
2021春夏 ラインナップ説明会
先週二日間かけて2021年春夏のラインナップ説明会が行われました。
ラインアップ説明会は、毎シーズン行われている次シーズンの展開商品を店舗に伝える重要な会です。
例年は全国から店舗の代表者や担当者が集まって行われますが、コロナ禍の状況で今回はリモートで行われました。
BRILLAは無藤、Fは西口、両ディレクターが各々5~6時間かけて全ラインナップを説明していきます。
西口は顔が真剣、無籐はなんだか楽しそう(笑)。
リモートなので仕様やディティール、色柄、サイズ感等々、細かい部分をいかに伝えるかが重要。
なので、今回はヘルプスタッフの動きも重要でした。
モデルをつとめるスタッフも数年前に比べると若くなり、アイテムによっては伝わりにくいかなというのが正直な印象。
次回は2世代のスタッフをモデル使い、テイストごとにモデルを変えた方が良いかなと思っています。
そこまで自分がこだわるのはリモートだと実物を見たり着たりできないので、画像を見てショップスタッフにどれだけイメージが伝わるかが重要で、モデルが着てイメージが伝わらなければお客様にもお伝えすることができないと思うからです。
コロナ禍で色々なことが変わり、初めての事ばかりなので、改善すべき点は改善していかなければならないと思っています。
コロナ禍の影響でプレスサンプルも例年の6~7割程度ですが、入荷しているサンプルの中から私のおススメを少しだけ紹介します。
LARDINI
マドラス風チェックのジャケット。
ダークマドラスのような落ち着いた色づかいがとても気に入っています。
展示会でひと目見て、このジャケットは絶対にオーダーすると決めました。
TITO ALLEGRETTO
これもマドラス風のチェック。
モノトーンのマドラスというのが今の雰囲気でとても新鮮です。
マドラスの流れが来ています。
STILE LATINO
大柄のグレンプレイドにグリーンのウィンドウペンのジャケット。
画像ではわかりにくいですが、グリーンがとても綺麗で映えるトーンなので、今までになかった感じのグレンプレイドです。
DOPPIA
次シーズンから新たに展開するDOPPIAの4ボタンのブレザー。
毛足の短いパイルのような生地が特徴です。
4ボタンでパッチ&フラップのポケットも特徴的。
少しアメリカンな感じもするブレザーです。
TITO ALLEGRETTO
しっかりした生地感のブラウンのシアサッカーのスーツ。
定番のブルー×白のシアサッカーもいいですが、来シーズンはこんなブラウンのシアサッカーも新鮮です。
HEVO
マドラス風の生地のバルカラーコート。
ジャケットの上に羽織るというよりは、ニットにホワイトデニム、足元はビットローファーというようなフレンチアイビー風なコーディネートに軽く羽織りたいイメージのコートです。
GUYROVER
ミリタリーシャツ風のシャツジャケット。
Tシャツやニットの上に軽く羽織って着たいシャツジャケット。
ボディーを太すぎず細すぎずオトナが着られる絶妙なバランスで別注しました。
EMMETI
7~8年くらい前に展開していて当時とても人気があったモデルを復刻させました。
サイズバランスを全て見直し、ディティールもアップデートさせています。
Tシャツやニットの上にさらっと羽織りたいオトナなレザージャケットです。
BORZONELLA
アメリカっぽいヒッコリーストライプのイメージをリネンで表現したウェスタンシャツ。
夏場に一枚で腕まくりして着たい雰囲気のシャツです。
DOPPIA
発色がとてもきれいなパイルのスキッパー。
パイルの毛足も短く生地も厚くないので真夏でも着られます。
ドローコードのパンツとあわせてさらっと着るのもいいですね。
PORPETTA
80年代に自分がよく履いていたWALKOVERのホワイトバックスとダーティーバックスを当時のものと限りなく近い雰囲気で作りました。
インソールのクッションが入っているのでまるでスニーカーのような履き心地です。
少しアメリカンな足元が気分です
FRANCO BASSI HOLLIDAY&BROWN
ブログで好評だった、ビジネスマンにおススメのネクタイとして最初に選んだのがこの8本のネクタイです。
どこかのタイミングでブログで紹介します。
そして毎シーズン好評のボーダーは、たくさんあり過ぎておススメが絞りきれない状態・・・
この画像以外にもまだまだあります・・・
長袖、半袖、カットソー、ニット、細ボーダー、太ボーダー、バスク風と、ものすごいバリエーションです。
ボディーのフィッティングもジャストなモノからワイドまでバリエーションがあるので、これだけあれば他のショップに見に行く前にBEAMSで見ていただいた方が良いかも知れません(笑)。
おそらく世界一のバリエーションだと思います。
やる時はやるのがBEAMSのバイイングですが、ちょっとやり過ぎたかなとも...
