689魔法使いルーフィ
その電子が、もしかすると
元々は、生命体が崩壊して
自由に戻ったものであるかもしれず。
確実に、
宇宙の起源では、光子であったとする
素粒子物理学の理論からすると
元々は自由な存在であったものが、いま
電力として、列車を動かし
人々を旅へと送る存在になっていると言うのは
幻想的に、興味深い状態である。
かつては、そうして
旅する存在であったのかもしれない電子は
いま、インバータ基板からスイッチング素子を制御し
電圧を構成し、静電誘導効果を起こし
モーターを回転させる。
断続的なパルス幅が、電力を意味し
つまり、元々は光であった電子が
列車を動かし、熱やエネルギーとなる。
そうして、一見無駄なような
人々の旅は、走り始めるのである。
滑らかに力強い加速を保つ、14両の電車は
乗客の眠りを誘うほどの、静かな走りである。
元々は、生命体が崩壊して
自由に戻ったものであるかもしれず。
確実に、
宇宙の起源では、光子であったとする
素粒子物理学の理論からすると
元々は自由な存在であったものが、いま
電力として、列車を動かし
人々を旅へと送る存在になっていると言うのは
幻想的に、興味深い状態である。
かつては、そうして
旅する存在であったのかもしれない電子は
いま、インバータ基板からスイッチング素子を制御し
電圧を構成し、静電誘導効果を起こし
モーターを回転させる。
断続的なパルス幅が、電力を意味し
つまり、元々は光であった電子が
列車を動かし、熱やエネルギーとなる。
そうして、一見無駄なような
人々の旅は、走り始めるのである。
滑らかに力強い加速を保つ、14両の電車は
乗客の眠りを誘うほどの、静かな走りである。
688 魔法使いルーフィ
人間の場合、真摯に愛を訴えられて
拒める人などいない。
それは、自由奔放な光子が
ヒッグス粒子に囚われ
自由を失った代わりに、質量を得
元素となり、宇宙の始祖になるように
人間は、愛に囚われる事で
安定と定住を求めるのである。
心のどこかで、自由だった日々を
心に描いて、時折旅に出たりして
いつか、人は一生を終えて
炎立つもと、光や電子に戻るのだ。
それを、多重次元的な構造と見るのは
文学的な幻想である。
でも、その電子の流れが
電流として、今、神様たちを乗せる
サンライズエクスプレスを動かしているのも
また、事実である。
東京駅22時。
サンライズエクスプレスは、ドアを閉じ
ゆっくりと、レールの上を走り出そうとする。
運転士は、白い手袋で
信号を指差し、ブレーキハンドルを解放、
インバータに電流を流す。
日本の日立製作所が誇る、メカトロニクスの粋、PWMインバータは
パルスの幅で電流を制御し、電力を増減するシステム。
シンプルなだけに、堅牢さに長ける。
仕組みは単純で、小電力パルス幅を
大電力制御素子で開閉すると言う仕組みである。
それぞれ、コンピュータ技術と
集積回路技術の賜物である。
細かな発振音は、パルス幅に従って音を変化させて行く。
つまり、交流モーターに発生する
誘導現象を、その幅で制御するのである。
衝撃もなく、静かに動きだす列車は
あたかも、マジック・カーペットのようだ。
拒める人などいない。
それは、自由奔放な光子が
ヒッグス粒子に囚われ
自由を失った代わりに、質量を得
元素となり、宇宙の始祖になるように
人間は、愛に囚われる事で
安定と定住を求めるのである。
心のどこかで、自由だった日々を
心に描いて、時折旅に出たりして
いつか、人は一生を終えて
炎立つもと、光や電子に戻るのだ。
それを、多重次元的な構造と見るのは
文学的な幻想である。
でも、その電子の流れが
電流として、今、神様たちを乗せる
サンライズエクスプレスを動かしているのも
また、事実である。
東京駅22時。
サンライズエクスプレスは、ドアを閉じ
ゆっくりと、レールの上を走り出そうとする。
運転士は、白い手袋で
信号を指差し、ブレーキハンドルを解放、
インバータに電流を流す。
日本の日立製作所が誇る、メカトロニクスの粋、PWMインバータは
パルスの幅で電流を制御し、電力を増減するシステム。
シンプルなだけに、堅牢さに長ける。
仕組みは単純で、小電力パルス幅を
大電力制御素子で開閉すると言う仕組みである。
