アニメの『葬送のフリーレン』を見て「おお!!」と思った話をもう一つ。

目立たず生きることをすすめている。
珍しいかも…!




おそらく現在の中年以上の年齢だと思うのだけど、それくらいの年齢の人の多くに「BIGになる」という言葉や姿勢が染み込んでいるようなんだ。


矢沢永吉氏(1949年生まれ)という大人気の方がいる。
その方の金言の一つに「絶対BIGになってやる」がある。

参考:
引用させてもらうよ。

“【デビュー50周年 矢沢の金言(3) 】

極貧の少年時代に味わった屈辱を機に生まれた「絶対BIGになってやる」という誓いの言葉は、野心むき出しで芸能界に現れた矢沢永吉を象徴した。


「BIGになる」という極めて抽象的で、日常で使うと眉をひそめられかねない言葉が、なぜ成功を夢見る若者たちの指針となったのか。それは矢沢が日本のロックシンガーで初めて長者番付1位(歌手部門)になるなど、感覚的だった「BIG」を生々しく体現したからだろう。実際1978年に発表し、100万部を超える大ベストセラーとなった初の著書「成りあがり」にも副題に「How to be BIG」とある。 


そもそも「成りあがり」だって本来は卑下する言葉なのに、矢沢が放つとどんな言葉でも昇華される。誰もマネできない、矢沢の唯一無比のパワーだ。


20世紀を代表する米エンターテインメント界の帝王、フランク・シナトラ(98年他界、享年82)に次のような名言がある。


「The best revenge is massive success」(最高のリベンジとは圧倒的な成功を収めること)


 2人の言葉には共通点がある。それは、リベンジの相手には目を向けず、自分の才能やスキルを磨くことに注力し、成功へまっしぐらに突き進んだことだ。”


引用おしまい。

紹介してあったのはこの本だね。



「BIGになる」というのは、成り上がる精神だったのか!


申し訳ないことに、私は矢沢氏をよく知らない。

でも「えいちゃん」と呼ばれて すごく愛されている雰囲気は感じている。




矢沢永吉氏は、私の父と近い年齢だ。

矢沢氏に熱く憧れた人は とっても多いみたい。


すると、私の親世代くらいの世代と このみなさんに育てられた私(1985年生まれ)くらいの世代は、「BIGになることを目指すものだ」というのが かなり強く染み込んでいる可能性がある。


たしかに私の育ってきたこれまでを思い出すと、子供の頃から「夢はでっかく!」みたいな言葉が 当たり前のように言われていた。

私もそういうもんだと思っていた。





しかしです。

今、大人気の作品の中で「目立たず生きろ」が示されている。

これを見て「へえ!」と思ったんだ。


主人公フリーレンはものすごく強い魔法使い。

強いことをあえて見せずにいることで、敵(魔族)は油断する。

その油断が魔族たちの命取りになる。



もう一つ、私の好きなアニメの『無職転生』の主人公も、得意な魔法は「泥」だ。

炎でも水でも光でも稲妻でもなく、チート的な能力でもなく、泥。

これも地味といえば地味だ。



「誰から見ても分かるような、みんながアッと驚くような、すんごいヒーローにならなくてもいい」が示されているのかもしれない。


そんなふうに 思うのだよ。

どうだろう?





「すごくならずとも、今の この自分のまま、幸せを感じることができる」を うれしく感じられる人が増えてきたあらわれかもしれないね。


成長や拡大は、いいことの代名詞のように思って そんなふうに言いがちです。


でも、成長や拡大を目指すばかりでは危険なこともあるんだ。




この前、この動画を紹介したね。

「なぜ社会に必要な仕事をしているエッセンシャルワーカーの給料が低いのか?」


そのときに書いたブログ記事

「お金システムの場を支えるのに絶対に必要な、お金になりにくいこと」


でっかく成長しようとするばっかりでいることの弊害の一例として。

(まぁ、成長にもいろんな方向性があるから、一言で「でっかく成長」と言っても 社会的・金銭的・知名度的な方面とは限らないのだけどね)





フリーレンは「目立たず生きる」だけど、ここぞというときにドカーンとやることには抜かりない。

目立たないことが目的というわけではないから。

目的のために、目立たず生きることを使っている感じだ。


悪目立ちして へんに目をつけられて 因縁やイチャモンつけられてもイヤだからね。

“有名税”という言葉もあるくらいだからなぁ。



今まで「BIGになる」が強かったぶん、

「目立たず生きる」のよさにも 気づくことができやすい時間なんだろう。




BIGだからよいのでもなく

目立たないからよいのでもなく

私が私だからよくて

あなたがあなただからいい。


そんなごくふつうのことを改めて分かるために、これまでとは反対の「目立たないこともいいよね」が出てきているのかもしれないな と思ったよ。





戦略のための目立つ・目立たないだったけれど、いつか戦略そのものがいらなくなるときも くるんだろうね。いつか。


私たちは今 進化の時間にあり、進化するとシンプルになるから。





[フリーレン関係のブログ記事]






こんなすごい作品が大流行していて、とてつもない考察もたくさんで、私はたまげているよ!


作り手さんも、解読する人も、本当にすごい!




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これは前から書こう書こうと 下書きになっていた話。
今、下準備中の占いで まさにこういう感じのサビアンが出てきて、いい機会だったのでした。

フリーレンの、「魔力を制限・調整してうまいことやる」の様子。