ワークシャツ
ずっと探していたシャンブレーのワークシャツ。
他社のものも含めて探していたのですが、最終的に色々検証した結果これにしました。
アメリカ産のコットンを使用して、シャトル織機で織り上げたセルビッチ付きのシャンブレーと言うのも刺さります。
生地がゴワゴワしていてビンテージのアメリカのワークシャツみたいです。
実はこのシャツを購入するのに1か月くらい悩みました。
理由はボディーが自分にとっては大きすぎる・・・
ドレス系のブランドのシャツではないので仕方ないのですが、特にパンツにインするとかなりのブラウジングになるので、どうしてもしっくりこなかったんです。
他社のサイズスペックを見ても同じようなスペックなので、これがワークシャツの黄金比率なのかなと思いつつも、自分が納得するスペックをあきらめきれず、お直しで身幅と袖幅を詰めました。
元のサイズと合わせてみると、身幅と袖幅が細くなっているのがわかります。
身幅を2cm(全周で4㎝)お直しで細くして、アームもボディーと合わせて細くしました。
細すぎず太すぎず、自分の理想のスペックにかなり近づきました。
お直しは心斎橋リフォームさんにお願いして¥6,000-ちょっと。
脇からアームまで全部ばらして縫い直しなので決して高くはないですが、¥16,500-と修理代を足すと2万円を超えるので、そこをどう考えるかですね。
自分はいくら探しても見つからないものが手に入るので、修理代は特に気にならないという感じです。
このシャツはビームスプラスで一番小さいSサイズなので、サイズを下げることができずお直しをしましたが、Mサイズ以上の人はワンサイズ下を着て肩幅と袖丈が合えば解決する話なので、そのようなサイズ選びをすればいいと思います。
なぜワークシャツなのかと言うと、実はダブルポケットのシャツの流れが来ているんです。
私も今シーズンこんな感じでタイドアップして着ていましたが、ワークシャツをドレスに合わせるのは80年代にBEAMSのスタッフの間でも流行っていたので、とても懐かしいコーディネートなんです。
もちろん、タイドアップせずにツイードジャケットと合わせたり、ローゲージのニットと合わせてもいいですね。
20代の頃はシャンブレーのワークシャツの下にセントジェームスのボーダーTを合わせていましたが、そんなコーディネートもフレンチアイビーが注目される今また新鮮に感じます。
ちなみに、上の画像のシャンブレーのダブルポケットのシャツは、数年前に展開していたBORZONELLLA。
かなり気に入って購入して、このブログでも紹介しましたが、あまり売れませんでした・・・(苦笑)
シャンブレーのワークシャツは、渋カジ世代以降の人たちにとっては馴染みのないもので、艶っぽいイタリア好きの人たちにとってはラギッドっぽいので、理解するのが難しいアイテムだったのかもしれません。
なので、久しぶりにシャンブレーのワークシャツが買えて、うれしい気分なんです。
ダブルポケットという意味では、ウェスタンシャツも今また新鮮なので、来春夏BORZONELLAでまた展開します。
それについては後日またご紹介します。
このBEAMS PLUSのワークシャツ、生地もしっかりしているので一年を通して大活躍しそうです。
BEAMS PLUSは個人的にも毎シーズン欲しいものが結構あるのですが、サイジングの問題で断念することが多いんです。
ドレスのお客様にもお薦めしたいものがたくさんあるので、歴代のディレクターに色々アドバイスしてきたのですが、いつもスルーされるんです。(苦笑)
仕方ないですね。
アメリカとは無縁な人と思われているかもしれないですが、私も大学生の頃はアメカジですから。
BIG MACのヒッコリーストライプにHELTHKNITのヘンリーネック、リーバイスの505、足元は多分スタンスミスかKEDSのチャンピオンオックスフォード。
いまプラスでやっているアメリカや英国のブランドも、元々はBEAMS Fで私がバイイングしていたものがたくさんあるんです。
なので、昨今のイタリアとアメリカと英国のミックススタイルも、自分にとってはなんの違和感もないんです。
ダブルポケットのワークシャツと言えば、毎週欠かさず見ているグランメゾン東京でキムタクがダブルポケットのワークシャツにヘンリーネックのTシャツ着ていますね。
似合っているなと思いつつ、パリ帰りだったらヘイリーネックじゃなくてボーダーTはダメかななんて思っていたら、長袖のボーダーTを着ている回もあったんです。
80年代のフレンチアイビーを通っている自分にとってはやっぱりボーダーTはハズせず・・・
ワークシャツもこんな風な合わせが気になる今日この頃です。
UNITED ARROWS プレスプレビュー
先日縁あって、初めてUNITED ARROWSさんのプレスプレビューにお邪魔しました。
他社さんのプレスプレビューに伺うのは初めての経験です。
お邪魔にならないように色々見せていただきました。
今回はUAさんのお許しもいただいたので、プレスプレビューの様子を少しだけお見せします。
ドレスコーナーの入り口のテーブルはオリジナル?のセットアップ風のスーツ。
4つボタンのダブルというのがUAさんっぽいですね。
靴もBEAMSだと軽いスリッポンになりますが、UAさんはダーティーバックス。
なんとなくわかるなこの感じ・・・
その横には、シンプルなボタン無しのダブルのラップコート。
これもオリジナル?
