皆さま、こんにちは！
今日は５年前に訪れた宇部線から
居能（いのう）駅の訪問記です。
小野田線の起点駅なので、
未訪問でありながら
駅名だけは知ってるって方も多いのではないでしょうかね？
ちなみに居能駅を始発・終着とする
小野田線の列車は無く、
すべてがお隣の宇部新川駅を始発・終点にしてました。
居能駅の歴史はとても複雑でして、
宇部線・小野田線の前身である宇部電気鉄道の手により
昭和４年に停留場として開業。
昭和13年に現在地に移転の上、
駅に昇格したそうですよ。
ということは、停留場時代の居能駅は
現在とは別の場所にあったというワケでして…
下は国土地理院のサイトから転載した
昭和22年撮影の航空写真ですが、
この中に初代駅らしきモノが写ってるのでしょうかね？
なお、居能駅から西方、
画像の下側に大きくカーブしているのは
昭和28年版専用線一覧表によれば
山陽化学工業宇部工場に伸びる専用線とのこと。
駅が移転したのは専用線の開通が
大きく関係しているのではないでしょうか？
現在の駅舎は昭和31年に竣工したモルタル造りのモノです。
先代の駅舎はわずか18年で
建て替えられたということになりますけど
何が起きてたのでしょう？
ホーム側の工場群とは一変し、
駅前には住宅が立ち並んでました。
それでは駅舎内を眺めてみましょう。
居能駅は平成14年に無人駅に変わりましたが、
それまで使われていた出札窓口が
塞がれずに残されてました。
荷物の取り扱いが行われていた形跡がありますけど、
宇部線・小野田線って
荷物電車が運行されてましたっけ？
待合所は意外に広く、
奥にはまるで戦前に造られたようなベンチが置かれてましたよ。
続いてはホームにイン。
相対式＆島式ホームによる複合２面３線構造です。
２本のホームは跨線橋で結ばれてました。
このホームには
ちょいと気になる点がありまして…
通常は番線の番号は駅舎が付番されますけど
居能駅は逆なのです。
駅舎寄りにあるホームが４番線で
以下、島式ホームが３・２番線、
ホームはありませんが、その隣が１番線でしたの。
このように番線が付番された理由は
定かじゃありませんが、
居能駅は昭和４年に
宇部港駅（平成26年廃止）方向に伸びる区間の
中間駅として開業してます。
現在の宇部線ルートである
居能駅から宇部新川駅までの区間が開通したのは
のちの昭和27年のこと。
居能駅から宇部港駅方向に伸びる区間は支線となり
昭和24年に貨物線に変わりました。
以来、宇部港駅方向に向かう貨物列車は
ホームの無い１番線、
島式ホームの２番線から発着していたそうです。
あくまでも個人的な憶測ですが、
先に開通した宇部港駅にに伸びる線路側から
番線を付番したのではないかなぁと。
古い書籍を見ると
国鉄時代は駅舎側から番線が付番されてる記載もありますので、
諸説アリで留めておいてください。
構内に広がっていた側線群は
草むらの中で今も残されているみたいですね。
ホームの北端に有人駅時代の名残である
緑十字の像がありました。
ホームの北端で
宇部線（右側）、小野田線（左側）が分岐する様子を
見ることが出来ます。
この分岐、現在は線路が複雑に絡み合ってますけど、
昭和22年撮影の航空写真を見ると
当時は単純な分岐だった模様。
昭和23年～27年にかけて
貨物の輸送量を増強することを目的とした
宇部線の改良が行われてますので、
分岐付近もこれを機に大きく変わったのでしょうね。
最後は居能駅の構内の様子で〆ますが…
しつこいですけど、
開業当時の居能駅はどこにあったのでしょう？
古い書籍を見ても、
それらしい記載が全然見つからんのですよ。
ご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください。
↑（新山口駅方面）
宇部新川駅
居能駅（平成31年１月９日）
↓（宇部駅方面）
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