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PITTI UOMO 97 続報.2

 

 

国内の展示会が始まりました。

 

 

これから2月末までほぼ毎日展示会まわり。

 

 

内容が良くて気分が上がるブランドもあれば、全くダメで意気消沈して終わる場合もあります。

 

 

昨年11月のプレコレクションから始まり、イタリア出張でメインコレクションをチェックして、すでに ”ここはダメそう・・・” というブランドも結構あるものなんです。

 

 

そう思いながらもBEAMSは全てのブランドをしっかりチェックするのですが、かなりの確率で ”やっぱりダメでした” となるのが実情です。(苦笑)

 

 

今まで内容が良かったブランドが急にダメになるケースも最近は多いので、やはりコレクションの内容を今まで以上にしっかりチェックしてオーダーしていかなくてはならないと思っています。

 


今回は前回に続きPITTI UOMOの続報で、ここ数年躍進が続くDRAKE'Sのコレクションについてです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブースの大きさが6倍?くらいになったDRAKE'S。

 

 

 

 

今までのブースはネクタイを主力にしていた頃のブースだったので、トータルで展開する今となっては手狭なのは当たり前でしたが、ブースの広さがいきなり数倍になるというケースは私のバイヤー人生の中でも見たことがありません。

 

 

それだけドレイクスの勢いを感じます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ディスプレイはPITTI出店ブランドの中では、どこにも似たものが無いドレイクス独自の世界観です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドレスとスポーツやミリタリー、アウトドアをミックスするのがドレイクスらしいテイストです。

 

 

ネルシャツはアメリカンヴィンテージ風のダブルポケット。

 

 

 

 

自分にとっては80年代のアメカジ風でとても懐かしい感じがします。

 

 

ダブルポケットのシャツは来秋冬の流れですが、ここまでアメリカンテイストのモノはイタリアブランドには見られません。

 

 

これを英国の工場で作るというのも、英国のファクトリー事情を知る自分にとっては感心するばかりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

綺麗な色のシャギードッグのクルーネックにネルシャツ、ピーコートという、私のようなプレッピー世代には懐かしいコーディネート

 

 

 

 

 

 

 

 

ニットの色目やボーダーの柄も、70年代や80年代のMEN'S CLUBで見たようなアイビーやプレッピー感のあるバリエーションです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

個人的にささったのがこのコート。

 

 

 

 

 

 

チェンジポケットの付いたラグランスリーブのバルカラーコート。

 

 

これはかなりいいですね。

 

 

白黒のグレンプレイドとヘリンボーンという、モノトーン柄のコートにインナーはカラフルなブロックパターンのニットやチェックのインナーダウン?を合わせ、モノトーン×カラーのコーディネートにしています。

 

 

このコート個人的にかなりささったのですが、少し問題が・・・

 

 

画像を見てもわかるのですが、フラップポケットがかなりハネて浮き上がっています。

 

 

これは直した方がいいと営業の責任者にアドバイスしたのですが、なんとなく空返事・・・

 

 

すごくいいコートなので、きっちり直してくれることを願いたいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アーガイル柄が彼らにとっては来秋冬重要なパターンと言っていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

自分も今回のPITTIはアーガイル柄が出てくるかなと予想していたのですが、思ったほど多くなかったなと言うのが正直なところです。

 

 

フェアアイル→クリケットとくればアーガイルが来るだろなというのは、トラディショナルなテイストをわかる人間にとっては容易に予想できることなので、彼らの打ち出しには共感するものがあります。

 

 

コーデュロイのジャケットにアーガイルというコーディネートも、アイビー世代の私にとってはとても懐かしく感じます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タイドアップのスーツはコーデュロイ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パッチ&フラップのポケット、センターベントという、アメリカンモデルのスーツです。

 

 

オックスフォードのストライプBDにストライプのタイというアイビー的なコーディネート。

 

 

最後のリアルアイビー世代の私にとってはささりますが、このテイストはBEAMSではBEAMS PLUSのテイストなので、少し見慣れた感じもします。

 

 

下段のベージュのストライプのBDがいい雰囲気ですね。

 

 

個人的にも着たい感じです。

 

 

オーダーの時チェックしてみます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネクタイはご覧の通りクローゼットのネクタイのようなディスプレイ。

 

 

 

 

 

 

昔からドレイクスを知る人の中には、”ネクタイがこんなに少なくなっていいの?” という声も聞かれそうですが、自分は今やPITTIはオーダーの場ではなく、プレゼンテーションの場なので、これでいいかなと思います。

 

 

ネクタイは彼らにとって重要なビジネスであるのは今も変わらないので、ショールームでしっかりフルコレクションを見てオーダーすればいいだけの話だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

靴はドレイクスのトレードマークとも言えるデザートブーツとラッセルモカシン風のブーツ。

 

 

 

 

”ドレイクスの服に合う靴はこれ” と言うメッセージでもあります。

 

 

上のコーデュロイのスーツにデザートブーツを合わせてもいいですね。

 

 

デザートブーツはフレンチアイビー的な靴でもあるので、個人的にも今また履きたい靴です。

 


英国製の頃のクラークスのような細身のラストのデザートブーツが欲しいなと思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アイビー、プレッピーテイスト満載のコレクションですが、中には?というアイテムもあります。

 

 

 

 

 

 

コレクションの中のほんの一部ですが、この辺は我々日本人にとってはちょっとキビしいですね・・・(苦笑)

 

 

日本以外の国ではニーズがあるのかもしれませんが・・・
 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020年春夏はアイビーやプレッピーの流れがあり、その流れは2020年秋冬も継続しています。

 

 

イタリアのブランドはそのテイストを取り入れてはいるものの、ドレイクスのようなわかりやすく雰囲気が伝わるブランドはほとんどないのが実情です。

 

 

ドレイクスのクリエイティブ ディレクターのMICHAEL HILL(マイケル ヒル)は、父親がターンブル&アッサーのネクタイデザイナーだったCHAELES HILL(チャールズ ヒル)。

