ELEMENTS OF STYLE -27ページ目

パリっぽいALDEN

 
オールデンについて調べたいことがあり、昨年発行された2ndのバックナンバーのALDEN特集を取り寄せました。
 
 
 
 
調べたいというのは、この表紙の靴のこと。
 
 
オールデンファンの方なら知らない人はいない、通称V-TIP(正式なモデル名はARGONQUIN)。
 
 
このモデル、今はアメリカ色の濃いモデルと思っている方が大半だと思いますが、もともとはパリの伝説のセレクトショップ ”HEMISPHERES” (エミスフェール)が洋服屋としては初めてオーダーしたもので、我々世代にとってはアメリカというよりもフレンチアイビーを代表するモデルなんです。
 
 
私がBEAMSや業界の先輩方から聞いた、このモデルが誕生したエピソードをご紹介します。
 
 
 
エミスフェールのオーナーだったジャン セバスチャンとピエール フルニエがパリのアンティークマーケットで見たことのないアメリカ製の靴を見つけます。 その靴のインソールにはJACOBSONというブランド名が刻印されており、早速彼らはこの靴がどこで作られているのか調べ始めます。 いろいろ調べた結果、ニューヨークのある靴屋で売られていることを知り、彼らは実際にその店を訪ねます。 訪ねた店は普通の靴屋ではなく、足に問題を抱える人の矯正靴を扱う専門店でした。 そして、その店で彼らは探していた靴を見つけます。 その靴を自分たちの店で扱いたいと店員に伝えると、その靴はALDENで作られていることを知らされます。その後エミスフェールがALDENにこのモディファイドラストのV-TIPをオーダーし、1980年代前半に彼らの店で取り扱われ始めます。
 

 
私が知りえる情報をまとめると、このような感じになります。
 
 
また聞きで彼らに直接聞いた話ではないので、正しいエピソードなのか確信はないのですが、いろいろな方々から伺った話をまとめると、このようなストーリーで大きな間違いはないようです。
 
 
少し前に、このV-TIP誕生のエピソードをどこかで見た覚えがあり、いろいろ調べると、この2ndのALDEN特集号に掲載されていました。
 
 
 
 
エミスフェールの共同経営者だったピエール フルニエさんがエミスフェールを閉店した後、パリにオープンしたANATOMICAを日本で運営するサーティー ファイブ サマーズの代表の寺本欣司さんがモディファイドラストのV-TIPの誕生秘話を誌面で紹介しています。
 
 
寺本さんがピエールさんから直接聞いた話が書かれているので、これが最も正しい話だと思います。
 
 
内容を読むと、細かい部分はわからないですが、大筋で私の情報は間違っていないようです。
 
 
寺本さんとは旧知の仲ですが、ずいぶんお会いしていないので、会う機会があれば是非この話を伺いたいと思っています。
 
 
そして、間違いがあれば修正して皆さんにも再度お伝えします。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
エミスフェールがこの靴を扱い始めると、見たこともないオールデンのモデルに日本人のバイヤー達が注目します。
 
 
BEAMSもモディファイドラストのV-TIPを展開しようとALDENのカタログをチェックしますが、そんなモデルはどこにもありません。
 
 
ALDENに直接問い合わせてみると、通常のモデルではなく、オーソペティック(医療用)のモデルなので、オーソペティックのカタログを送るのでそれを見てくれということ。
 
 
 
 
ちなみに、私が保管している80年代から2000年代前半くらいまでのALDENのレギュラーモデルのカタログ。
 
 
年代ごとにチェックすると、モデルがほとんど変わっていないのがわかります。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そして、これがオーソペティックのカタログ。
 
 
 
 
表紙にFOOT BALANCE SYSTEMと書いてあるのがわかります。
 
 
右のモデルがモディファイドラストのV-TIPです。
 
 
モデル名は "Six eyelet algonquin blucher oxford" と書かれています。
 
 
この二つのカタログは90年代以降のモノなので、当時送られて来たカタログはモノクロの小さなカタログだった記憶があります。
 
 
 
 
 
 
 
 
送られて来たオーソペティックのカタログを見ると、V-TIPは載っているものの、モディファイドラストと言うだけあって、ラストの振り(曲がり具合)が何種類もあります。
 
 
私もそのオーダーの場に立ち会わせてもらったので、鴨志田さん(現ユナイテッドアローズ)と当時の上司でバイヤーだった松山さんがラスト選びに苦戦していたのを覚えています。
 
 
そして、初回のオーダーが入荷すると、エミスフェールのそれとは少し異なる、おとなしめのモディファイドラストのV-TIPが入荷するという苦い経験がありました。(苦笑)
 
 
その後、雑誌BEGINでオールデン特集が何度も組まれ、日本でオールデンの大ブームが起きると、各社がモディファイドラストのモデルを別注で作るようになり、世界的にも珍しいオーソペティックのモデルがドレスシューズの定番となり現在に至ります。
 
 
そして、オールデンの人気が増せば増すほど、モディファイドラストのオールデンが世に出たきっかけは、パリのエミスフェールだったことを知る人も少なくなってしまいました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
1988年~90年のパリで撮ったエミスフェールの写真がありますのでお見せします。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
国やジャンルにとらわれず、世界中から良いものを集めた素晴らしいセレクトショップでした。
 
 
1979年にオープンして、1993年に閉店したので14年間しかやっていなかった伝説のセレクトショップです。
 
 
94年に共同経営者だったピエール フルニエさんがANATOMICAをオープンさせ、そこで今もモディファイドラストのオールデンを扱っているので、ある意味アナトミカがエミスフェールの魂を継承しているとも言えます。
 
 
なので、私にとってはいつになってもモディファイドラストのオールデンはパリっぽいオールデンなんです。
 
 
そんなウンチクどうでもいいという人もいると思いますが、モディファイドラストのオールデンを持っている人は、”そういえば中村が パリっぽい靴だって言ってたな” と思って履いていただけると嬉しいです。
 
 
先人の思いがつまっているモノは、それを理解して身に着けたい。
 
 
今日はそんな思いでブログを書きました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
私がALDENを履いてるイメージがないとよく言われますが、20代~30代のころはかなり履いていました。
 
 
3年前にALDENについてこのブログで書いていますので、ご興味のある方はこちらもご覧ください。
 
 
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My ALDEN
 
 
 

気楽で気軽な時計


真夏に向けて、休日に気楽にできる時計を探していました。

 

 

気楽にできる時計と言えばSWATCHあたりになるのですが、あまりピンとくるモデルもなく、自社で何かないかなとBEAMSのオンラインショップで時計を検索してみると、メンズだけで300点近いバリエーションがあり、すべてをチェックするのがなかなか大変。