ラグランで落ちる肩のラインと、襟の形も大きさもなかなかいいですね。
ボディーもゆったりしていて、ベルトを締めてもいいラインが出そうです。
そう言えば、先日プレコレクションで来日していたあるイタリアのブランドのセールスマンが、UAさんで2年前に買ったという、ウールギャバジンのレンチコートを着ていたのですが、なかなかいい雰囲気のトレンチコートでした。
知り合いのスタッフの方に聞くと、自分も知っている東北の有名なコート工場で作ったコートだと聞いて納得。
このコートもそこで作っているのかなと思いつつ、色々聞くのも失礼なのでじっと我慢。(笑)
スーツは自分の予想に反して、ビジネスで着られるようなモノが中心でした。
BEAMSのプレビューはビジネスっぽいスーツはほとんど出さず、ブラウン系やグリーン系の趣味的なスーツが大半だったので、真逆な感じです。
自分の勝手なUAさんのスーツのイメージは、ソラーロとブラウンのスーツなんです。
間違ってたらすみません。
グリーンのプリントタイやモノトーンのストライプを合わせているのは、ネクタイの傾向なのでニュアンスの違いはあれ、UAさんもBEAMSも同じですね。
大柄のヴィンテージ風のプリントやカラフルなストライプの打ち出しは、来春夏の傾向を考えると、やはりこういうバリエーションになりますね。
柄の打ち出しは似ていますが、UAさんの方が若干カラフルな印象です。
鴨志田さんのコレクションもしっかりチェック。
PITTIに出展しなくなって、ミラノのショールームも時間が無くて行けなかったので、春夏のコレクションは初めて見ました。
チェックのシャツやボーダーのカットソーが多く、ここ数年はシックで落ち着いた色柄が多かったので、方向性がちょっと変わったかなと言うのが正直な印象。
自分はこっちの方が鴨志田流のトラッド感があって好きですね。(笑)
ジャケットは4Bのダブル。
最近鴨志田さんがよく着ておる4Bのダブルですが、ボタン位置が低く襟が長いダブルがマイブームなんでしょうね。
ゴージの低い(傾斜が強い)モデルもやはりやっていました。
流れがわかる人は、やはりこっちの方向に行くのは自然な流れですね。
スタッフの皆さん、お忙しい中色々見せていただきありがとうございました。
他社さんのプレスプレビューは初めてだったので、とても新鮮でした。
試着してみたいものもあったのですが、知り合いのメディア関係の人たちも多かったので遠慮しました。(笑)
次回はBEAMSのプレビューにご招待しますので、是非お越しください。
その際は私がアテンドさせていただきます。
私の手が空いていないときは、この男がアテンドさせていただきます。
新任プレススタッフの間瀬です。
と言うことなので・・・(笑)
2020春夏 プレス内覧会
先週2020年春夏のプレス内覧会が行われました。
半年に一度行われるプレス内覧会は、次シーズンの打ち出しをメディア関係者の方たちにお披露目する大事な会です。
私は朝一で来年の秋冬のプレコレクションの展示会に行き、午後戻ってプレス内覧会というハードな3日間でした。
今日はそのプレス内覧会の様子を少しお見せします。
今回のメインディスプレイは、ニュートラルカラーのコーディネートでした。
ご覧のように、ホワイト、エクリュ、淡いベージュという、ニュートラルカラーを使ったコーディネートとアイテムを集めてお見せしました。
来春夏はクラシックなヨーロッパのリゾートスタイルの流れがあるのと、リネン素材がトレンドになっているので、その両面を見れば、このようなトーンが重要になるのは過去の流れを見てもわかります。
この画像を見ると、”全身白っぽくしないとダメなの?” と思われる方も多いと思いますが、ご安心ください。
実際に着るときは、もう少しトーンのメリハリをつけたり、差し色を入れたりするのもいいと思います。
コーディネートのバリエーションは、今後少しずつご紹介していきます。