それぞれ、コンピュータ技術と
集積回路技術の賜物である。
細かな発振音は、パルス幅に従って音を変化させて行く。
つまり、交流モーターに発生する
誘導現象を、その幅で制御するのである。
衝撃もなく、静かに動きだす列車は
あたかも、マジック・カーペットのようだ。
687 魔法使いルーフィ
旅。
例えばそれは、閉じ込められた素粒子が
自由だった光の粒子だった頃を回想するようなものである。
宇宙の起源、真空中の光子は
質量がゼロだったが
ヒッグス粒子に捕捉され、自由を失う。
そうして電子は、原子核、 ーそれも素粒子が
電磁気で捕捉された存在ー の周囲を周回する。
そうして元素が興る。
生物の身体も、元素で出来ている。
だから、どこかで解放を求め、旅する。
人生も旅である。
いつかは燃え付き、元素に戻る。
一部は炎から、光に戻り
電子に戻る。
マックスウェルの電磁気学の通りである。
だが。
神や魔法使いは、自由だ。
生物ではないから、である。
ただ、魔法使いルーフィ
や、そのご主人のように
人間との関わりあいの中で
自らの自由を抑制しようとする力に
苦悩する者もいたりする。
それは、人間に類似な愛のスタイルを
取ろうとしたための矛盾であったりもする。
天使クリスタのように、人間世界に
降りてしまったり。
それは、あたかも
自由な光粒子が、ヒッグス
粒子に捕捉されるようなものであるかもしれない。
例えばそれは、閉じ込められた素粒子が
自由だった光の粒子だった頃を回想するようなものである。
宇宙の起源、真空中の光子は
質量がゼロだったが
ヒッグス粒子に捕捉され、自由を失う。
そうして電子は、原子核、 ーそれも素粒子が
電磁気で捕捉された存在ー の周囲を周回する。
そうして元素が興る。
生物の身体も、元素で出来ている。
だから、どこかで解放を求め、旅する。
人生も旅である。
いつかは燃え付き、元素に戻る。
一部は炎から、光に戻り
電子に戻る。
マックスウェルの電磁気学の通りである。
だが。
神や魔法使いは、自由だ。
生物ではないから、である。
ただ、魔法使いルーフィ
や、そのご主人のように
人間との関わりあいの中で
自らの自由を抑制しようとする力に
苦悩する者もいたりする。
それは、人間に類似な愛のスタイルを
取ろうとしたための矛盾であったりもする。
天使クリスタのように、人間世界に
降りてしまったり。
それは、あたかも
自由な光粒子が、ヒッグス
粒子に捕捉されるようなものであるかもしれない。
686 魔法使いルーフィ
東海道線ホームは、既に夜遅く
通勤列車も、殆ど出払ってしまった時間。
九州行きの新幹線も終わってしまった時間に
サンライズエクスプレスはゆっくりと
品川方面から、しかし軽快にやってくる。
クリーム色と臙脂のボディは、国鉄時代を知る者には
どこか、懐かしい特急列車のイメージ。
その国鉄も、既にないが
夜行列車の叙情を残す列車、サンライズエクスプレスは
今、出雲市と高松行きとして残る。
電車、とはいえ
1編成にモーターカーが4両と言う
機関車で言えば2両分のパワーで
残る10両を率いる、充分な力量である。
揺れず、静かに停車する。
見事な止まりっぷりは、高級感にあふれる。
遠いヨーロッパから、オリエンタルエクスプレスで来た神様も
その高級感には脱帽もの、である。
ふつう、電車は
ブレーキのノイズや、モーターの唸りが
それらしいのだが
サンライズエクスプレスは、さすがに
寝台列車だけあって、揺れもせず唸る事もなく。
「さ、乗りましょうか」と、4者4様。
お好みの部屋に収まる。
フランスの女神は、シングル・DX。Aクラス一人個室に収まる。
ライティングデスクと、ドレッサーつき。
アメリカの神様は、シングル2階。
一人個室、屋根が近いロフトふう。
ドイツの神様は、ソロ。
機能的でビジネスライクなところ。
めぐの国の神様は、シングルツイン。
階段がなく、空間が広い。
木質の内装、静かな雰囲気は
高級感があり、これが庶民の列車かと思う
ようなゴージャスさ、である。
出雲市行きは前より7両に、それぞれ散らばるが
旅する、と言う楽しさに
しばし、気分転換、と言うところ。
旅は楽しい。
それが、日常を忘れさせるから?
