ベスト・キッド
ベスト・キッドっていう映画知ってる?アメリカ東部から西海岸に引っ越してきたダニエル君が地元の空手道場に通う不良たちに絡まれるんだけど、それを助けたアパートの管理人で日系人のミヤギさんに空手を習って、選手権大会で不良たちを破り優勝する話。『ベスト・キッド』というのは邦題で、原題は『The Karate Kid』。レンタル落ちのDVDを買って、先日高校生に観せたので、その意図を記事にしておく。この映画の核心は、ダニエル君が言われるがまま車にワックスをかけたり、ウッドデッキを砂やすりで磨いたり、塀や家に塗料を塗ったりしてると、いつの間にか空手の受け技が身についててビックリ!ってところ。あくまでもフィクションなのだが、●日常生活の中に上達のヒントがある。●基礎練習の意味や重要性は初心者にはわからないが、上級者ほどその大切さを理解している。●つまらない基礎練習を根気よく続けた者だけが次のステップに進める。といった真理がテーマ。相手の攻撃を無力化する空手の受け技は、野球でいえば守備の技術。致命傷を負ったら終わりの格闘技が受け技の習得から始めるのと同じように、野球も大量失点で敗戦が決まってしまわないように守備の技術から身につけなければならない。そして、その基本動作はつまらない反復練習でしか習得できないということ。劇中でミヤギさんは「わしの言葉に従う、質問はなしだ」と言って一見空手とは関係のない雑用を強いるが、ダニエル君は戸惑いながらもその約束を守り、ある日受け技の動作が身についていることを知るに至る。しかし、それは空手の基礎中の基礎で、本当の修行はそこから始まるわけです。野球も守備の基本動作ができるようになって初めて難しい打球への対応といった応用編に進むことができるし、そうやって守備が堅くなり試合が作れるようになれば、打撃や走塁といった攻撃の技術も生きてくる。一方それができなければ、いつまで経っても取れるはずのアウトが取れず、それが失点につながり、投手の球数が増え、守備の時間が長くなり、打線が湿る。どんなに打撃が良くてもきちんと守れない選手はオーダー表に名前を書きづらい、というのが監督の本音であることを知っておくべき。さて、この映画は1984年公開で26年後の2010年にリメイク版が作られた。原題は『The Karate Kid』のままだが、ジャッキー・チェンが出演してカンフー映画になっている。日本人と中国人の見分けがつかないアメリカ人には、空手とカンフーの違いもわからないのだろう。この作品でも、一見カンフーとは関係のない日常動作の反復が受け技の習得につながる。主演はウィル・スミスの息子。映画としてはこちらの方が楽しめるかもしれない。例えば、ゲームセンターでのダンスシーン。最初恥ずかしそうにしていた彼女が急にノリノリで踊りだして主人公がポカーン。笑とかね。