秋冬トレンドであったモノトーンも引き続き重要なカラーです。
来春夏は白×黒のモノトーンだけでなく、白×グレーやニュートラルカラー×黒というように、モノトーンのバリエーションを増やして展開しています。
下の画像のスーツはブラックのリネン。
白いリネンのシャツと白黒にベージュを差したストライプタイを合わせました。
このコーディネート、メディア関係者の皆様にとてもご好評をいただきました。
スーツは来春夏から展開を始めるナポリのTITO ALGRETTO(ティト アレグレット)のスーツです。
2年がかりで修正を加えて、やっとBEAMSで展開できるレベルになりました。
ちなみに、BEAMSが2年かけて修正しましたが、そのモデルがTITOのレギュラーモデルになります。
かなりの時間と労力をかけて修正をしましたが、エクスクルーシブにせず、他社さんにもオープンにすることにしました。
手前味噌ですが、こういうのがBEAMSの良心です。
公表していませんが、こういうケースは他のブランドでもたくさんあるんです。
来春夏はモノトーンの取り入れ方も様々。
ベージュのコットンスーツに黒のポロシャツを合わせていますが、こんな風に今まではネイビーのポロシャツを合わせていたのを黒に替えてみるだけで、少し新しい雰囲気になります。
色々な黒の取り入れ方も来春夏は提案して行きます。
こんなモノトーンも。
白いGジャンにハウンドトゥースのパンツを合わせ、上にオフホワイトのバルカラーを羽織るという、80年代のフレンチアイビー風のコーディネート。
スタイルカウンシルのポール ウェラーがしていたような、我々世代にはとても懐かしいコーディネートです。
黒っぽいだけがモノトーンではないという提案でもあります。
このコーディネートは、ちょっとしたネタ?です。(笑)
昨今80年代に流行したフレンチイビーの流れが来ているのですが、メディア関係の人たちで当時を知る人も少ないので、その当時BEAMSのスタッフがしていたフレンチアイビーの代表的なコーディネートを再現してみました。
白黒のギンガムチェックのジャケットにピンクのオックスフォードBD、パンツはホワイトジーンズ、ベルトはウェスタンベルト、靴はモンクストラップと、自分もこんなコーディネートしていました。
当時シャツはブルックスやアイクベーハー、ホワイトジーンズはリーバイスの505のカツラギ、靴はチャーチやジャンバディ。
フレンチアイビーと言ってもフランスのものでコーディネートするのではなく、英国やアメリカのものとミックスするのがフレンチアイビーで、そのテイストは今のイタリアの流れとも似ていることが、若い世代を中心にフレンチアイビーが再注目されている背景でもあると思います。
ビジネススーツのトレンドは特にないので、内覧会ではお洒落を楽しむためのスーツを提案しました。
タバコからブラウンまでのカラーとグリーン系のバリエーション。
グリーンのスーツはグレーとミックスした落ち着いたトーンのグリーンです。
ちなみに、いま2020年秋冬のスーツの生地を見ていますが、ネイビー、グレー、ブラウンという定番色以外で必ず入っているのがグリーンなんです。
BEAMSでも今年の春夏、BRILLAのオリジナルで英国のJOHN FOSTERのグリーンの生地のスーツを展開しましたが、すぐに完売したので、すでにBEAMSのお客様には受け入れられているカラーです。
ブラウンのスーツをお持ちの方には、是非次にトライしていただきたいスーツです。
もちろん、ネイビーやグレースーツはいつもの通りバリエーションも豊富に展開しているのでご心配なく。
それ以外のカラーはこんな感じです。
PITTIでも多く見られたピンクは色々なトーンで展開しています。
イエローは秋冬からの継続で、グリーンは来年の秋冬に向けても重要なカラーになっていくと思います。
スエードのジャケットやアウターは、来年の春夏もバリエーションを増やして展開します。