 

 

自分が言うのもおかしいですが、洋服屋で扱う時計のバリエーションをはるかに超えています。

 

 

BEAMSで展開している時計を全部集めたら時計のセレクトショップができそうです。

 

 

そんな数百点あるバリエーションをチェックしていると、ささる時計がありました。

 

 

 

 

TIMEX ORIGINAL CAMPER

https://www.beams.co.jp/item/bprbeams/watch/11480151232/

 

 

1980年代に米軍仕様のミリタリーウオッチとして販売されたオリジナルモデルの復刻版です。

 

 

私が大学生の頃にしていた時計の復刻版なので、めちゃくちゃ懐かしいです。

 

 

当時のモデルは手巻きでしたが、今は手巻きのムーブメントが製造できなくなったのでクオーツになっています。

 

 

できれば手巻きが良かったのですが仕方ないですね。

 

 

それ以外は当時と変わらず忠実に再現されています。

 

 

そして、迷わず2色買いしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実際につけてみると本当に懐かしい感じです。

 

 

 

 

そして、時計をしているかどうか忘れるくらい軽い・・・

 

 

その気楽で気軽な感じがいいんです。

 

 

30数年ぶりですが、当時アメカジスタイルに合わせていたことを思いだします。

 

 

アメ横で¥5000-くらいで買ったような覚えがあるのですが、定かではありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

TIMEXと比較検討したのがこの時計。

 

 

 


HAMILTON KHAKI FIELD MECHANICAL

https://www.beams.co.jp/item/bprbeams/watch/11480416707/

 

 

これも懐かしい。

 

 

TIMEXのキャンパーと同時期に流行っていました。

 

 

当時と比べるとケースの大きさが38㎜と大きくなりましたが、今でも手巻きのムーブメント。

 

 

今やハミルトンはモデルのバリエーションも増え、今っぽいデザインのモデルも増えましたが、自分にとってハミルトンのイメージはこのカーキの手巻きモデルなんです。

 


値段は¥54,000-(税込)、休日に何も考えず気楽に使う時計としては値段が気軽ではないですね。

 

 

 

 

ミリタリー系の時計はコレを持っているので、今回は洋服の色に合わせて使い分けることも考えて、TIMEXを2色買いすることにしました。

 

 

ハミルトンのカーキも惹かれますね。

 

 

ネットで検索すると、ケースが小さいヴィンテージのモデルも見られますが、ほとんどがSOOLD OUT。

 

 

ヴィンテージを購入することも視野に入れて、気長に検討しようと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

我々世代はカジュアルなスタイルに高級時計をしてバランスをとるという考え方もありますが、個人的にはなんとなく昔っぽいなというのが正直なところ。

 

 

おまけに私が言うカジュアルとは、Tシャツにイージーパンツのような、どカジュアルな服装ですからなおさらです。

 

 

そして、セカンドウオッチとして海外出張に気軽に持っていけるのも良いところ。

 

 

特にナポリは時計目当ての強盗が多いので、ナポリに着いたら時計を外すのが常識で、ある意味儀式でもあるのです。

 

 

私の知人も何人もナポリの街中で高級時計を強奪されていますからね。

 

 

今やナポリだけでなく、ミラノの街中でも同様の被害が多いそうです。

 

 

なので、絶対に強盗に狙われないこんな気楽な時計は、時計をはめていないと落ち着かない我々世代には、出張に持っていくのにも丁度いいのです。

 

 

カジュアルだけでなく、たまにはハズシでジャケットやスーツに合わせるものいいかなと思っています。

 

 

二本買っても¥17.928-

 

 

値段も安くて気楽で気軽な時計ですが、30数年ぶりに手に入れてなんとなく嬉しい気分です。


時計には色々な価値観があると思いますが、ブランドや値段や蘊蓄ではない価値観もあると思います。


私の場合は自分のスタイルにあうこと。

 

 

学生時代にしていた時計を50歳を超えて買いなおしてまた喜んでいる。

 

 

そんな価値観もあっていいと思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

PITTI SNAP by BEAMS 2019年 6月

 

毎日雨が降って何を着るか迷う日々。

 


コーディネートは靴が要なので、毎日天気予報をチェックして、雨に対応できる靴を決めてから何を着るか考えています。

 

 

靴は濡れても手入れすればいいので全く気にならないのですが、靴下が濡れるのが気持ち悪いので、そっちのほうが神経質なります。

 

 

来週には梅雨明けする予報なので、もう少しの辛抱ですね。

 

 

今回は先月のPITTI UOMOで撮ってきたスナップの中から、今の季節に合う軽めの着こなしの画像をピックアップしてご紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白いリネンのワンピースカラーのシャツにブラウンのリネンのパンツ。

 

 

 

 

 

 

シンプルで清潔感のあるコーディネート。

 

 

リネンのパンツはベルトレなので、ウエストまわりがすっきりしていていいですね。

 

 

シンプルで物足りなかったのか、ポケットにスカーフ?を入れてチラッと見せる小技。

 

 

個人的には首に巻いた方がよかったかなと思います。

 

 

足元はベージュのスエードのスリッポン。

 


シャツ一枚でもきちっと見えるコーディネートは、日本のクールビズでも参考になりそうなスタイリングです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワーク系のシャツにオフホワイトのリネンのサイドアジャスター。

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカンテイストのシャンブレーのワークシャツにリネンのサイドアジャスターという、ミックススタイルのコーディネート。

 

 

もともとクラシック回帰の流れで出てきたベルトレスのサイドアジャスターのパンツですが、ここ数年でかなり広まったこともあり、ここにきてカジュアルなテイストとミックスする人も増えてきています。

 

 

個人的にはコーディネートの幅が広がって良い傾向だと思っています。


靴が黒のタッセルですが、このスタイルには少し重いかなと思います。

 

 

このあたりがミックステイストのコーディネートにまだ慣れていない印象を受けます。

 

 

黒靴を合わせるのであれば、今なら同じ黒でも軽く柔らかく見えるブラックスエードかなと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらもミックスコーディネート。

 

 

 

 

 

 

 

 

US ARMYのミリタリーシャツにTシャツを合わせ、パンツはホワイトのベルトレスのサイドアジャスター。

 

 

上質なTシャツとクラシックなパンツに古着のミリタリーシャツというミックスコーディネート。

 

 

今回のPITTIでは、ミリタリーテイストのアウターやジャケットとクラシックなテイストのミックススタイルが本当に多くみられました。

 

 