 

 

そして、MICHAEL DRAKE(マイケル ドレイク)の下でネクタイやスカーフのデザインを学んだ、言わば英国ネクタイ業界のサラブレッドと言える存在です。

 

 

そんな彼が英国人でありながら、これだけアメリカンなテイストのブランドをディレクションできるのも、彼が英国やイタリアだけでなく、フランスやアメリカや日本のマーケットもしっかり理解してディレクションしているからなのだと思います。

 

 

それは、先代のマイケル ドレイク自身が、英国人でありながら英国ではなくイタリアやフランス、米国、日本をメインマーケットとしてブランドを展開し、世界有数のネクタイブランドとなったというブランドヒストリーを継承していると言えます。

 


20年以上前であれば、英国=サビルロー、ジャーミンストリートという感じで、他国のモノなど寄せ付けない感じもありましたが、英国も世代が変わりファッションも随分グローバリズムが浸透しました。

 

 

今やロンドンで人気のセレクトショップには英国ブランドはほとんどなく、イタリアや米国、日本のブランドが大半をしめています。

 

 

それだけ時代は変わったと言うことですね。

 

 

古きよきものには敬意を払いつつ、新しいモノは積極的に取り入れる。

 

 

英国の新しい世代の柔軟な感性が、ドレイクスのコレクションには感じることができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなPITTIでも異彩?を放っていたドレイクスのロンドンのショップが、サビルローに移転オープンしました。

 

 

 

 

場所は9番地というど真ん中。

 

 

9番番地と言うと、隣がDEGE & SKINNER、その隣があのHUNTSMAN & SON というサビルローの中でも一等地と言える場所です。

 

 

 

 

店内も奥行きがあって広々しています。

 

 

現地に行かれた方は是非行ってみてください。

 


DRAKE'S

https://www.drakes.com/editorial/our-savile-row-flagship-is-open/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020年春夏トレンド解説動画 VOL.2 アップしました。

 

 

 

 

今回はスーツ編です。

 

 

是非ご覧ください。

https://www.beams.co.jp/feature/200123/?fbclid=IwAR29-z2iVopkn3FHri19nEc8VxoBJpDIPHzxdGExFhldigGCHg7gzH1By3o

 

 

 

PITTI UOMO 97 続報

 

先週の土曜日に帰国しました。

 

 

今回はパリのストライキ以外はトラブルもなく、移動が多かったので大変でしたが、無事に終わったと思いきや日曜日の夜から高熱が出て、何年かぶりに会社を病欠しました。

 

 

因みに、インフルエンザではありませんでしたが、血液検査の結果何かの菌に感染しているとのこと・・・

 

 

抗生剤を飲んで一日で何とか平熱に戻ったので重い体を引きずって出社すると、西口も芹沢もマスクをしていて体調不良・・・

 

 

オッサンの私がハードスケジュールについていけていなかっただけと思いきや、若い二人も実は相当きつかったようです。

 

 

まあ、3人とも現地で具合が悪くならなくて良かったとポジティブに考えた方がいいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回は現地でアップできなかったPITTI UOMOの続報です。

 

 

FINAMOREは綺麗なチェックと無地のカラーシャツが目を引きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回のPITTIは意外とチェックのシャツが多かったと言う印象です。

 

 

そして、無地のカラーシャツも同じくらい多く見られました。

 

 

下段のダブルポケットのシャツはコーデュロイ。

 

 

ダブルポケットの流れがあるので気持ちはわかるのですが、個人的にはフィナモレのイメージじゃないなと言うのが正直なところ。

 

 

いくら流れとは言っても、ナポリのハンドメイドのシャツ屋がここに手を出さなくてもいいのになと個人的には思います。

 


ジャケットのディスプレイはカラーシャツにタイドアップ。

 

 

 

 

?と思う人も多いと思いますが、実はこんな感じのコーディネートは今回のPITTIではチラホラ見受けられました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ORIANはブースの壁面をモノトーンでまとめていたので、この流れでいくのかなと思いきや、いつも通りのプリントおしでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本では秋冬のプリントシャツは難しいですが、これだけおしているということは、日本以外の国でかなり需要があるということでしょうね。

 

 

オリアンも無地のカラーシャツを展開していました。

 

 

 

 

 

 

フィナモレに比べると発色が暗いですが、これもオリアンっぽい色だしですね。

 

 

最近イタリアのシャツブランドでも増えている機能素材のシャツをオリアンでも展開していました。

 

 

 

 

イージーケア、ストレッチ、防汚、防水と色々ありますが、好き嫌いは別としてこういうシャツがイタリアブランドでも増えているのは間違いない傾向です。

 

 

機能素材のニーズが増えているのは理解しているので否定する気は全くないのですが、いろいろなブランドで同じような実演されてアピールされるとなんとなく気持ちがなえてしまう自分がいます。(苦笑)

 

 

「こういうのもあるよ」 くらいでアピールされるのがいいですね。(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

CIRCOLOのブースもモノトーンとカラーの打ち出し。

 

 

 

 

モノトーンは白×黒ではなく、グレー×アイボリー。

 

 

来秋冬はこんな柔らかなトーンのモノトーンも多くなりそうです。

 

 

カラーはこんな感じです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回のPITTIで特に目についたベリー系のトーンはやはりチルコロでもやっています。

 

 

その他の色もグリーン、イエロー、オレンジと、ほぼトレンドカラーを網羅しています。

 

 

セットアップの提案が多かったのも今回の特徴です。

 

 

こんなビンテージ調の柄もありました。

 

 

 

 

プリントでビンテージ調の柄を表現するというのは新しいですが、ジャージにビンテージ柄はなくてもいいかなというのが個人的な印象。

 

 

でも色々なことにチャレンジするのはいいことですね。

 

 

今回もスタンドがいつも賑わっていたので、チルコロの勢いは衰えずという印象です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

FRANCO BASSIはジャガードの打ち出し。

 

 