ブラウン系だけでなく、サックスやオリーブなど、カラーを加えて展開します。
PITTIの会場では、レッドやオレンジやイエローなど、カラフルなスエードも多く見られましたが、鮮やかな色のスエードはまだ難しいという印象だったので、リアリティーのある淡いブルーやオリーブで色を差しました。
来春夏はボーダーのTシャツのバリエーションが充実しています。
ロングスリーブ、ショートスリーブ、色や幅のピッチも豊富です。
80年代にセントジェームスやアニエス BのボーダーTが大流行しましたが、フレンチの流れが来ればボーダーTの流れが来るのも当時をリアルに知る自分にとっては自然な流れに感じます。
マドラスチェックの流れは継続しているので、さらにバリエーションを増やしています。
上段の赤とネイビーのマドラス調のジャケットはSTILE LATINOなんです。
おまけに生地は英国のFOX BROTHERS。
一番下の画像のマドラス調のブルゾンはGRENFELLですが、生地はやはりFOX BROTHERSです。
ナポリのブランドも英国の老舗の生地屋もアウターブランドもマドラスチェックに注目しているということですね。
プレッピーやアイビーの流れがあるので、来春夏はリアルなマドラスもマドラス調も含めて提案します。
プリントのシャツの流れも続いているので、来春夏もバリエーション多く展開しています。
新しいところではバンダナ柄。
今年はカジュアルなブランドでトレンドだったバンダナ柄ですが、ドレスのブランドでも来春夏はバンダナ柄が多く提案されていたのでシャツを中心に展開します。
あまりプリントのシャツを着ない私ですが、真夏にネイビー×ホワイトのバンダナ柄のシャツは着たい気分です。
ドローコードのパンツも更に充実したバリエーションで展開します。
インポートブランドのドローコードのパンツのバリエーションは、セレクトショップではおそらくBEAMSが日本一ではないかと思います。
来春夏は無地だけでなく、柄モノのバリエーションを増やしています。
リゾートの流れがあるので、特に画像のようなストライプの柄を増やして展開しています。
シューズも新しいブランドも含め色々展開していますが、トピックスは英国のFOSTER & SONのレディーメードの展開を始めます。
フォスター&サンのレディーメードは今までもありましたが、靴に詳しい方ならご存知の通り、ノーザンプトンの靴ブランドに外注したOEM的なモノでした。
昨年ノーザンプトンに新たな工房を作り、某有名ブランドの職人を招き入れて自社生産のレディーメードを始めました。
そんな流れもあり、BEAMSもローファーと外羽根のプレーントゥーをバイイングしました。
GEORGE CLEVERLEYも新しいモデルを展開します。
以前ビスポークのオーダー会をやっていた頃に人気だった、サイドエラスティックのUチップとダミーレースのフルブローグを展開します。
春夏は装いも軽くなりクールビズもあるので、本格的なドレスシューズは需要も少なくなりますが、それでもしっかり展開するのがBEAMS魂なんです。
これはほんの一部で、もっと色々ご紹介したいモノがあるのですが、今回はここまで。
画像たくさんお見せして、コメント少なめにするつもりが、ついついたくさん書いてしまいました。(笑)
真面目な性格なもので、ノリで軽くブログ書くことができないんです。(苦笑)
今回も3日間喋りまくりました。(笑)
ご来場いただいたメディア関係者の皆様、ありがとうございました。
いつもの100部限定のトレンドノートは、皆さんの参考書になれば幸いです。
来週からは来春夏のスタイルブックの制作も始まります。
そして、あとひと月でPITTI UOMO・・・
忙しすぎて、なに着ていくか全く決めていません。(苦笑)
2020秋冬 プレコレクション 2
白黒のモノトーンだけでなく、グレー×黒のモノトーンがあるのは他のブランドと同じ傾向です。
