Xには時折、「イベルメクチンはがんに効く!」と斜め上に突き抜けた主張をされる方がいらっしゃいます。

 

そして中には、「科学的根拠が有る!」と強弁されます方も、いらっしゃいます。

 

その一例が、こちらになります。

 

元となっております研究論文は、こちらになります。
 
整理してみましょう。
 

① この研究は何を調べたのか?

対象は転移性大腸癌(mCRC)患者です。
 
研究の構造は非常にシンプルです。

 

つまり、

  • 「標準治療+メベンダゾール」vs「標準治療+プラセボ」

を比較しましたRCTです。

 

したがいまして、メベンダゾール単独の抗癌効果を調べた試験ではございません

 

② 患者選択…97人が適格性を評価され、そのうち33人が除外されている

論文に記載されている除外理由は、

  • 参加拒否…6人
  • メトロニダゾール使用…7人
  • 骨髄抑制/好中球減少…8人
  • コントロール不能な高血圧…2人
  • 65歳超…4人
  • 肝・腎機能不良…6人

です。

 

したがいまして、

  • 97人 → 33人除外 → 64人

となっています。

 

そして論文はその後40人を最終的なRCT対象として扱いまして、20人ずつにしていますが、64人から40人へと24人が減りました根拠につきましては、公開本文だけでは経緯が十分明瞭ではございません

 

③ この論文から言えること

◎ メベンダゾール追加群で、大きな治療反応の差が観察された

  •  ORR 65% VS 10%

です。

 

しかも単なる観察研究ではなく論文上は 、

  • randomized(ランダム化)
  • double-blind(二重盲検)
  • placebo-controlled(プラセボ対照)

のRCTです。

 

したがいまして、

  • メベンダゾールに抗腫瘍作用がある可能性を示す臨床シグナル

としては、かなり興味深い結果です。

 

◎ PFSについても大きな差が観察された

3か月 vs 9.25か月 ですので、

  • 単に一時的に画像上の奏効が増えただけ

とも言い切れません。

 

少なくとも、この試験では無増悪期間にも大きな差が観察された事は重要です。

 

◎「標準治療への上乗せ効果」を示唆した

ここは表現として非常に重要です。

 

この研究が示唆しております事は、

  • メベンダゾール+FOLFOX4+ベバシズマブが、FOLFOX4+ベバシズマブより良かった可能性

です。

 

したがいまして、「メベンダゾール単独で大腸癌を治療出来る」という証拠ではございません

 

 ◎ メベンダゾールはこの試験では比較的よく忍容された

論文ではメベンダゾールはwell toleratedとされています。

 

したがいまして、

  • 既存薬なので、抗癌剤との併用を検討する価値が有る

というdrug repurposingの仮説を支持する材料にはなります。

 

④ 一方で言えないこと

ここがむしろ重要です。

 

◎「メベンダゾールは大腸癌に効く事が証明された」とは言えない

理由は、

  • n=40

だからです。

 

しかも、単一の小規模RCTです。

 

◎「奏効率65%が一般的に期待出来る」とは言えない

「65%」という数字は、この研究のメベンダゾール群20人中13人という観察値です。

 

しかも20人しかいません。

 

したがいまして、

  • メベンダゾールを使えば65%の患者が奏効する

一般化する事は不適切です。

 

◎「メベンダゾールによってPFS(無増悪生存期間)が9.25か月になる」とは言えない

9.25か月はこの20人で観察された中央値です。

 

別の集団では全く違う可能性がございます。

 

◎「生存期間が延びる」とは言えない

これは特に慎重にすべきです。

 

PFSは改善しましたが、OSの有意な改善は確認されていません

 

がん治療におきまして、

  • 腫瘍が縮む → 増悪までの期間が延びる → 最終的に寿命が延びる

同じ意味ではないのです。

 

メベンダゾール単独の効果

これは全く検証していません

 

全員が、

  • FOLFOX4+ベバシズマブ(抗がん剤の標準治療)

を受けています

 

したがいまして、

  • メベンダゾール単独でどの程度効くのか

は、この研究からは分かりません。

 

◎「日本人にも同じ効果が出る」とは言えない

これも分かりません。

 

研究はエジプトで行われています。

 

更に、

  • 年齢制限
  • 患者選択
  • 生活環境
  • 遺伝的背景
  • 腫瘍の分子特性
  • 感染症・寄生虫曝露
  • 医療環境

などが日本とは異なる可能性がございます。

 

したがいまして外的妥当性には、限界がございません

 

⑤ そして、今回かなり重要な「信頼性上の注意点」

◎ サンプルが小さい

  • 20 vs 20

です。

 

これが最大の問題

 

◎ 事後登録

ClinicalTrials.govのIDは、

  • NCT03925662

ですが、論文自身が

  • retrospectively

と明記しています。

 

つまり、事前登録された確証的RCTとは扱いにくい訳です。

 

◎ 登録情報との整合性

論文は、

  • prospective
  • randomized
  • double-blind
  • placebo-controlled

 

としています。

 

一方、ClinicalTrials.govの登録情報には研究デザインにつきまして、異なる記載が残っています

 

したがいまして、

  • 研究開始時の計画と最終論文が完全に一致しているのか?