ボーダーをお探しの際は是非BEAMSへ。
よろしくお願いいたします。
そして、いつもこのタイミングで出来ている中村ノートはプレス内覧会がないので例年より少し遅い進行。
後日リモートで社内説明会をやる予定ですが、ラインナップの終わりに少し時間ができたので、プレスサンプルを使って急遽ダイジェスト版を30分くらい行いました。
自分は喋っている方がやはり楽です(笑)。
聞くのは大変ですね。
ということで、中村ノートはキーワードとカテゴリーは全て完成し、あとはプレスのホープの編集を待つのみ。
初めて任された編集が出張画像もない状況でどうやって完成させるか・・・
あとは間瀬の腕の見せどころ。
間瀬くん期待していますよ。
来週中に完成させないとね(笑)。
ということで、来春夏に向けてスタートとなるラインナップ説明会も無事に終了しました。
コロナ禍で色々難しい状況はありますが、守りに入らずポジティブな良い品ぞろえになったと思います。
あとは皆さんに欲しいと思っていただけるものがどれだけあるかですね。
全体的な流れもあわせて、おすすめのアイテムを来月から少しずつご紹介していこうと思っています。
2021年春夏もBEAMSをよろしくお願いいたします。
前回好評いただいたCHANNEL KOTAROUの第二話アップしました。
今回もイタリアンクラシックの変遷についてです。
前回同様今ではほとんど語られない様々なエピソード満載の内容です。
是非ご覧ください。
CHANNEL KOTAROU
鹿の子のプルオーバーシャツ
暑くなったり寒かったり、この時期は毎日翌日の天気予報を見ながら着るものを決めています。
特にネクタイをしたくない日はどんなシャツを着るか迷います。
最近はこんな感じで、ウェスタンシャツやワークシャツをジャケットやスーツにあわせて着ることが多いです。
ミックス感が気に入ってよくするコーディネートですが、ヘビロテ過ぎてちょっとワンパターンかなと最近思い始めました(苦笑)。
それにしても以前購入した、このKENNETH FIELDのワークシャツとBOLZONELLAのウェスタンシャツは本当に重宝しています。
もう少し寒くなるとタートルネックが着られるようになるのでバリエーションも増えますが、この感じだと12月に入らないと着られそうもないですね。
暑い暑いと言って頑張って着ているスタッフも結構いますが・・・(笑)。
暑い暑いと言って頑張って着ているスタッフも結構いますが・・・(笑)。
ということで、最近出番が多くなっているのが鹿の子のプルオーバーシャツ。

こんな感じでジャケットやスーツにあわせて最近よく着ています。
着ている鹿の子のプルオーバーシャツがこれです。
台襟のない柔らかい襟のワンピースカラーですが、ネックに沿う部分だけ半月状の生地をつけて台襟の代わりにするという凝った作りです。
この仕様によってネックの後ろ部分は台襟付きのシャツのように立ち、襟は柔らかい表情になるというメリットがあります。
鹿の子のプルオーバーシャツを20年以上作り続けているGUYROVERならではの凝った仕様です。
ということで、ブラックとネイビーの2色買いしました。
以前このブログでも紹介したジョンスメドレーやラコステの長袖ポロも持っているのですが、ジャケットやスーツの素材が重くなってきたので、もう少しシャツっぽいものが着たくなり、この鹿の子のプルオーバーシャツを購入しました。
袖が普通のシャツカフスというのもポイントです。
襟は丁度いい開き具合のワイドです。
同じGUYROVERの鹿の子のプルオーバーシャツで5年以上前に購入したものを今も持っていますが、台襟が高くて襟の開きもかなり広く、さすがに今見ると古臭く感じます。
鹿の子のプルオーバーシャツはトレンドアイテムではないですが、それでもアップデートは必要ということですね。
ちなみに、プルオーバーのシャツで10年近く着ているのがこのシャツ。
DRUMOHRの鹿の子のプルオーバーのボタンダウン。
これは本当に気に入っていて長く着ています。
製品染めなので洗濯を重ねると色が落ちて白っぽくなるのが難点ですが、数年前に製品染め加工できる業者に出して染め直しして着続けています。
数年前にこれと同じものをオーダーしたのですが、なんとなく雰囲気が違って買い足すことができませんでした。
襟が白っぽくなってきたきたので、もう一度染め直そうと思っています。
そして、これにかわるものをどこかで作れないか探そうと思います。
ということで、鹿の子のプルオーバー歴の長い私がおススメのGUYROVERのワンピースカラー。
ジャケットやスーツだけでなくカジュアルコーディネートにも使えます。
丈の長さはアウトでも着られるバランスなので、春夏になったら裾を出して袖まくりして着るのもいいと思います。
長袖のポロシャツはおじさんぽくて苦手という方にも是非ご試着していただきたいシャツです。
ご興味のある方は是非最寄りの店舗でご試着してみてください。
Youtube チャンネル VIVA FASHION 第二弾がアップされました。
今回はPITTI UOMO 今昔物語と題して、私がPITTIに行き始めた90年代から今のPITTIまでを色々なエピソードも含めてお話しています。
前編、後編、あわせて是非ご覧ください。
チルデンセーター
先日屋根裏にこもって探し物をしていたら、80年代後半か90年代前半頃のRALPH LAURENのスタイルブックが出てきました。
表紙を見ただけでやられます。
長いセンターベンツのヘリンボーンジャケットも当時のブリティッシュアメリカンの雰囲気で見て今見ても新鮮です。
この号はテニスがテーマのようで、チルデンセーターがかなりフィーチャーされています。
女性や子供のチルデンもとても上品で私が大好きなイメージです。
白とベージュとキャメル、ブラウンという同系色でまとめたページ構成もいいですね。
当時は自分もベージュのチノパンにホワイトバックスを冬でもあわせていました。
ゆったりとしたキャメルのポロコートやバルカラーも今の流れに通じます。
そんな30年前のスタイルブックに影響されたわけではないですが、先週終日デスクワークの日があったので、久しぶりにスーツやジャケットを着ないでチルデンセーターで出勤しました。
50過ぎのオッサンがホワイトベースにイエローやレッドなど派手な色のラインが入ったチルデンを着ると、昔着ていたものを引っ張り出して着ているようなコスプレ感が漂うので、その格好で同級会に行ったら確実に「どうしたの?」と言われます(笑)。
なので、昨年購入したキャメルベースに生成りのラインのチルデンを着ました。
シャツは以前購入したBORZONELLAの白のオックスフォードのラウンドカラー、オフホワイトのパンツはノープリーツのアメリカっぽいのチノパンです。
上のスタイルブックを見てもわかりますが、当時は太めのチノパンが流行っていました。
