
EMMETI AMALFI
9年くらい前に購入したBEAMS別注のEMMETIのシャツジャケット。
かなり気に入ってヘビーローテーションで着ていたのですが、タイトフィットが流行っていた頃のものなので、さすがにフィッティングもシルエットもちょっと古くなったなというのが正直なところ。
実際に着てみるとこんな感じです。
当時と体型はほとんど変わりませんが、フロントボタンを留めるとかなりタイトな感じ・・・(苦笑)。
身幅はフロントボタンを外せばなんとかなりますが、袖がかなり細いので肘を曲げるのがきつく感じがします。
当時はこれが普通だったのでなんの違和感もなく着ていましたが、今となってはさすがに少し古く感じて、2年くらい前からほとんど着ていませんでした。
当時とても人気のあったモデルで、個人的にもまた着たいシャツジャケットなので、サイジングと仕様をアップデートして復活させました。
モデル名はAMALFI(アマルフィ)
サイジングはタイト過ぎずユル過ぎず、オトナがリラックスして着られる絶妙なサイズバランスにアップデートさせました。
ディティールは9年前と同じ。
シャツとジャケットをミックスしたようなディティールです。
最近イタリアのサプライヤーは、このようなシャツとジャケットをミックスしたようなアウターやジャケットを ”シャケット”と呼んで多くのブランドが展開しています。
その流れもあり復刻させたモデルですが、9年前にこれをEMMETIと一緒にすでに別注で作り展開していたことは、手前味噌ではありますが、EMMETIとBEAMSの企画力の賜物だと思っています。
仕様で変更したのは裏仕様。
9年前のモデルはメッシュの裏地を着けていましたが、より軽く仕上げるために裏地なしの一枚仕立てに変更しました。
裏地がないと裏の仕様をより丁寧に作らなければならないので、その点も注意して作りました。
コーディネートはこんな感じです。
インナーにネイビーのクルーネックのニットを合わせ、パンツはジャブスのグレーのジャージ、靴はリビエラのスリッポンというシンプルなコーディネート。
こんな都会的でリラックス感のあるオトナっぽいコーディネートで着たい気分です。
カジュアルに着るならボーダーのTシャツにデニムのファイブポケットでもいいですね。
ブラウンはそのボーダーのTシャツを合わせました。
ルミノアのベージュ×ブラウンのボーダーTを合わせ、パンツはホワイト、靴はブラウンのエスパドリーユというシンプルな同系色コーディネート。
インナーがTシャツで靴がエスパドリーユというカジュアルなアイテムなので、パンツはあえてバランスをとって普通のスラックスタイプのものを合わせました。
ほんの一例ですが、自分が着るならこんな感じでシンプルにコーディネートしようと思います。
もちろんインナーはシャツを合わせてもいいですが、なんとなくカットソーやニットを合わせてさらっと軽く着るのが今の気分かなと思います。
色々なものを重ねる複雑なコーディネートをよりも、上質感のあるものをシンプルにコーディネートする方が今の流れです。
9年前に購入したものは、さすがにタイトフィット過ぎてもう着られないので、新しいものに買い替えようと思っています。
ちなみに、タイトな流れがまた来ることもあると思うので、断捨離せずに保管しようと思っています。
クラシックやベーシックなアイテムにも必ず流行はあります。
長く着られるという意味は、流行が去っても持ち続ければまた着られるという意味もあるということです。
ネイビーとブラウンの2色とも購入しようと思っています。
2色いっきにいくか、1色ずつにするか懐具合と相談という感じです。
今月は愛車のAUDI TT クアトロの車検もあるので・・・
このモデルはBEAMSの完全別注なので、他のショップでの展開はありません。
他のブランドにはないデザインのシャツジャケットなので、似ているものもおそらくないでしょう。
春夏だけでなく、ウールのニットを着れば11月中くらいまで着られるので、意外と長く着られるのも良いところです。
今シーズン私のおススメです。
ご興味のある方は是非。
お待たせしました。
2021年春夏トレンド解説動画アップしました。
今回は若いスタッフも交えて和やかな感じの雰囲気です。
Vol.1はジャケット編です。
是非ご覧ください。
MR_BEAMS
2021春夏 MR₋_BEAMSの完成まであとわずか。
先週金曜日も私のパートのNAKAMURA NOTEの原稿が20枚上がってきて、即日校正を入れなければならなかったので、1時間以上かけてじっくり原稿をチェックしました。
自分がコメントしたことには責任があるので、プレススタッフに任せっきりにせず、必ず自分でチェックするのがポリシーです。
取材を受けるようになってから30年間、ずっと続けてきたことです。
原稿をノーチェックで戻す人もいると聞きますが、それは自分の言っていることに責任を持たないのと同じ、その先に読者がいることを考えれば、そんな無責任なことはできません。
なので、私の原稿はエディターさんには嫌われるかもしれませんが、細かいところまで赤(チェック)が入ります。
反面、もしかすると自分の言っていることが上手く伝わらなかったのかなと思うこともあり、それが誰にでもわかりやすく話すというポリシーにもつながっているのです。
1月の初めに行ったコーディネート組み。
毎回プレススタッフとスタイリストと一緒にコーディネートを組みます。
今回も3日間かけて全部で23体のコーディネートを組みました。
毎回かなり細かいところまでチェックして、気になるところがあると何回も作り直し、なかなかOKを出さないのでプレススタッフもスタイリストも大変です。
こんな面倒でうるさいやつにいつも付き合ってくれて本当に感謝です。
コーディネートを組んだものをスタジオに持ち込んで撮影。
チーフの入れ方やソックスの有無、着せつけのポイント等々、細かいところまでプレススタッフとスタイリストに伝え撮影に入ります。
そんな面倒でうるさい私の期待に応えてくれるスタイリストは、いまやクラシック系のスタイリングならこの人と言われる四方(しかた)君。
通称シカちゃん。
彼はほとんどのドレス系雑誌のスタイリングを手掛けている人気スタイリスト。
自分も連載や雑誌の特集ページのスタイリングなどで長く一緒に仕事をしているので、最も安心して任せられるスタイリストです。
今回もかなり細かい注文をしてビビらせてしまいました(笑)。
それでも上がってきた画像で少し気になる点があったので、今度会ったら優しく指導します(笑)。
モデルは今回もDAVID。
彼とも長い付き合いになりますが、実は彼以外でなかなかクラシックな服が似合うモデルっていないんです。
日本人が着るのだから日本人モデルを使った方がいいというご意見をいただくこともありですが、クラシックな服が似合う日本人のモデルを探すのはさらに難しいんです。
昔なら木村東吉さんや田中カールさんみたいにトラッドな服が似合うモデルもいたのですが・・・
DAVID自身がクラシックな服が好きだというのもポイントです。
PITTIに自腹で行くモデルなんていませんから(笑)。
ポーズも細かいことを言わなくても理解しているというのは大きなポイントです。