ミリタリーシャツのサイズ感がいいですね。

 

 

ヨーロッパの人たちは日本人と比べるとアメカジに疎い人が多いので、サイズ感を間違って野暮ったくなっている人が結構多いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボルドーのリネンシャツにワイドシルエットのチノパン。

 

 

 

 

 

 

 

 

さらっと着ているようで意外と計算されたコーディネート。

 

 

シャツはワイドスプレッドの襟ですが、少し幅の広い前立てがついているのがポイント。

 

 

これで前立がないイタリアっぽい雰囲気のシャツをあわせると、ラギッドな雰囲気のチノパンやスニーカーとの相性が悪くなり、このコーディネートが成立しません。

 

 

細かい部分ですが、合わせるアイテムのディティールに気を使うことは、コーディネートするうえで重要なポイントです。

 

 

ベルトがラギッドな雰囲気なのもいいですね。

 

 

このコーディネートの場合ベルト選びも重要です。

 

 

パンツは深めの2インプリーツとベルトループの幅を見るとアメリカのブランドのものと思われます。

 

 

古着かもしれませんね。

 

 

丈の長さも絶妙なので野暮ったい感じが全くありません。

 

 

VAN'Sのデッキシューズも、こんな風にあわせると子供っぽく見えません。

 

 

時計やアクセサリーを見ても、ただシンプルなだけのコーディネートでないのがわかります。

 

 

この方、カメラを持っているのでフォトグラファーでしょうか。

 

 

PITTIの会場ではこんなお洒落なフォトグラファーを結構見かけます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カジュアルなグリーンのジャケットにベージュのドローコードのパンツ。

 

 

 

 

 

 

ジャケットの色がとてもいいですね。

 

 

個人的にもこんなグリーンのジャケットを来春夏着たい気分です。


日本ではなぜかグリーンが人気ないので、BEAMSで展開するのは難しいかもしれません。(苦笑)

 

 

パンツはゆったりしたノープリーツのチノパンに見えますが、ドローコードのパンツです。

 

 

日本ではテーパードの強いクロップドのイージーパンツがカジュアルでは人気のようですが、オトナの人たちにはこんな感じの少しゆとりのあるナチュラルなシルエットのイージーパンツがおすすめです

 

 

カジュアルなジャケットには珍しい、チェンジポケットの付いたスラントポケットというのも個人的にかなり刺さります。

 

 

丸みのあるフロントカットもいいですね。

 

 

この方のやっているスペインのブランドのジャケットですが、雰囲気がすごくいいです。

 

 

夏のカジュアルなジャケットスタイルはこのくらいの抜け感があるといいですね。

 

 

ただ、このコーディネートに白いチーフは必要かなと・・・

 

 

それだけが気になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リネンのダブルのネイビージャケットにピンクのパンツ。

 

 

 

 

 

 

 

 

リネンのネイビージャケットに白のワンピースカラーは、イタリア人の夏の定番スタイル。

 

 

特にこの方くらいの世代のイタリア人にとっては、リネンのネイビージャケットに白いワンピースカラーのシャツは夏のマストアイテムと言えるほど、クラシックなカジュアルスタイルには欠かせないマストアイテムです。

 

 

綺麗なピンクのパンツに白いキャンバスデッキという合わせもいいですね。

 

 

これに高級なレザースニーカーやイタリアっぽい艶感のあるレザーシューズを履いていたら完全にアウトです。

 

 

古臭く見えてコーディネートが台無しになります。

 

 

ピンクは来年の春夏のトレンドカラーですが、それを意識してのピンクのなのかどうかはわかりません。

 

 

よく見るとソックスがオレンジ・・・

 

 

イタリアでも有名なウェルドレッサーの彼がすることですから、何かこだわりがあるのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カジュアルなネイビーのトラベルスーツ。

 

 

 

 

 

 

 

 

生地の光沢感から見ると、化繊か化繊が混紡されている機能素材を使っていると思われます。

 

 

パンツもおそらくドローコードが入っているので、トラベル系のセットアップスーツですね。

 

 

日本でも最近はこのようなトラベルスーツと言われる、機能素材を使ったセットアップ系のスーツが人気ですが、意外とカジュアルっぽく着こなしている人が少ないかなという印象です。

 

 

ネイビーのワントーンでまとめていますが、よく見るとインナーに着ているニット?が濃いインディゴブルーで、下に着た白いTシャツを裾から少しのぞかせているのがポイント。

 

 

白いバッグとスニーカーも計算されたあわせのように感じますが、あざとく見えないのが良いところ。

 

 

さらっと着こなしているようで、実は細かいところまで気を配ったコーディネートです。


個人的にはチーフはいらないかなと思いますが、イタリア人ならばカジュアルなスーツでもチーフは必須という気持ちもわからないでもないです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

インディゴブルーが絶妙なリネンのセットアップスーツ。

 

 

 

 

 

 

 

 

インディゴブルーのグレンプレイドのセットアップスーツはパンツがドローコードです。

 

 

素材がリネンなので皺の感じもいいですね。

 

 

今回のPITTIでは軽いジャケットとドローコードのパンツのセットアップが本当に多かったです。

 

 

サプライヤーからの提案が多く、実際に着ている人も多いというのは、確実にその流れが来ているということです。

 

 

このようなタイプのジャケットには珍しい、チェンジポケット付きのスラントポケットというのもいいですね。

 

 

なで肩でナチュラルなショルダーラインと絞りの緩いウェストシェイプのラインも素晴らしい。

 

 

こんなセットアップスーツ自分も着たいです。

 

 

インナーのTシャツは後染めのグレー。

 

 

いい感じのビンテージ風に仕上がっています。

 

 

淡いインディゴとグレーとのマッチングもとてもいいです。

 

 

スニーカーはスタンスミス。

 

 

薄いグレーに見えるくらい汚れていますが、わざと汚しているように見えます。


Tシャツとスニーカーのビンテージ感を合わせているような・・・

 

 

本当に計算していたらすごいこだわりですね。

 

 

これもカジュアルスーツに白いポケットチーフ。

 

 

彼はイタリア人ではないですが、やはりチーフをさしたくなる世代でしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

PITTIで見る夏のカジュアルスタイルも、ここ数年で随分変わりました。

 

 

特に、いろいろなテイストを上手くミックスしてコーディネートする人達が増えたなと感じています。

 

 

アイテムを見ても、すごく新しいものが出てきているわけではないので、持っているものと買い足したものとをうまくコーディネートすることで新しさを見せることができると思います。

 

 

