たまふの書物語まりふ -18ページ目

659 魔法使いルーフィ

神様たちは、見た目ふつうの人間の
扮装をしている。でも
男でも女でもないのだけれど(笑)。


それは、例えば光の通らない空間の形が
わからないから
想像で、都合のいい形をイメージしてしまうような
そういう現象を避けるために、人間のスタイルに似せた、そんな感じもする。



ほんとうは、人間もそうで
女だから、かわいらしいとか
男だから、たくましいとか



それも、都合のいい想像だったりする。






光のない空間が、捩曲がって
11次元の空間だ、と言っても
それがどんなものか、イメージしにくい。

でも実際に、そういう空間はあるのだ。




超伝導物質の中に、光も磁界も入れない、と
言っても

それがどんな状態だか、想像できないけれども
マイスナー効果で、超伝導磁界が起こり
それで、リニアモーターカーが走ると言う事は
目で見える事実である。



これなどは、3次元空間の中に

光、を基準に考えるなら
0次元の空間がある事になったりする。



そんなふうに、並列時空間は
当たり前に存在しているのだろう。


超紐理論では、膜上に張り付いた紐状の
空間の他に、いくつもの紐状空間があるが

光が通れないので、隣接宇宙は見渡せないのだから。

658 魔法使いルーフィ

「薬でなんとかする前に、どうにかならないかしら。自分勝手な人って、結局愛に裏切られた人でしょう」と、フランスの女神は
それらしい言葉を言った。


「それはもっともだけど、今更時は戻せないさ」と、アメリカの神様。



愛されなかったからって、人を傷付けていいって事ないだろう、とドイツの神様。




「ああいう人々って、急かされて育ったのよ、きっと。」と、女神。



「じゃから、一時的にそれを忘れる事が出来れば、彼らだって楽になるんじゃろう。苦しいんだよ、ああいう人達だって。
心の中で傷ついての」と、めぐの神様。




フランスの神様も、無言になった。



そこで、ひょい、と
ドイツの神様はその場だけ術を使った。



すると、エスカレーターを駆け上がろうとしていた強張った顔の
人々は
憑きものが取れたように歩みを止めて

エスカレーターは、2列で乗る
当たり前の風景になった。




それが、よかったのかどうかはわからないけれど。




「その術で、世界を救えるといいがのう」と、めぐの神様。



「もともと、人間は増え過ぎたのさ。
だから、競い合いが過ぎて傷ついた人々もいる。


数が減れば元通りになるけれど。
動物と違って、天敵が居ないから
人間同士で殺し合いたいのさ」と、
アメリカの神様。



それも自由だろう、と言いながら。

657 魔法使いルーフィ

そういう神様たちの感覚とは別に
リサは、音楽で心の奥底を解放した。

意味のわからない、音の連なりが
なぜか、心を解放する。


それは、たぶん、ヒッグス粒子に囚われていた
素粒子がエネルギーを得て解放され
光になるように


電子と言う素粒子が、LEDから
光に戻るように



解放される瞬間なのだろう。



音楽でなくてもいい、映画でも小説でもいいのだけど

心を豊かにするものは、いいものだろう。
薬でなくても、心は癒されたりもする。
ロックも、。

656 魔法使いルーフィ

naritaexpressが、東京駅に着く。
一番、北の地下ホームなので
神様たちは、ちょっと残念そうだ


「どこの町だか、さっぱりわからないな」

「立派な駅だと聴いたんじゃが」


などと。


下りて見ると、混雑するのは
神様でも同じだ(笑)。


エスカレーターを、片側開けているので
いかにも、傲慢な人達の
虚栄心をそそるかのように見える空間である。



そこを、階段のように上っていく者どもは
どうも、攻撃性障害があるような
顔つきに見える。


「まず、心の病を直すべきなんだろう」と
ドイツの神様は、薬学的に彼等の癒そうと
考える。

心の回路のなかは論理的なので、当然だが
行動に至る回路は、弁別である。


それを司るのは、ケミカル、薬である。



心の回路を直接制御し、興奮に至っている、つまり

エスカレーターでは歩かない、と言う決まりを
破る事で快感に至っているその思考、根源にあるのは

過去にあった被虐からの痛みを覚えているその
記憶回路を遮断し、記憶を消去する。



そうすると、人間的な感覚が蘇る。


ついさっきまで、その痛みを忘れるために
現実から離れよう、感じる事を避けようとしていた
心が、動作を始める。



文学的に、心ない人達、なんて言われる一部には
こんな人もいる。

魔法使いルーフィ

ヒッグス
粒子のように、世の中には摂理がある。
それを、見出だす事ができれば


ひとも、争いあう必要もなくなる。

欲望のために、ほかの国を侵略する事も
必要なくなる。


だから、いつも掌コンピュータで
損得を気にして、びくびく生きなくてもいいのだ。



めぐの神様は、とりあえず対処治療で
欲望を抑えようとした。


それもひとつの方法。


でも、欲望を過剰に持たなくても

十分に、幸せに生きて行けるとすれば
それは、誰もが望むものではないだろうか?