ということで、撮影も無事終わり、先日画像のチェックも終わりました。
私が特にこだわるポイントは、見る人にコーディネートが良く伝わること。
スタイリッシュで感度の高いページづくりも大事ですが、読者に洋服の色柄、シルエット、コーディネートが伝わらなければ意味がないというのが私の持論。
特にWEB版になってスマホで見る人が増えたので、小さな画像で読者にいかに伝えるかが重要だと思っています。
前回の反省点も踏まえ、今回はコーディネートが良くわかることを特に注意するように編集チームに伝えました。
画像もチェックをして改善されているので、よりコーディネートがわかりやすくなっていると思います。
そして、トレンド解説動画の撮影も終わりました。
前回は私一人で解説しましたが、堅い感じで個人的にも話しにくかったので、今回は若いスタッフを入れて和やかな感じの動画にしました。
三條場の再登場のリクエストも多かったので、今回はMCで戻ってきました。
全員自分の子どもくらいの年齢。
世代を超えて違和感なく一緒に動画を撮れるというのもBEAMSならではですね。
ということで、2021春夏のMR₋BEAMSは前シーズンに続きWEB版で今週中くらいのアップ予定です。
動画配信は今週末くらいのアップ予定です。
アップ次第SNSでお知らせします。
お楽しみに。
ネイビージャケットにおススメのストライプ
緊急事態宣言も延長され、テレワークも増えて会社にほとんど行かないという声も結構聞くようになりました。
その一方で20:00くらいの電車に乗ると、ちょっとためらうくらいの満員状態で、この状況でも出勤しなければならない人が多いのも事実。
私も今月は2021秋冬のバイイングのピークなので、ほぼ毎日出社してショールーム周りです。
そんな私のようにテレワークでは仕事にならないという方たちのために、今回はネイビージャケットにブルーシャツ、グレーパンツという、ビジネスマンの方たちのジャケットスタイルに合う、私のおススメのネクタイを4本ご紹介します。
一本目は最近お気に入りのグリーン系のストライプ。
クラシックなストライプの色だしが上手いHOLLIDAY & BROWN
このネクタイもクラシックなクラブタイの雰囲気ながら、色柄は今の雰囲気にアップデートされています。
ベースのグリーンは少しグレーがかった落ち着いたオリーブ。
このグリーンのトーンがグレーのパンツと相性がいいのがポイント。
そして、差し色に使われているオレンジもポイントです。
以前もグリーンベースのネクタイをオススメしましたが、意外と持っていない人が多いようです。
確かにグリーンはベースのトーンを間違えると難しくなる色ですが、このくらい落ち着いたトーンであればネイビージャケットと合わせてもよく馴染みます。
自分はアイビー世代なので、こんなアップデートされたクラブタイ風のストライプは刺さります。
アメトラ風のテイストが好きな人に特にオススメしたいストライプです。
二本目はブルーの発色がいいサテンのストライプ。
光沢のあるサテンの生地がブルーの発色の良さをさらに引き立てています。
FRANCO BASSIは、イタリアっぽい洒落たカラーリングのストライプを作るのが本当にうまいです。
もう20年以上彼らのコレクションを見てきましたが、毎シーズンフランコバッシらしい絶妙な配色のストライプが必ずあります。
ベースはロイヤルブルーとインディゴを混ぜたような絶妙なトーンのブルーです。
ダークなネイビーで引き締めて、ベージュとイエローが差し色になっていますが、実は細く入ったホワイトのストライプが引き立て役になっているというのが色づかいのポイントです。
サテン地は光沢があり過ぎるとドレッシーに見え、ジャケットコーディネートは難しくなりますが、これは比較的光沢を抑えた生地なので難しくはありません。
プリントなので生地が滑らかでタッチが柔らかいのもポイント。
柔らかい生地の表情が上の画像を見ただけでよくわかると思います。
イタリアらしい艶もありながら上品な色づかい。
他のブランドではなかなか見られないストライプです。
3本目はイタリアの定番、アズーロ エ マローネのストライプ。
これもFRANCO BASSI
この配色はネイビージャケットに合わないはずがないと言えるくらい、イタリアでは定番のカラーコンビネーションです。
イタリアのネクタイブランドであれば毎シーズンどこでも必ずやっている配色ですが、そこはフランコバッシなので他のブランドとはひと味違います。
上の画像を見るとわかりますが、ブラウンの部分がヘリンボーンのジャガードになっていて、とても立体的な生地感のあるストライプです。
ビンテージ風の組織使いですが、現代風にアップデートさせて古臭く見せないのはさすがにフランコバッシですね。
このネクタイもネイビーを挟む細いイエローの差し色がポイント。
私の場合、ネクタイ選びはメインカラーだけでなく、差し色に使われている色を重視します。
遠目で見れば目立たない差し色ですが、ネクタイの印象を左右する重要なポイントです。
このネクタイは、ネイビーとブラウンというイタリアの定番的な色使いでありながら、組織の変化と絶妙な差し色が特徴の他のブランドにはないストライプです。
4本目はイタリアの夏の定番とも言えるガルザのストライプ。
毎シーズンナポリらしい特徴的な柄が多く、個人的にも好きなブランドでもあるFRANCESCO MARINOのガルザのストライプ。
ガルザとはイタリア語でガーゼの意味で、メッシュ状に織られたザックリとした生地感が特徴です。
イタリアのネクタイブランドが好んで使う生地なので、ある意味とてもイタリアっぽいネクタイ生地であると言えます。
ブラウンとネイビーとシルバーという定番色で構成されたストライプですが、ベースのブラウンがメランジになっているのがポイント。
もともとガルザは目が粗く織がハッキリ見えることが生地の表情にもなっていますが、さらにベースのブラウンがメランジになっていることで普通のガルザとはひと味違う雰囲気を醸し出しています。
ちなみに、このネクタイはカジュアルなコーディネートにもよく合います。
デニムやシャンブレーのシャツにファイブポケットというような、ドレスダウン的なミックスコーディネートにもよく合うネクタイです。
ジャケットだけでなく、ブルゾンやアウターにもネクタイを合わせたいという方にもおすすめしたいネクタイです。
今回のおススメはこの4本。
ベーシックでありながら、ちょっと気が利いた色柄のネクタイというのをポイントに、ビジネスシーンでも取り入れやすいネクタイをチョイスしました。
いずれもクラシックなネクタイですが、まわりで同じようなネクタイをした人を見かけることはほとんどないと思います。
会社の規則で白いシャツしか着られないという方も多いと聞きますが、実は白いシャツで色を使ったVゾーンを作るのは我々プロでも結構難しいのです。
理由は、ネイビージャケットに白いシャツ、グレーのパンツにはあまり色を使わないシンプルなネクタイが合うのですが、反面色を使うとネクタイだけが目立ち野暮ったい感じになるんです。
これについては、また別の機会に私が考える白シャツに合うネクタイをご紹介したいと思います。