は慎重に確認する必要がございます。

 

◎ 64人→40人の問題

ここは先ほどの話です。

 

97人から33人を除外したところまでは理由が明示されています

 

しかし、64人から40人へ24人が除外されました理由につきましては、公開本文からは十分な説明が出来ません

 

もしこの24人がランダム化後に脱落したのでしたら、非常に重要な問題になります。

 

一方、ランダム化前なのでしたら、意味合いは違います。

 

したがいまして、CONSORTフローと原データを確認しないと断定出来ません

 

◎「メトロニダゾール7人」の除外理由も不透明

97人中7人がメトロニダゾール使用を理由に除外されていますが、その医学的理由は本文で十分説明されていません

 

これも、

  • 患者選択の透明性

という意味で気になります。

 

⑥ そして「エジプト」という点

この件で申しますと、

  • エジプトで得られた結果だから、寄生虫感染が効果を生んだ

とは言えません。

 

RCTですので、仮に寄生虫感染があったとしましても、ランダム化によって平均的には両群に分散するはずです。

 

ただし、

  • 20人 vs 20人

ですので、寄生虫感染の様な因子が実際に均衡していた保証はございません

 

しかも、この研究は寄生虫感染を測定していません。

 

したがいまして、

  • 寄生虫感染・腸内環境などが結果に影響した可能性を検証出来る設計ではない

というのが正確です。

 

⑦ この論文の位置付け

エビデンスの階層としましては、

  • 面白い仮説生成型RCT

と、私は評価します。

 

「無価値な論文」という訳ではございません。

 

むしろ、

  • ORR…10% → 65%
  • PFS中央値…3 → 9.25ヶ月

という数字は小規模RCTとしましては、かなり強烈なシグナルです。

 

しかし、

  • 「メベンダゾールの抗癌効果が確立した」

まで行くには距離がございます

 

最終的には、この様に整理する事が、一番フェアだと思います。

 

⑧ 総合評価

この論文から言える

  • 転移性大腸癌患者40人を対象とした小規模RCTにおいて、標準治療(FOLFOX4+ベバシズマブ)にメベンダゾール500 mg BIDを12週間追加した群では、プラセボ追加群と比較して、12週ORRとPFSが大幅に改善した

示唆される

  • メベンダゾールには、標準治療への上乗せ抗腫瘍効果が存在する可能性がある。

 この論文だけでは言えない

  • メベンダゾールは大腸癌に有効であることが確立した
  • メベンダゾールで65%の患者が奏効する
  • メベンダゾールで生存期間が延長する
  • 他の癌にも有効である
  • 日本人でも同じ効果が得られる
  • メベンダゾール単独で癌を治療する事が出来る

⑨ まとめ

この論文は、

  • 数字だけ見れば非常に魅力的

と言えましょう。

 

一方で、

  • 研究の規模
  • 登録
  • 患者選択
  • 解析対象の流れ
  • 再現性

という観点では、「まだ確証的とは言えない」という評価になります。

 

特に今回のケースでは、「65%」という派手な数字を否定するより、なぜ20人中13人だったのかを検証するのが科学的に重要です。

 

そして、そのためには次に、論文のTable 1(ベースライン特性)とCONSORTフローチャートを実際に全部確認しまして、

  • 64人が40人になった際の24人が何処で消えたのか
  • 両群の患者背景が本当に均衡していたのか

を数字で洗うのが一番良いのではないでしょうか。

 

今回の論文は、そこまでやって初めて「65%」の重みを適切に評価出来るタイプの研究だと思います。

 

 

 

 

さてさて、告知です。

 

 

来る9月27日(日曜日)は刃駈選手のデビュー25周年記念興業が、名古屋市中区スポルティーバで行われますので、こちらに是非、足を運んでみて下さい。

 

そして、11月1日(日曜日)には栃木県小山市文化センター小ホールにて、イーグルプロレスが興業を行いますので、お時間がございましたら観戦をしてみて下さい。

 

なお、先日7月12日の興業の模様が、こちらになります。

 

『辺野古沖抗議船転覆事故』におきまして、学校法人同志社の第三者委員会は、何を何処まで調べたのかを考察してみました。

 

是非、ご視聴下さい。

 

今回はまず、2020年10月6日に何が議論されていたのかを検証してみます。
 

① 2020年10月6日の決算特別委員会

この日の審査対象は、令和元年度(2019年度)決算の「財政状況」でした。
 
質問者は、
  • 中田慎也
  • 小池ひろのり
  • 竹尾ともえ
  • 岸口みのる
  • 五島壮一郎
  • 中田英一
  • 庄本えつこ
  • 中島かおり
  • 向山好一
  • 松井重樹 (敬称略)
の10人です。
 
竹内英明氏は、この日の質問者ではない様ですね。

 

② 五島県議は何を質問していたのか?