来年の秋冬はモノトーンの流れが継続するのは間違いなさそうですが、色使いや柄のバリエーションも更に増えそうです。
モノトーンは嫌いではないが取り入れるのを迷っているという方は、今シーズンのうちに是非トライしてみてください。
モノトーンとは対照的な暖かみのあるカラーも打ち出されていました。
ツイード風に見えても軽く柔らかい生地が多いのも他のブランンドと同じで、やはりその流れが強くなるのかなという印象です。
ただし、モードの流れが数年後にクラシックに影響を及ぼすことも多々あるので、突然そのようなジャケットが出てくる可能性もあります。
ペトリロ親子も今回はモノトーン。
MEN'S EX 12月号 連載
MEN'S EX 12月号
12月号のテーマは ”勝者とスーツ”
様々なスーツに関わるニュースが掲載されています。
私も鴨志田さんと、これからのスーツについて対談しています。
4ページにわたり、かなり濃い内容の特集です。
是非ご覧ください。
私の連載 ”先取り上手のリアルスタイル”
今回のテーマは”コーデュロイスーツ” です。
ここ数年、秋冬シーズンに必ず打ち出されているコーデュロイ。
今シーズンのバイイングを行った1月のイタリア出張でも、コーデュロイが引き続き提案されていました。
ご覧のように、スーツだけでなく、ジャケット、パンツ、コート、アウター、シャツなど、多くのアイテムでコーデュロイが打ち出されていました。
このコーデュロイの流れは、数年前に英国調の流れが強まり、ヘリテージな素材が注目されるのもあいまって、ここ数年継続的に秋冬のトレンド素材として打ち出されています。
英国を代表するコットン素材と言えば、コーデュロイ以外にもモールスキンがありますが、圧倒的にコーデュロイが多いのが今の流れです。
余談ですが、90年代中ごろにはイタリアでモールスキンが大流行したことがありました。
ツイード系の素材が注目され、スエードを使ったアウターも多く出てきているので、それらと相性が良いコーデュロイが注目されるのは容易に理解できます。
PITTI UOMOの会場でも、コーデュロイスーツを着た人を多く見かけました。
タイドアップだけでなく、タートルを合わせたリラックス感のある着こなしが多く見られます。
コーデュロイは80年代から90年代に日本で大流行した時期がありました。
当時はBEAMS Fでもインターナショナルギャラリーでも、カジュアルの店舗でも、とにかくコーデュロイを使ったアイテムが大人気でした。
90年代後半から日本でイタリアのクラシックスタイルが全盛になると、艶っぽいイタリアのクラシックスタイルを好む人たちが増え、ヘリテージ感のあるコーデュロイは、イタリアでどんなに流行っても敬遠されるようになりました。
ここ数年は、さすがに艶っぽいイタリアのスタイルが今の流れではなくなってきていることを理解される方も増え、コーデュロイのようなヘリテージな生地が今の流れであることを理解してコーディネートに取り入れる方が増えてきました。
コーディネートは意外と簡単です。
春夏にコットンスーツを着る人であれば、秋冬のコットンスーツと考えればいいでしょう。
春夏にポロシャツを合わせていた人は、ポロシャツをタートルネックやモックネックに替えるればコーディネートは成立します。
上の画像でもタートルやモックネックのニットを合わせていますが、これが一番簡単なコーディネートだと思います。
タイドアップする場合は、生地がカジュアルでスポーティーなので、素材感のあるシャツを選び、ネクタイもストライプやチェックなど、スポーティーなネクタイを合わせるのがいいでしょう。
間違っても高番手のエレガントなドレスシャツや光沢のあるジャガードやサテンのネクタイは合わせないでください。
と言うことで、先日私もあるイタリアブランドでオーダーしていたコーデュロイのスーツが上がってきました。
ジャケット?