そして自分にとっては、ずいぶん前に買ったものを引っ張り出してまた着れるようになったなという感じもあります。


そういう意味では”基本と応用”みたいなものがカジュアルなスタイルにも求められる時代になったのかなと思っています。

 

 

ただし、唯一カジュアルでも、ここ数年で確実に変わったのがシルエットの変化です。

 

 

ピタピタでタイトなシルエットはさすがにカジュアルでも難しい感じになってきました。

 

 

ファッション業界人が着ているようなワイドなシルエットのモノを無理に着る必要は全くないですが、今までよりも少しゆとりのあるシルエットを取り入れていったほうが良いというのが私からのアドバイスです。

 

 

私自身、自分のスタイルにいち早くトレンドを取り入れるタイプではないので、その分なんとなく流れが少し変わってきたなという空気感みたいなものを捉えて、自分が着こなせる範囲で取り入れるようにしています。

 

 

なので、流れが変わったときに、”そういえば中村が前にそんなこと言ってたな” 程度に思っていただければ嬉しいです。

 

 

私の言うことはあくまでも参考にしていただき、取り入れるか取り入れないかは皆さんが決めること。

 

 

信じていただけるように正しく流れを伝えていくのが私の役割だと思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

GQの”The Street Styles From Pitti Imagine Uomo 96” の動画がアップされました。

 

 

 

 

こちらも是非ご覧ください。

https://www.gqjapan.jp/…/fa…/GJ301-PittiUomo-2019-07_ORIG_04

 

 

 

 

 

 

 

 

ウエスタン シャツ

 
最近休みの日にウエスタンシャツをよく着ています。
 
 
よく着ていると言っても最近購入したものではなく、ずいぶん前に購入したものばかり。
 
 
なんとなくディティールのあるシャツが新鮮で、クローゼットから引っ張り出して着ているという感じです。
 
 
一番よく着ているのが、8年前に展開していたAVI0のシャンブレーにウェスタン。
 
 
 
 
 
 
アヴィオは当時ミラノのセレクトショップERAL55のオリジナルブランドで、日本に初上陸したときにバイイングしたものです。
 
 
イタリアブランドにありがちなコテコテなディティールではなく、シンプルなディティールが気に入ってバイイングしました。
 
 
シャンブレーの質感も良く、色落ちの雰囲気もいいので、8年経った今でもよく着ています。
 
 
シャンブレーだけでなく、同時期にこんなのも購入しました。
 
 
 
 
 
 
上は白のポプリンで下がタータンチェック。
 
 
ともにアヴイオのものです。
 
 
この2枚も最近出番が増えています。
 
 
8年前のものが普通に着れるのは、ディティールがシンプルで、行き過ぎた加工もしていないからだと思います。
 
 
ちなみに、このアヴィオの、購入時はこんなアイコンがついていました。
 
 
 
 
この飛行機マークが唯一イタリアブランドらしいディティールだったのですが、数年前に3枚とも自分で外しました。
 
 
このマークが外せなかったら今着ていないでしょうね。(笑)



 
 
 
 
 
こんなギンガムチェックのウエスタンも持っています。
 
 
 
 
 
 
GUYROVERのウエスタンシャツです。
 
 
これも8年くらい前に購入したもので、アヴィオと同じくイタリアのブランドのウエスタンシャツにしてはシンプルなディティールでイタリア臭が薄いのが気に入ってバイイングしました。
 
 
なぜギンガムチェックだったのかと言うと、80年代にBEAMSで展開していたROCKMAUNT(ロックマウント)のギンガムチェックのウエスタンのイメージが強く残っていて、そのイメージでギローバーでオーダーしたのですが、ロックマウントに比べて生地のクオリティーがいいので、綺麗に上がりすぎたなというのが正直な印象です。
 
 
これをいま一枚で着ようとすると、意外とパンツが難しくて、何を合わせればいいかなと悩むところです。
 
 
いっそのこと秋冬になったらブレザーと合わせて、ネイビーのニットタイでもして着ようかなと思っています。
 
 
ちなみに、このGUYROVERのウエスタンシャツ、今でも定番モデルとしてコレクションの中に入っています。
 
 
完成度の高いモデルなので、ロングセラーなのも理解できます。
 
 
 
 
 
 
 
 
最近出番が少なくなりましたが、REMI RELIEFのウエスタンも私の中でハズせないブランド。
 
 
 
 
 
 
一時期かなりヘビーローテ^ションで着ていましたが、画像でわかるとおり色落ちが進みダメージ具合も深まってしまい、なんとなく似合わなくなってしまったというのが出番が少なくなった理由です。
 
 
私はラギッドでワイルドなイメージの服が似合わないので、ここまで着古した感じになると、50代半ばのオッサンには厳しいなというのが正直なところです。(苦笑)
 
 
レミレリーフでダメージ加工していないシャンブレーのウエスタンシャツがあれば欲しいなと思っているのですが、どこも展開していないのでレギュラーのコレクションには存在しないみたいですね。
 
 
もしオーダー会でもあれば、個人オーダーしたいと思っています。
 
 
レミレリーフのファンは、加工の雰囲気が良くて気に入っている人がほとんどだと思うので、私は全く逆行しているということですね。(笑)
 
 
 
 
 
 
 
 
ということで、レミレリーフの綺麗めなシャンブレーのウエスタンを個人オーダーできるチャンスをうかがいつつ、来年の春夏に向けてイタリアブランドでシャンブレーのウエスタンシャツを再びバイイングしようといま色々探しています。
 
 
イタリアものほど色気が強くなく、アメリカものほどバタ臭くもなく、オトナが着れる丁度いいウエスタンシャツ。
 
 
そんなの作れないかなと思っています。
 
 
ここ数年色々なテイストをミックスするコーディネートがでてきているので、ジャケットのインナーに着たり、ローゲージのニットに合わせられるようなウエスタンシャツが必要かなと思っています。
 
 
私が大学生のころは、ラングラーのデニムのウエスタンやビックマックのシャンブレーのワークシャツの下にセントジェームスのボーダーTを着るのがBEAMSスタイルでした。
 
 
自分もBEAMSのスタッフの真似をして当時そんな合わせしていましたが、今そのスタイルをそのまましたら明らかに昔っぽい感じになってしまい、自分で笑ってしまうでしょうね。(笑)
 
 
 
ブレザーにバスクシャツにKEDSのチャンピオンオックスフォードという、80年代風のコーディネートをアップデートしている西口なら似合うかもしれません。


今度やってもらいますね。
 
 
そうやって考えると、ウェスタンシャツも80年代のフレンチスタイルのアイテムのひとつだったということになります。
 
 
フレンチスタイル、今また新鮮です。
 
 