スーツのネクタイに関しては、近いうちにアップされる2021春夏のMR_BEAMS WEB版で私のおススメのネクタイをコーディネートに使っていますので、アップされましたらまたご紹介します。
ちなみに、Youtubeも先週収録しました。
前回は私一人で少し堅い感じでしたが、今回は若いスタッフも入れて和やかな雰囲気の動画です。
2月末くらいのアップになりそうです。
お楽しみに。
今すぐお見せできるスーツにおススメのネクタイは、インスタでもアップしたこの二本。
どちらも今シーズンのおススメです。
ご興味ある方は是非。
ダッフルコート
3年前から欲しいと思っていたダッフルコート。
色々あってやっと購入しました。
そのダッフルコートは、GLOVERALLのMONTYというモデル。
実はこのモンティ、3年前にBEAMSのFENICAで展開していました。
XSかSかサイズ選びに迷っていたら完売してしまい、翌年はモンティと同じ英国軍のモデルをBUZZ RICKSON'Sで展開したのですが、これも34か36かサイズ選びで迷っていたら完売。
今年はFENICAではGLOVERALLもBUZZ RICKSON'Sも展開はなく、カジュアルの店舗でBUZZ RICKSON'Sを展開しているのですが、ビッグサイズおしなので42と44の展開なんです。
若い人達のビッグサイズはオシャレな感じもしますが、いいオトナや自分のようなオッサンが着るとちょっとイタい感じです。
身長が180㎝以上ある方は、このダッフルおススメです。
ならばBEAMS Fで展開すればということなんですが、INVERTEREのヘリンボーンのダッフルが毎年大人気なので、テイストは違うもののダッフルコートを2モデル展開するのは難しい感じなんです。
そんな事情もあり、あまり社外で洋服は買わない私ですが、今回はコロナ禍で街で探し回ることもできず、ネットで探して購入しました。
このMONTY、モデル名の由来は第二次世界大戦の英国軍の将軍 「BERNARD MONTGOMERY」が着ていたことで、その愛称の「MONTY」にちなんでつけられたそうです。
名前の由来通り、第二次世界大戦で英国軍に採用されていたダッフルコートを復刻したモデルです。
ラギッドな服が苦手な私ですが、ダッフルに関してはミリタリー由来のこのモデルがずっと欲しかったんです。
なので、無骨な麻紐とトグルのディティールも刺さります。
トグルは手袋をしていても開閉しやすいというウンチクがありますが、素手でも意外とめにくい・・・
ウンチクより見た目が気に入っているので、使いにくさはあまり気になりません。
海風にあおられないように裾を脚にとめるためのレッグストラップ。
当時の名残りを残すディティール。
こういうクラシックなディティールは好きですが、いま実際に使う人はいないでしょう。
もしかすると自転車に乗る時は便利かも・・・(笑)。
新品の時からすでに少し毛玉があります。
毛玉はカセンティーノのナッピングウール好きな自分にとっては、まったく気にならず、むしろ好きな感じです。
ということで、3年がかりで購入したこのダッフルコート、こんな感じで着ています。
キャメルのケーブルのタートルにオフホワイトのチノパン、足元は写っていませんがウオークオーバーのダーティーバックスでした。
いつもと変わらないシンプルなコーディネートです。
PITTIの会場でもここ数年ダッフルコートを着た人を多く見かけるようになりました。
ご覧のように、シンプルにコーディネートした人が多いです。
中にはイタリアっぽいコッテリしたコーディネートの人や、日本では見ないような柄モノやウィメンズっぽいショートダッフルを着た人も意外と多いですが、ダッフルコートはフードやトグルといったディティールが目立つので、シンプルにコーディネートした方が洒落た感じに見えると思います。
色々なスナップをチェックしますが、ダッフルコートに関しては日本人の着こなしが上手いように感じます。
60年代のアイビーから始まって、アメリカ、イギリス、フランスと、色々な国のダッフルコートのブームを通ってきたことが大きいかなと思っています。
ちなみに、私はイタリアはダッフルコートのイメージがほとんどありません。
少なくとも私がイタリアに行き始めた90年代から今までで、ダッフルコートがイタリアで流行ったというのは10年くらい前に流行ったBARKのニットのダッフルが唯一のブームで、それまではイタリア人がダッフルコートを着ているのをPITTIの会場でも街中でもほとんど見たことがなかったんです。
なので、ここ数年で本当にダッフルコートを着た人が増えたなというのが実感です。
そして、ベージュのダッフルが気に入ったので、同じモデルのネイビーも購入しました。
気に入ると色違いで揃えたくなる性分なんです。
実はダッフルコートを着るのは27年ぶりくらい。
当時はインターナショナルギャラリーネームのインバーティアのダッフルを着ていました。
色はベージュで生地はムーアブルックのヘリンボーン。
80年代に流行したフレンチアイビーが、90年代に入るとフレンチトラッドと名を変え再燃していたので、メンズもウィメンズもダッフルコートが大流行していました。
カラーバリエーションも多く展開していましたが、値段がすでに10万円以上していたので何枚も買えるようなものではありませんでした。
色々迷ってベージュを買ったのを今でも覚えています。
自分にとってダッフルコートのイメージはアイビーとフレンチアイビー。
なので、コーディネートのイメージもトラッドぽい感じです。
ネイビーはブレザーに合わせるイメージですが、間違えるとコスプレっぽく見えるので注意が必要ですね。
タータンチェックのパンツ、チルデンニットあたりも注意が必要です。
自分にとっては ”今っぽくもなく昔っぽくもない” というのがダッフルコートのコーディネートのテーマなんです。
ということで、冬もあと一か月ちょっとで終わりで何回着られるかわかりませんが、やっと買えたダッフルコートを楽しもうと思っています。
緊急事態宣言で不要不急の外出は控えていますが、その分外出するときは短い時間でも洋服を着ることを楽しみたいものですね。
シアサッカーのスーツ
ここ数年、毎年買おうと思いつつ買いそびれているシアサッカーのスーツ。
買いそびれているいる理由は、オーダーで作ろうか既成を買おうか迷っているうちにシーズンが終わってしまうから…
そんなこともあり、春夏の展示会に行った時に刺さったシアサッカーのスーツ(セットアップ)をバイイングしたので、春夏はこれを購入しようと思っています。
そのセットアップスーツがコレです。
以前4ボタンのダブルのブレザーをご紹介した、DOPPIAAのジャケットとパンツのセットアップ。
刺さったポイントは、まずストライプの色がグレーであること。
グレーのストライプのシアサッカーは定番ですが、グレーのトーンが淡くてぼやけるものが多いんです。
このグレーは濃い目のトーンが絶妙です。
ジャケットの形は2ボタンのパッチ&フラップポケット。
以前ご紹介した4ボタンのダブルのブレザーと同じディティールですが、このアメリカっぽいポケットが個人的には刺さります。
ベントはサイドベント。