いまBEAMSでも当時のような太いチノパンを展開していますが、正直自分は全く似合わないのと、それこそコスプレになるので穿けません(苦笑)。
世の中オーバーサイスのものが増えてきていますが、オトナがお洒落に着こなすのは難易度が高いので、似合わないと思ったら無理に取り入れない方がいい、というのが私からのアドバイスです。
ちなみに、私がおススメする少し太めでオトナが取り入れやすいチノパンがこちらです。
デニムのファイブポケットが大人気の YCHAIのノープリーツチノ。
アメリカのノープリーツのチノパンのディティールを取り入れながら、時代感のあるシルエットに仕上げたモデルです。
ノープリーツですが腰回りにゆとりがあり、テーパードしているのでシルエットがとても綺麗です。
太くもなく細くもないオトナが穿ける絶妙なシルエットのチノパンです。
これは自分も何色か買おうと思っているので、気になる方は是非最寄りの店舗でご試着してみてください。
アメリカのブランドがいいという方にはこちらがおススメです。
BEAMS PLUSで展開しているBILLS KHAKIのM3というモデル。
原宿のBEAMS PLUSで試着しましたが、とてもシルエットの綺麗なアメリカ製のチノパンです。
正統派のチノパンをお探しの方はこちらをおススメします。
ちなみに、ビルズカーキは90年代BEAMS Fで展開していたので、当時私がバイイングしていました。
いまBEAMS PLUSで展開しているアメリカのブランドは昔私がバイイングしていたものが結構あります。
上の画像で私が着ているのは、昨年購入したMORGANOのチルデン。
昨年このブログでも紹介して早期に完売しました。
これも昨年購入したMC LAURENのチルデン。
これもブログで紹介して完売しました。
BEAMS以外で購入したのがELEVENTYのチルデン。
ミラノの直営店のディスプレイを見て欲しくなり、代理店にお願いして取り寄せてもらい購入したものです。
ラインがベージュというのがオトナっぽくてとても気に入っています。
上で紹介しているMORGANOのチルデン、今シーズンも同じものを展開しています。
昨年買い逃した方やノーマークだった方にもおススメしたいニットです。
昔アイビーやトラッド好きだった方もこれならコスプレになりません(笑)。
ご興味のある方は是非最寄りの店舗でご試着してみてください。
ちなみに、モノトーンが好きな方にブラックベースも展開しています。
ブラックベースにグレーラインという、今までありそうでなかったモダンなコンビネーションです。
モノトーン好きな方にはこちらがおススメです。
今シーズンはネイビーベースにグレーラインでシックな色づかいになっています。
これ以外にホワイトベースとブラウンベースがありますので、こちらも是非最寄りの店舗でご試着してみてください。
昨年はこんな風にTシャツをあわせるコーディネートがスタッフの間では流行っていました。
個人的には今シーズンはシャツをあわせて着ようと思っています。
今っぽく着るのもいいですが、あえてトラッドっぽく着るのが気分なんです。
ボタンダウンやラウンドカラーだけでなく、ウェスタンシャツやワークシャツをあわせてもいいかなと思っています。
そして足元はデザートブーツやホワイトバックスやダーティーバックス。
アップデートされたアメリカントラディショナルがカジュアルスタイルの気分です。
その着こなしは機会があればINSTAGRAMで。
カジュアルスタイルは超シンプルなので、あまり参考にならないかもしれません・・・
最近色々な方にお声がけいただきYoutubeに出演しています。
神藤さん、高田さん、お声がけいただきありがとうございます。
どちらも洋服のことを真面目に熱く語っています。
是非ご覧ください。
お知らせです。
原宿のインターナショナルギャラリーでヴィンテージウェアのポップアップを開催しています。
インターナショナルギャラリーが提案する今シーズンのトレンドワード「ヘリテージ」「
ご興味のある方は是非ご来店お待ちしております。
クレリック
久しぶりにドレスシャツを購入しました。
今回購入したのはBEAMS Fオリジナルのクレリックワイド。
GUYROVERでブルーのハケメでホワイトカラーのものを持っているのですが、袖がダブルカフスなのでもう少し楽に着られるシングルカフスのものが欲しいと思っていました。
ちなみに、これがギローバーのクレリック。
ダブルカフスはエレガントに見えるので好きですが、朝時間がないときは結構大変です(笑)。
実は私、クレリックが大好きで結構持っています。
BEAMS F
CUSTOM TAILOR BEAMS
ご覧のとおり、すでに6枚のクレリックを持っています。
過去のインスタの画像を見ると、これらのシャツをかなり着ています。
結構どころじゃないですね(笑)。
もう少し画像があったのですが、お腹いっぱいだと思うのでこのくらいにしておきます(苦笑)。
ここ数年はタブカラーやラウンドカラーが気分だったので、色々買い足していったらご覧のとおりという感じです。
タブカラーやラウンドカラーはひと通り揃ったので、久しぶりに定番のワイドが欲しくなり購入しました。
自分の世代は90年代のブリティッシュブームを通っているので、当時クレリックのシャツを散々着ました。
チェンジポケットやスラントポケットのスーツにダブルカフスのクレリックシャツ、ジャガードのタイというのが当時の定番コーディネートでした。
バイイングも英国やアメリカのシャツブランドでクレリックをオーダーしていたので、読者の皆さんよりもクレリックが身近な定番アイテムという認識が強いと思います。
ちなみに、クレリックというのは和製英語で欧米では通用しません。
イタリアのシャツブランドでオーダーするときも ”White collor” と伝えないと白襟では上がってきません。
カフスも白にするときはさらに ”White cuff” と付け加えないと白カフスでは上がってきません。
最近は日本のオーダーが多いイタリアのブランドに限っては、クレリック=ホワイトカラーというのが通じるようになってきました。
”クレリックで”と言うと 、”カフスも白にするか” と聞かれるケースが多くなったので、日本でしか通用しないというのもイタリアに限って言えば少し変わってきたのかなという印象です。
クレリックの語源は諸説あるのでここでは触れませんが、私がアイビーに興味を持ち始めた70年代中ごろには既にあった用語なので、もしかするとVANが作った和製英語なのかなと思っています。
余談ですが、イタリアでバンドカラーはCOREANO(韓国人)と呼ばれています。
理由は、もともとホワイトカラーはデタッチャブルカラー(台襟から取り外せる襟)で、取り外した時の白いスタンドカラーが韓国の民族衣装に似ていたことからそう呼ばれているそうです。
ちなみに、韓国ではチャイニーズカラーと呼ばれているそうです。