 

PT01 2020春夏

 

先週の土曜日に帰国しました。


今回の出張はフィレンツェ→ニース&カンヌ→ミラノ→ロンドンと移動が多くなかなか大変でした。

 

 

初の南仏でしたが、街がキレイでイタリアより安全でパリよりも人が優しく、とても良い街でした。

 

 

商談と長いランチとリサーチで自由な時間はほとんどなかったので、欲を言えばもう半日欲しかったなと言う感じです。

 

 

ホテルのプールもコート・ダジュールの海も、脚さえつけることなく南仏を去りました。(苦笑)

 

 

 

 

 

 

まあ、遊びに行った訳ではないですから仕方ないですね。

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

ということで、ミラノに入ってからは朝から晩までショールームまわりでした。

 

 

前回のスティレラティーノのレポートに続き、今回はPT01のレポートです。

 

 

ここ数年PITTI のブースはイメージ優先でサンプルの数を絞っているので、全貌を見るにはミラノのショールームでチェックするしかありません。

 

 

今回はPITTIで多くのブランドがそうであったように、PT01でも積極的に色を打ち出していました。

 

 

 

 

 

 

 

 

ご覧のように、ピンク、イエロー、オレンジ、グリーン、ブルーと、明らかに色が提案されているのがわかります。

 

 

ストライプやプリントのショーツやパンツも見られますが、このあたりも来年の春夏の流れです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しっかりクリースを入れて綺麗に穿くドレス系のコットンパンツは、スモーキーなトーンのカラ―もありました。

 

 

 

 

オトナがジャケットと合わせて着るには、このくらいのトーンの方がリアリティーがあるかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カラ―だけでなく、次の秋冬の傾向でもあるモノトーン系ももちろんあります。

 

 

 

 

 

 

春夏のモノトーンは白×黒だけでなく、白×ダークネイビーも含めてのモノトーンです。

 

 

このストライプパンツは個人的にも今穿きたい感じです。


白っぽいリネンのジャケットと合わせるといいですね。

 

 

 

 

こんなイメージでしょうか。

 

 

因みに、このディスプレイはラルディーニ。


ここでラルディーニではなく、タリアトーレを出さないと本当はまずいですね。


すみません、業界人しかわからないネタでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドローコードのパンツのバリエーションが更に増えていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

他のブランドがそうであったように、PT01もドローコード入りのパンツのバリエーションをかなり増やしています。

 

 

無地だけでなく、柄物のバリエーションが増えているのも来春夏の傾向です。

 

 

上の画像にある幅広のシアサッカーが個人的には刺さりました。

 

 

昨年の春夏から出てきたドローコードのパンツですが、もはや展開していないブランドはないと言っていいくらい広がっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

PITTIの会場でもディスプレイされていたミリタリー系パンツ。

 

 

 

 

カラ―パンツとは対極的ですが、来年の春夏は欠かせないアイテムになりそうです。

 

 

その中でもカーゴパンツは特にハズせないでしょう。

 

 

PT01も力を入れて展開していました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ご覧のように、ミリタリー調だけでなく、チェックやカラ―やウールに落とし込んだもの、そしてショーツもあり、バリエーション多く展開していました。

 


因みに、来年の春夏に向けてBEAMS別注のカーゴも作っていますのでお楽しみに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これら以外にドレス系のパンツやトラベル系のパンツはもちろんあります。

 

 

プリーツパンツやサイドアジャスターも、もはやトレンドではなく定番になっているので、ここで触れなくてもいいかなと言う感じです。

 

 

ご安心ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オーダーはミラノのショールームである程度ピックアップしたので、最終は日本の展示会でオーダーします。

 

 

他のブランドと比べてもPT01の生地のバリエーションはかなり多いので絞り込むのがなかなか大変です。

 

 

値段は頑張っているのでご安心ください。

 

 

”原材料が上がっているから値上げ・・・” というのが最近のイタリア人の口癖?ですが、日本は消費税も上がるのでそう簡単に値上げされては困ります。

 


その辺りは彼らはちゃんとわかっていますね。(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コレクションの内容は良かったです。


他のブランドと比べても生地やモデルのバリエーションは頭ひとつ抜きんでているように感じます。

 

 

プレゼンテーションもわかりやすくていいですね。


派手なライニングや目立つディティールばかりが目立ち、それがブランドのアイデンティティーになっていた時期もありましたが、近年はそのイメージもなくなり、ブランド名の由来でもある ”パンツブランドのナンバーワン” になったように思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

来週から日本の展示会が始まります。

 

 

傾向は既に見えているので、あとはどのように落とし込んでいくかですね。

 

 

今回のPITTIやミラノのショールームを見ると、ブランドの明暗がハッキリしているなと感じました。


提案力のないブランドは本当に厳しくなってきたなというのが正直な印象です。

 

 

これからそれがもっと顕著になっていくのではないかと思っています。

 

 

バイイングする側の我々もそうならないように気を付けなければなりません。

 

 

そういう意味では、今回のイタリア出張は反面教師をたくさん見たような気がしています・・・(苦笑)

 

 




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

STILE LATINO 2020 春夏

 

先日ミラノの展示会まわりで最も重要なスティレ  ラティーノのオーダーに行ってきました。


彼らにとっては今回からショールームも変わり、心機一転という感じでしょうか。


エントランスのメインディスプレイはブラウンのワイドストライプのスーツ。




ワインレッドのロンドンストライプのシャツにビンテージ風のプリントタイというコーディネートもいいですね。


今シーズンBRILLAのオリジナルで展開していた某イタリアブランドの生地に似ていますが、こちらは英国のFOX BROTHERSで作らせた彼らのエクスクルーシブの生地。


少しかすれたブラウンのトーンが絶妙です。










ジャケットで最も目に付いたのは、この大柄のギンガムチェック。




かなりザックリとしたリネン混の風合いも良かったです。


柄の大きさも絶妙。


こんな生地、他のブランドではなかなか見られません。











これも大柄のギンガムチェックですが、イエローのウィンドウペンが入っています。




これも素晴らしい。


ベースカラーが生成りでイエローはマスタードのような落ち着いたトーンなので、柄の馴染みが良く悪目立ちしない絶妙なチェック。


このふたつのギンガムチェックは個人的にも来年の春夏着たい柄です。











PITTIでも多く見られたアメリカっぽいマドラス風の柄、スティレラティーノでも展開していました。




これもいいですね。


ナポリのブランドが提案する柄とは思えないほど絶妙なマドラス風のチェックです。


ダブルブレストにのせているのもスティレラティーノらしい提案です。











ここ数年スティレラティーノの定番とも言える大柄のウィンドウペンも引き続き展開しています。






来春夏は色が出てきているので、スティレ ラティーノもカラフルなカラーのウィンドウペンを打ち出しています。


他のブランドには無いスティレラティーノらしい生地ですが、上の画像のサーモンピンクも下の画像のオレンジのウィンドウペンもちょっと難易度が高いかなと...