我々IVY世代は、このポケットのディティールであればセンターベントと思いますが、サイドベントというのが意外性というかイタリアっぽいというか・・・
とにかく、うるさいことを言えばセオリー的には・・・となるのですが、自分は柔軟なので特に気にしません。
というか、むしろミックス感があって面白いと思っています。
セットアップのパンツはワンプリーツ。
太くもなく細くもない丁度いいシルエットです。
太いモデルもありましたが、子どもっぽくなるのでこのモデルを選びました。
自分がイメージするコーディネートはこんな感じです。
まずタイドアップ。
アイビー世代の私にとって、シアサッカーのスーツと言えばニットタイです。
なので、黒のニットタイを選びました。
シャツはシンプルにホワイト。
ボタンダウンでもいいですが、少し子供っぽい印象になるのでタブカラーにしました。
靴は黒のタッセル。
足元が重く感じる方は、ボードインランジのようなベルジャンシューズを合わるのも今の雰囲気だと思います。
ビットローファーは艶があり過ぎてシアサッカーのコーディネートには個人的にはおすすめしません。
ノータイの場合はポロがよく合います。
ジョンスメドレーのネイビーポロに足元はリビエラのネイビー。
こんな感じで足元を軽くしてリゾートっぽく着るのも気分です。
ポロはジョンスメドレーのようなニットポロではなく、台襟の付いたポロやラコステのようなものでもいいので、手持ちのポロで合わせられます。
襟出しが嫌いな方は、もちろん襟を出さなくても大丈夫です(笑)。
こんなボルドーのスキッパーもいいですね。
ネイビーではなくグレーだから合う色合わせかなと思います。
スキッパーの素材がパイルというのもポイント。
このスキッパー、パイルの毛足が短いので真夏でも着れるのと、発色がとてもいいんです。
ちなみに、以前ご紹介しましたがブルーもあります。
ブルーもかなりいい色です。
このスキッパーはなかなかいいです。
私のおススメです。
足元はホワイトバックス。
リゾートっぽい雰囲気のシアサッカーにはよく合います。
自分も20代から30代前半頃は、シアサッカーやコードレーンのスーツにホワイトバックスをよく合わせていました。
なので、自分の中では定番スタイルなんです。
今回はスーツスタイルでご紹介しましたが、セットアップなのでもちろんジャケット単品で着てもパンツ単品で穿いてもいいです。
自分も20代や30代の頃はスーツで着たり、上下ばらして着たりしていました。
パンツはベージュ、ホワイト、ネイビー、デニムと定番のカラーで合わせられるので、手持ちのアイテムで合わせられます。
あとはスーツで着ると意外と白っぽく見えるので、電車通勤の時にわりと目立ちます(笑)。
IVY世代の人たちにとっては、シアサッカーやコードレーンというのは定番なので、昔よく着ていたという人もかなり多いと思います。
なので、我々世代はそれほど気にならないと思いますが、若い人たちはあまり馴染みのないので、最初はスーツで着ると派手かなと思うかもしれません。
私もシアサッカーやコードレーンのスーツをBEAMS Fのショップマネージャーだった頃よく着ていました。
当時はFELICE TABASSO(フェリス タバッソ)というイタリアの有名なコットン生地のメーカーがあって、そこの生地を使ってBEAMS Fのオリジナル(リングヂャケット製)を着ていました。
なので、シアサッカーのスーツを着るのは20数年ぶりです。
もしかすると、この歳になって若い頃より似合うかもしれないと思っています。
特に、こんな感じで気張らずにシンプルにさらっと着たいなと思っています。
6月のイタリア出張行けるかどうかわかりませんが、行けたら夏のイタリアでこんなコーディネートで着たいですね。
そんなことを考えている時が一番楽しいです。
コロナ禍で世界中たいへんなことになっていますが、ファッションはやっぱり楽しい気分にさせてくれます。
たいへんな時こそ楽しいことを考える。
それがファッションだったら、洋服屋としては嬉しいです。
Gジャン
おそらく渋カジ世代の人たちには馴染みが深いGジャン。
70年代にデニムファッションの大ブームがあったので、自分が初めてGジャンを着たのは小学生の頃。
70年代なのでパンツは所謂ベルボトムですね(笑)。
それ以降Gジャンを着ることはなく、1984年にアルバイトでBEAMSに入社してから古着のGジャンを着ている先輩たちの影響もあり、買ったのがこのGジャン。
70年代のLEEの220。
古着屋巡りが苦手だった私の為に、先輩が探してきてくれたものを素直に購入しました。
直球のアメカジ風に着るのは苦手だったので、当時はこんな感じで着ていました。
セントジェームスのナバルにリーバイス505のカツラギのオフホワイト、足元はスタンスミスやスペルガ、レザーシューズだとALDENやフランスのJEAN BADY(ジャンバディ)のローファーをよく合わせていました。
ちょっとフレンチっぽい当時のBEAMSスタイルですね。
このGジャンのエピソードがMEN’S EX Onlineに掲載されているので、まだご覧になっていない方は是非ご覧ください。
このGジャンも結局数年しか着ることはなく、私のアーカイブの資料として保管状態となり、その後Gジャンを着るのは50歳を過ぎてから。
きっかけは10数年前に起きたイタリアのデニムブーム。
最初はファイブポケットがブームになり、その後アイテムが広がりGジャンも出てきました。
そうなるとPITTIの会場でもGジャンを着る人を見かけるようになるのですが、イタリア人のGジャンスタイルが結構イタいんです・・・
どこで買ったのかわからないリーバイスのGジャンにファーをつけたり、裏地にエルメスのスカーフをはったり、まるで日本がバブルだったころのようなGジャンを着た人を見かける始末。
サイズ感も適当で、アメカジに疎いイタリア人が着てはいけないものだと当時は思っていました。
そんなイタリア人たちのGジャンスタイルを反面教師にしながら、当時自分が着るならと考えて作ったのがこのGジャン。
当時はスリムフィットの流れが強かったので、ストレッチ混の岡山デニムを使いタイトなフィットで作りましたが、かなり好評で早期に完売しました。
私も当時休日によく着ていました。
その後スリムフィットの流れも落ち着くと、オーソドックスなアメリカっぽいGジャンが欲しくなり、購入したのがこのGジャン。
ちなみに、最近はこんな感じで着ています。
上の画像はクルーネックのニットの上にGジャンを羽織り、その上にMOORERのダウンベストを着ています。
パンツは綺麗めに見えるようにホワイトデニムを合わせました。
ドットのシルクスカーフもポイント。
下の画像は10年くらい前にRay BEAMSで購入したバンダナ柄のスカーフ。
こんな感じで、ラギッドなアメカジ風に見せないのが私のGジャンスタイルです。
そして、昨年ちょっと毛色の違うGジャンが欲しくて手に入れたのが、FOLLOWという日本のブランドのGジャン。
デザイナーの井出さんはフランスの某有名ブランドのデニムコレクションを手掛けた方なので、このGジャンは
も少しヨーロッパの雰囲気があります。
ヨーロッパの雰囲気と言っても、イタリアの艶感とは違う洗練された感じが刺さりました。