ここ数年続いたビンテージ調のプリント柄をジャガードに置き換えた打ち出しです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャガードになると重厚感が増すのでブリティッシュな印象が強くなります。

 

 

イタリアのブランドでこのような提案はほとんどなかったので非常に新鮮に感じます。

 

 

90年代の英国調ブームから2000年代に続くイタリアンクラシックブームの流れの時はジャガードタイの人気が圧倒的だったので、プリントタイがこれだけ増えると次はジャガードタイが来るのは容易に予想できますが、まさかフランコバッシがここまでやってくるとは思いませんでした。

 

 

個人的には下の画像のイエローを差し色に使ったストライプが刺さりました。

 

 

 

 

ブルー×イエロー好きな配色なんです。

 

 

ひとつだけ気になった点は、パネル柄のバリエーションが多すぎること。

 

 

特にパネル柄の雰囲気に合わない今っぽい色柄のものが結構あったのが個人的には?でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんでもいいと言わないのが私のポリシーなので、いつも通り正直な感想を隠さずレポートしました。

 

 

代理店の方々には怒られそうですが、これも私の役割。

 

 

来週から国内の展示会が始まりますが、いつも以上に厳しめに行こうと思います。(笑)

 

 

お客様に喜んでいただけなくては意味がありませんから・・・


 

 

 

 

 

 

 

 

 

お待たせしました。

 

 

2020年春夏トレンド解説動画アップしました。

 

 

 

 

第一回目はスプリングアウターについてです。

 

 

是非ご覧ください。

https://www.beams.co.jp/feature/200123/

 

 

 

 

FOSTER & SON

 
 
昨日は朝7:30出発でノーザンプトンのCROKETT&JONESのファクトリーへ行ってきました。
 
 
早朝6:00前の起床でかなり辛かったです(苦笑)。
 
 
クロケットのファクトリーを訪問するのは3回目ですが、最後に行ったのが20年以上も前なので本当に久しぶりです。
 
 
社長のジョナサンにも「そんな昔だったか」と言われ、本当に月日が経つのは早いものです。
 
 
今回は別注モデルの打ち合わせと西口と芹澤がファクトリーを見たことがなかったので、工場見学も兼ねての訪問。
 
 
そして、仕事が終わった後は普段は週末しか開いていないファクトリーアウトレットを見せて頂き、マイサイズで良いモノがあったので思わず1足購入してしまいました。
 
 
自分は出張先でほとんど買い物をしないので久しぶりの買い物でした。
 
 
クロケットのファクトリー訪問に関しては後日レポートしますね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そして、出張最終日はこちらで打ち合わせ。
 
 
 
 
ジャーミンストリートにあるFOSTER & SONでミーティング。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
今シーズンからBEAMSでも展開を始めるフォスター&サンのレディ メイド(既製ライン)の打ち合わせでした。
 
 
 
 
 
 
フォスター&サンの既製ラインは今まで某有名ブランドのファクトリーで作られていましたが、昨年ノーザンプトンに自社工房を構え、8人の職人で日に10足程度と言う少量生産の体制でスタートしました。
 
 
今日は2020年秋冬に向けてBEAMSの別注モデルのミーティングでした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
デザインは過去のビスポークのモデルを参考にします。
 
 
 
 
 
 
 
 
画像は全て過去に作られたビスポークのサンプルです。
 
 
相当古いものや往年のハリウッドスターが作ったものもあります。
 
 
これを見られるだけでも、ここに来た甲斐があります。
 
 
 
 
 
 
 
 
打ち合わせ後は店の上にある工房も見せてもらいました。
 
 
 
 
 
 
ものすごい数のラストがあります。
 
 
これはほんの一部で、店内のバックスペースにはいたるところのラストが吊り下げられています。
 
 
私の祖父は靴職人だったので、私が子供の頃は家の階段の横にこのようにラストが吊り下げられていたのでとても懐かしさも感じます。
 
 
 
 
 
 
 
 
バックスペースにもビスポークのサンプルがたくさん置かれています。
 
 
 
 
見たこともないようなデザインのモノもたくさんあります。
 
 
時間があれば全部チェックしたいところです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
アッパーのパターンやラストの作り方まで説明してもらい。
 
 
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実際にラストを作る工程まで見せてもらいました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
濃密な時間もここで時間切れ。
 
 
次回はもう少し時間をもらって色々見せてもらおうと思います。
 
 
別注モデルのサンプル依頼と2021年春夏の別注の話もして、イタリアから始まった13日間の出張の仕事は全て終了。
 
 
今回はフィレンツェ、ミラノ、パリ、ロンドンと移動が多く大変でしたが、その分内容の濃い仕事ができたと思います。
 
 
こちらでアップできなかったPITTIやミラノのショールームのレポートは後日続報としてアップします。
 
 
ということで、ロンドンのヒースロー空港で帰国便の搭乗待ちです。
 
 
さすがに疲れたので搭乗したらすぐに爆睡しそうです(笑)。
 
 
 
 
 
 

12年ぶりのパリ

 
パリに来たのは12年ぶり。
 
 
もうバイイングの仕事でパリに来ることはないかなと思っていたのですが、私の中で思い入れもあるフランスのブランドが数年前に復活して、今回は彼らとミーティングする為に久しぶりにパリに入りました。
 
 
そのブランドが今や唯一のフランスブランドのパンツメーカーとなったZINS(ザンス)、
 
 
 
 
 
 
90年代に私がバイイングしていた頃と同じ11区のマレ地区で、今も同じ場所にオフィスとショールー
ムを構えています。
 
 
エントランスのサインも当時のまま。
 
 
ほんとうに懐かしいです。
 
 
今回は彼らの持つアーカイブのサンプルの中からBEAMSのスペシャルモデルを作るためのミーティング。
 
 
倉庫に600本以上のアーカイブサンプルを持っているのですが、さすがに全てチェックするのは時間的に無理なので、事前に社長のFRANK ZINS(フランク ザンス)さんがBEAMSのテイストに合いそうなモデルをピックアップしてくれていました。