国が違えば呼び方も違う、なので日本にいるときはクレリックカラーでよいと思います。
ただし、海外に行ってオーダーするときは正しい用語を使わないと通じないので、知識として身につけておくことは大事だと思います。
BEAMSは他のショップより英国調の流れを取り入れたのが早かったので、80年代後半には既に英国や米国のシャツブランドでクレリックのシャツを展開していました。
当時は白襟がとても華やかな印象に見えたので、ドレッシーなシャツだと思っていたのですが、ビスポークに詳しい英国人に聞くと、もともとはビスポークで作ったシャツの襟やカフスが擦り切れた時に白い襟やカフスに交換していたものなので、当時の英国では”Poor man's shirts (貧乏人のシャツ)” と揶揄されることもあったそうです。
英国人はものを大切にするので、貧乏人のシャツというのはちょっと極端かなと思ったのですが、なにも知らずにファッションとして着ている人たちへの皮肉なのかなとも思い、英国人らしいエピソードだと当時思っていました。
それから30年以上経っているので、英国でもクレリックに対するそのようなイメージはすでに過去のものになっていると思います。
30年以上クラシックのバイイングに関わってきた自分にとっては、時代とともに考え方も変わるということをたくさん見てきたので、それが自然なことだと思っています。
少しウンチクが長くなってしまいましたが、クレリックのシャツはクラシックなスーツやジャケットにちょっとした変化をもたらすシャツだと思います。
スーツもネイビーやグレーの無地、ベーシックなストライプ、グレンプレイドなど、クラシックなスーツなら何でもあいます。
ネクタイも皆さんが持っているクラシックな色柄のものであわせられので、クレリックの為に買い足す必要はなく、手持ちのスーツやジャケット、ネクタイとあわせるだけでVゾーンが新しく見える費用対効果の高いシャツです。
今回ご紹介した身頃がブルーのものから初めて、ブルーのストライプ、他のカラーの無地やストライプと広げていくとコーディネートの幅も広がっていくと思います。
仕事で着られるかどうかは職場環境によって違うと思いますが、着たことが無いという方には是非着ていただきたいシャツです。
BEAMS Fのオリジナルだけでなく、いろいろなブランドでクレリックのシャツを展開しています。
最寄りの店舗でご覧いただくか、オンラインショップでも是非チェックしてみてください。
最後にこのシャツを着たスタッフのご紹介です。
BEAMSのOnlineでスタイリングを紹介しています。
是非ご覧になってみてください。
加藤はMR_BEAMSの特集でこんなこともやっています。
こちらも是非ご覧ください。
BARBOUR
クラシックの定番アイテムの中で持っていないのがBARBOURのオイルドコート。
オイルドコートを着たことが無いわけではなく、過去には何度か着たことがあるのですが、残念ながら似合わないんです・・・(苦笑)
20年くらい前にミラノでシェットランドのニットにタッターソールのシャツ、モールスキンのパンツ、スエードのチャッカブーツにオイルドコートという、まるで英国人のような格好をして、イタリア人に ”MOLTO ENGLASE”(とても英国っぽいという賛辞)と褒められたのが唯一の救い。
オイルドコート自体は好きなので、ラギッドな服が似合わない自分がちょっと残念に感じてしまいます(苦笑)。
イタリアでも一時期あまり見かけなくなったバブアーのオイルドコート、5年くらい前から若い人たちを中心に再注目されるようになり、PITTIの会場でもバブアーを着た人が年々増えています。
今回はイタリア人とバブアーについてお話したいと思います。
PITTIの会場でバブアーを着ているスナップを5年前から今年の1月のスナップの中からピックアップしました。
ご覧のとおり、ドレスからカジュアルまで、おそらく皆さんが思っている以上にバブアーを着た人たちがPITTIの会場にはいます。
ちなみに女性もいます。
日本ではなかなか見られないメンズライクなコーディネートです。
5年以上前はオイルドコートを着た人をほとんど見かけなかったので、この5年で明らかにリバイバルしているのがわかります。
なぜリバイバルと言うかというと、実は80年代後半から90年代中頃までイタリアでバブアーが大流行したことがあったんです。
当時はファッション業界人だけでなく、一般の人たちにもその流行が広がっていました。
メンズだけでなくウィメンズでも流行っていたので、当時日本の女性ファッション誌でもイタリアの女性がバブアーを着ているスナップを紹介した特集が組まれていたくらいです。(たしかJJだったような・・・)
イタリアでバブアーが流行った背景は、80年代後半から始まった英国調のトレンドによるものだったと考えられます。
もともと英国に対する憧憬が強いイタリア人が、英国調の流れが来たことによって、英国色が強いアイテムに注目するのは自然な流れでした。
当時チャールズ皇太子をはじめ英国王室の人たちがバブアーを着た画像がメディアに多く取り上げられていたので、その影響もあったと思います。
ウィメンズはダイアナ妃がバブアーを着ていた影響も強かったと思います。
当時イタリアの業界人たちは、サルトリアで仕立てたスーツやKITONやATTOLINIのような高級なスーツの上にバブアーのオイルドコートを羽織る人たちが本当に多くいました。
余談ですが、当時イタリアのファッション業界人たちの間でレンジローバーが流行っていたのですが、それもチャールズ皇太子がレンジローバーに乗っていたのがきっかけでした。
そして、イタリアのブランドの重鎮たちがレンジローバーを乗っているのを見て、日本のイタリアブランドのインポーターやエージェントの社長たちがそれに影響されレンジローバーに乗るというような流れでした(笑)。
その後90年代中頃になると、同じ英国調でもチェスターコートに代表されるテーラードコートの流れが強くなり、オイルドコートのトレンドも終息していきます。
それ以降イタリアでオイルドコートがリバイバルすることはなかったので、20年ぶりくらいのリバイバルと言うことになります。
いま着ている人たちは当時の大ブームを知らない世代がほとんどです。
ジャケットやスーツにバブアーのオイルドコートというコーディネートは、当時を知る自分にとっては懐かしく感じますが、当時を知らない世代の人たちにとってはとても新鮮なコーディネートなのだと思います。
日本でもここ数年バブアーブームが起きていますが、皆さんもイタリア人とバブアーというのはイメージ的にあまり結びつかないのではないかと思います。
オイルドコートが似合わない私が言うのも説得力がないかもしれませんが、80年代から90年代中頃にイタリアで流行ったクラシックなスーツやジャケットにオイルドコートを羽織るようなコーディネートが今また新鮮です。