ヒッグス環境を制御する事が出来れば
宇宙そのものをエネルギー源にする事すらできる。



めぐが、簡単に空を飛べるように


それは、クリーンな無尽蔵エネルギー。


原子力など問題にならないほどの膨大エネルギーである。




それが手に入れば、E=MC2の通りの
エネルギーが使える。


もう、侵略の必要もない。


それに、どんな物質でも作り出せる。


齷齪せずとも、誰でも楽しく生きていけるのだけれど


その事に、この時


神様ですら気づいていなかった。




不条理だが、世界は
そんなふうに変わって行くのだ。


気づいた者は、争いをせずに
新しい世界へ移住する。

654 魔法使いルーフィ

即ち、E=MC2のエネルギー、それが
M、質量と、C、光の速度にどうして関係しているか、と言う
その理由がヒッグス粒子で


光の速度で動き続けようとする粒子に
ヒッグス
粒子が、環境のように影響するので
速度が落ちる。その様が
質量を持った重みのように見える、と言う訳だ。


めぐの飛翔魔法で言えば、F=mgh、そのmが
あるかのように見せているのが、ヒッグス
粒子である。


その環境を、魔法で自在に操れば
F=mghのF、重力加速度も自由に操れる。



質量、即ち万物の起源。

それがなければ、光速度で永遠に走り続ける粒子は
宇宙を作る事もなかった。




そんな事を意識する事もなく、めぐたちは
楽しく過ごしている。



でも、魔法を使わなくても
ヒッグス環境は、どこにでもある。

653 魔法使いルーフィ

神様たちの憂鬱(笑)を
知らずして
めぐたちは、のんびりと朝を過ごす。


リサはといえば、ロックンロールした夢
そのものは忘れていて

でも、爽快感だけが心に残り


それは、あたかも
理論物理学上で、ヒッグス
粒子の存在が


世界を驚かせ、研究者たちには
世界観が一変してしまっていても


それを意識しないひとには、何等
変わりない日常が続くような
そんな事に似ている。




夢は、忘れてしまって良いのである。

それで、心がリフレッシュできるための


機能なのだから。






めぐも、地上に戻る。

質量が見かけ上、ゼロになっていた
空間上のめぐが、量子物理学的に言えば
ヒッグス粒子を雰囲気に纏い、質量を得て
地上に舞い降りる。


もちろん、原子の個々に
それが起きているのだけど。



それを観測するには、巨大な加速機械が必要だ。




魔法だから、それを簡単にやってのける。



古い魔法も、新しい技術も
している事は大差なかったりする(笑)。

652 魔法使いルーフィ

「でも、どうしてアメリカと日本に多いんだ?欲望過剰なやつ」と、アメリカの神様。



「たぶん、あのすまほ、とやらのせいだ。」と
ドイツの神様は言う。




面倒な、人間の性質を見越した神様らしい見解だ。


人間は、長い歴史の中で
環境に合わせて生きてきたから
コンピュータ端末に始終適応してしまうと
何が起こるだろう?




いつも、文字と画像、せいぜい映像から
現実の立体的なイメージ、3次元の空間を
想像する。


目の前にある3次元空間とは違う、と言う事なのだけれど


それはつまり、視聴覚を多重に使う事であるし

頭の中で、いくつものイメージを同時に想像する事だから



これは、結構疲れる作業だし

その刺激が無くなった時、


そうして、沢山の事を記憶した中の事が
いくつもの世界をイメージさせてしまうから



多弁になるし、統合性に欠ける連想が増えてしまう。





年齢は若くても、高齢のひとによくある
認知症のようなひとが増えて来てしまう。



そういう人々に、よく見られる症状が
欲望を強く持ち、排他的になる、と言う事だ。


統合性が取れなくなるので、思考がまとまらず
結局、欲望だけは生き物だから残る。



厄介な性質だが、生き物だから仕方ない。





ただ、インターネットを統合的に使っていると
何もなく過ぎる。



もともと、関連性のある情報だけを
見るなら、それに統合はもともとあるからだ。

651 魔法使いルーフィ

それで、リサは生きる目標を見失ってしまって。

遠い、おじいちゃんのお墓のあるbluemorrisまで
旅してきた。


めぐたちは、追っかけて来た(笑)


そんな話になってる。




神様は、リサの住む国の鉄道、郵便局を
歪んだ欲望から守る為に


どうにかしようと思って。



いま、アメリカ、ドイツ、フランスの

神様は



「そうだな」と
思ってる。



「まあでも、日本の話は特殊だな。
多民族国家だし。
もともとの日本人って、単一じゃないだろ?
」と、アメリカの神様。



アメリカと同じだよ、と笑いながら。





「日本は別にして、わしらの国へ侵略してくる
のを止めさせたい。」と、めぐの国の神様は、主旨を述べた。


いいけど。でも、どうやって?

神様みんなが言う。

それは

650 魔法使いルーフィ

アメリカの神様は、疑問を持つ。

「自由を愛する合衆国民衆に、そんなものは
居ないだろう。つい先日も黒人が大統領になったばかりだ」と、言う。



それはそうだろう。国民の総意なんてない。



歪んだ欲望がある人々が、決まりを守らずに
欲望を充たそうとするのだ。




「なるほど。欲望を抑止するのは正しいようだな」と、ドイツの神様。



それで、めぐの国は平和になった。




でも、リサのおじいちゃんの国鉄や
naomiの郵便局を、ジャパニーズの後の
征服先にと
世界の投資家が狙っていると言う訳、だ。



それで、リサは悩んだ、落ち込んだ。


おじいちゃんの鉄道がなくなってしまう。

そう思ってた。