680 魔法使いルーフィ | たまふの書物語まりふ

680 魔法使いルーフィ

それで、めぐの国では
神様が、愛の記憶を思い出せるように、と
時間を巻き戻した。
特殊相対性理論に基づく時間対称性の中で、の話である。
魔法使いルーフィは、オキシトシン、神経内分泌化学物質の
再吸収阻害によって、優しい気持になれるようにと考えた。

遠い極東の日本に来た、神様は
めぐの国の国鉄や郵便が、日本のそれのように
外国の投資ファンド、ほとんど悪人(笑)たちのそれに
食いものにされないようにと言う意思を持って、東京に赴いた。




日本の民、国鉄職員たちの群像は
民営鉄道になっても、あまり変わらない。
鉄道を愛する者は、それを使命にする魂がある。

そのせいだろうと、神様も思った。








「まあ、やっぱり知性は必要ね。愛も思いやりも知性あってのものだし。
そのためにはやっぱり、女が知的でないとダメなのよ。」と、フランスの女神は凛々しく述べる。



「そうだね。やっぱり女が信用できないと、男は自棄になっちゃうもんなぁ。
愛した女を大切にしたいから、男は家族のため、みんなのため、ってがんばるんだし。
単純だけど大事だよ。」と、アメリカの神様。


「コーノスケ・マツシタだってそうだろうね。家族があって、会社があって、国があって、って
みんなを愛していたから、儲けをみんなに分けたんだね」と、ドイツの神様。



銀の鈴。


4人の神様は、フリースペースに落ち着いて
床に描かれた江戸の地図に気付く。

遠い昔から、この場所には人の営みがあって。
貧しかったかもしれないけれど、心豊かに暮らしていたはず。