コーディネートはこんな感じです。
上の画像は、BOLZONELLAのシアサッカーのラウンドカラーにGERMANOの2プリーツのホワイトのコットンを合わせました。
靴はSEBAGOのネイビーのデッキシューズだったような・・・
下の画像は、ラングラーのデニムのウェスタンにBEAMSのカスタムテーラーでオーダーしたハウンドトゥースのベルトレス、靴はパラブーツのネイビーのローファーです。
ドレスとカジュアルのミックススタイルですが、Gジャンがアメカジっぽくないのがポイント。
このFOLLOWのGジャン、サイズ感もシルエットもGジャンにありがちな野暮ったさがまったくないんです。
特に襟がジャケットのように首に沿うところやアームホールが脇の下に入る感じは、まるでテーラードジャケットのようです。
そして、ボディーのフィッティングや着丈の長さも絶妙。
なので、最近はカジュアルなスタイルの時はORSLOW、ドレスとミックスする時はFOLLOWと使い分けています。
ということで、自分が実際に着てみてすごく気に入っているので、今シーズンBEAMSで展開することになりました。
自分が着ているFOLLOWのオリジナルは旧織機で織られた14.5オンスのデニムを使っているので、かなりハリとコシがあって馴染むまで時間がかかります。
そこで、オリジナルの生地に限りなく近い雰囲気でストレッチが入り、もう少しオンスの軽いデニムをデザイナーの井出さんに探してもらいました。
提案いただいたのは11.6オンスのストレッチ入りデニム。
ストレッチと言っても2パーセントの混率なので、言われなけれわからないレベルです。
イタリアのデニムのように不自然なストレッチ感がないのがポイント。
オンスが軽くなったと言っても、しっかりとした本格的なデニムの雰囲気は変わりません。
そして、もちろんセルベージ付きの日本製デニムです。
ということで、このFOLLOWのGジャン、私のおススメなので是非ご試着してみてください。
特に古着が苦手な方やアメリカっぽいGジャンの野暮ったい感じが苦手な方、イタリアブランドの行き過ぎた加工やデザインが苦手な方にはおススメです。
FOLLOWのGジャンは一言で言うなら ”洗練された都会的なGジャン” です。
2月中頃入荷予定で、品番は ”2418-0374” です。
BEAMSのオンラインショップにも後日アップされますので、サイズスペックなどはそちらでチェックしてみてください。
ちなみに、私が着ているのはSサイズです。
そして、実はFOLLOWのファイブポケットも持っています。
RESOLUTEやORSLOWのファイブポケットも穿いていますが、これは別物でGジャン同様洗練された都会的なファイブポケットです。
なぜコレを展開しないのかというと、単純にファイブポケットのバリエーションが多いというこちらの事情(苦笑)。
自分はクリエイティブディレクターなので言えば何でもできますが、無理にやれとは言いません(笑)。
なので、皆さんがGジャンを気に入って買っていただければ、他のブランドのファイブポケットを押しのけてでも展開します(笑)。
2021春夏はショートブルゾンの流れがきていて、ファイブポケットも流れがきています。
なので、どちらも今シーズンらしいアイテムということですね。
オトナのデニムスタイルは野暮ったく見せないのがポイント。
ウールのパンツや綺麗目のコットンパンツとあわせてもいいですし、ジャケットにファイブポケットというコーディネートもいいですね。
手持ちのアイテムで合わせられますので、しばらくGジャンを着ていなかった人もファイブポケットを穿いていなかった人も、今シーズンは是非再チャレンジしてみてください。
私が着こなせるということは誰でも着こなせます。
難しいコーディネートはいりません。
それが中村ベーシックです。
2021春夏 オススメのスーツ
去年の11月26日にアップした記事で私のオススメとして紹介したTITO ALEGRETTOのブラウンのシアサッカーのスーツは、着数も少なかったので予約で完売してしまいました。
写真だけだと生地感も色目もわかりづらいので、キャンセルが出る可能性もあります。
ご興味のある方はキャンセル待ちを入れていただければと思います。
実は、私も結構キャンセル待ち入れる事が多いです。
今回は同じブラウンのスーツでもウール素材でタイドアップでもカジュアルでも着れるオススメのスーツをご紹介します。
BRILLA E/ZEGNA BROWN メランジ。
(品番 2417-0766)
ゼニアのBIELMONTEという、シルクが10%混紡された生地で仕立てられています。
ビエルモンテは、ゼニア社が保護している国有地 ”オアゼニア” のヴィエラ地区で飼育された羊の原毛を使った、2020年秋冬に新たにリリースされたシリーズです。
生地の特徴は、今までのゼニアの生地のような柔らかく滑らかなタッチと違い、まるで英国の生地のようなドライタッチでハリとコシのある生地感が特徴です。
生地の特徴は、今までのゼニアの生地のような柔らかく滑らかなタッチと違い、まるで英国の生地のようなドライタッチでハリとコシのある生地感が特徴です。
私もこの生地を初めて見たときは、良い意味で「これがゼニアなの?」のという印象で、ファブリックネームが付いていなければ英国生地と言っても誰もが信じるくらい英国っぽい生地感です。
ちなみに、ハリとコシがあるということは皺にもなりにくいという特性があります。
このように、生地を強く握ってシワを作ろうとしても、手を離せばご覧のように皺にもならずもとに戻ります。
昨今は糸を加工した機能素材が多く見られますが、この生地は言うならばナチュラルファイバーの機能性素材と言えます。
シワになりにくくパンツのクリースも取れにくいので、湿気の多い日本の夏には特に向いています。
生地感もさることながら、私が刺さったのがブラウンの色目。
少しグレーが混ざったような独特なブラウンのトーンは、他のブランドにはない、さすがゼニアと言える発色です。
画像ではわかりにくいのですが、とにかくご興味のある方には見ていただきたいブラウンのトーンなんです。
グレーがミックスされたようなブラウンなので、コーディネートはそれほど難しくありません。
定番のサックスブルーのシャツにネイビーベースにブラウンのジャガータイ。
最もオーソドックスな ”アズーロ エ マローネ”のコーディネートです。
パープルやピンク系も合います。
淡いパープルのストライプに濃いパープルのジャガードタイ。
パープル以外にもワインレッドのような暖色系のネクタイも良く合うと思います。
ネクタイをしない場合は、シンプルにポロを合わせてもいいですね。
ブラウンにネイビーやブラックの合わせもオススメです。
ブラウン×ブラックは一昔前はNGな合わせでしたが、近年モード系の流れの影響もあり、クラシックの世界でもよく見られるようになりました。
ただし、ブラウンの色目が明るいと野暮ったくなりファッションに無頓着な人に見えるので、このブラウンのようなグレーがミックスされていたり、濃いトーンのブラウンと合わせることをおススメします。
ちなみに、ブラウンにブラックの靴を合わせる時も同じ考え方です。