 
 
 

 
70年代や80年代のモデルを中心に、当時彼らが手掛けていた有名ブランドやショップのモデルサンプルをチェック。
 
 
サンプルに無いものは当時のデザイン画と仕様書をチェックしながらミーティングを進めていきます。
 
 
 
 

 
これが凄い資料で、当時の有名メゾンブランドの仕様書もたくさんあるので、ちょっとした博物館級の資料。
 
 
おのずと私と西口の目が真剣になります。
 
 
サンプルサイズはバラバラなので、サイズが合わないですが試着しまくります。
 
 
サイズが合わなくても絶対に試着して細かいところまでチェックするのがBEAMS魂。
 
 
 
 
西口とアシスタントの芹澤が何本か気になるモデルをピックアップしてサンプルチェック。
 
 
西口が穿くとなんでもカッコよく見えるので、そこは厳しくチェックしないといけません(笑)。
 
 
結局今回は2モデルサンプルリクエストをしました。
 
 
どんなモデルかは企業秘密なので今は言えません。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
社長のフランクさん自ら生地のプレゼン。
 
 
 
 
 
 
生地のテイストが明かにイタリアブランドと違ってフランスっぽいんです。
 
 
フランスっぽいってなに?と言われれば言葉で表現するのは難しいのですが、強いて言えば英国テイストがイタリアブランドよりもストレートに感じれれる生地が多く、イタリアブランドのような艶感よりはトラディショナルなテイストが感じられる生地が多い事でしょうか。
 
 
それは私がザンスをバイイングしていた90年代からずっと変わらず、今でも当時と同じ生地をコレクションの中で多く見る事ができます。
 
 
私が初めて彼らのショールームを訪れたのが89年。
 
 
それからイタリアブランドが主流となる2000年代の前半までバイイングをして、一時取引が途切れましたが、今また取引を再開し彼らのショールームを訪れる。
 
 
なにか彼らとBEAMSの歴史を物語るような再会に心が躍りました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ミーティングが終わり、ザンスのオフィスで軽いランチを済ませ午後はリサーチ。
 
 
ところがパリの公共交通機関が12月からずっとストライキで止まっているので、フランクさんが大きなレンタカーを借りてリサーチに連れて行ってくれる事に。
 
 
最初に訪れたのは7区のリュイーヌ通りにある彼らの直営店。
 
 
 
 
 
 
 
 
昨年の6月にカンヌのショップを見ましたが、ここが本店。
 
 
店内にはアーカイブの資料も展示されています。
 
 
ノープリーツから2プリーツまで、ザンスのフルコレクションが見られます。
 
 
 
 

 
丁度セール中で私も刺さるモノがあったのですが、時間がなかったので今回は見るだけ。
 
 
ちなみに刺さったのは、2インプリーツのサイドアジャスターのガンクラブチェック。
 
 
BEAMSでもオーダーしたかったのですが、生地がかなり高かったんです...
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ザンスの本店のあとは、最近日本のファッション誌でも紹介されている16区のBEIGE Habilleurというセレクトショップとその近くのショップをリサーチして、フランクさんの友人がマネージャーを務めるシャンゼリゼのJM WESTONの本店へ。
 
 
 
 
 
 

 
フランクさんのお陰で店内隅々まで見学させて頂き、パリでは既に始まったいてもうすぐ日本でも開始される新しい取り組みも聞かせて頂き、おまけに普段はNGな店内撮影も許可して頂きまさかのVIP待遇。
 
 
これで何も買わずに帰る訳にはいかないので2足購入...
 
 
ちなみに、買ったのは私ではありません(笑)。
 
 
20数年ぶりの訪問でしたが、昔の雰囲気とは全く違うラグジュアリーな空間にびっくり。
 
 
そして、接客もとても優しくなっていました(笑)。
 
 
その後エルメスの本店を経由して、またもフランクさんの知人がマネージャーを務めるGOYARDの本店の二階でゴヤールの歴史とものづくりをじっくり説明して頂き、これまたVIP待遇。
 
