Portrait of Jennie

ニューヨークの貧乏画家エベン・アダムスはセントラルパークで不思議な少女ジェニー・アップルトンに会った。記憶に頼って彼女の肖像画を描いたが、思いがけずも良い評価を得た。
ジェニーの行方は分からなかったが、またセントラルバークで出会った。ジェニーの肖像画を描く約束をしたが、ジェニーは現れなかった。
突然ジェニーが現れ絵を描き始めたが、途中でジェニーは姿を消した。だが肖像画を仕上げた。


映画関連目次(闇雲映画館)

製作年:1948,監督:ウィリアム・ディターレ,脚本:レオナルド・ベルコヴィッチ,ポール・オズボーン,ピーター・バーネイズ,ベン・ヘクト,デヴィッド・O・セルズニック,原作:ロバート・ネイサン


■ はじめに

◆ 登場人物

エベン・アダムス(ジョゼフ・コットン) 画家
ジェニー・アップルトン(ジェニファー・ジョーンズ) 不思議な少女
マシューズ(セシル・ケラウェイ) 画商
ミス・スピニー(エセル・バリモア) マシューズの知人
ジェケス夫人(フローレンス・ベイツ) 家主
マザー・メアリー・オブ・マーシー(リリアン・ギッシュ) 修道女長
 


■ あらすじ

◆ 貧乏画家

エベン・アダムスはニューヨークに住む貧乏画家。

アパートの家賃の支払いも滞っており、家主のジェケス夫人から催促されている。

だが、いつもながら彼女は微笑んでおり、エベンの状況を理解しており、さほど強硬な措置は取ってはこない。

一生懸命に描いた力作を付き合っている画商のマシューズに持ち込んでも、なかなか良い値段をつけてもらえない。

◆ ジェニーと出会った

ある日、セントラルパークに出かけた。

そこでジェニー・アップルトンという少女に出会った。少しばかり話をした。

ジェニーは、まだ若く、そして粗野な感じの少女であった。

ジェニーは無邪気な表情で話しかけた。少しばかり話して彼女は立ち去った。

彼女を見送っていたが、ほんの少し景色を見て、視線を戻したところ、ジェニーは消えていた。

◆ ジェニーの肖像画を描いた

今までエベンは風景画や静物画を描いてきた。

まだ少女で、洗練されていない雰囲気ではあったが、絵心を刺激されたエベンは記憶に頼ってジェニーの絵を描いた。

その絵をマシューズの店に持ち込んだ。マシューズや店にいたミス・スピニーもその絵を気に入った。

マシューズは、今までエベンには提示したことがない価格で買い取った。

エベンは運が向いてきたと感じたが、ジェニーがどこにいるかも知らない。

◆ 再びジェニーと会った

冬になって、セントラルパークに出かけた。ニューヨークの冬は厳しく池が凍って、みんなはスケートを楽しんでいる。

エベンも普通の靴ではあるが、スケートを楽しんでいた。

そこになんとジェニーが現れた。驚いて滑ったエベンを見てジェニーは笑った。

さらに驚いたことに、ジェニーは前に会った時に比較して、綺麗な大人びた女性になっていた。

さっそくエベンはジェニーの絵を描くために、自分のアパートに来てくれるように約束を取り付けた。

◆ ジェニーは修道院へ?

だがジェニーは約束した日に現れなかった。

エベンはジェニーの両親がいると聞いていた劇場に出かけた。

だが劇場は閉鎖されてなくなっていた。そこにいた人に聞くと、ジェニーは修道院に入れられたとの驚くべきことを聞いた。

◆ ジェニーが現れた

夏になった。突然ジェニーがエベンのアパートに現れた。

前回よりもさらに成熟し、洗練された感じの女性になっていた。

エベンは大喜びでジェニーの肖像画を描いた。

作業は順調に推移していったが、肖像画が完成する前にジェニーは姿を消した。

エベンはジェニー不在の状況で肖像画を仕上げた。

◆ ジェニーは死んでいた?

完成した肖像画は、大きな評判となって、エベンは言ってみれば画壇の寵児となった。

エベンはジェニーがいると聞いた修道院に出かけた。

そこでまたジェニーについての驚くべき話を聞いた。

ジェニーは1920年のニューイングランドを襲った津波で溺死したとのこと。

◆ ジェニーの実在性?

エベンはジェニーが溺れたという岬に来てボートで漕ぎだした。

だが猛烈な風が吹きつけて岸にたたきつけられた。命がけで岸に這い上がった。

そしてジェニーが乗ったボートが近づいてくるのを発見した。

ジェニーを助け上げたが、大きな波が襲いかかって二人は飲み込まれた。

嵐が収まってエベンは気が付いた。そこにはジェニーはおらず、また誰一人としてジェニーの存在を認識していなかった。
 


■ 出演作

ジョゼフ・コットン
(1941)市民ケーン/Citizen Kane
(1944)ガス燈/Gaslight
(1944)恋の十日間/I'LL BE SEEING YOU
(1949)第三の男/The Third Man
(1950)旅愁/September Affair
(1953)ナイアガラ/Niagara
(1964)ふるえて眠れ/Hush... Hush, Sweet Charlotte
(1977)エアポート'77/バミューダからの脱出/Airport '77
(1953)殺人の青写真/Blue Print For Murder
<1950)追いつめられた男/Walk Softly, Stranger
(1943)恐怖への旅/Journey into Fear
(1956)殺し屋は放たれた/The Killer Is Loose
(1958)宇宙冒険旅行:地球から月へ/From the Earth to the Moon
(1958)黒い罠:凄腕の警部/Touch of Evil
(1943)疑惑の影:二人のチャーリー/Shadow of a Doubt
(1947)農家の娘/The Farmer's Daughter