たまふの書物語まりふ -17ページ目

669 魔法使いルーフィ

「美味しいから高くてもいい。そういう考えもあるけれど。でも、素材や、料理人さんへのお礼や、店員さんへのお礼ではなくて
ほとんど、関係ない人達の中間搾取、つまりまあ、ピンはねだとしたら?」と
アメリカの神様は言う。


「それは、暴動ものね」と、フランスの女神は言う。



「そうだろう。でも、このシチューはわからないけれどね。この国の人達は暴動も起こさないんだ。派遣、なんて言う中間搾取もあるし
持ち株会社なんて言って、働かない人達が高い給料を取っている。日本の鉄道や、郵便はそういう組織になってしまった。」と、ドイツの神様ははっきりと言う。




「それで、わしは国際会議に出るつもりになった」と、めぐの国の神様。




わかった。と、アメリカの神様も合点。




笑顔になった。

668 魔法使いルーフィ

「融通が効くけれど、もともと正義で争ったりしない。実利くらいで」と、ドイツの神様が言うと、フランスの神様は

「ひとりひとりは、平和な人達なのね」と。




アメリカの神様は「それで、変な独裁者も受け入れてしまうのか」と。



かつて、世界を征服しようと
愚かな戦いをしたのも、日本人のような顔をした人達だった。


どうやら大陸から来た人達だったらしいけれど。


もともと、日本を大陸の領土にするのが
目的だった。




でも、戦争に負けた後、勝ったのはアメリカだたので。



それは誤算だった。


シナリオなら、ソビエトが日本を占領するはずで
その名残で、北のはずれは今、ロシア領土になっている。





アメリカの神様は、そう言った。




「そういう風土なので、外国に占領される経験がなかった。
じゃが、今は西洋に開放されたようなもので
日本人の、善良なひとたちは苦しむばかりだ。


この料理だって、確かに美味しい。
でも、一皿のシチューが1500円もするのは
ちょっと、不思議な値段の付け方じゃ」と
めぐの国の神様は言う。



そうね、フランスならほとんど買えないわ、と女神が言うと

ドイツの神様は、その値段じゃ訴えられると笑う。




アメリカの神様は、似たものを安く売るだろうね、と言う。





「でも、それを買う国民なんじゃな。だから
この国には原発が50基も出来て、しかもひとつ爆発したのに、まだ作ろうとしているけど

国民は何も言わない。そういう国じゃから、わしは心配じゃ。日本の神様は何をしとるんだろうと思っての。


」めぐの国の神様は言った。


だから、心を制御してまでも
めぐの国の侵略を止めてほしい。

そう思っての行動だ、と。

667 魔法使いルーフィ

日本食堂は、かつて日本の鉄道の食を
担当していた会社で
いまは、洋風の名前になっているけれども
日本人の郷愁に答えて、以前の食堂車メニューを
再現、それで繁盛しているレストラン。

神様たちも、なんとなく評判を聞き付けて

サンライズエクスプレスの出発まで、日本食堂を訪れようと

思った、そんな訳である。(笑)。




銘々に、洋食を頼むのだけれども。
ドイツの神様はそれを見て「日本なのに洋食、を取り入れて。でもそれは、西洋料理とは違う日本人の好みに合わせた文化になっているね」

と、ビーフシチューとか、ハッシュドビーフ、ハンバーグなどの料理を見、味わって見てそう感想。




「まあ、輸入文化の国だからかな」と、アメリカの神様は、自国と似ている国の
文化適応の見事さを讃える。



「こういう感じで、頑固さがなくっても、柳に風と受け流す風土なのね」と、フランスの女神。


フランスなら、自国ふう、にこだわる部分が多いのだろうか?(笑)



まあ、良し悪しで
良い面は、料理でもなんでも
日本ふう、に作り変える器用さがある。



反対に、対立するのは苦手だったりもする(笑)

それで、悪い人々に付け込まれ易いのだけど。

666 魔法使いルーフィ

実は、そんな
ささやかな庶民の暮らしを脅かすものが
一番良くないのだけれど
日本人は、もともと島育ちだったので


外から身を守る、と言う文化がなかったりする。


仏教が外から入って来ても、キリスト教が入って来ても

割と、気にせずに入れてしまう。


そういうせいで、正義も曖昧な感じで
だから、悪も曖昧だったりする。



悪をやっつける、なんて言う行動は
あまり庶民には多くなく

どちらかと言うと、仲間外れにすると言う程度で
あったりしたから

悪は、曖昧に生き延びる事になってしまって。



善悪などと言う判断を避けるような

そういう、曖昧さである。





なので、庶民は
割と、悪に虐げられやすい社会だったりするので


この男みたいに、薬が必要だったりする。



本当は、悪をやっつければいいのだけれど
日本人には、表立って行動する事を避けると言う
傾向があったりするから
なかなか、そういう事もなくって。

665 魔法使いルーフィ

同じ頃、さっきのエスカレーター駆け足男(笑)は

東京ステーションホテルの部屋で、眠っていた。


別にに急ぐ必要もないのに、なぜか急がされてしまうのは
心に、なんとなく焦りがあったからだったりして。


それまでは、夜になっても眠れず眠っても、悪い夢を見たり

仕事先であった嫌な事を思い出したりして
浅い眠りを繰り返していたりした。


つまり、この男も
悪魔に心を奪われていたと言うよりは
心を弄ばれていたのだ。



それが、術のせいで
心に安定が得られた。


それまでは、育てられかたのせいか
皆を追う生き方しか出来ず
言いようもなく、焦らされていたが


術のせいで、ゆっくり眠れるようになる。



そうすると、男の心に浮かぶのは
幼い頃の、恋の思い出だったりして。



そんな気持ちになると、もう
エスカレーターで人々を押し退けるような
そういう気にはなれなかったりした。



薬がなくっても、健康を取り戻す事も出来る。


そういう事もあるのかもしれない。

664 魔法使いルーフィ

それはやっぱり、人々の表現で言う[悪魔]が心に憑いている状態なんじゃないだろうか、と

めぐの国の神様は、嫌な気持ちになる。


ずっと前、その戦いで
めぐが傷ついて

そのために、
時間を巻き戻してまで世界を再生したのだった。



また、そんな事が起こってしまうのだろうか?