 
ここは貴重なアーカイブがたくさんあるので撮影はNGでした。
 
 
最後に近くにある小さなセレクトショップをリサーチしたところでパリのほとんどの店が閉まる19:00となりこの日は終了。
 
 
ストライキの影響で途中渋滞もありましたが、パリの道をよく知るフランクさんのお陰で限られた時間で効率良くまわる事ができました。
 
 
12年振りのパリはOLD ENGLANDもMARCEL LASSANCEもARNYSも無くなってしまいましたが、華やかさは失われていないように感じました。
 
 
そしてパリからロンドンに移動し、今ロンドンにいます。
 
 
明日は7:30スタートでノーザンプトンのCROCKETT&JONESのファクトリーへ。
 
 
私は過去に2回行ったことがあるのですが、多分最後に行ったのが20数年前。
 
 
ちょっと楽しみです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

ミラノ ショールーム


PITTI UOMO最終日の金曜日も午後1時くらいまで会場をチェックして、フィレンツェ最終日お約束の中華ランチを食べて夕方ミラノに移動しました。


ミラノは土日も朝から晩までショールームまわり。


その後、イタリアの取引先とロングな夕飯を食べて12:00くらいにホテルに戻る。


そんな毎日なのでブログもなかなかアップできない状況です。


すみません。


と言うことで、今回は眠気と闘いながらの昨日チェックしたSTILE LATINOのコレクションのレポートです。








ジャケットはいつもどおり、スティレラティーノらしい色使いの柄モノが多かったです。










上段のチェックはブラックとベージュとレッドという、モノトーン×カラーのチェック。


このあたりは他のブランドと同様にしっかり展開しています。


それ以外はベージュやブラウンベースにグリーンやブルーのウィンドウペンを入れたスティレラティーノらしいチェックが多かったです。


スーツもグレーにグリーンのストライプ




これもスティレ ラティーノらしい色使いですね。


とにかく色の提案は毎回素晴らしいものがあります。







コートも柄モノの提案が多かったです。










上段はブラック×ベージュのハウンドトゥース。


以前ならネイビー×ベージュでしたが、他のブランドと同様に今の流れを考えればブラック×カラーがはずせないのはスティレ ラティーノも同じです。


このチェックは柄の大きさも絶妙でした。


2段目のベージュ×ブラウンのウィンドウペンもスティレ ラティーノらしい色使い。


これは上品な色使いで個人的にもかなりささりました。


下段の大柄のグレンプレイドのトレンチもベージュ×ブラック。


薄っすらとピンクのウインドウペンが入っているのもいいですね。


このトレンチは、同行したショップスタッフ達にもかなりささっていました。








エルネストにもあったイエローのコートがスティレ ラティーノでも展開されていました。





エルネストはカセンティーノでしたが、こちらは光沢があるカシミア混の生地なので相当派手です。


いずれにしろイエローはトレンドカラーのひとつなので、こんな色のコートが出て来るのも理解できます。








ショールカラーのガウンタイプのコートを着てポーズをきめるヴィンチェンツォ。




このコートもいいですが、個人的には着丈がちょっと長すぎるかなという印象です。


ロングコートの流れは続いているので、正しい企画だと思いますが行き過ぎは禁物です。









このバルカラーも今まで無かったオーバーサイズのコート。




ゆったりしたシルエットのバルカラーは来秋冬の流れですが、少し身幅が大きすぎるかなと言う感じです。


これ以外にも極端なドロップショルダーがあったり、フード付きのカジュアルジャケットがあったりと、攻めた提案が多かったのですが、このあたりは難しいなというのが正直なところです。








PITTIは守りに入って新しい提案が少なかったので、新しいモノにチャレンジするのはいいですが、ちょっと行き過ぎたデザインやシルエットが多いなというのが今回のコレクションの印象です。


トレンドを取り入れる時は絶妙なさじ加減が重要ですね。


と言うことで、新しいモデルは色々修正と別注のお願いをしつつ、生地は良いピックアップができたと思います。


来シーズンもご期待ください。


午前3:00を過ぎました。


もう限界です。


またレポートします。


おやすみなさい。










FORZA STYLEの動画に登場しています。

こちらもご覧ください。



PITTI UOMO 97 2日目 3日目


何となく停滞した感じの今回のPITTI  UOMO。


景気が悪いこともあり守りに入っているのか、新しい提案があまり見られないのがちょっと寂しいところです。


でも、そういう時こそしっかりと流れをチェックして小さな変化を見逃さない事が重要なので、2日目も3日目も精力的にブースをチェックしてまわりました。







毎回ディスプレイの色使いが絶妙なLBM。


今回は17色ある製品染めのコーデュロイジャケットと、グリーン系のバリエーションが目を引きました。




コーデュロイの流れは来秋冬も継続しています。


ほとんどのブランドがコーデュロイを展開していますが、17色も展開しているのはLBMだけ。


こういう思い切った提案は刺さりますね。


値段もこなれているので、フィッティングとシルエットが良ければバイイングを検討しようかなと思わせる提案です。








グリーン系はこんな感じです。









コーディネートの良し悪しは別として、トレンドカラーを上手に提案しています。


多くのブースでグリーンが提案されていましたが、LBMのディスプレイは今までグリーンを着た事がない人でもグリーンを着てみようかと思わせるディスプレイです。







LBMでもラグランスリーブのバルカラー。




今回のPITTIは本当にラグランスリーブのバルカラーが多いです。


来場者の着用もかなり増えているので、流れが加速するのは間違いなさそうです。







モノトーンの提案はこんな感じです。




パープルやベージュを少しだけさし色に使っているのがポイントです。


やはり、モノトーン+カラーですね。









ERNESTは色使いに少し変化が見られました。








ここ数年のエルネストとは明かに違う、キレイな色目のジャケットやコートの提案が増えています。


ジャケットは他のブランドでも見られたブラック×イエローのチェックが目を引きました。


イエローのカセンティーノのコートもここ数年のエルネストのイメージとは大きく違います。


来秋冬は色の提案が重要になりそうなので、正しい方向性だと思います。








ここ数年ダッフルコートの打ち出しがメインだったINVERTIEREも、今回はラグランスリーブのバルカラーの提案をメインにしていました。








個人的には2番目のブラウンに淡いグリーンのオーバーペンのグレプレイドが刺さりました。


英国のJOSHUA ELISの生地なので値段が高く、オーダーするかどうかはわかりません(苦笑)。


前回でも少し触れましたが、インバーティアでもカーコート(ハーフコート)をバリエーションに加えていました。








CHEANEYはレースアップのブーツのバリエーションが増えていました。








他のブランドでもレースアップのバリエーションが増えていてディスプレイのコーディネートでも使われていたので、数年振りにリバイバルしそうな印象です。


この辺りの流れは今後も注意深くチェックして行こうと思います。







午前2:00を過ぎました。


そろそろ限界です。


最終日も見逃しがないか会場をチェックします。


またレポートします。


お休みなさい。











PITTI UOMO 97 初日


明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。


遅い新年のご挨拶なりましたが、今日から2020秋冬のPITTI  UOMOが始まりフィレンツェに来ています。


最近は2日目から入るバイヤーさん達も多くなりましたが、BEAMSチームは初日からフル回転。


10:00から会場がクローズする18:00までブースをチェックしてまわりました。


今日はPITTI UOMO 97 初日のレポートです。







TAGLIATOREはモノトーンに色をさす打ち出しでした。












ご覧のように、黒やグレーをベースにイエローやブラウンをさし色に使う打ち出しです。


プレコレクションでも打ち出されていた提案ですが、そこから大きく変えずバリエーションを増やして提案してきました。


タイドアップのディスプレイはほとんどなく、タートルネックを使ったディスプレイが多いのは、今シーズンの流れを継続しています。


数年前までは色々と盛った濃いコーディネートの打ち出しが特徴だったタリアトーレも、ここ数年で随分洗練された打ち出しに変わりました。


このブログでもイタリア血中度の濃いイタリアンスタイルは古くなって来ていると以前から言ってきましたが、最近のタリアトーレの打ち出しを見ても、その流れを顕著に物語っていると思います。