新たな景色が、車窓を飛び去ってゆくし
定住、と言う生活様式が正しいか?と
自問自答したくなるような、旅の一瞬である。
もしも、定住がなければ
侵略も有り得ず、故に戦闘もない。
そんな連想も禁じ得ない。
元々、生き物は自由であるべきなのだ。
通勤列車も、殆ど出払ってしまった時間。
九州行きの新幹線も終わってしまった時間に
サンライズエクスプレスはゆっくりと
品川方面から、しかし軽快にやってくる。
クリーム色と臙脂のボディは、国鉄時代を知る者には
どこか、懐かしい特急列車のイメージ。
その国鉄も、既にないが
夜行列車の叙情を残す列車、サンライズエクスプレスは
今、出雲市と高松行きとして残る。
電車、とはいえ
1編成にモーターカーが4両と言う
機関車で言えば2両分のパワーで
残る10両を率いる、充分な力量である。
揺れず、静かに停車する。
見事な止まりっぷりは、高級感にあふれる。
遠いヨーロッパから、オリエンタルエクスプレスで来た神様も
その高級感には脱帽もの、である。
ふつう、電車は
ブレーキのノイズや、モーターの唸りが
それらしいのだが
サンライズエクスプレスは、さすがに
寝台列車だけあって、揺れもせず唸る事もなく。
「さ、乗りましょうか」と、4者4様。
お好みの部屋に収まる。
フランスの女神は、シングル・DX。Aクラス一人個室に収まる。
ライティングデスクと、ドレッサーつき。
アメリカの神様は、シングル2階。
一人個室、屋根が近いロフトふう。
ドイツの神様は、ソロ。
機能的でビジネスライクなところ。
めぐの国の神様は、シングルツイン。
階段がなく、空間が広い。
木質の内装、静かな雰囲気は
高級感があり、これが庶民の列車かと思う
ようなゴージャスさ、である。
出雲市行きは前より7両に、それぞれ散らばるが
旅する、と言う楽しさに
しばし、気分転換、と言うところ。
旅は楽しい。
それが、日常を忘れさせるから?
新たな景色が、車窓を飛び去ってゆくし
定住、と言う生活様式が正しいか?と
自問自答したくなるような、旅の一瞬である。
もしも、定住がなければ
侵略も有り得ず、故に戦闘もない。
そんな連想も禁じ得ない。
元々、生き物は自由であるべきなのだ。
685 魔法使いルーフィ
銀の鈴から、東海道線ホームまでの
直通エレベーターは、なぜか
目の前の位置。
コンコースへ出なくても、乗り換えが出来るのは
そういえば、新幹線以外ではここだけで
歴史的に東海道線が、発祥の路線だった、なんて
そんな事を思い起こすのは、歴史好きな人々
だろうか。
めぐの国の神様は、ゆっくり立ち上がって
さっきの話の要約をする。
「なるほど。それで日本の、出雲の神様は
何もしないのか。
日本人は、わりといい加減だったから
偽物の神様が出て来ようと、それを信じる
国民も少ない。
偽物の日本人が増えても、そのうち死に絶えると
そう思っているのか?
まあ、いいが。ヨーロッパにまで侵略しなければな」と、言って。
江戸市中を踏みながら歩いて行く。
ガラスで仕切られたエレベーターへと。
「偽物の神様?」と、アメリカの神様が言うと
彼は、にっこり、振り返る。
ドイツの神様は「ああ、新興宗教の。
自分が八百万の頂点だから、寄付金は一万円以上から受け付ける、って言っている(笑)俗物だろう。聞いた事がある。
値段付ける神様なんて、聞いた事ないが(笑)。
根拠がないのに[科学]って言う宗教だろ?
確か、日本の官僚組織から落ちこぼれた
劣等感が顔つきに出てる、貧相な男で」と
ドイツの神様は手厳しい。
神を名乗る不届き者、だからだろうか。
直通エレベーターは、なぜか
目の前の位置。
コンコースへ出なくても、乗り換えが出来るのは
そういえば、新幹線以外ではここだけで
歴史的に東海道線が、発祥の路線だった、なんて
そんな事を思い起こすのは、歴史好きな人々
だろうか。
めぐの国の神様は、ゆっくり立ち上がって
さっきの話の要約をする。
「なるほど。それで日本の、出雲の神様は
何もしないのか。
日本人は、わりといい加減だったから
偽物の神様が出て来ようと、それを信じる
国民も少ない。
偽物の日本人が増えても、そのうち死に絶えると
そう思っているのか?
