ガラス工房「ほのお」さんを出て西へ、出町方面に向かいます。

 

出町ふたばさんにほど近い、

駐車場に車を停め出町橋を渡ると

鴨川デルタ内から北へV字に延びる

2本の歩道があります。

 

そのうちの一本、

東側の歩道を北に向かって

歩いて行く先にあるのが「下鴨神社」。

 

三つめの目的はちょっと遅めの「初詣」です。

 

 

三が日過ぎたら人もまばらかも?

 

と思っていたのですが

参道は参拝の方々で大賑わい。

 

やっぱり有名どころとなると違うなぁ・・・

旧三井家下鴨別邸を横目に

そんなことを考えながら歩いていると

 

右手建物の前でお客様に

一生懸命何かを説明する

学芸員風の男性が目に入りました。

 

その方の近くにある

『鴨長明「方丈記」完成八一〇年資料展』

という立て看板を見て

とっさに拝観する気持ちに。

 

鴨社資料館・秀穂舎①

 

というのも

下鴨神社にお参りする途中、

 

摂社の河合神社内にある

鴨長明が「栖」(すみか)とした

実物大の「方丈庵」。

 

ゆっくり拝見しながら

彼の生涯に想いめぐらせようと

何度も読み返している文庫本まで

持参していたので、なんという偶然!

少し驚きです。

 

鴨長明著・方丈記文庫本

 

 

  この建物は「鴨社資料館・秀穂舎」といって

 

昔、このこの辺り一帯、下鴨神社の神職の方々が

住む社家が建ち並んでいたようで、

現存しているニ軒のうち一軒がこの建物。

 

鴨社資料館・秀穂舎②

 

館内は撮影禁止のため

学芸員の方に説明案内を受けながら

神職の方々の暮らしをアレコレ想像したり、

貴重な方丈記に関連する文献など

ゆっくり拝見せて頂きました。

 

特に印象深かったのは、

鴨長明と子供が描かられた告知ポスターの絵。

(なんやー館内の文献や調度品ちゃうんかい!)

 

鴨長明「方丈記」完成八一〇年資料展のポスター

 

神職の出世路線から外れ、

悲嘆に暮れた長明が出家。

 

日野(京都市伏見区)の山中に

方丈庵を建て隠遁生活を送るなか、

 

寂しさを紛らわすために、

山の管理人の息子と時々戯れる。

という様な内容の文脈があります。

 

なるほど・・・

 

それを描いたものだとすぐに理解しました。

 

ただ、私が引き込まれた理由は、

 

描かれている彼の表情を観ればみるほど、

当時の長明の心中を

隅々まで想像し、解釈した上で、

つぶさに表現されている。

 

少ない描写線からそんな絵師の

長明に対する想いが読み取れ、

深く感じ入ったからです。

 

あ、それとこちらのパンフレットに

鴨長明(かものながあきら)と記載されていたので、

学芸員の方に本当の読み方は(ちょうめい)、

(ながあきら)どちらですか?と聞いたところ

「ながあきら」ですというお答え。

 

帰宅して調べてみるとやっぱり本来は

「かものながあきら」が正解の様で、

「ちょうめい」は有職読みといい、

名前を中国風に気取って音読みにする

ことらしい。

 

また、日本では古来から

他人が名前を訓読みすることを控えて

音読みにするといった慣習があるのだとか。

伊藤博文(いとうひろぶみ)を「いとうはくぶん」

と呼ぶようなもので、

 

へぇー、また一つ勉強になりました。

 

下鴨神社参道

 

さて、秀穂舎を出て参道を北へ上がると

直ぐに美人の神様、河合神社に到着です。

 

河合神社

 

手を清めて境内に入ると、

 

あれ?・・・

 

原寸大の方丈庵がない! 

 

河合神社境内

 

調べてみると現在、

移設のために展示されていないようで、

 

残念ながら方丈庵を観ながら

想いをめぐらせるのはお預けとなりました。

 

(行き当たりばったりの性格で

いつもこうなる・・・泣)

 

 

  気を取りなおして参道の糺の森を北上

 

糺の森

 

下鴨神社の鳥居

 

下鴨神社の

 

楼門をくぐると舞殿と神服殿を取り囲むように

にたくさん人が集り。

そしてTV局のカメラさんも来ています。

 

神社の方に何が始まるのかをお聞きすると、

 

『蹴鞠(けまり)初め、もうすぐ始まりますよ。』

 

とのこと。

 

なるほどー。

(あんた、京都観光検定2級なら覚えとけよー!)