それでも私からすれば、まだ充分にコッテリしている感じですが...(笑)







LARDINIはシベリア鉄道からインスピレーションされたコレクションでした。














ご覧のようにモノトーンが殆どなく、ブラウンやベージュにトーンがメインの打ち出しでした。


TAGLIATOREとは対極的な打ち出しですね。


さし色に赤系のカラーやグリーンを使っていますが、これは他のブランドでも多く見られました。


全体的にはラルディーニらしい上品で洗練された提案ですが、個人的にはテーマに縛られ過ぎてバリエーションが少なく感じてしまうのがちょっと気になるところです。


コレクション全体はミラノのショールームで見ないとわからないので、ミラノでしっかりチェックしたいと思います。







DRUMOHRはモノトーンとカラーの両面の打ち出しでした。










ご覧のように、メインディスプレイはモノトーンで、ハンガーディスプレイはカラーをふんだんにに使って打ち出されていました。


やはり赤系とグリーン系のバリエーションが多く、そこにターコイズブルーが少しさされているのが印象的でした。







初日を見た感じでは、モノトーンの流れは継続しつつも、色がかなり打ち出されている印象です。


特に赤系やグリーン、イエロー、オレンジあたりのカラーが随分多く見られました。


アイテムに関してはバルカラーのバリエーションがかなり増えていて、ロング丈だけでなくショート丈のカーコートが少し出て来ている印象です。


いずれにせよ、カチッとしたテーラードコートよりもトレンチやバルカラーのようなスポーティーなコートの方が注目されているように感じます。







午前1:30を過ぎました。

そろそろ限界です。

今日はいつもの初日以上に歩いたので足がパンパンです。

これから湯船に使って疲れをとります。

またレポートします。








最後に今日のBEAMSチーム。




私の着ているコート、ちょっと派手かなと思ったのですが、いろいろな人にいい柄だと言われました。

まさにモノトーン×カラーです。




















アーカイブ

 
BRILLAのディレクターの無籐が、訳あって自宅から持ってきた80年代後半から90年代前半のオリジナルのジャケットとスーツ。
 

80年代後半に英国調の流れが出てきたときに、いち早くその流れを取り入れたモデルで、当時スタッフや感度の高い顧客様に非常に人気があったモデルでした。
 
 
今日は読者の多くの方が見たこともないと思われる、当時のオリジナルについて少し触れたいと思います。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
チェンジポケットの付いたこのジャケットは、80年代にインターナショナルギャラリーで展開していたVALOR(バロール)というオリジナルブランド。
 
 
画像だけ見ると、いまBEAMS Fで展開しているチェンジポケット付きのオリジナルとあまり変わらないように見えるかもしれません。
 
 
 
 
 
当時は今あるような肩パッドが無いソフトなテーラードはほとんどなかったので、このジャケットもしっかりとした肩パッドが入っています。
 
 
ボタンも低めの3ボタンで、上ふたつのボタンをかけて着る人も多かった時代です。
 

 

 
 
チェンジポケット付きのフラップポケットも今の感じとあまり変わりません。
 
 
最近なにかと話題のゴージ位置は低いうえに傾斜もついています。
 
 
 
 
当時はこのようなゴージ位置と傾斜が一般的だったので、最近見かけるようになってきたこのような襟型を見ても、自分にとっては全く違和感がありません。
 
 
と言うか、逆に今っぽい?
 
 
袖ボタンは3個。

 

 

 
 
90年代後半にイタリアのクラシックスタイルが流行るまで、ジャケットの袖ボタンは3個でスーツは4個と言うのが当時英国から学んだルールでした。
 
 
ボタンはホーン(水牛の角)で、やはり英国の雰囲気のボタンが付いています。

 

 

 
 
縁があって真ん中が深くなっているボタンを ”二重たらい” と言いますが、英国のビスポークのジャケットやスーツには、ほとんどこのタイプのボタンが付けられていました。
 
 
当時英国調のジャケットやスーツならば、当然このボタンをつけるというのがある意味常識でした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
これも同じくバロールのジャケット。

 

 

 

 

 
 
上のモデルと比べると、ポケットのデザインだけが違います。
 
 
このパープルのジャケットはフラップポケットが傾斜しているスラントポケット
 
 
おそらくベージュのジャケットの後に出たモデルだと思いますが、当時は英国調の流れが一般的にはまだそれほど広がっていなかったので、まず3ボタンのチェンジポケットを出してから、より癖の強いスラントポケットのモデルを出したのではないかと思います。


スラントポケットの角度がそれほどついていないのも、あまり行き過ぎると理解されないという判断だったのかもしれません。
 
 
このジャケット、87年から89年くらいのものだと思われますが、当時はまだワイドショルダー、低い2ボタン、ノーベントのソフトスーツが全盛の時代だったので、当時いち早く3ボタンでチェンジポケットという、英国調のジャケットやスーツを展開していたのはセレクトショップではBEAMSだけでした。
 
 
もちろんソフトスーツが全盛の時代なので、”こんなの着れねーよ” というお客様も多かったのですが、その数年後多くのお客様が3ボタン サイドベントのジャケットやスーツを着るようになるのは言うまでもありません。
 
 
このバロールというレーベルは、当時BEAMSの常務だった重松さん(現ユナイテッドアローズ 名誉会長)が、自分が着たい服を小さなコレクションで展開していたオリジナルレーベルでした。
 

 

 
 
その後、鴨志田さん(現ユナイテッドアローズ クリエイティブアドバイザー)が引き継ぐのですが、お二人が退社後、インターナショナルギャラリーのオリジナルに吸収される形で役割を終えました。
 
 
このバロールのジャケットはリングヂャケット製でした。

 

 

 
 