そして、私もよくやっているウェスタンシャツやワークシャツを合わせるコーディネートもおススメです。
ちょうど私のinstagramの画像にブラウンスーツにウェスタンシャツやワークシャツを合わせた画像がありました。
ここまでカジュアルなシャツを合わせるのは難易度が高いと思われる方は、手持ちのワイド系やボタンダウンのシャンブレーやデニムのシャツを合わせてもいいと思います。
シャンブレーやデニムシャツをお持ちの方はノータイで合わせてみてください。
この場合、いわゆるドレスダウン的なコーディネートなので、靴はスリッポン系を合わせることをオススメします。
ポロを合わす時も同じ考え方です。
コーディネートがカジュアルな場合は、靴もカジュアルなモノを合わすのが基本です。
このように、タイドアップするだけがスーツの着こなしではないですが、何でもかんでもノータイでドレスダウンしても良いかと言えば、
そうではありません。
コットンやリネンのような元々スポーティーな生地のスーツはタイドアップでもノータイでも着れますが、ウール素材の場合は素材感が重要です。
高番手の糸を使い、平織で柔らかくて滑らかなタッチのドレッシーな生地はドレスダウンには向きません。
逆にフレスコやギャバジンのようなドライタッチで硬い生地はドレスダウンに向きます。
このゼニスの生地もドライタッチのフレスコなので、カジュアルなスーツスタイルでも合わせられるという事ですね。
因みに、ストライプのスーツもこんな感じでノータイで着れます。
上の画像はFOX BROTHERSのフレスコ。
下はBARBERIS CANONICOのフレスコです。
どちらもドライタッチのフレスコなので、ドレスダウン的なスポーティーな装いにもよく合う生地です。
難しい事を色々述べましたが、要はスーツをカジュアルに着こなすには色柄も大事ですが、素材感が重要ということです。
簡単に言えば、タッチが滑らかで柔らかく光沢があるようなドレッシーな生地はドレスダウン的な着こなしのは向かず、ドライタッチでハリとコシがある生地はタイドアップもできればドレスダウン的なコーディネートにも向いているということですね。
昨今流行りのカジュアルなスーツにTシャツという若いコーディネートもいいですが、私はインナーに合わせるシャツは襟が付いていた方がなんとなくしっくりくるんです。
そして、シャツを合わせるのであれば、カジュアルなスーツよりもクラシックなスーツの方がいい。
オトナは適度なドレスダウンの方が無理がなく若々しく見えると思っています。
ということで、このBRILLAのスーツ、タイドアップもカジュアルにも両方着たいという人には特におすすめです。
クールビズやテレワークでスーツを着なくなったという人もクローゼットを見て、このような生地のスーツがあれば是非ドレスダウンして着てみてください。
ビジネスシーンで着るだけがスーツの着方ではない。
そういう時代に向かっているような気がします。
2021年初出勤
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
年末年始は新潟に帰省せずに東京で過ごしました。
18歳で上京してから東京で年を越すのは初めて。
今年は年明けのイタリア出張もないので、気忙しさもなく本当になにもしない正月でした。
年明け初出勤は1月4日、初仕事はMEN'S CLUBさんの取材でした。
私の20代から40代までのスタイルの変遷を当時の写真を見ながらお話しました。
正月に自宅で探した大学生から40代後半までの写真はこの6枚。
3枚掲載されるようですが、自分では決められないのでエディターさんにお任せしました。
自分で言うのもなんですが、あらためて見てみると着ているモノのテイストが30年間大きく変わっていません。
自分のスタイルは大まかに言うと、アメリカ→フレンチ→ブリティッシュ→イタリアという変遷ですが、いつの時代も基本はトラッドとクラシックなので、ファッションに興味がない人が見れば、ずっと同じスタイルと思われるかもしれません。
おそらくファッション業界でこれだけ変わらない人も珍しいかもしれません。
ファッション業界で長く仕事をしていると、どうしても業界人ぽくなってしまい、個性的で業界人うけしそうなスタイリングになる人がとても多いです。
それが我々の業界では、いわゆる洋服屋っぽいということになるのですが、私はもともとそういう意識が全くないので、常にアップデートすることは心がけていますが、自身のスタイリングが大きく変わることは今までもありませんでした。
よく言えば、時間をかけてゆっくりと変化していくのが自分のスタイルということです。
悪く言えば、洋服屋っぽくないということでしょうか・・・
仕事的でもバイヤーの嗜好が変わった途端に品ぞろえが変わり、お客様が離れていくというのを他社で今まで何度も見てきたので、私の仕事は”軸をブラさず古臭くならず” ということを常に大事にしてきました。
それはこれからも変わらないと思います。
要は、独りよがりにならずお客様に喜んでいただけるものを提案して行くことが大事ということなのだと思います。
年明け初出勤はスーツにタイドアップと思っていましたが、メンクラさんのテイストではないのでジャケットコーディネートにしました。
ヘリンボーンのツイードジャケットにウェスタンシャツを合わせ、ストライプのネクタイという、80年代のBEAMS風のコーディネートにしました。
ジャケットは2018年に購入したERNESTO。
2019年1月のPITTIでも着ていました。
この時はシャンブレーのタブカラーにオレンジのストライプタイを合わせていました。
3年目に入りましたが、今でも飽きることなく出番の多いジャケットです。
シャツは昨年の春に購入したBOLZONELLAのシャンブレーのウエスタン。
パンツは昨年の秋に個人オーダーしたGERMANOのグルカパンツ。
靴は10数年前に購入したクレバリーのクレープソールのチャッカブーツです。
そして、ネクタイは2021年春夏のGIERREのストライプ (品番 2155-0878 カラー番号 79)
ベージュ系のジャケットやスーツによく合うカラーリングのストライプです。
ブレザーやネイビージャケットに合わせてもいいですね。
ジエレのストライプは毎シーズン刺さる色柄が必ずあります。
このネクタイ、今月入荷する予定ですので、ご興味のある方は最寄りの店舗にお問い合わせください。
私のおススメのネクタイです。
ということで、2021年が始まりました。
このブログも11年目をむかえますが、これからも皆さんに楽しんでいただけるようなブログにしていきたいと思います。
コロナ禍で緊急事態宣言も出る大変な状況ですが、ネガティブにならずバイイングも企画も皆さんに喜んでいただけるものをしっかりやっていきたいと思います。
本年もBEAMSをご贔屓いただけますよう、よろしくお願いいたします。
PITTI UOMOがないので、PITTIっぽいことをやってみました(笑)。
是非ご覧ください。
2021春夏のオススメ 2
今年はコロナ禍で忘年会もなく、年末の帰省もなく、さらに年明けのイタリア出張もないので、なんだか全く年末という感じがしません。