パンツはワンサイズ小さく上がってきて作り直し・・・
良くあることですね。(苦笑)
コーデュロイのスーツはセットアップで着られるので、とりあえずジャケットだけで着ます。
英国のBRISBANE MOSSのコーデュロイでオーダーしたので、着こまないとなかなか馴染みません。
やっぱり基本的にイタリアのテーラーリングと英国素材のマッチングが好きなんです。
ブラウンのコーデュロイは、モノトーンの流れとは真逆と感じる方も多いと思いますが、私はどちらも偏りなく着ます。
濃いブラウンに黒を合わせるのも今の感じなので、黒いタートルを合わせるのもいいかなと思っています。
結局モノトーンも色によってはミックスして着られるということですね。
実はプレコレクションで来日しているイタリア人達も今年はモノトーンな人が結構多い・・・
色を使うのも使わないのも両方楽しめた方がいいと思うのですが・・・
わかりやすいものが大好き、それもイタリア人ですね。(笑)
もうひとつの連載、”良いスーツの話”
今回は芯地やボタンなどの副資材の話。
”スーツは表から見えない部分が大事” という話です。
こちらも是非ご覧ください。
2020秋冬 プレコレクション
今週は全国のスタッフが集まって、2020年春夏の商品説明会が行われました。
私の役割は、各レーベルのディレクターの商品説明の前に、来春夏の傾向を説明すること。
通称 ”中村ノート” と言われているレポートを、シーズン前一番初めに全国から集まったスタッフに説明します。
私の話は、メンズのドレスクロージングをまったく知らない女性スタッフが初めて聞いてもわかると言われています。
自分自身若いころファッションレポートを見たり読んだりすると、専門用語がたくさん出てきて、なんとなくお洒落な感じだけどわかりにくいなと思っていたので、自分が話す立場になってからは、誰にでもわかるように話すということを常に心がけてきました。
ファッションコンシャスな識者の方々の中には、プロっぽくないなと思われている方も多いかもしれませんが、そもそもクラシック系のレポートと言うのは、私が始めるまでほとんど存在していなかったので、モード系やファッションカルチャー系のレポートとは全く意味が違うのです。
なので、今回も誰にでもわかりやすく、できるだけ簡単に流れがわかるように、じっくり50分間話しました。
来春夏の商品説明会と並行して、先週から2020年秋冬のプレコレクションが始まりました。
トップバッターは7日に見に行ったTAGLIATORE。
今日はTAGLIATOREのプレコレクションの模様をレポートします。
メインディスプレイはモノトーン。
モノトーンと言うと黒のイメージが強くなりますが、グレーをうまく使った柔らかさのあるモノトーンのディスプレイでした。
2020春夏もグレーを使ったモノトーンが増えているので、その先にある2020年秋冬はこんな感じのモノトーンが増えるかもしれません。
白黒のモノトーン柄も引き続き提案されていました。
上の大柄のチェックは白の部分が生成りになっていて、少し柔らかいトーンになっています。
2020年春夏は白からエクリュのニュートラルカラーがトレンドになっていますが、2020年秋冬もこんな感じのエクリュ×黒のモノトーン柄が増えそうな感じです。
はっきりした白黒よりもずいぶん柔らかい印象になります。
今シーズンの流れでもある、モノトーン×カラーも引き続き提案されていました。
イエローを差し色に使ったモノトーン柄は今シーズンも見られましたが、来秋冬もこのカラーコンビネーションを打ち出していました。
これもベースはブラックでなくグレーです。
ブラックだけでなく、グレーをうまく使うのが2020年秋冬のモノトーンなのかなという印象です。
ニュートラルカラーはモノトーンだけでなく、ブラウンとのコンビネーションでも打ち出されていました。
モノトーンが苦手な方には安心できる色目ですね。
モノトーンの流れでも、モノトーンじゃなきゃダメということはないのでご安心ください。
私も偏りなくどちらも着ます。
英国調の柄も引き続き打ち出されています。
スーツもジャケットも、柄は英国調でも軽く柔らかくという提案です。
今シーズンの継続的な流れですが、プレコレクションではジャケットもスーツも軽めの素材がほとんどでした。
全てがこの流れになるとは思えないので、メインコレクションではもう少ししっかりとした生地も加わるのではないかと思います。
そして、新たに提案されたモデルこれです。
やはり出ました。
テーラードに詳しい人が見ればすぐわかる、ゴージラインが下がったモデル。
BRILLAのオリジナルやFのオリジナルでもゴージラインを下げたモデルを今年の春夏から展開していますが、タリアトーレも出してきました。