住所を見ると、アメリカ村のジーンズが屋さんの入っているビルの上階にあった頃ですね。
 
 
私も何度も行ったことがあるので懐かしいです。
 

リングさんとは本当に長いお付き合いです。
 
 
 

 

 

 

 

 

 

 

90年代に入ると本格的に英国ブームが広がり、インターナショナルギャラリーのオリジナルでも、こんな英国色の強いモデルが展開されていました。

 

 

 
 
 
 
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Vゾーンが狭い完全な3ボタンで着丈も長く、スラントポケットもかなり傾斜が付いています。


90年代前半頃のオリジナルですが、この頃になると英国のビスポークテイストのジャケットやスーツが注目されるようになり、このような濃い英国テイストのジャケットやスーツがBEAMSのスタッフや顧客様の間で人気となります。
 
 
パンツも1インプリーツのサイドアジャスター。

 

 

 

 

 

 

 
 
今のBEAMS Fのオリジナルのように、ピストル型のサイドアジャスターが付いています。
 
 
ワンインプリーツのサイドアジャスターは、当時HACKETTやCORDINGSでも展開していたので、ある意味90年代の英国の定番だったと言えます。
 
 
この頃になると、リチャード ジェームス、オズワルト ボーテン、ティモシー エベレスト、マーク パウエル、ジョン ピアーズなどのニューテーラーと呼ばれる人たちが出てきて、新旧含めて英国のビスポークテイストの流れがさらに注目され、BEAMSもインターナショナルギャラリーだけでなく、BEAMS Fでもチェンジポケットやスラントポケットのジャケットやスーツ、サイドアジャスターのパンツ、ダブルカフスのシャツなど、英国色の強いアイテムが人気となります。
 
 
80年代はジョルジョ アルマーニやジャンフランコ フェレ、ジャン二 ベルサーチなどのイタリアンデザイナー達の服が大流行し、それを拡大解釈したソフトスーツなるものが日本でも大流行していたので、クラシックにとってはある意味逆風の時代でした。
 

 

その流れを変えたのが80年代後半あたりからの英国調の流れで、それはある意味なんでもありだったドレススタイルの流れを正しい方向に戻すターニングポイントだったのだと思います。

 

 

そして、ニューテーラーの流れと並走するかたちで90年代の中ごろあたりからイタリアのクラシックが注目され始め、2000年代に入ると世界的にも大きな流れになるのですが、その過程において90年代の英国調の流れが大きく影響していることは意外と知られていません。

 

 

それについてはかなり深い話になるので、機会があれば少しづつお知らせしたいと思います。

 
 
最近は、英国調、ブリティッシュ アメリカン、フレンチアイビーと、80年代から90年代の流れがリバイバルしているので、自社のアーカイブを再チェックし、自分の中で時系列を整理するのはとても大事なことなんです。


流れは繰り返すので、過去を知り、それを咀嚼して時代性を加味して企画やバイイングをすることが、自分にとって重要なことなんです。
 
 
そして、来年の秋冬は70年代の流れがチラホラ見えますが・・・


それはこれからしっかり検証していきます。


 
 
 
 
 
 
 
 

 

ワークシャツ

 

ずっと探していたシャンブレーのワークシャツ

 

 

他社のものも含めて探していたのですが、最終的に色々検証した結果これにしました。

 

 

 

 

 

 

 

BEAMS PLUS オリジナルのワークシャツです。

 

 

アメリカ産のコットンを使用して、シャトル織機で織り上げたセルビッチ付きのシャンブレーと言うのも刺さります。

 

 

 

 

生地がゴワゴワしていてビンテージのアメリカのワークシャツみたいです。

 

 

実はこのシャツを購入するのに1か月くらい悩みました。

 

 

理由はボディーが自分にとっては大きすぎる・・・

 

 

ドレス系のブランドのシャツではないので仕方ないのですが、特にパンツにインするとかなりのブラウジングになるので、どうしてもしっくりこなかったんです。

 

 

他社のサイズスペックを見ても同じようなスペックなので、これがワークシャツの黄金比率なのかなと思いつつも、自分が納得するスペックをあきらめきれず、お直しで身幅と袖幅を詰めました。

 

 

 

 

 

 

元のサイズと合わせてみると、身幅と袖幅が細くなっているのがわかります

 

 

身幅を2cm(全周で4㎝)お直しで細くして、アームもボディーと合わせて細くしました。

 

 

細すぎず太すぎず、自分の理想のスペックにかなり近づきました。

 

 

お直しは心斎橋リフォームさんにお願いして¥6,000-ちょっと。

 

 

脇からアームまで全部ばらして縫い直しなので決して高くはないですが、¥16,500-と修理代を足すと2万円を超えるので、そこをどう考えるかですね。

 

 

自分はいくら探しても見つからないものが手に入るので、修理代は特に気にならないという感じです。

 

 

このシャツはビームスプラスで一番小さいSサイズなので、サイズを下げることができずお直しをしましたが、Mサイズ以上の人はワンサイズ下を着て肩幅と袖丈が合えば解決する話なので、そのようなサイズ選びをすればいいと思います。

 

 

なぜワークシャツなのかと言うと、実はダブルポケットのシャツの流れが来ているんです。

 

 

 

 

私も今シーズンこんな感じでタイドアップして着ていましたが、ワークシャツをドレスに合わせるのは80年代にBEAMSのスタッフの間でも流行っていたので、とても懐かしいコーディネートなんです。

 

 

もちろん、タイドアップせずにツイードジャケットと合わせたり、ローゲージのニットと合わせてもいいですね。

 

 

20代の頃はシャンブレーのワークシャツの下にセントジェームスのボーダーTを合わせていましたが、そんなコーディネートもフレンチアイビーが注目される今また新鮮に感じます。

 

 

ちなみに、上の画像のシャンブレーのダブルポケットのシャツは、数年前に展開していたBORZONELLLA。

 

 

かなり気に入って購入して、このブログでも紹介しましたが、あまり売れませんでした・・・(苦笑)

 

 