ジャケットに使うようなワイドストライプの生地のダブルブレストのスーツ。




これもスティレラティーノらしいスーツですね。


個人的には手前に写っているリネンのパンツとセットアップで着たい感じです。


それにしても今回のサンプルはダブルブレストが多かったです。











PITTIでも多く見られたカバーオールタイプのジャケットも展開しています。




襟に特徴があり、明らかに他のブランドのモノとの違いがわかります。


アメリカンテイストと言うよりは、古いイタリアのワークジャケット風という感じしょうか。


スティレ ラティーノらしさが良く出ているジャケットですが、値段を考えるとバイイングは難しいかなと言うのが正直な印象です。











スティレ ラティーノは最近パンツにも力を入れています。








上の画像のリネンのストライプはサックスブルーがポイントカラーになっていて、とても綺麗なストライプ。


PITTIでも多く見られたストライプのパンツですが、こんな綺麗なストライプはなかなかありません。


その他にもドローコードのパンツやカーゴパンツもしっかり提案しています。











PITTIでも見られたネオンカラーはスカーフで提案していました。






このあたりは無理にアイテムに落とし込まないで小物でアクセントとして取り入れて正解だと思います。











スティレ ラティーノは実はネクタイのコレクションも素晴らしい。






バリエーションは少ないのですが、ネクタイブランドには無いようなエクスクルーシブの柄が毎シーズンあります。


今回も英国製の生地を使ったビンテージ調のプリントやジャガードの柄がとても良かったです。










今回も素晴らしいコレクションでした。


2ボタンのワイドラペルや4ボタンのダブルブレストなど新しいモデルも出ていましたが、それらを無理に取り入れる必要がないと感じるのは、生地のコレクションが他のブランドより優れているので、それだけで充分新しさを出せるからです。


ヴィンチェンツォはモデリストとしては一流ですが、生地の選びやデザインに関しても一流です。


それがスティレ ラティーノの強みだと改めて感じさせるコレクションでした。










今回の出張で多くのジャケットやスーツブランドを見ましたが、ラルディーニとスティレ ラティーノのコレクションがとても良かったです。


どちらも無理な事はせずに自分達のテイストをしっかり守りながらも新しを感じさせる提案がありました。


そういうブランドって意外と少ないものです。


午前2:30を過ぎました。


そろそろ限界です。


いまロンドンにいます。


おやすみなさい。








PITTI UOMO 96 3日目 、最終日


PITTI  UOMO が終わりました。


最近は4日間あっというま間に過ぎる感じです。


今回も混雑したのが2日目だけで、なんとなく人が少なかったなという印象です。


スナップ撮られたい奇抜な服を着た正体不明?な人達も随分減り、スナップを撮るカメラマンも減っているのは間違いありません。


色々な意味でPITTI  UOMOも今後の方向性を考えなければならない時代に来たのかなと個人的には思っています。


最終日も昼過ぎまで会場をチェックしました。


4日間フルで会場に来るバイヤーは少ないですが、我々BEAMSチームは毎回皆勤賞です。(笑)



今回はPITTI  UOMOの3日目と最終日のレポートです。









GRENFELL








グレンフェルはアメリカっぽいメインディスプレイが目を引きました。


特に上の画像のマドラスチェック風のGOLFERが存在感がありました。


英国ブランドだと春夏は基本的に色目が変わらず生地が薄くなる程度の変化しかつけられないですが、グレンフェルのこのような提案はいいですね。


ブレザーにラグビージャージの組み合わせはどこかで見たような感じですが、最近英国ブランドもアメリカのテイストを取り入れる傾向にあるので、ドレイクスもそうですが、それが新しい世代の英国でもあるように感じます。










DRUMOHR
















本館に移って見やすくなったドルモアのブースは全面的に色を打ち出していました。


他のブランドがパステル調にトーンを振っているなか、ドルモアは少し濃いめのトーンでカラーを表現していました。


壁面のディスプレイはここ数年シーズンと同じパターン オン パターン。


チェックのダブルポケットのシャツジャケットも少しアメリカ的な要素を取り入れたミックスコーディネートです。










LUIGI BORELLI








エントランス正面のディスプレイはスエードのGジャン。


インナーに着たニットもブランドロゴの入ったTシャツ風ニットですからボレッリ風のアメリカンテイストですね。


以前のボレッリなら考えられなかったコーディネートです。


ジャケットコーディネートも随分若々しくなりました。


ほとんどのディスプレイでネッカチーフを使っていましたが、これも今までには無かったコーディネートです。


ボレッリのような名のあるクラシックブランドの若返りというのも昨今の流れだと思います。










BELVEST






ベルベストも今回はドローコードのパンツを合わせたセットアップコーディネートを打ち出していました。


ベルベストのようなブランドでもドローコードのパンツのセットアップを打ち出すのを見ても、この流れがいかに強いかがわかります。


バンダナ柄のジャケットやセットアップのディスプレイが色々な意味で目を引きましたが、自分的には微妙な感じでした。


ベルベスト的なアメリカのテイストを取り入れた提案だったのではないかと思いますが、もう少し違う提案の仕方があるのではなないかと正直思いました。


もちろんプレゼンテーション的な意味合いもあったのは理解していますが...