流れがわかっていれば、こういう襟型が出てくるのは容易に予測できます。
ダブルステッチもきいていて、ナポリのサルトリア風です。
正しい提案だと思いますが、個人的にはもう少しマイルドな提案の方が良かったかなと言うのが正直なところ。
ここまで一気にゴージラインが下がると、今までのタリアトーレのファンに理解されるまでかなり時間かかりそうだなという印象です。
もう少し段階を踏んだ方がいいかなと言うのが正直なところです。
タリアトーレのプレコレクションはシーズンのベースとなるもので、PITTIで発表されるメインコレクションは新しいものも提案されるので、それも見据えてピックアップを行いました。
まだ数社しかプレコレクションを見ていませんが、2020年秋冬もモノトーンの流れが続くことは間違いなさそうです。
ピーノのスタイルもすっかりシックなモノトーンンになりました。
真っ黒でなく、グレーと黒を使ったモノトーンですね。
別の日はダークブラウンに黒でした。
私も今日はモノトーンにサックスブルー。
白黒や真っ黒だけがモノトーンの流れではありません。
タリアトーレのプレコレクションを見て、改めてそんな風に感じました。
2020年秋冬のプレコレクションは、12月の2週目まで続きます。
ほぼ毎日朝から晩まで展示会まわり。
現場至上主義なので、モノを見なければ始まらない。
そして、浅くではなく深く見る。
それがBEAMS魂です。
Vゾーン コーディネート
2色のストライプですが、イエローの部分を織りで切り替えているので、よく見ると3色のストライプに見える凝った生地のネクタイです。
チーフは80年代のDRAKE'Sのプリントで、虎が描かれている珍しいチベット柄のチーフですが、見える柄の部分がイエローなので、ボタンのゴールドとネクタイとチーフがマッチし過ぎてしまったのが反省点です。
ブレザーはきちっと着こなすと真面目に見えすぎるので、シャンブレーのタブカラーで少しカジュアル感をだしました。
ブレザーにシャンブレーのタブカラーは、私がBEAMS Fのショップマネージャーだった頃によくしていたコーディネートなので、懐かしくもあり、今また新鮮なコーディネートです。
デニムのブレザーにストライプのネクタイ。
ネクタイは、GIERREのBEAMS エクスクルーシブ ビンテージラインのストライプ。
グリーンがかったブルーが絶妙のストライプです。
デニムとシャンブレーの同系色コーディネートなので、挿し色にグリーンがかったブルーを利かせたのがポイント。
独特なブルーの配色が、アズーロ エ マローネのコーディネートに鮮やかな色を挿すというVゾーンになりました。
白黒のグレンプレイドのスーツにダークネイビーを使ったモノトーン風のコーディネート。
シャツは以前購入したBEAMS Fのオリジナルですが、今シーズンも似たものを展開しています。
ネクタイはDRAKE'Sの定番の50オンスのプリントです。
ブラックウオッチのブレザーにドレススチュアートのシャツを合わせた、タータン オン タータンのコーディネート。
ネクタイはDRAKE'Sのプリント。
ブラウンベースにオレンジとグリーンのペーズリー。
光沢を抑えたマダー風プリントのタイです。
シャツはERICCO FORMICOLAのパープルのギンガムチェック。
濃いめのトーンのパープルなので、意外と合わせやすいシャツです。
パープルとブラウンという暖色系をベースに、ペイズリーのオレンジとグリーンをポイントカラーに使ったコーディネートです。
ベージュスーツのコーディネートが春夏っぽく見えてしまうという方には、こんな暖色系のVゾーンがおすすめです。
私のコーディネートは基本的に着回しなので、ご覧のように以前購入したものと新たに購入したものを組み合わせてコーディネートします。
全身新しいものでコーディネートすることはほとんどありません。
そういった意味では、ネクタイとシャツの買い足しは、コーディネートを新しく見せる効果が大きいと思います。
個人的には襟型の変化は重要で、最近はタブカラーをよく着ていますが、自然とネクタイが持ち上がるので、Vゾーンをエレガントに見せる効果が高いです。
そして、カジュアルなタイドアップと言うのも80年代のリバイバルで新鮮に感じでいます。
若いころよくしていた、ワークシャツやウェスタンシャツにタイドアップするのが今また新鮮に感じます。
今シーズン2回目のVゾーンの解説、皆さんのコーディネートの参考になればうれしいです。
来週から2020年秋冬のプレコレクションが始まり、社内の行事も続き、一年で最も忙しいシーズンに入ります。
すでに12月中までスケジュール表がびっしり。
ブログを書く時間も少ないですが、最低でも1週間に1回の更新は続けたいと思っています。