 

しかし今から、

蹴鞠をひとめでも観ようという

人集りの最後列より観るのは非常に困難。

 

ならばいっ時でも貴族の雰囲気を

味わってみたいと観覧料をお支払いし、

一段高い場所から観覧できる

神服殿に案内頂きました。

 

神服殿から見る蹴鞠初め

 

日本では1400年以上の歴史がある

蹴鞠(本来「しゅうきく」と読むらしい)。

 

中大兄皇子が参加する蹴鞠の会での

中臣鎌足との出会いがきっかけとなり、

後の乙巳の変に繋がっていったのは

あまりにも有名な話。

 

そんな古から続く

貴族の雅な遊戯を現代に残そうと

創設100年余になる「蹴鞠保存会」の方々が

定期的な行事ごとに蹴鞠を公開されているようで、

年の最初のお披露目が1月4日、

下鴨神社の蹴鞠初めです。

 

蹴鞠初めの作法

 

蹴鞠初めの

 

2023年下鴨神社の蹴鞠初め

 

特別な作法や製束など決まりごとが

たくさんあるらしのですが、

興味のある人は少ないでしょうから

ここでは省略します。(笑)

 

そうこうしているうちに

蹴鞠が始まったのですが、

観覧しながら疑問に思ったことのひとつに

「鞠」ってどんな素材で作られているのか。

 

蹴鞠初め①

 

蹴鞠初め②

 

蹴鞠初め③

 

後で蹴鞠保存会が作っている

パンフレットで確認すると、

 

直径20㎝で丸くなるように裁断した

2枚の鹿革の毛の方を内側にして、

馬の背筋の革で綴じる。

 

その後、

大麦の殻粒を入れて丸く形を整え

顔料と卵白を外側から塗り付けて固定。

最初に設けてあった小さな穴から

殻粒を抜いたあと、その穴を綴じて完成。

 

中は空洞なので重さは何と120gだそうです。

 

なるほど、だから蹴り上げると

あんなに高く飛ぶんですねぇ、納得です。

 

様子を動画にでUPしていますので

良ければご覧ください。

 

 

 

そういえば、

私の前で観覧されていたおばちゃん。

 

「フットサルやってる

孫の方が上手やでーなぁ、

そう思うやろ?」

 

とお連れの方々に必死になって

何度も繰り返し言ってたのが

とても面白かったなぁ・・・(笑)

 

1時間ほどゆっくり貴族の雅な遊びを拝見し、

非日常な気分にさせて頂きました。

下鴨神社さん、ありがとうございました。

 

 

 

  参拝して下鴨神社を後にする頃に、

 

なんかお腹空いたなぁーと感じて、

時計を見ると、なんと15時!

 

お昼ご飯も食べずに次々と

あれこれ寄り道していたらもうこんな時間に。

 

いつもなら車を置いた駐車場近く、

出町枡形商店街にある満寿形屋さんで

「鯖寿司・うどんセット(1,100円)」

(鯖寿司が私の好みでリーズナブル!)

を頂くのですが、お正月と水曜定休日が

重なり残念ながら断念。

 

鯖街道は花折下鴨店の暖簾

 

京都家庭裁判所の対面近くにある

花折・下鴨店さんで

「鯖寿し膳(2,400円)」

(私にちょっとお高い)を頂きました。

 

花折・鯖寿し膳

 

 

 

  これで今回の「2023年、京都日帰り一人旅」は打ち止め。

 

最後は葵橋から北側の「賀茂川」を眺めながら。

(北を向いて左側を流れる「賀茂川」と

右側の「高野川」が出町デルタ付近で合流して

皆さんご存じの「鴨川」になります。)

 

今回の旅はいろいろ偶然な出来事も

重なってとても面白かったです。

 

葵橋からみる賀茂川

 

挫折と絶望を重ねてきた

人生経験を原動力ににして

鴨長明が書き上げたのが

日本三大随筆のひとつ、「方丈記」。

 

当時58歳。

 

偶然にも今の私の年齢と同じです。

 

手元にある文庫本を繰り返し読むたびに、

彼と身分や境遇など全く違えども、

これまで私が歩んできた人生と

現在おかれている立場が

何となく近しい感覚に襲われ、

心の中を整理する意味でも訪れた京都。

 

短時間でしたが

とても有意義な旅となりました。

 

私の中では長明が生きた時代と同様、

「コロナ」「戦争」「不景気」等々

混とんとした世の中が

まだまだ続くと予測しています。

 

こんな時こそ自分の心身を整え、

方向性がキッチリ定まったら

周りに流される事なく目標に向かって邁進する。

 

今年は公私共に

そんな気持ちで頑張りたいと、

葵橋の上で誓いました。

 

最後に方丈記の書き出し文を

記してこのブログを終わります。

 

ゆく河の流れは絶えずして、

しかも、もとの水にあらず。

 

よどみに浮かぶうたかたは、

かつ消え、かつ結びて

久しくとどまりたるためしなし。

 

世の中にある人と栖と、

またかくのごとし。

【鴨長明著 方丈記より抜粋】

 

最後までお付き合い頂き

ありがとうございました。

 

次回からはいつも通り、

害獣防除の記事に戻りますので、

本年も『害獣駆除・アスワットの奮闘記』

をよろしくお願いします。

 

ベルあわせて読みたい関連記事ベル

 


 

アスワットの仕事ぶりをお客様が評価!

アスワットのGoogleクチコミは

こちらをクリック!

下矢印

アスワットのGoogleクチコミ

 


 

にほんブログ村に参加しています!

クリックしていただければうれしいです♪

下矢印

にほんブログ村 住まいブログ 害虫駆除・害獣駆除へ
にほんブログ村

 


 

ベルテレビなどの出演履歴はコチラベル

下矢印

 


 

ベル鳥獣管理士準1級の福永健司が運営するアスワット公式HPベル

下矢印

アスワットHPバナー大

 


 

四角グリーン害獣駆除専門  アスワット テレビCM四角グリーン