ここ数年は年明け出社せずに出張というのが続いていたので、年末までに片付けなければならないことも多くバタバタしていましたが、今年は年明けに回せることも多いので、そういう意味では気分的には少し楽かなという感じです。
出張に持っていく服を考えなくてもいいのも気が楽ですね(笑)。
PITTIもないので、年明けの初出社はスーツにタイドアップで出社しようと思っています。
今回は前回に続き2021春夏の私のおすすめをご紹介したいと思います。
LARDINI マドラスチェック風のジャケット
(品番 2116-1861)
生地はマドラスチェックに見えますが、ウールとポリエステルの混紡素材。
ヨーロッパのサプライヤーはリアルなインドマドラスをほとんど使わないので、過去にマドラスチェックが流行った時もリアルマドラスではなくマドラス風の柄でした。
前回も書きましたが、次の春夏はマドラスチェックの流れが来ています。
マドラスチェックの流れは今年の春夏もあったので継続した流れですが、色柄が落ち着いたものが多くなっていることが小さな変化です。
我々世代には馴染みのある、ダークマドラス風が増えたということですね。
ちなみに、これは私が高校生の頃に着ていたKENTのマドラスチェックのジャケット。
我々アイビー世代にとっては、こんなダークマドラスのジャケットはアイビーのマストアイテムだったので、特に難しいアイテムという印象がないんです。
実は、この生地はラルディーニのレギュラーラインではなく、ルイジ カプセルコレクションというラインの生地を特別にレギュラーラインに乗せてもらいました。
なので、BEAMSのエクスクルーシブモデルです。
コーディネートはシンプルに白のボタンダウンやタブカラーを着て、ネクタイはネイビーのニットタイ、パンツはベージュやオフホワイトのテーパードしたパンツ、足元はビットローファーと言うような、ちょっとアイビー風の雰囲気を取り入れるといいと思います。
ノータイならばデニムのファイブポケットやホワイトデニムでもいいですね。
いずれにしてもジャケットが大柄なので、他のアイテムをシンプルにすればコーディネートは難しくありません。
手持ちのアイテムで充分コーディネートできますのでご安心ください。
DOPPIAAの4ボタンダブルブレザー
(品番 2116-1490)
DOPPIAAは以前からアプローチを受けていたブランドですが、少し体制に不安もあり今までバイイングに至っていませんでした。
ここに来てものづくりもデリバリーも安定してきたようで、以前からセンスの良さは注目していたこともあり、展示会でひと目見て刺さったこの4ボタンのブレザーをオーダーしました。
まだそれほど大きな流れにはなっていませんが、4ボタンのジャケットを展開するサプライヤーが少しずつ増えてきました。
このブレザーも4ボタンでポケットがパッチ&フラップという、アイビー世代には懐かしいニューポートブレザー風のディティールが刺さりました。
このディテールだとアメリカっぽくセンターベントかなとも思うところですが、サイドベントというのもイタリアっぽいですね。
生地はパイル風で少し毛足がありますが、ドライなタッチなので真夏でも問題なく着られます。
4ボタンのダブルは6ボタンのダブルと比べると少しスポーティーな印象になり、このジャケットはポケットのディテールも生地もスポーティーな雰囲気なので、タイドアップよりカジュアルなコーディネートが向いています。
4ボタンになったからと言ってコーディネートが大きく変わるわけではないので、それほど難しく考えなくれも大丈夫です。
自分的には綺麗な色のポロやリネンのシャツをあわせて、パンツは薄いベージュやオフホワイトのパンツに足元は後から紹介するホワイトバックスやダーディーバックスというような、少しリゾート感がありながらアメリカントラッドの雰囲気もあるようなコーディネートがいいかなと思っています。
実はこのブレザー、すでに予約でほぼ完売状態なんです・・・
ですが、新しいブランドはキャンセルも多く出るケースが多いので、ご興味のある方はキャンセル待ちのご予約を頂ければと思います。
詳細は最寄りの店舗にお問い合わせください。
散々推しておいて申し訳ございません。
このブレザーは個人的にかなり気に入ってオーダーしたものなので、皆さんにお伝えしたかったのです。
POLPETTA ホワイトバックス
(品番 2432-0154)
80年代にBEAMSのスタッフの間でマストアイテムだった、WALK OVERのホワイトバックスをかなり近い雰囲気で再現しました。
秋冬で英国製だった頃のクラークスにかなり近い雰囲気で作ったデザートブーツが大人気で、これだけ昔の定番ものが人気があるならホワイトバックスも作ってみようとことになり、何度もサンプリングを繰り返し完成したのが、このポルペッタのホワイトバックスです。
ちなみに、私が持っている80年代のウオークオーバーのホワイトバックスがこれです。
比べてみるとかなり近い雰囲気なのがわかると思います。
当時はこんな感じで履いていました。
フレンチラコステにフランスのSUNNY SIDE(サニーサイド)というブランドのマドラスチェックのパンツ、いわゆるフレンチアイビー的なコーディネートですね。
実際に履いている画像もありました。
1985年の春、BEAMSの10周年パーティーの画像です。
リネンのネイビージャケットにギンガムチェックのパンツ、足元はホワイトバックスでした。
こんな感じで当時はカジュアルでもドレスでも、とにかくホワイトバックスをよく履いていました。
ホワイトバックスとダーティーバックスは、本当にどんなコーディネートにも合うシューズとしてスタッフにも顧客様にも大人気の定番アイテムでした。
色違いでダーティーバックスも展開しています。
ちなみに、ダーティーバックスは80年代アルマーニがこれに似たものを展開していて、広告でスーツにダーティーバックスを合せていました。
なので、80年代はアメリカやフレンチのトラッドだけでなく、イタリアンデザイナーもこのような靴に注目していたので、ジャンルを問わず履かれていた靴ということですね。
80年代同様に細かい決まりごとはないので、色々なコーディネートに合わせてください。
白スニーカーのかわりに少しエレガントに見えるホワイトバックスを合わすのもいいでしょう。
インソールにクッションがきいていて、とても履きやすいのもポイント。
白のスエードだから汚れが心配という方には、簡単に綺麗になる方法がありますのでご心配なく。
後日やり方をご紹介します。
値段が¥33,000-(税別)というのもいいですね。
この手の靴は英国製や米国製で8万以上するものがほとんどですが、用途から考えると高いものは懐に余裕がないと難しいのかなと・・・
気楽に気軽に履けるのがホワイトバックスやダーティーバックスの良いところだと思います。
今回のおすすめはこの3点。
いずれも過去にベーシックなアイテムとして流行ったことがあるもののリバイバルと言えます。
もちろん時代性を加味してアップデートされているので古臭さはありません。
昔着ていた履いていたという人も、初めて見たという人も、是非お試しいただければと思います。
次回はスーツを中心にドレスアイテムのおすすめをご紹介したいと思います。