バブアーのオイルドコートをすでに持っている方は是非試してみてください。
そして、これからバブアーを購入される方は、カジュアルだけでなく、ドレススタイルにもあわせられると考えていただければと思います。
ちなみに、当時バブアーと同じくらい流行っていたのがLAVENHAMのキルティングジャケット。
これについてはまた別の機会にお話ししたいと思います。
ちなみにラベンハムのオーナーはイタリア人。
イタリア人は本当に英国モノが大好きなんです。
そんな話を今度あるYouTubeチャンネルでお話します。
アップ日など決まりましたらご報告します。
改めてBEAMSのオンラインショップをチェックすると、バブアーのバリエーションがすごいです。
別注も含めメンズもウィメンズも充実のラインナップ。
バブアーをお買い求めの際は是非BEAMSで。
https://www.beams.co.jp/search/?q=%E3%83%90%E3%83%96%E3%82%A2%E3%83%BC&search=true
お知らせです。
11月2日(月) 21:00から二回目となるライブショッピングを行います。
オフに使えるカジュアルアイテムから、ビジネスシーンに必見のVゾーンコーデまで、おすすめのアイテムをご紹介します。
是非ご覧ください。
https://www.beams.co.jp/news/2205/
VIVA FASHION ”BEAMSってどんな会社” 後編アップしました。
こちらも是非ご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=GPdd1v6kkn4
シャツ ジャケット
このブログも今月21日で10周年を迎えました。
我ながら10年間よく続けてきたと思います。
10年前はメディア系の人たちのブログはすでにありましたが、バイヤー系の人でブログをやっている人はほとんどいなかった時代。
もともとデジタル音痴の私が周りの人たちからすすめられ、何も告知せずに突然ひっそりと始めたのが2010年の10月21日でした。
当時ドレスクロージングは、90年代後半からブームとなっていたイタリアンクラシックの流れが続き、まだまだ様々なウンチクが重要視されていた時代。
そんなウンチク重視の風潮に少し疲れていた自分が、ウンチクよりも洋服の楽しさを伝えたいと思い、始めたのがこのブログでした。
最初は今のfacebookのように画像と短い文章でやっていくつもりが、更新していくうちにそれでは読者に伝わらないと思い、いつの間にか長文の読みものブログになってしまいました(苦笑)。
いま思えば、芸能人やインフルエンサーのような短い文章で軽い感じのブログの方が楽だったなとも思います(笑)。
10年間でSNSの流れも変化し、なんとなくブログ→facebook、twitter→Instagram→Yutube のような流れになり、ブログをやめた人も多いですが、私は世の中の流れがどうであっても、これからもこのブログを地道に続けていこうと思っています。
これからも ELEMENTS OF STYLE をよろしくお願いします。
ということで、11年目のスタートは最近購入したシャツジャケットのお話です。
昨今メンズもウィメンズも、いわゆるCPOシャツ、ジャケットと言われるダブルポケットのシャツタイプのジャケットが増えています。
BEAMSでも今シーズンはメンズ、ウィメンズともに様々なレーベルでCPOを展開しています。
ご覧のとおり、大きめの胸ポケットの付いた様々なテイストのCPOタイプのシャツジャケットを展開しています。
そして、私が担当するドレスのレーベルでもCPOタイプのシャツジャケットを展開しています。
生地は厚手のコットンフランネル、柄はオトナのカジュアルの定番 ブラックウオッチです。
かなりアメリカンテイストなので、ブランドタグを見なければどこのブランドのものかわかりませんが、襟の後ろがこんなディティールになっているので、少しだけイタリア的なこなしが入っているという感じです。
リアルアメリカンなモノを作ろうという意図ではなかったので、敢えてこのディティールはベースのモデルのまま採用しました。
このCPOタイプのシャツジャケット、自分が欲しくて別注までしてバイイングしたものなので先日早速購入しました。
生地がかなり厚手でしっかりしていて、洗いもかかっていないので、購入してから家の洗濯機で普通に洗いました。
ネルシャツと同じで、洗って着こんでいくうちに柔らかくなっていい風合いになっていくと思います。
着丈が少し長かったので5cm詰めることにしました。
サイドのスリットが10㎝あるので5cm詰めても問題ありません。
サンプルチェックはMサイズで行い、自分のサイズはXSなので、実際に製品になって自分のサイズを試着した時に、サンプルサイズと自分のサイズのイメージが少し違うことはよくあります。
ということで、お直しに1週間。
来週の週末には着られるので仕上がりが楽しみです。
2年くらい前から、このシャツジャケットタイプのものを展開するサプライヤーが増えてきました。
ご覧のとおり、2年くらい前のPITTI UOMOからさかのぼってブーズの画像をチェックしても、このようなシャツタイプの羽織りものが増えているのはわかります。
背景はサファリジャケットがトレンドになって、ベルトがない4ポケットやカバーオールタイプがそれに続き、そしてさらにシンプルなCPOタイプに移行していったという流れがあります。
確かにあれだけ流行ったサファリタイプが少なくなっているので、カジュアルな羽織りものはよりシンプルなディティールが求められているのだと思います。
もう一つは、カットソーやニットの流れに押されシャツが売れなくなってきたことで、シャツブランドがカットソーやニットの上に羽織れるシャツジャケットに力を入れ始めたという事情もあります。
10数年前まではイタリア人は襟のないものは着ないと言われ、確かにTシャツやクルーネックのニットをシャツ無しで着る人はほとんどいなかったことを考えると時代は変わったなと感じます。
このBAGUTTAの別注ポイントはシルエット。
実はCPOタイプのシャツジャケットは多くのブランドで展開しているのですが、ドロップショルダーでワイドボディーのいわゆるビッグシルエットのものが多いのです・・・
実はこのモデルも元はそのようなシルエットでした。
確かにビッグシルエットは今のトレンドですが、オトナが着るには難易度が高いトレンドだと自分は思っています。
かといってスリムなシルエットでは古臭いので、緩すぎず細すぎないオトナが着られる丁度いいシルエットで別注しました。
なので、私のようにゆったりし過ぎたシルエットは苦手という方には是非おすすめしたいシャツジャケットです。
コーディネートはシンプルにクルーネックのニットやタートルと合わせ、パンツはファイブポケットやミリタリーパンツとあわせようかなと思っています。