まあ、いいが。ヨーロッパにまで侵略しなければな」と、言って。
江戸市中を踏みながら歩いて行く。
ガラスで仕切られたエレベーターへと。
「偽物の神様?」と、アメリカの神様が言うと
彼は、にっこり、振り返る。
ドイツの神様は「ああ、新興宗教の。
自分が八百万の頂点だから、寄付金は一万円以上から受け付ける、って言っている(笑)俗物だろう。聞いた事がある。
値段付ける神様なんて、聞いた事ないが(笑)。
根拠がないのに[科学]って言う宗教だろ?
確か、日本の官僚組織から落ちこぼれた
劣等感が顔つきに出てる、貧相な男で」と
ドイツの神様は手厳しい。
神を名乗る不届き者、だからだろうか。
684 魔法使いルーフィ
「その、侵略者だけならいいけど。
さっきの[地の塩]じゃないけどさ、
インベーダになりたい訳でもないのに
環境が変わると、悪魔みたいな顔つきになって
悪い事ばかりする。
ドイツ人だって、悪党ばっかりじゃないのに
アドルフが居たからって、インベーダになっちまうってのは、おかしな事だな」と、アメリカの神様は冗談混じりに(笑)。
「ま、日本と、ドイツ、イタリアはそういう経歴があるな。
それで、日本は原爆を落とされた。
今は、原発を爆発させられた。
歴史的に、あんまり正邪を見極めない国民なんだろう。。
日本で言えば、ほら、宗教ですらいろんなのを受け入れてしまう。
周りでやってると、あまり逆らわない。
環境に流される国民なんだろな」と、ドイツの神様。
21時45分。
「そろそろ、来るんじゃない?」と、フランスの女神は
ホームへ行こうと促す。
さっきの[地の塩]じゃないけどさ、
インベーダになりたい訳でもないのに
環境が変わると、悪魔みたいな顔つきになって
悪い事ばかりする。
ドイツ人だって、悪党ばっかりじゃないのに
アドルフが居たからって、インベーダになっちまうってのは、おかしな事だな」と、アメリカの神様は冗談混じりに(笑)。
「ま、日本と、ドイツ、イタリアはそういう経歴があるな。
それで、日本は原爆を落とされた。
今は、原発を爆発させられた。
歴史的に、あんまり正邪を見極めない国民なんだろう。。
日本で言えば、ほら、宗教ですらいろんなのを受け入れてしまう。
周りでやってると、あまり逆らわない。
環境に流される国民なんだろな」と、ドイツの神様。
21時45分。
「そろそろ、来るんじゃない?」と、フランスの女神は
ホームへ行こうと促す。
683 魔法使いルーフィ
「まあ、結局
欲望ってのが、食う寝るくらいで終わってれば
そんなに困る事もない。
だけど、侵略したり、人を支配したいってのは
明らかにおかしな欲望。
言ってみれば、頭の中の欲望の次元が
現実の、3次元で表現できないほど歪んでるって事、だろ?
その、次元の歪みを直せばいいのさ。
侵略者の脳が少し変だってだけさ(笑)」と、アインシュタインの国、ドイツの神様は
いかにもそれらしい言葉で、抑制を主張する。
昔、アドルフの居た国だから
尚の事、侵略者には批判的である。
なぜ、その頃は
神様の抑制が効かなかったのだろう?と言う
反省も残るのだろう。
欲望ってのが、食う寝るくらいで終わってれば
そんなに困る事もない。
だけど、侵略したり、人を支配したいってのは
明らかにおかしな欲望。
言ってみれば、頭の中の欲望の次元が
現実の、3次元で表現できないほど歪んでるって事、だろ?