テレワークでスーツは着ないという人も増えていますが、ビジネスだけでなくカジュアルにも着れるおすすめのスーツがあります。
お楽しみに。
2021春夏のオススメ
先週やっと2021春夏の中村ノートが完成しました。
今回はこのご時世なので紙ではなくオンラインで配信となりました。
コロナ禍でヨーロッパの出張が全てキャンセルになり、日本の展示会しか見られんかったので、モノやヒトを見て小さな変化を感じとる事が難しく、いつもより時間と労力を費やしやっと完成しました。
最終的に33項目のカテゴリーでいつもと同じくらいのボリュームになり、我ながらよくここまでできたなと思っています。
その内容を少しだけお見せします。
今回は人の画像が無いので、日本の展示会で撮った画像とBEAMSがオーダーしているものを含めアイテムの画像を中心に構成しました。
今回の編集で一番大変だったのが画像のピックアップ。
プレスの間瀬が私に何度もダメだしされながら、今の状況でできる限界ギリギリまで頑張って編集をしてくれました。
メディア関係の皆様、今回はデザインも含めて間瀬が全て編集をしました。
間瀬に会ったら褒めてやってください。
褒めて伸びるタイプの男です。
私は毎日ダメだししていますが...(笑)。
という事で中村ノートも無事完成し、メディアの方々にも配信し、先週は主要なメディアの方々にもオンラインで解説させていただきました。
年末のお忙しい中、お時間頂きありがとうございました。
2021春夏もよろしくお願いいたします。
私の大仕事もひとつ終わったので、今回は2021春夏のおすすめアイテムを皆さんに少しご紹介したいと思います。
EMMETIのスエードシャツジャケット
(品番 2418-0366)
ジャケットとシャツをミックスしたようなこのジャケットは、実は6〜7年くらい前に展開していた当時の人気モデルで、そのモデルをベースにアップデートさせ復活させました。
当時のモデルはかなりタイトに作られていたので、今着るとリラックス感が全く感じられません。
かと言って、いまどきのビッグシルエットではオトナは着れないので、細すぎず緩すぎない絶妙なフィッティングでリメイクしました。
当時のモデルはメッシュの裏地が付いていましたが、今回はなるべく軽く柔らかくしたかったので、裏地なしの一枚仕立てにしました。
Tシャツやニットの上に軽く羽織って着ていただきたいシャツジャケットです。
当時私が気に入ってよく着ていたモデルのアップデート版なので、私も買い替えをしようと思っています。
GUYROVER ミリタリー シャツ
(品番 2411-1945)
ミリタリーシャツと言ってもシャツではありません。
いわゆるオーバーシャツと言われる、ジャケットのように羽織るシャツジャケットです。
次の春夏はこのようなミリタリー シャツの流れが来ていますが、本物近いラギッドなものからアレンジを加えソフィスケートされたものまで様々なタイプのものがあります。
このギローバーのシャツジャケットは後者のようなテイストで、フィッティングもディティールもリアルなミリタリーが苦手という人におすすめしたいミリタリー シャツです。
これもEMMETIと同様に細すぎず緩すぎないフィッティングで別注しました。
ポケットのディティールが左右で違うのもポイント。
こんなちょっとした変化球もイタリアブランドならではの遊びごころです。
自分はリアルでラギッドなミリタリー が似合わないので、このようなミリタリー テイストをうまく取り入れたものの方がコーディネートに取り入れやすいです。
シャツ並みの値段でジャケットがわりに着られ、シーズンも長く着られそうなので2色買いしようと思っています。
リアルなミリタリーは苦手だがミリタリーテイストは取り入れたいという方におすすめしたいミリタリー シャツです。
HEVO マドラスチェック バルカラー
(品番 2419-0277)
展示会でひと目で気に入ってオーダーしたバルカラーコートです。
マドラスチェックと言ってもリアルなマドラスではなくマドラス風の生地。
このコートはニットの上に軽く羽織ってホワイトジーンズやテーパードしたパンツを合わせ、足元はビットローファーやホワイトバックスという、80年代のフレンチっぽいコーディネートがイメージです。
ジャケットの上に羽織るのであればジャケットはブレザーがいいですね。
60年代のアイビーの雰囲気もあるので、アイビーもフレンチも通った自分にとってはかなり刺さるコートです。
これは個人的にもかなり欲しいコートです。
AUBERGE ピケ ファイブポケット
(品番 2421-0189)
我々世代にはたまらない、いわゆるリーバイスのホワイトジーンズのテイストを再現したモデルです。
今でもホワイトジーンズは世の中にいくらでも存在しますが、我々世代にとってホワイトジーンズのイメージはこのオフホワイトなんです。
BEAMSに入社した当時リーバイスの505のカツラギや519のピケのオフホワイトがスタッフのマストアイテムでした。
自分もジャケットに合わせてリーバイスの505のオフホワイトのカツラギをはいていたので、これを見た時にはかなり刺さりました。
90年代に入り日本のビンテージレプリカのジーンズが流行すると、オフホワイトのジーンズが市場から消え、その後流行ったイタリアを中心とするヨーロッパのデニムブランドには無かった色なので、まさに自分が欲しいと思ったタイミングで現れたホワイトジーンズなんです。
真白なホワイトに比べてジャケットとコーディネートしやすいのもポイント。
カジュアルにもドレスにも合わせられるホワイトジーンズです。
先日入荷しましたので、ご興味のある方は最寄の店舗にお問い合わせください。
自分も早速今週購入します。
今回はこの4つのアイテムを私のおすすめとしてご紹介しました。
ドレスアイテムも含め、まだまだおすすめしたいアイテムがありますので、これから少しずつご紹介していきます。
いろいろな流れがありますが、誰よりも早く人と違う格好をしたいという事でなければ、今持っているアイテムにプラスしてちょっとだけ新しく見えるアイテムを選ぶことをおすすめします。
流れは緩やかに取り入ればよいものです。
今回はそんなアイテムをご紹介しました。
来シーズンもこのブログではそんなアイテムや着こなしを紹介していこうと思っています。
トレンドは気にしない、関係ないという人もいますが、トレンドを取り入れるか否かは別として、知らないよりは知っておいた方が良いと言うのが私の持論。
私自身トレンドをいち早く取り入れるタイプではないですが、流れを知る事によって「そんなの着れない」とか「なんか古臭く感じる」という人の気持ちもわかるのです。
なので、自分はトレンドの取り入れ方のさじ加減が大事だと常に考えています。
トレンド振り回されない為には、まさにそのさじ加減が重要だと思っています。




































































































































































