冬の傾向が見えてくると今すぐに欲しいものが出てくるものなんです。
職業病? かもしれないですね。(笑)
STILE LATINO 2019 秋冬
来秋冬のトレンドカラーである赤やオレンジやグリーンをブラウンやベージュの挿し色に使った生地が多く見られました。
PITTI UOMO 95 2日目 3日目
タータンやネップ入りのヘリンボーンをカラフルな色で表現する提案はオリジナルティーがあり、クラシックな柄のアップデートと言う流れにも合ってはいますが、ちょっと難易度が高いというのが正直な印象。
”ツイードに見えるが軽く柔らかく”