シャンブレーのワークシャツは、渋カジ世代以降の人たちにとっては馴染みのないもので、艶っぽいイタリア好きの人たちにとってはラギッドっぽいので、理解するのが難しいアイテムだったのかもしれません。

 

 

なので、久しぶりにシャンブレーのワークシャツが買えて、うれしい気分なんです。

 

 

ダブルポケットという意味では、ウェスタンシャツも今また新鮮なので、来春夏BORZONELLAでまた展開します。

 

 

それについては後日またご紹介します。

 

 

このBEAMS PLUSのワークシャツ、生地もしっかりしているので一年を通して大活躍しそうです。

 

 

BEAMS PLUSは個人的にも毎シーズン欲しいものが結構あるのですが、サイジングの問題で断念することが多いんです。

 

 

ドレスのお客様にもお薦めしたいものがたくさんあるので、歴代のディレクターに色々アドバイスしてきたのですが、いつもスルーされるんです。(苦笑)

 

 

仕方ないですね。

 

 

アメリカとは無縁な人と思われているかもしれないですが、私も大学生の頃はアメカジですから。

 

 

 

 

BIG MACのヒッコリーストライプにHELTHKNITのヘンリーネック、リーバイスの505、足元は多分スタンスミスかKEDSのチャンピオンオックスフォード。

 

 

いまプラスでやっているアメリカや英国のブランドも、元々はBEAMS Fで私がバイイングしていたものがたくさんあるんです。

 

 

なので、昨今のイタリアとアメリカと英国のミックススタイルも、自分にとってはなんの違和感もないんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダブルポケットのワークシャツと言えば、毎週欠かさず見ているグランメゾン東京でキムタクがダブルポケットのワークシャツにヘンリーネックのTシャツ着ていますね。

 

 

似合っているなと思いつつ、パリ帰りだったらヘイリーネックじゃなくてボーダーTはダメかななんて思っていたら、長袖のボーダーTを着ている回もあったんです。

 

80年代のフレンチアイビーを通っている自分にとってはやっぱりボーダーTはハズせず・・・

 

 

 

 

ワークシャツもこんな風な合わせが気になる今日この頃です。

 

 

 

 

 

 

UNITED ARROWS プレスプレビュー

 

先日縁あって、初めてUNITED ARROWSさんのプレスプレビューにお邪魔しました。

 

 

 

 

他社さんのプレスプレビューに伺うのは初めての経験です。

 

 

お邪魔にならないように色々見せていただきました。

 

 

今回はUAさんのお許しもいただいたので、プレスプレビューの様子を少しだけお見せします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドレスコーナーの入り口のテーブルはオリジナル?のセットアップ風のスーツ。

 

 

 

 

4つボタンのダブルというのがUAさんっぽいですね。

 

 

靴もBEAMSだと軽いスリッポンになりますが、UAさんはダーティーバックス。

 

 

なんとなくわかるなこの感じ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その横には、シンプルなボタン無しのダブルのラップコート。

 

 

 

 

これもオリジナル?

 

 

ラグランで落ちる肩のラインと、襟の形も大きさもなかなかいいですね。

 

 

ボディーもゆったりしていて、ベルトを締めてもいいラインが出そうです。

 

 

そう言えば、先日プレコレクションで来日していたあるイタリアのブランドのセールスマンが、UAさんで2年前に買ったという、ウールギャバジンのレンチコートを着ていたのですが、なかなかいい雰囲気のトレンチコートでした。

 

 

知り合いのスタッフの方に聞くと、自分も知っている東北の有名なコート工場で作ったコートだと聞いて納得。

 

 

このコートもそこで作っているのかなと思いつつ、色々聞くのも失礼なのでじっと我慢。(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スーツは自分の予想に反して、ビジネスで着られるようなモノが中心でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BEAMSのプレビューはビジネスっぽいスーツはほとんど出さず、ブラウン系やグリーン系の趣味的なスーツが大半だったので、真逆な感じです。

 

 

自分の勝手なUAさんのスーツのイメージは、ソラーロとブラウンのスーツなんです。

 

 

間違ってたらすみません。

 

 

グリーンのプリントタイやモノトーンのストライプを合わせているのは、ネクタイの傾向なのでニュアンスの違いはあれ、UAさんもBEAMSも同じですね。

 

 

 

 

 

 

大柄のヴィンテージ風のプリントやカラフルなストライプの打ち出しは、来春夏の傾向を考えると、やはりこういうバリエーションになりますね。

 

 

柄の打ち出しは似ていますが、UAさんの方が若干カラフルな印象です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鴨志田さんのコレクションもしっかりチェック。

 

 

PITTIに出展しなくなって、ミラノのショールームも時間が無くて行けなかったので、春夏のコレクションは初めて見ました。

 

 

 

 

 

 

チェックのシャツやボーダーのカットソーが多く、ここ数年はシックで落ち着いた色柄が多かったので、方向性がちょっと変わったかなと言うのが正直な印象。

 

 

自分はこっちの方が鴨志田流のトラッド感があって好きですね。(笑)

 

 

ジャケットは4Bのダブル。

 

 

最近鴨志田さんがよく着ておる4Bのダブルですが、ボタン位置が低く襟が長いダブルがマイブームなんでしょうね。

 

 

ゴージの低い(傾斜が強い)モデルもやはりやっていました。

 

 

 

 

流れがわかる人は、やはりこっちの方向に行くのは自然な流れですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スタッフの皆さん、お忙しい中色々見せていただきありがとうございました。

 

 

他社さんのプレスプレビューは初めてだったので、とても新鮮でした。

 

 

試着してみたいものもあったのですが、知り合いのメディア関係の人たちも多かったので遠慮しました。(笑)

 

 

次回はBEAMSのプレビューにご招待しますので、是非お越しください。

 

 

その際は私がアテンドさせていただきます。

 

 

私の手が空いていないときは、この男がアテンドさせていただきます。

 

 

 

 

新任プレススタッフの間瀬です。

 

 

 

 

と言うことなので・・・(笑)