忙しくても内容薄くならないように注意します。
手抜きはできません。
モノトーン×カラーのジャケット
余談ですが、ERNESTOは通常ブランドネームの付く内ポケットの位置にERNESTOのネームではなく、GFBというネームが付いています。
これはなに?と思われている方も多いと思うますが、ERNESTOは元々GIANFRANCO BOMMEZZADRI(ジャンフランコ ボメザドリ)というブランドから派生したブランドなので、それを略したGFBのネームが付くのです。
ボメザドリは90年代後半から始まるイタリアン クラシックブームの頃、本格的jな毛芯仕立てのジャケットやスーツを生産するファクトリーとして有名でした。
当時はエトロやジルサンダーなど、ラグジュアリーブランドのスーツやジャケットの生産を請け負っていたことでも有名で、現在もフランスの某ラグジュアリーブランドのジャケットやスーツを生産しています。
私も20数年前にBEAMS Fのオリジナルパターンでスーツを別注しようとしたことがあったので、彼らの事は当時から良く知っています。
私の資料の中に当時のボメザドリのカタログがありました。
現在のERNESTOのディレクターであるエンリコが映っていますが、若いですね。
今はこんな感じです。
20年以上ずっと会っているとあまり変わらない印象ですが、かなり貫禄がつきましたね。(笑)
ちなみに、当時の私はこんな感じ。
人のことは言えませんね。
お互いオッサンになりました。(苦笑)
それにしてもジャケットの形やネクタイのノットが90年代ですね。
某イタリアブランドのジャケットですが、3ボタンでVゾーンも高く着丈も長い。
90年代はイタリアブランドも当時のトレンドだった、ブリティッシュスタイルの影響を強く受けていたので、こんなモデルが人気でした。
ネクタイはDRAKE'Sのプリントタイ、ジャケットの生地は英国のMARTINSON'Sの生地なので、当時からイタリアと英国をミックスすることがイタリアのクラシックの正しいスタイルという意識はありました。
この写真、なにげにアルニスのジャンさんと一緒に写っている貴重な写真です。
アルニスの兄弟は二人ともフィッシュマウスのスーツにタブカラーのシャツ。
フレンチトラディショナルの王道は今見てもとてもカッコいいです。
余談が長くなりましたが本題に戻ります。
このジャケットを選んだポイントは、白黒のグレンプレイドに綺麗なブルーのウインドウペンが入っていること。
私のトレンドレポートにもある、モノトーン×カラーですね。
今シーズンはモノトーンだけでなく、こんな感じのモノトーンに色をさしている柄が出てきているのが傾向です。
ジャケットの素材感もデニム系と良く合います。
なので、BEAMS以外では売っていません。
BEAMS THANKS PARTY 福岡
先週19日(土)は福岡エリアのBEAMS全店でTHANKS PARTYが行われました。
本当にありがとうございます。
もちろんラーダースジャケット着ないで黒のタートルネックを合わせてもいいです。
エルネストは今回このコートしかバイイングしていませんが、生地を見た瞬間このモデルしかないなと思いバイイングしたコートです。
このコーディネートもタートルの色がポイントになっています。
タイロッケンコートはベルトの仕様が特徴的なので、西口によるベルトの結び方解説もありました。
私の今シーズン欲しいコートのリストに入っているのですが、上のラルディーニのコートもエルネストのコートも欲しいので、懐具合を見ながらどれにしようかかなり悩んでいます。
どう考えても3着は無理なので・・・

司会の小林が勝手に作った本人非公認のノベルティーですが、お客様にはたいへん好評でした。(笑)
もちろん、すでに流れは見えているので、それをもう一度様々な角度から再検証して頭の中で整理していきます。
AUDI TT QUATTRO
ドライブセレクトをダイナミックにすると排気音が劇的に変わり、野太いエキゾーストノートになります。
ついアクセルを踏み続けたくなりますが、あっという間に法定速度を大きく超えるので慌ててアクセルを戻すことも度々。
アバルトのやんちゃな加速も魅力でしたが、TT QUATTROの滑らかで力強い加速はまさにドイツ車的で、イタリア車とはまた別の魅力があります。
今までの車が本当に小さかったということですね。
いつかはポルシェ。









































































































































































