今よりヘッドスピードを上げて強い打球を打ちたい、遠くに飛ばしたいというのなら、重心を下げてスイングすることを勧める。
特に体重が軽くて非力なバッターがこれをやらない手はない。
同じ体重、同じ筋力、同じ打ち方なら重心を下げるだけでヘッドスピードが上がり打球速度も上がるから、即効性がある。
では、説明していく。
バットを高速で振ると、ヘッド方向に向かって遠心力が働く。(注1)
これに対して、バットが飛んでいかないように引っ張る力が必要になる。
これを向心力という。
体重が重いほど大きな向心力を発揮できる、つまり速いヘッドスピードに耐えられるので、バットを加速させるための筋力や技術が高いほどヘッドスピードが上がる。
ホームランバッターに大柄な選手、つまり体重が重い選手が多いのはこのためだ。
MLBなら100kgほど、NPBでも90kgほどの選手が大多数。
近年のホームラン王で軽量と言えるクリス・デービス(2018年・アスレチックス)でも約90kg、山田哲人(2015年・スワローズ)でも約80kgである。
このように、体重が重いほどヘッドスピードが上げ易いので、筋肉をつけるためにトレーニングするのは当然としても、一朝一夕に体重が増えるわけではない。
そこで、いま持っているポテンシャルを最大限発揮するために重心を下げてスイングするのだ。
下の2つの画像を見比べてもらいたい。部屋着で失礼
ともに投手方向に両腕が伸びてヘッドスピードが最大になった時(注2)の姿勢だが、重心が高い方は前脚と地面の角度が大きく小さい遠心力にしか耐えられないのでヘッドスピードが上がらない。
たとえもっと速く振れる筋力と技術があっても、バランスを崩さない程度のスピードでしかバットを振れないのだ。
ここまで極端ではないにしろ、重心が高いことで無意識にヘッドスピードを抑えてスイングしているバッターは多いと思う。
一方、重心が低い方は前脚と地面の角度が小さく大きい遠心力に耐えられるのでヘッドスピードが上がる。
いま現在の筋力と技術で最大のヘッドスピードを出せる。
それぞれの姿勢で誰かにバットを引っ張ってもらえば、耐えられる遠心力の大きさの違いを体感できるだろう。
そして、この記事でも書いたが、重心を下げてスイングするには強靭な下半身、そして柔軟な股関節が必要。
まあ、最初はしんどいけどトレーニングのつもりで振ってれば慣れてくるよ。
(注1)正確には「遠心力」ではないが、ニュアンスとしてわかりやすいのでこの言葉を使う。
(注2)インパクトは両腕が伸びてヘッドスピードが最大になる前、つまりヘッドが加速している局面であることに注意。