その、次元の歪みを直せばいいのさ。
侵略者の脳が少し変だってだけさ(笑)」と、アインシュタインの国、ドイツの神様は
いかにもそれらしい言葉で、抑制を主張する。
昔、アドルフの居た国だから
尚の事、侵略者には批判的である。
なぜ、その頃は
神様の抑制が効かなかったのだろう?と言う
反省も残るのだろう。
682 魔法使いルーフィ
「日本、例えばこの地上にある江戸市中地図の民だってそうだけど、昔から不正と搾取の被害にあっていた。
だから、さっきの[地の塩]さんだって
元々は労働者階級の生まれの人で、当時は
キリスト教に救いを求めるしかなかった。
それが。
有名人になってしまって、[幸せ]って何かって事を見失ってしまった。
夫が政治家の一族で、しかも金融系の言ってみればギャンブラー(笑)だから
それはもう、完全に損得だけの醜い、世界。
魂を磨く、なんて高等な感覚からは程遠い。
元々知的な人でもなかったから、恥も知らなかった。
そういう悲劇はあるけれど、それって本人のせいって言うよりは
日本の政治家の一族にそういう人がいて、
政治を私的に司っている。
そういう環境が良くないんだよ。
他にも、労働者賃金の中間搾取はいけない、って法律を歪めて
働かないのに、中間搾取で儲ける人が合法になった。
それも政治家のせい。
でもまあ、僕ら神様には関係ないかな。(笑)
そういう連中は天国に来ないし
現世でも、そういう連中と争い合うのは
賢い人はしないだろう。
痴的な人々が、争い合うだけさ。
」アメリカの神様は、そう言った。
だから、さっきの[地の塩]さんだって
元々は労働者階級の生まれの人で、当時は
キリスト教に救いを求めるしかなかった。
それが。
有名人になってしまって、[幸せ]って何かって事を見失ってしまった。
夫が政治家の一族で、しかも金融系の言ってみればギャンブラー(笑)だから
それはもう、完全に損得だけの醜い、世界。
魂を磨く、なんて高等な感覚からは程遠い。
元々知的な人でもなかったから、恥も知らなかった。
そういう悲劇はあるけれど、それって本人のせいって言うよりは
日本の政治家の一族にそういう人がいて、
政治を私的に司っている。
そういう環境が良くないんだよ。
他にも、労働者賃金の中間搾取はいけない、って法律を歪めて
働かないのに、中間搾取で儲ける人が合法になった。
それも政治家のせい。
でもまあ、僕ら神様には関係ないかな。(笑)
そういう連中は天国に来ないし
現世でも、そういう連中と争い合うのは
賢い人はしないだろう。
痴的な人々が、争い合うだけさ。
」アメリカの神様は、そう言った。
681 魔法使いルーフィ
その、
フリースペース、21時。
人影も減ってきた平日の地下。
衆人環境の中で抱き合い、唇を重ねる男女が一組。
フランスの女神は「はしたない」と、一言。
ドイツの神様「罪にならないのだろうか」
アメリカの神様は「よくやるねぇ(笑)」
めぐの国の神様は「ま、それが愛ならば救いになるだろうが」と笑顔で。
ふと、その横を
両耳イヤホンの若者が、音楽に救われている。
リサが、音楽で救われたように
ここでも、音楽がひとの気持ちを癒している。
音、波の重なりなのにそれが意味を持って。
彼が聞いていたのは、古いアイドル・ポップスだったけど
あきらめないで、がんばって、涙もわたしに分けてほしい。
あなたの勇気のそばにいたいから。と
明るく愛らしく訴える歌だった。
それも、歌を通じて人を和ませる愛。
そのぶんだけ、彼は救われている。
「不思議なものだな、音波が人を和ませるのは」と、めぐの国の神様が呟くと
ドイツの神様は、「心に愛があれば、それを音にして伝えられるのだろう」と、神秘的な事を音楽技法に乗せて(笑)音楽の国らしい言葉。
「ま、それは宗教じゃないけどね」と、アメリカの神様は
フリースペースに落ちていた雑誌の見出しを指差し、壁掛けTVのニュース映像を見た。
元クリスチャンのTVアナウンサー、名前まで
宗教的な[地の塩]と言う概念から取られた人物が
政治家の孫と婚姻し、顔つきまで嫌らしく変わってしまって
攻撃性が顔つきにまで出るような、人格を損ねる事態になってしまって。
挙げ句、不祥事で人前から去った。
そんな話。
「信仰じゃ救えないのかな」と、ドイツの神様
「心に愛がないからね」と、フランスの女神も
口調を真似た(笑)。
フリースペース、21時。
人影も減ってきた平日の地下。
衆人環境の中で抱き合い、唇を重ねる男女が一組。
フランスの女神は「はしたない」と、一言。