足元はスニーカーや先日購入したポルペッタのデザートブーツもいいですね。
サファリジャケットや4ポケットと違い、上にアウターやコートを着やすいのもいいところ。
この秋冬はかなり重宝しそうな感じです。
特にデニムはGジャンのかわりにもなり、オールシーズン着られるので重宝しそうです。
とりあえずブラックウオッチを着てから考えようと思っています。
自分がCPOジャケットを初めて着たのが中学生の時、私とCPOジャケットのエピソードがこちらに書かれています。
https://www.mens-ex.jp/archives/1170850/2/
CPO歴40年・・・
こんなネイビーウールのCPOを現代的にアップデートさせアメリカ製で・・・
いま一番難しいモノづくりかもかもしれません。
こんなネイビーウールのCPOを現代的にアップデートさせアメリカ製で・・・
いま一番難しいモノづくりかもかもしれません。
お知らせです。
BEAMS初となるオンラインファンミーティングを開催します。
イベントではご参加いただいた方々と会話を楽しみながら、おすすめのコーディネイトやファッションに関するお悩み相談など様々な企画をご用意しております。
和やかで楽しい会です。
是非ご応募お待ちしております。
詳細はこちらをご覧ください。
SEIKOアンティークと復刻モデル
以前このブログでも何度かご紹介した、義父が営んでいた時計店に眠っていたSEIKOのアンティークの時計。
手に入れてから色々調べてみると、50年代や60年代のセイコーはなかなか奥が深く、そのストーリーを知れば知るほど愛着がわき、最近よくつけています。
今日はその中で特に気に入っている4本と、今欲しいと思っている特別なセイコーの時計をご紹介します。
GRAND SEIKO DIASHOCK 5722-9991
1967年に発売されたグランドセイコーのセカンドモデルで、太めのラグが特徴です。
程度がいいものだとアンティーク市場で20万円弱の価格で売られています。
リューズが抜けて無くなっている状態でセイコーにメンテナンスしてもらい、さすがに当時のリューズはもうないので流用パーツを使い復活しました。
セイコーからは「今のグランドセイコーの精度は期待しないでください」というコメント。
今のグランドセイコーは、スイスのマニファクチュールにも一目置かれる存在なのは知っているので、それは自分も充分に理解しています。
手巻きで薄型なので、最近ダークスーツにあわせてよくつけています。
KING SEIKO DIASHOCK 4402-80000
グランドセイコーに継ぐ高級モデルだったキングセイコーの中でも、裏蓋が盾メダリオンと呼ばれるモデルです。
1965年製のようです。
よく見るとエンブレムの真ん中に見たことがあるような王冠マークが・・・
ケースは金張りですが状態は良く動作も問題ありません。
薄いブラウンのクロコダイルのストラップを着けたのですが、昭和の成金おじさん時計のように見えてしまい、なかなかあう洋服がないので、ストラップを普通のカーフのダークブラウンに替えようと思っています。
SEIKO GYRO MARVEL
1959年に開発されたセイコーの2代目の自動巻き時計です。
国産腕時計で初めてローター部分にベアリングを採用したセイコーの自動巻きの基礎となった時計です。
この時計は1960年に生産中止となったので、1年間しか存在しなかったモデルということになります。
ケースは金張りでラグが八の字に広がっているのが特徴です。
90年代後半ごろに購入したカミューフォルネのリザードのストラップをつけて、スーツスタイルにあわせてつけています。
ドーム型の風防がこの当時の雰囲気を醸し出していてとても気に入っています。
SEIKO SUPER
セイコースーパーは1950年に誕生した、セイコーで初めてのセンターセコンドをもつムーブメントを採用したシリーズです。
SEIKOの文字の上にSマークがつくモデルはネットでも多く見られるのですが、このシンプルなSEIKOマークだけのものはほとんどないので、正確な製造年はわかりませんが、いずれにしても70年くらい前の時計なのは確かです。
私が持っている時計で一番古いものであることは間違いありません。
金張りのケースの状態も良く、動作も問題ないので、この時計もスーツにあわせてつけています。
50年代の時計は衝撃に弱いらしく、色々なところにぶつけないように気をつけています(笑)。
この4本以外にも数本持っていますが、特に気に入ってよくしているのがこの4本。
思いがけず手に入ったセイコーのアンティークですが、それ以降セイコーに興味がわいてアンティークだけでなく、BEAMSの別注モデルや現行のGRAND SEIKOなどもよくチェックしています。
そんな俄かセイコーマニアな私が今欲しいセイコーの時計があります。
SEIKO PROSPEX 1965 メカニカルダイバーズ復刻モデル
1965年に誕生した国産初のダイバーウオッチである ”SEIKO MECHANICAL DIVER'S” をBEAMS JAPANの別注として復刻させました。
当時のデザインを可能な限り忠実に再現しながらも、素材やムーブメントなどは現代の高級機のレベルにアップデートさせています。
世界限定300本(シリアルナンバー入り)。
世界中にコレクターがいるセイコーのヒストリカルモデル。
これは欲しい。
あとは懐具合と相談・・・
この前時計買ったばかりなんです。
悩みます・・・
先週土曜日はチャリティープロジェクト SIAMO VICINIのイベントで、新宿伊勢丹 メンズ館でお客様のご案内をさせていただきました。
伊勢丹のバッチをつけたレアな画像です(笑)。
ちなみに、私とディスプレイがしているのがBEAMSのネイビータイ
緯糸にネクタイとして縫製できる織り密度の極限まで打ち込みを入れたシルクは、美しい綾の光沢感としっかりとしたハリが特徴です。
ノットがとても立体的になり、打ち込みのしっかりしているので緩みにくいのも特徴です。
生地だけでなく、大剣裏は古い英国のビスポークタイの仕様を取り入れました。
生地、縫製、デザイン全てにこだわり抜いたネイビータイです。
https://www.beams.co.jp/item/beamsf/suit/21550743380/?color=79
予約販売となりますので、是非ご予約お願いいたします。
デザートブーツ
90年代後半ごろに購入して、当時よく履いていたCLARKSのデザートブーツ。
細身でラウンドしたトゥは、スラックスからカジュアルパンツ、ファイブポケットまで、様々なテイストにあわせられるカジュアルシューズというのが気にいり、特にカジュアルスタイルの時によく履いていました。