多重次元なので、それは仕方ない事もあるが


日本人の中に、めぐのように傷つく人々が
出なけれいいのだが、とも思う。





悪魔が聞くと憤慨しそうなほど
人間の攻撃性質は、醜い。


簡単に言えば、殺し合いを封じてしまったからで
殺されないと思い込んでいるので、例えば
エスカレーターで、並んでる人々を押し退けたするような事が起こる。


アメリカ合衆国の神様が言うように
拳銃がある社会なら、殺される心配があるのでそこまでの攻撃にはならない。




反対に、そこで殺されてしまうので
そういう人は死に絶える。



淘汰であるが、ある意味では摂理である。



ひとつの現象は、いろいろな見方がある。



例に挙げているように、加速器と言う
顕微鏡のようなものができるまでは
ヒッグス粒子も観測されておらず


原子核を結びつけているエネルギー、数MeV程度のエネルギーを得るために
危険な原子力を発電に用いたりしたのだ。



ヒッグス環境と素粒子の結び付くエネルギーは数TeVであり、桁違いのエンチョーが得られ
核のような危険性もない、そんな事に気づかないのも
見方の違い、であるように。

見方とは、そんなものである。

663 魔法使いルーフィ

神様4人は、少し整然とした
東京駅コンコースから
八重洲よりの、日本食堂へ。

名物の洋食を食べようと(笑)。

そんなところは、人間っぽい楽しみも

少しは味わっておこうと言う


下界ならではの楽しみ、である。



フランスの女神は、でも考える。



「愛があれば、薬なんて要らないと思うわ」




ドイツの神様は「それが理想だけどね。実際に、いま、見たように
意味もなく、人を押しのけようとする人々もいる。
ドイツじゃ考えられないが」と。



「それは、アメリカでもそうさ。あんな事したら殺し合いになるな」と、アメリカの神様。




「つまり、日本の人々は、従順に並んでる方で、駆け上がろうとする人々は、日本人の顔をしているけど、そうじゃない、って事?」フランスの女神は、そういう。





「ま、そうかもしれないけど。日本人、とかアメリカ人って、簡単に言えないな、いま。」と


アメリカの神様。




心を、暴力が満たしているような、そういう人々が

世界に増えている。そういう事なんだろう。

662 魔法使いルーフィ

増えてしまって。
もともと、広いフィールドで
生き延びるために出来ていた人間の性質が
人間同士、ぶつかり合って
エネルギーを使う。

壊れてしまっても、エネルギーだけが消費される。

あたかも、それは
素粒子同士がぶつかり合って
エネルギーだけを残す、ヒッグス粒子のようだ。



次元は異なるが
似ている現象である。






一方、術を掛けられて
エスカレーターを駆け上がる事を
途中で止めてしまった人々は


はた?


と思う(笑)。




「わたしは、何をしていたのだろう?」



心の奥底で、幼い頃から
心病んでいた、追い立てられるような気持ち。


それが、消え失せ。



さっぱりしたような、感じた事のない
気持ちに


なれて。




はて、今までの自分はなんだったのだろうと(笑)




そういえば、それが行動の原理だったりするような
そういう人も多い。



そういう人々が、日本の国鉄や郵便局をダメにしたり(笑)



いま、めぐの国のそれを
食い荒らそうとしていたり。





それを、神様は
なんとかしようと

そう思った訳、だ。

661 魔法使いルーフィ

遠く離れた日本では、神様たちが
一時平和になった、東京駅地下から
丸ノ内へ上がるエスカレーターに、並んで乗りながら

まだ、話をしていた。



「無駄なエネルギーなんだ。たががエスカレーターごときを歩いて上がったって数秒早いだけだ」と、ドイツの神様はそれらしい。



「まあ、人間は感情で生きているからな。
そういう低級な動作にもエネルギーを使う。
電子のエネルギーが1eV,原子核がMeV,素粒子がTeV....」と、アメリカの神様は
原子力利用国家らしい(笑)。



無駄なエネルギーの列挙に、それを使った(笑)。



素粒子エネルギーはまだ使えていないが。




「人間の心のエネルギーは、どうして最近は
ひとりで閉じるのかしら」と、フランスの神様。



エスカレーターが終点で、地上に出たが
2階が電車ホームなので、地下のように薄暗い。



「これからどうする?」と、ドイツの神様。


めぐの国の神様は「sunriseexpress、出雲行きに乗ろうかの」と
言った。

660 魔法使いルーフィ

目覚めためぐたちは、鉄道に乗務する訳ではないから

もう、職員たちが出ていってしまって
がらん、としている

朝の乗務員宿泊所、3階の部屋に集まって
のんびりしていた。



なぜか、そこにギターがおいてあったので
めぐは、昨日の夢を思い出して


それを抱えて、弾いてみようか、と


弦を弾いてみたものの。




ちょっと変わった音が出て(笑)。




「なにそれ」

「パンクね」

「プログレー」



と、いろいろな意見。



夢とは違うなぁ、とめぐは、にこにこ、照れ笑い。




でも、バンドしたいよね、と

れーみぃの言葉を反芻したり。





朝のめぐたちは、のんびりしている。




ほんとうは、学校に行っていないといけない
時間帯なんだけど(笑)。