ドイツの神様「罪にならないのだろうか」
アメリカの神様は「よくやるねぇ(笑)」
めぐの国の神様は「ま、それが愛ならば救いになるだろうが」と笑顔で。
ふと、その横を
両耳イヤホンの若者が、音楽に救われている。
リサが、音楽で救われたように
ここでも、音楽がひとの気持ちを癒している。
音、波の重なりなのにそれが意味を持って。
彼が聞いていたのは、古いアイドル・ポップスだったけど
あきらめないで、がんばって、涙もわたしに分けてほしい。
あなたの勇気のそばにいたいから。と
明るく愛らしく訴える歌だった。
それも、歌を通じて人を和ませる愛。
そのぶんだけ、彼は救われている。
「不思議なものだな、音波が人を和ませるのは」と、めぐの国の神様が呟くと
ドイツの神様は、「心に愛があれば、それを音にして伝えられるのだろう」と、神秘的な事を音楽技法に乗せて(笑)音楽の国らしい言葉。
「ま、それは宗教じゃないけどね」と、アメリカの神様は
フリースペースに落ちていた雑誌の見出しを指差し、壁掛けTVのニュース映像を見た。
元クリスチャンのTVアナウンサー、名前まで
宗教的な[地の塩]と言う概念から取られた人物が
政治家の孫と婚姻し、顔つきまで嫌らしく変わってしまって
攻撃性が顔つきにまで出るような、人格を損ねる事態になってしまって。
挙げ句、不祥事で人前から去った。
そんな話。
「信仰じゃ救えないのかな」と、ドイツの神様
「心に愛がないからね」と、フランスの女神も
口調を真似た(笑)。
680 魔法使いルーフィ
それで、めぐの国では
神様が、愛の記憶を思い出せるように、と
時間を巻き戻した。
特殊相対性理論に基づく時間対称性の中で、の話である。
魔法使いルーフィは、オキシトシン、神経内分泌化学物質の
再吸収阻害によって、優しい気持になれるようにと考えた。
遠い極東の日本に来た、神様は
めぐの国の国鉄や郵便が、日本のそれのように
外国の投資ファンド、ほとんど悪人(笑)たちのそれに
食いものにされないようにと言う意思を持って、東京に赴いた。
日本の民、国鉄職員たちの群像は
民営鉄道になっても、あまり変わらない。
鉄道を愛する者は、それを使命にする魂がある。
そのせいだろうと、神様も思った。
「まあ、やっぱり知性は必要ね。愛も思いやりも知性あってのものだし。
そのためにはやっぱり、女が知的でないとダメなのよ。」と、フランスの女神は凛々しく述べる。
「そうだね。やっぱり女が信用できないと、男は自棄になっちゃうもんなぁ。
愛した女を大切にしたいから、男は家族のため、みんなのため、ってがんばるんだし。
単純だけど大事だよ。」と、アメリカの神様。
「コーノスケ・マツシタだってそうだろうね。家族があって、会社があって、国があって、って
みんなを愛していたから、儲けをみんなに分けたんだね」と、ドイツの神様。
銀の鈴。
4人の神様は、フリースペースに落ち着いて
床に描かれた江戸の地図に気付く。
遠い昔から、この場所には人の営みがあって。
貧しかったかもしれないけれど、心豊かに暮らしていたはず。
神様が、愛の記憶を思い出せるように、と
時間を巻き戻した。
特殊相対性理論に基づく時間対称性の中で、の話である。
魔法使いルーフィは、オキシトシン、神経内分泌化学物質の
再吸収阻害によって、優しい気持になれるようにと考えた。
遠い極東の日本に来た、神様は
めぐの国の国鉄や郵便が、日本のそれのように
外国の投資ファンド、ほとんど悪人(笑)たちのそれに
食いものにされないようにと言う意思を持って、東京に赴いた。
日本の民、国鉄職員たちの群像は
民営鉄道になっても、あまり変わらない。
鉄道を愛する者は、それを使命にする魂がある。
そのせいだろうと、神様も思った。
「まあ、やっぱり知性は必要ね。愛も思いやりも知性あってのものだし。
そのためにはやっぱり、女が知的でないとダメなのよ。」と、フランスの女神は凛々しく述べる。
「そうだね。やっぱり女が信用できないと、男は自棄になっちゃうもんなぁ。
愛した女を大切にしたいから、男は家族のため、みんなのため、ってがんばるんだし。
単純だけど大事だよ。」と、アメリカの神様。
「コーノスケ・マツシタだってそうだろうね。家族があって、会社があって、国があって、って
みんなを愛していたから、儲けをみんなに分けたんだね」と、ドイツの神様。
銀の鈴。
4人の神様は、フリースペースに落ち着いて
床に描かれた江戸の地図に気付く。
遠い昔から、この場所には人の営みがあって。
貧しかったかもしれないけれど、心豊かに暮らしていたはず。