4日間を通して、今回はやはり色が積極的に提案されていたなという印象です。


セットアップの提案が多く、ドレスのカジュアルはリラックス感が重要なポイントとなりそうです。


アメリカ的なテイストも多く見られました。
イタリアや英国とのミックスや直球のアメリカンテイストまで、どのように取り入れていくかが重要なポイントだと思います。


素材は麻が圧倒的に多いです。機能素材が既に一般的になった今、夏の定番素材の麻の風合いやシワが見直されてきているように感じます。


クラシックなスーツの新たな提案はほとんどありませんが、これに関してはここ数年のクラシック回帰の流れが定着したことによると思います。


細かい流れはもっとあるので、また続報としてレポートします。








週末は仕事で南仏のニースに行ってきました。
Facebookでご覧になった方も多いと思いますが、仕事の後サント マルグリット島でランチをしてカンヌの街もリサーチ出来て南仏のライフスタイルが感じられた良い週末でした。


明日からミラノでのショールームまわりが始まります。


またレポートします。





PITTI UOMO 96 2日目



先月までは今年のフィレンツェは涼しいと聞いていましたが、予想は外れ毎日30度越え。


今年は湿度も高いので東京の夏より少しマシくらいという感じです。


心なしか来場者のスタイルが軽くなっているように感じるのは天候のせいなのか傾向なのか、そんな事も考えながら会場のブースをまわり流れを見ています。


前回に続きPITTI  UOMOの2日目のレポートです。









TAGLIATORE












今回のタリアトーレのブースはガラッとイメージが変わっていました。


これまでの派手な演出のディスプレイは無く、上の画像のようなドローコードのパンツを使ったセットアップのコーディネートをメインに打ち出していました。


ジレを使ったコーディネートが一体もなく、ほとんどがニットを使ったコーディネートというのも今の流れを物語っています。


ニットの下にポロシャツを着て襟を出さない着方は、日本でも70年代から80年代に流行っていたので私は違和感ないですが、これは当時を知る人と知らない人で感じ方が違うでしょう。


いずれにしてもこれまでは押しの強い雰囲気がタリアトーレのイメージでしたが、年々ソフィスケートされたイメージにシフトして来ているように感じます。


艶があり過ぎるイタリア血中度が高いスタイルが現地でも古臭く感じられるようになっている象徴的な例のひとつだと思います。










GIANETTO PORTOFINO










流行とは関係なく以前から明るい色柄を得意としているブランドなので、今回もプリント柄を中心に明るい色柄中心の打ち出しでした。


新しいところでは上の画像にあるようなネオンカラー言われる蛍光色。


これはイタリアの有名生地メーカーが打ち出していることもあり、他のシャツブランドでも見られた流れです。


難易度の高いカラーというのが正直な印象ですが、他のアイテムでも見られたカラーなので、取り入れるか取り入れないかは別として注意深く流れを見て行こうと思います。












DRAKE’S












日本ではまだまだネクタイブランドのイメージが強いドレイクスですが、現地ではトータルブランドとしての認知度がかなり高くなっています。


今回も上の画像のようにかなりアメリカのテイストを意識したアイテムが増えていました。


ドレス系のカジュアルスタイルはアイビーやプレッピーの流れが再び来ているように感じます。


アメリカンテイストといっても英国人とイタリア人では表現の仕方が少し違うという印象です。


私にとってはクレージーストライプのように80年代にBEAMSのスタッフの間で流行したアイテムもあるので、なんだかとても懐かしい感じのコレクションでもあります。


午前2:30を過ぎました。


そろそろ限界です。


またレポートします。


おやすみなさい。




PITTI UOMO 96 初日


PITTI UOMO 96 が始まりました。


初日の今日はかなり空いていたので、閉館ギリギリまでブースをまわって主要なブランドのブースはほぼチェックする事が出来ました。


最近は2日目が混雑するので、初日にどれだけ効率良くブースをまわれるかが傾向をしっかりチェックする為には重要なポイントになっています。


ということで、今日はPITTI UOMOの初日の様子をレポートします。







CIRCOLO










チルコロはプレコレクションが無いので、来春のコレクションを見るのは今日が初めて。


他のブランドのプレコレクションをチェックしていたので、ある程度予想していましたが、やはりピンクが提案されていました。


ストライプやチェックやフラワープリントなど、柄のバリエーションは更に進化している印象です。








THE GIGI










正直プレコレクションがあまりピンときていなかったので期待していなかったのですが、メインコレクションはなかなか良かったです。


新たなモデルでウエストシェイプの無いアメリカっぽいモデルがあるのですが、それがなかなか良かったです。


多くのブランドが色を打ち出していますが、ジジもイエローやオレンジやグリーンなどカラーを打ち出しています。


来春夏はカラーが重要なポイントになりそうです。


太めのカーゴパンツも新たに打ち出していますが、この辺りは今年の流れが更に強まっている印象です。


個人的には下段のグリーンのチェックのジャケットがかなり刺さりました。


値段はまだわかりませんが、高くないことを祈ります。(笑)









PT TORINO






PT01が新たにPT TORINOというブランドネームにリニューアルされました。


ここ数年サンプル数を減らしてPITTIのブースはシンプルに見せて、ミラノのショールームでフルコレクションを見せるというやり方ですが、今回はその中でもミリタリーテイストのモデルがしっかり打ち出されている印象です。


太めのカーゴパンツから派生した流れですが、ドローコードのパンツに続く流れになりそうな印象です。









BRIGLIA












ここ数年毎シーズンチェックしているものの、少しパターンに問題がありバイイングに至っていないナポリのパンツブランドのブリリア。


プレコレクションがなかなか良かったので初日からブースをチェックしました。


他のブランドには無いチェックやストライプの柄のバリエーションが多く、なかなか良い内容でした。


パターンも徐々に改善されてきたいるので、日本の展示会で更にチェックしようと思います。








初日を終えた印象は、スーツよりもジャケットとパンツのセットアップの提案が多く、ドローコードのパンツは更にバリエーションが増えています。


太めのカーゴパンツやミリタリー系のパンツのバリエーションが増え、ドローコードのパンツに続く流れになりそうな印象。


ピンクやイエローやオレンジなどの綺麗なカラーがかなり増えている。


プルオーバーのシャツのバリエーションが増えている。


機能素材が増える一方でリネンやリネン混の素材使いがかなり増えている。


大まかにはこんな印象です。


午前2:30を過ぎました。


そろそろ限界です。


2日目もしっかりチェックしてまたレポートします。


スーツケースはまだ届きません。


明日は部屋着みたいな格好で会場行くしかありません。


洋服屋にとって服はコミュニケーションツールのひとつなので、着る服が無くては仕事にならないのも同然です。


もう明日届けばラッキーぐらいに考えるしかないですね。


おやすみなさい。









2019秋冬 プレス内覧会

 

先週の水曜日から金曜日まで2019年秋冬のプレス内覧会が行われました。

 

 

プレス内覧会は次シーズンのラインナップをメディア関係の皆さんにお披露目する重要な会です。


私にとっても半期に一度の大仕事なので、ディスプレイのコーディネートチェックに始まって、会場のVMDのチェック、エディターさんやスタイリストさんに対する説明まで、プレコレクションの展示会と並行して3日間フル回転でした。

 

 

今回はそのプレス内覧会の様子を少しお見せします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回のメインディスプレイはモノトーンでまとめました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秋冬は様々なアイテムやコーディネートでモノトーンを提案します。

 

 