当時はイタリアでもデザートブーツが流行っていて、ナポリの人たちがクラシックなスーツにデザートブーツを合わせたり、ミラノのスピーガ通りにあったPIOMBOのショップスタッフが全員デザートブーツを履いていたりと、ファッション業界人の間でもデザートブーツがちょっとしたブームになっていました。
その後ドレスの傾向が強くなり、2000年代前半は履く機会も少なくなったのですが、後染めや洗いのジャケットが出てきたあたりからドレスクロージングのカジュアル化が進み、ドライビングシューズやスニーカーなど軽い靴が注目されるとまたデザートブーツが履きたい気分になり、10年くらい前にクラークスのデザートブーツを新調しました。
クラークスの英国のファクトリーは2000年頃にクローズし、アジア生産になっていたのは知っていましたが、自分はカジュアルな靴は原産国がどこになっても英国製と作りも見た目も変わらないければ気にしないので、ベトナム製になっていたものを何も気にせず購入しました。
しかし、履いてみるとトゥの丸みとボリューム感がなんとなく違うなと感じ、90年代に購入した英国製のものと比べてみると・・・
左が英国製で右がベトナム製、履き比べなくても並べただけで幅広になってトゥの丸みも強くなっているのがわかります。
当時はスリムなパンツを履いていたので、なおさらトゥのボリュームと丸みが強調され、買ってはみたもののあまり履かずに靴箱の中で眠っていました。
昨今のクラシック回帰とミックステイストの流れの中で、カジュアルも英国やアメリカやフランスのトラディショナルなテイストをミックスする流れが来ると、足元もデザートブーツのようなクラシックなカジュアルシューズをあわせたい気分になります。
そこで、数年前から英国製の頃のクラークスに近いものを探し始めたのですが、英国やイタリアでデザートブーツを作るファクトリーはあってもラストが近いものがなく、カジュアルのバイヤーを通してクラークスに問い合わせてみても当時のラストはないという返答。
それならばラストもパターンも近いものを一から作れるファクトリーはないかと、ダメもとで別注のヒットモデルを数々作っているPORPETTAに依頼し、期待せずに待っていると、上がってきたサンプルはデザートブーツではなく、ドレス顔のチャッカブーツ・・・(苦笑)
どちらかと言えばイタリアっぽい靴が得意なファクトリーなので、デザートブーツは難しいかなとも思ったのですが、2度 3度とダメ出ししているうちにかなりいい雰囲気になっていき、とうとうこんなものができました。
細身でラウンドしたトゥも自分のイメージにかなり近いものができました。
以前インスタライブで私のおススメとしてご紹介しましたが、MEN'S EX 10月号の連載でもより詳しくご紹介しています。
本誌連載ページを是非ご覧ください。
ということで、自分でもよくできたと思っているこのPORPETTAのデザートブーツ、2色買いしました。
今シーズンはカジュアルだけでなく、ジャケットコーディネートにもあわせて履こうと思っています。
ツイードやコーデュロイのスーツとあわせてもいいですね。
防水スプレーをかければ雨の日でも気にせず履けるのもいところ。
私の今シーズンおススメのシューズです。
完売のサイズも出てきていますが、ご興味のある方は是非最寄りの店舗でご試着してみてください。
ちなみに、BEAMSのプレスの間瀬はCLARKSのNATALIE。
最近 鴨志田さんがよくスーツにあわせて履いているのと同じです。
やっぱり間瀬はUAっぽいです(笑)。
ビジネスマンにおススメのネクタイ 2
先月アップした ”ビジネスマンにおススメのネクタイ” がとても好評でした。
継続的にやって欲しいという声をたくさんいただいたので、前回に続き ”もし私がショップスタッフだったら” というテーマで、制約の多いビジネスマンの方々におすすめしたいネクタイとVゾーンコーディネートをご紹介したいと思います。
先日インスタグラムでアップした私のスーツコーディネート。
遠目にはネイビーの無地に見えますが、近くで見るとグレンプレイドという、シャドーグレンプレイドのスーツ。
合せているネクタイがコレです。
ベースのグレーのメランジがウールのように見えますが、シルク100%のネクタイです。
実際に締めるとグレーの部分が良いアクセントととなり、2色のブルーはネイビーによく馴染み、差し色のブランは主張し過ぎない、絶妙な配色のネクタイです。
私は柄のスーツとあわせていますが、普通のネイビーの無地のスーツやネイビージャケットにグレーのスラックスというセットアップのコーディネートにもよく合います。
シャツはホワイトでも合わせられますが、ブルーのシャツの方がグレーの色が引き立つので、会社の規則でNGでなければブルーのシャツを合わせてください。
グレーのスーツにも合わせられますが、ネクタイのベースがグレーなのでスーツのトーンを間違えると野暮ったくなります。
ネクタイのグレーになるべく近い色のグレーのスーツを選び、シャツはホワイトを合せてVゾーンにコントラストをつけると良いと思います。
このネクタイ、インスタグラムにアップした直後にかなり売れてしまったので、全店であと4本しかありません。
ご興味のある方は、なるべく早く最寄りの店舗にお問い合わせください。
チャコールグレーの無地のスーツにホワイトシャツ、黒ベースのストライプタイというコーディネート。
このネクタイは HOLLIDAY&BROWN で、ブラックベースにグリーンを差し色に使った、昨シーズンから続いている流れでもあるモノトーン×カラーのネクタイ。
グレーと黒というシンプルなモノトーンのコーディネートに、差し色のグリーンが少しだけ見えるというのがポイントです。
全体で見ると、ブラックベースにグリーンとグレーとホワイトという4色で構成されている柄です。
こんな配色のネクタイ今まで見たことないです。
モノトーン系のネクタイを使ったコーディネートは、なるべく色を使わない方が良いので、シャツは白を合せてください。
ホワイトのシャツを合わせたことによって、ネクタイのグリーンやグレー、ホワイトが引き立っています。
ブラックのスーツには合わないこともないのですが、ネクタイのベースとスーツのブラックのトーンが近くなると逆に野暮ったく見えるのでおすすめしません。
チャコールグレーや濃い目のミディアムグレーのスーツで、ネクタイと少しコントラストをつけた方が洒落たVゾーンになると思います。
そして、このネクタイはこんなスーツにもよく合います。
白黒のハウンドトゥースやグレンプレイドのスーツやジャケットにもよく合います。
モノトーンのチェックのスーツやジャケットをお持ちの方にも是非おすすめしたいネクタイです。
ネイビーの無地のスーツにブラウンのジャガードタイのコーディネート。
もはや定番とも言えるアズーロ エ マローネのVゾーンです。
ネクタイはミラノのネクタイメーカーFUMAGALLIのジャガード。
ベースのブラウンはよく見るとブラックが混ざったメランジで、深みのあるブラウンです。
