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久しぶりに経済の話です。
4-6月期のGDP速報は実質で6期連続プラス成長となったが、その報道を受けてツイッターで次のようなつぶやきが目に留まった。
日本人の勤勉さは否定しないが、高齢化が進む中でもある程度成長出来ている大きな要因はアベノミクス効果だろう。とはいえ、個人消費など力強さがもう一つ足りないのは、デフレから脱却仕切れていない時期の消費増税と共に人口問題も影響している。
人口減、高齢化に関しては次のようなつぶやきもある。
我が国の経済政策を考えるときにこの認識は重要だ。
人口減デフレ原因説のように、金融政策の間違いなどその他の要因を無視するのはトンデモだが、人口減少・高齢化が我が国の経済成長の足かせであることは間違いない。
また、アベノミクスというと金融政策と財政政策に目が向きがちだが、人口オーナスに対応する政策として成長戦略の役割は結構大きいと思う。一般には中身がわかりにくい政策の集合体だが、人口減少のなかで成長力を確保するためには必須の戦略だと考える。
もちろん、経済には適切な金融政策と財政政策は必須であり、時には景気を刺激するための思い切った政策も求められる。しかし、持続的な成長を続けるためには、同時に労働参加率や生産性の向上を図ることは重要だ。
ただ、一口に「成長戦略」といっても、実際には多様な政策が集まったものだから素人の手に余る。そこで、人口減少と関連の深い就業率の変化に絞って指標を確認すると、アベノミクス開始以降、生産年齢人口(15~64歳)が減少するなかでも就業者が増えていることが分かる。
アベノミクスで就業率がどれだけ伸びたのかを年齢別・男女別にも見ておこう。
全年齢で就業率が上がっているが、特に目立つのが子育て世代の女性と60代の男女の伸びである。これらの主な要因がアベノミクスによる景気回復であることは間違いないが、生産年齢人口がどんどん減る中で就業者が増えた理由はそれだけではない。
安倍政権では若者、子育て世代の女性、高齢者だけではなく、障害者、ニート、生活保護者などがより多く就業できるように取り組んでいる。人口減少による人手不足もあるが、経済対策やこのような取り組みの総合的な成果が人口減少下での就業者数の増加なのである。
例えば、成長戦略の中には女性が輝く日本をつくるための政策である「待機児童の解消」「職場復帰・再就職の支援」「女性役員・管理職の増加」という政策がある。
女性が輝く日本へ(官邸ホームページ)
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/women2013.html
この中で「待機児童の解消」策として、政府は企業内保育所、認可保育所などで規制緩和や補助金制度など、様々な具体策を実行している。
その結果、保育所の定員数も利用者数も大きく伸びた。
「保育所等関連状況取りまとめ(平成 28 年4月1日)」
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11907000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Hoikuka/0000098603_2.pdf
これも含めた子育て世代への支援策が就業率向上に大きく貢献したことは間違いない。
成長戦略にはもっと将来をにらんだ様々な政策がパッケージされており、当面は人口減少を就業率の向上でカバーしつつ、AIやロボットの活用などで生産性の飛躍的な向上を目指しているのである。
成長戦略に含まれるこれらの政策がGDPにどのように貢献したかを測るのは難しいが、その中では観光立国政策による成果は数字にはっきり表れている。
訪日外国人消費動向調査
http://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/syouhityousa.html
昨年の訪日外国人数は2012年の約3倍、その消費額は3.4倍に増えている。
また、今年の上期(1~6月)の消費額は2兆456億円に達しているから、昨年同様後半もほぼ同額とすると本年通期では年額4兆1000億円程度が見込めることになる。
つまり、訪日外国人旅行消費額2012年に比べて3兆円も増える計算になる。これは消費税で言えば3%分に相当する数字であり、GDPの増加にも大いに貢献している。
尚、外国人旅行者の消費はGDPに貢献しないというトンデモ専門家もいるが、それはウソだ。
他にも農業、水産、林業など1次産業の6次産業化などでも成果は表れてきており、成長戦略は徐々に経済成長に貢献し始めている。金融政策や財政政策のようにすぐに株価に反映したりしないが、人口減少の中でも持続的な経済成長をするには絶対に必要な戦略なのである。
(以上)
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