今年の1月のPITTIのレポートでもお知らせしましたが、次の秋冬はモノトーンの流れが来ていることは間違いありません。

 

 

クラシックでモノトーンの打ち出しが意外だと感じるかもしれませんが、、BEAMSでも80年代にモノトーンを打ち出していたので、私にとっては懐かしいトーンです。


自分にとってモノトーンは80年代のフレンチテイストを感じさせるトーンです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モノトーンは白黒だけではありません。

 

 

 

 

 

 

こんな感じのモノトーン×カラ―の柄が多いのも次シーズンの傾向です。


特にレッド×ブラックはPITTIでもミラノのショールームでも良く見られたトーンです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スーツの流れは3つあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春夏に続き幅広ストライプ白黒を中心としたグレンプレイドやハウンドトゥースのチェック、様々なトーンとブラウンスーツ。

 

 

このあたりがスーツの流れになると思います。


定番カラーはネイビー系よりもグレー系の流れだと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネクタイはビンテージテイストの流れが継続していますが、目新しいところではパネルのストライプ

 

 

 

 

1930年代~50年代にアメリカで流行したパターンを現代的にアップデートしています。

 

 

次の秋冬は色々なブランドからパネルストライプの柄が提案されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パンツもチェック系の流れが来ています。

 

 

 

 

 

 

ハウンドトゥースやグレンプレイド、タータンチェックなど、チェックのパンツのバリエーションが増えています。

 

 

これも80年代のフレンチアイビーやフレンチトラッドの必須アイテム。

 

 

上のブレザーのコーディネートがまさにフレンチテイストを現代的にアップデートさせたスタイルです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シューズはブラックスエードがオススメです。

 

 

 

 

モノトーンの流れが来ているので、カーフよりも柔らかくスポーティーに見えるブラックスエードの靴をコーディネートに取り入れたい気分です。

 

 

これも80年代にBEAMSで人気だったものです。

 

 

特にブラックスエードのモンクストラップはフレンチアイビーのマストアイテムだったので、自分もかなり思い入れがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コートがトレンドアイテムでもあるのでバリエーション多く展開します。

 

 

その中のひとつがトレンチコート

 


 

 

着丈が長くゆったりしたシルエットの昔ながらの男らしいトレンチコートの流れが来ています。

 

 

タイロッケンのようなクラシックなディティールのトレンチコートが増えているのも秋冬の傾向です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラグランスリーブのコートもオススメです。

 

 

 

 

丸く落ちるようなショルダーラインと着丈が長くゆったりとしたシルエットのバルカラーコートを多く展開しています。

 

 

トレンチコートもラグランスリーブが多いので、秋冬はラグランスリーブのコートがバリエーションが増えます。

 

 

ラグランスリーブの丸いショルダーラインの流れの影響で、こんな感じのセットインスリーブのドロップショルダーのコートも

 

展開します。

 

 

 

 

ウイメンズでは数年前から定番のドロップショルダーですが、メンズも少しづつマイルドに取り入れる傾向です。

 

 

昨年の継続的な流れと、プレッピーやアイビーの流れが来ているのでダッフルコートもバリエーション多く展開します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柄の入ったパターンドニットもバリエーションを増やして展開します。

 

 

 

 

 

 

フェアアイル、チルデン、アーガイル、ノルディック、ボーダーなど、クラシックなタイプから色柄をアップデートさせたものまで、かなり多くのバリエーションがあります。

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レザーも引き続きバリエーション多く展開します。

 

 

 

 

 

 

アウターはコートとレザーがトレンドなので、両アイテムともバリエーション多く展開します。

 

 

レザーはハードなモノからラグジュアリー感のあるものまで幅広く展開します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モノトーンだけでなく綺麗な色もしっかり展開しています。

 

 

 

 

これらの色にグリーンを加えたバリエーションが今シーズンらしい色と言えるでしょう。

 

 

モノトーンとカラーの組み合わせも秋冬のコーディネートのポイントになるので、このような綺麗なトーンのバリエーションが重要です。

 

 

これ以外にもキャメル~ブラウンのトーンは引き続き多く展開します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後にプレス内覧会で使ったアイテムの中から私のオススメをご紹介します。

 

 

 

STILE LATINO 

 

 

 

 

 

キャメルにコバルトブルーのウィンドウペンという、今まで見たことのない綺麗なコンビネーション。

 

 

もちろん、スティレ ラティーノのエクスクルーシブ ファブリックです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

DE PETRILLO

 

 

 

 

 

 

柄の大きさとベージュとブラウンのトーンが絶妙です。


このようなブラウン系のグレンプレイドは、ほとんどのブランドのコレクションで見られましたが、これが一番柄の大きさと色のバランスが良かったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

STILE LATINO 

 

 

 

 

 

 

今シーズンのスティレ ラティーノのコートの中で、このトレンチコートがオススメです。

 

 

ミリタリー調のトレンチコートもスティレ ラティーノが手掛けるとひと味もふた味も違います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

CARUSO

 

 

 

 

 

 

モノトーンのコートではこれがオススメです。

 

 

ダブルフェイスの柔らかい仕立てとゆったりとしたシルエットが絶妙です。


BEAMSのエクスクルーシブモデルです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

GRENFELL

 

 

 

 

 

 

ラグランスリーブのバルカラーは、グレンフェルのツィードのガンクラブがオススメです。

 

 

1月のPITTIの会場でも着用者が多かったタイプのコートです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

MC LAUREN

 

 

 

 

ありそうで無かったグレー×ホワイトのモノトーンのチルデン。


ホワイトベースのチルデンのカワイイ感じが苦手な人にもオススメです。

 

 

これは個人的にもかなり刺さるニットです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

CROCKETT & JONES

 

 

 

 

今すぐにでも欲しいブラック スエードのモンクストラップ。

 

 

80年代にBEAMSで大人気だったブラックスエードのモンクストララップをクロケットで復活させました。

 

 

80年代フレンチアイビーの必須アイテムです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

限定100部のこれも毎号自分たちでハードル上げているので編集が大変です。

 

 

 


今回も内覧会前日ギリギリのデリバリーでした。

 

 

安武、小林お疲れ様でした。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も喋りまくりました。

 

 

 

 

 

 

ご来場いただいた皆様ありがとうございました。

 

 

お会いできなかった皆様申し訳ありませんでした。

 

 

2019年秋冬もよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

内覧会も無事に終わり、来週月曜日からイタリア出張。

 

 

持って行く服もまだ何も決めていません。

 

 

土日の準備が大変です。

 

 

旅は身軽が一番なんて言いますが、洋服屋の出張は身軽とはいきません。(苦笑)