小紋はグレーとブルーを使った絶妙なカラーで、今シーズンの流れでもある曲線のモチーフです。
とにかく、ブラウン、グレー、ブルーのコンビネーションが絶妙なタイです。
シャツはブルーの無地でも合いますが、上の画像のようなブルーのストライプを合わせたほうがネクタイの色柄が引き立ちます。
このくらいの幅のストライプが難しければ、下のようなストライプが細くピッチも狭いものを合わせると良いでしょう。
いずれにしても、会社の規則でストライプのシャツがNGでなければ、ブルーのストライプのシャツでコーディネートすることをおすすめします。
そして、無地の場合はこんなシャツを合わせてもいいでしょう。
ブルーの無地のシャツだとあっさりし過ぎるので、襟が白のクレリックを合わせるとVゾーンに変化がつきます。
このシャツも会社の規則でNGでなければという条件付きですが、このネクタイのコーディネートにおすすめのシャツです。
ネイビージャケットにグレーのスラックスという定番コーディネートには、このネクタイを選びました。
サックスブルーのストライプで少し華やかなVゾーンにしました。
これも上のジャガードと同じFUMAGALLIのネクタイ。
少しグレーがかった絶妙なブルーベースにネイビーとホワイトというオーソドックスな配色に見えますが、よく見ると細いボルドーのストライプが入っているのがポイント。
画像ではわかりにくいですが、このボルドーがポイントカラーになって全体の色柄を引き立てています。
生地が光沢のあるサテンというのもVゾーンを華やかにします。
ネイビーとブルーのシンプルなVゾーンなので、シャツの襟をタブカラーにして少し変化をつけました。
もちろん普通のワイドでも合いますが、もし会社の規則でNGでなければタブカラーが私のおすすめです。
ホワイトのシャツでも合わせられますが、コントラストがはっきりするので、ブルーのシャツよりも派手に見えるかもしれません。
このネクタイは誰が見ても清潔感があり好感度が高いネクタイだと思います。
今回のおすすめはこの4本です。
前回同様、読者の皆さんが持っていると思われるベーシックなスーツやジャケットを使い、なるべくシンプルにコーディネートしました。
シンプルですが、他の人とは明らかに違う気の利いたVゾーンというのがコーディネートの狙いです。
そして、ビジネスマンのコーディネートなので、好感度という面を特に考えてネクタイを選んでいます。
ビジネスマンにおススメと言っても、基本は自分がしたいネクタイ。
スーツやシャツの色柄が多少は変わる場合もありますが、基本は同じなので中村流シンプルコーディネートです。
共感いただき、コーディネートの参考になれば嬉しいです。
私、お洒落したいビジネスマンの味方です。
昨日ISHIDA表参道さんで、インスタライブを使ったBELL&ROSSのトークイベントを行いました。
アーカイブはIGTVでご覧いただけますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。
今年のコート
ジャケットやスーツだけでなくコートも毎年なにかしら購入しています。
昨年購入したのはこのコート。
今シーズン展開しているHEVOのコートですが、今年の一月のPITTIに着て行ったら結構スナップ撮られました。
着ている人はいまひとつですが、柄がかなり特徴があるので写真映えするというのもあるのかもしれません(苦笑)。
このコートは柄が絶妙で、生地を見た瞬間にすぐに着たいと思いました。
自分で言うのもおかしいですが、色柄に対する直観力はかなり高いほうだと思います。
羅紗屋(テーラーや洋裁屋に生地を売る生地商)を営んでいた祖父の血もあるのかと思います。
祖父はチェックのジャケットの着こなしがとてもうまい人でした。
この写真は1970年代前半頃のものですが、グレーのウィンドウペンのジャケットにアスコットタイ、白いリネンのチーフと、いまの着こなしに通じるものがあります。
私のチェック好きのルーツは確実に祖父にあります。
以前インスタライブでもお話しましたが、柄のコートはパンツ選びに注意すればそれほど難しくはありません。
柄のジャケットを着こなせる人であれば、気に入った柄のコートがあれば躊躇せずに買っても大丈夫だと思います。
そして、今シーズンのコートはコレにしようと思っています。
CARUSOのNAPOLIというモデルのコート。
このコートは10数年前 CARUSOがまだMACO(マコ)と言われた時代に、BEAMS FでSARTORIA PARMAのネームで展開していたものをアップデートさせて復刻させたものです。
当時私がとても気に入ってオーダーし、自分自身も着ていたモデルなので、とても思い入れのあるコートです。
襟はゴージが低いセミピークド。
当時展開していたものと全く同じ襟型ですが、10数年たって今また新鮮に感じる襟型です。
こんな感じで少し後ろ襟を立てるといい雰囲気です。
フロントは打ち合わせの浅いセミダブル。
ボタンが外側に見えない比翼仕立てなので、ボタンを留めるとシングルのチェスターコートのようなシンプルな見え方になります。
ウエストシェイプはほとんど入っていませんが、今風の緩いシルエットではないので大人の方も無理なく着られます。
10年くらいウエストシェイプが入っているチェスターコートばかり着ていたので、バルカラーやこんなシェイプが入っていないコートが新鮮に感じます。
実際に着るとこんな感じになります。
私が着るより西口が着た方がカッコよく見えるので、こちらの画像で。
西口も今シーズンおススメのコートとしてMR_BEAMSの動画で紹介しています。
まだご覧になっていない方は是非ご覧ください。
西口が48を着てこんな感じのシルエットになります。
私も通常CARUSOのコートは44ですが、少しリラックスした感じで着たいのでワンサイズ上げて46で着ようと思っています。
着丈は当時のものは膝丈でしたが、このコートは膝下丈に修正しています。
今の流れを考えると、このくらいの丈がないと逆に古臭く見えてしまいます。
長いと感じる方はお直しで少し短くしてください。
ただ、膝上丈はこのコートの良さがなくなってしまうので、膝下5㎝くらいまでにとどめておいた方が良いと思います。
私も西口も今シーズンおススメのコートです。
ご興味のある方は是非最寄りの店舗でご試着してみてください。
今シーズンは良いコートがたくさんあり、バイイングも絞り込むのが大変でした。
オーダーしなかったものの中にも個人的に欲しいものがたくさんありました。
なので、懐具合がなんとかなれば、今シーズンはもう何着かコートを購入したいと思っています。
問題は収納。
なにを断捨離するか。
悩みます。
MEN'S EX 10月号の連載でも紹介している、PORPETTAのデザートブーツが入荷しました。
木型からパターンまでかなりこだわって作りました。
2色買いします。