STILE LATINO 2019 秋冬
火曜日からロンドンに来ています。
今日はノーザンプトンにあるCHEANEYのファクトリーに行って来ました。
ミラノでは週末も休みなしでひたすら朝から晩までショールームまわりだったので、長い食事を終えてホテルに戻るとクタクタでブログをアップする余裕も全くなくレポート出来ませんでした。
という事で、少し時間が開いてしまいましたが、今回はミラノでチェックしたスティレラティーノのコレクションについてです。
90パーセントがオリジナルの生地と言うだけあって、特にジャケットとコートの生地に関しては他のブランドでは見たことのない生地ばかり。
来秋冬のトレンドカラーである赤やオレンジやグリーンをブラウンやベージュの挿し色に使った生地が多く見られました。
そして、オレンジとチャコールグレーのコンビネーションも見られます。
グレーやブラックとカラーのコンビネーションは他のブランドでも多く見られましたが、スティレラティーノでもしっかり展開しています。
意外と少なかったのがモノトーン系のチェック。
この大柄のブラウンのグレンプレイドは、これまでのスティレラティーノらしいカラーコンビネーションですが、今回は白黒のカラーコンビネーションも揃えていました。
スワッチだけ肩にかけていましたが、実際にこの生地でサンプルが仕上がっていたら相当にカッコいいコートですね。
生地は他のブランドと同様にツイードのように見えても軽くて柔らかい生地が多く、重くてドライなタッチの生地は今年に比べるとかなり減っていました。
カシミヤやキャメルやヤクなど、高級素材が増えているのは良いのですが、値段がどうしても高くなってしまうのがネックですね。
その辺は充分注意してチョイスしたのでご心配なく。
今回のコレクションで気になったモデルをヴィンチェンツォに着てもらいました。
ベルトは縛るのではなく、バックルに通して帯に巻き込むスタイルを提案。
このこなしはスティレラティーノらしくてカッコいいですね。
もうひとつはカシミアダブルフェイスのガウンのように軽いコート。
ただ、あまりにもマニアックなテイストなので、このモデルに関してはモディファイをお願いしました。
本人はリアルなガウンをイメージして作ったと言っていましたが、気持ちはわかるけど・・・
と言う感じですね。(笑)
そして、このコートもかなりマニアックなモデル。
昔指揮者が寒い時にフォーマルウェアの上に着ていたコートからインスピレーションを受けて作ったモデルです。
裏はファーが貼ってあるので相当ラグジュアリーですが、画像でもわかるようにまるでマントのようなシルエットです。
フロントカットも丸いので、相当マニアックなディティールとシルエットのコートです。
売れるかどうかは微妙なところですが、こんなマニアックなコートを打ち出せるのもスティレラティーノだけでしょう。
今回のコレクションの中で個人的に一番刺さったジャケットがこれです。
他のブランドでは見たことも無いカラーコンビネーションのウインドウペンです。
これはプレコレクションの時に生地だけ見ていたのですが、実際にジャケットになって見るとさらに良く見えます。
今すぐにでも着たいジャケットです。
結果から言うと、今回も素晴らしいコレクションでした。
ジャケット、スーツのディティールやシルエットは大きな変化はありませんでしたが、コートは新しい提案もあり、スティレラティーノの世界観がしっかり伝わるコレクションでした。
高級な素材を使った生地とマニアックなモデルが増えているのは気になるところですが、その辺はBEAMSらしいモディファイと生地選びで対応しているので問題ありません。
最終的なバリエーションは日本で決めますが、今回も良いオーダーができると思います。
明日は出張最終日ですが朝からアポイントがあります。
もうすぐ午前2時、そろそろ限界です。
おやすみなさい。