五島氏の通告は、
  1. 指定管理者制度
  2. 基金の運用
  3. 自動車税制度改正
  4. コロナ禍の県税徴収猶予
でした。

 

つまり、この日は「基金」については質問しているものの、
  • 長期保有土地
  • 土地売却
  • 県債
  • 借換債
  • 県債管理基金
  • 用先債
  • 338億円
  • 490億円
を一体として追及した形跡は、公式の質問事項からは確認出来ません。
 
これは3月5日の予算特別委員会とはかなり違います。
 
3月5日は五島氏自身が、
  • 長期保有土地の処理方針
  • 県債発行方針
を質問していました。
  • 2020年3月5日 → 土地+県債を質問
  • 2020年10月6日 → 基金の運用を質問
という事になります。
 

③ では、県全体として「県債」をどう見ていたのか?

この日は、竹尾ともえ氏(公明党)がかなり重要な質問をしています。
 
通告には、
  • 将来負担比率
  • 実質公債費比率の見通しと今後の対策
が入っています。
 
つまり県議会は、
  • 県債残高・将来負担 → 実質公債費比率 → 今後の財政運営
という問題を当然ながら認識していた様なんですね。
  • 土地を売却したのに、その土地取得のための用先債を償還せず借換えた
という個別問題には到達していません
 

④ むしろ、この日の委員長報告が非常に重要

2020年10月22日の決算特別委員会委員長報告を見てみますと、県議会は当時の財政をかなり厳しく評価しています。
 
令和元年度決算につきまして、
  • 県債残高…約4兆9,118億円
  • 将来負担比率…338.8%
  • 震災関連県債…約3,200億円
  • 行革期間中に発行した財源対策債…約2,800億円
とされています。
 
そして
  • 県債残高は他府県より依然高い水準
  • 県財政を圧迫する要因
明確に認識していました。
  • 今後も悪化すると見込まれる実質公債費比率の低下に向けたフロー指標の適切な管理が必要
としています。

 

つまり、「兵庫県の債務問題そのものが議会に知られていなかった」という事では全くない様です。
 

⑤ では「338億円問題」は見えていたのか?

2020年10月6日の公式質問事項を見る限り、
  • 県債問題そのものは議会で盛んに議論されていたが、338億円の用先債問題は、この日の議論には表れていない
というのが正確なのかも知れません。
 

⑥ そして、ここからが非常に重要

実は翌年の2021年10月6日になると、状況が一変します。
 
ここで竹内氏が、
  • 財政フレームで捕捉されていない1,549億円の簿外債務
を正面から取り上げています。
 
内訳としまして、
  • 企業庁との貸借関係…320億円
  • 土地開発公社への預託金…100億円
  • 住宅供給公社への預託金…55億円
  • 企業庁の一般会計に対する長期未収金…105億円
などを具体的に挙げています。
  • 県債管理基金には現金が2,313億円有るのに、企業庁に支払いを行わない理由
まで質問しています。

◎ 2020年3月5日

○ 五島氏

  • 長期保有土地
  • 県債発行方針
を質問。
 

○ 竹内氏

  • 1,805億円の繰上償還
  • 県債管理基金
  • 実質公債費比率
を質問。
県議会全体で、
  • 将来負担比率
  • 実質公債費比率
  • 基金運用
  • 県債残高
などを議論。

◎ 2020年10月22日

委員長報告で、
  • 県債残高…4兆9,118億円
  • 将来負担比率…338.8%
  • 震災関連県債…3,200億円
  • 財源対策債…2,800億円
を明記。
竹内氏が初めて、
  • 財政フレームで捕捉されていない1,549億円の簿外債務
という形で、より踏み込んだ問題提起。
 
そして、
  • 企業庁…320億円
  • 公社預託金…155億円
  • 長期未収金…105億円
などを具体的に追及。

 

⑧ では、誰が知っていたのか?

2020年時点では、
  • 兵庫県は県債残高が多過ぎる
  • 将来負担比率が高い
  • 実質公債費比率が悪化する
  • 基金をどう運用するか
という大きな財政問題は、議会にも完全に共有されていた様に思えます。
 
一方、
  • 338億円の売却済み土地に対応する用先債を償還せず、490億円全額を借り換えた
という個別の処理につきましては、2020年10月6日の議論には表れていません
 
したがいまして現段階では、
  • 少なくとも議会全体で、338億円問題を一体的に認識していた形跡は確認出来ない
というところまでは言えるかと思います。
 

⑨ 「2021年10月6日」に注目

竹内氏は2021年10月6日に、
  • 財政フレームで捕捉されていない1,549億円
という問題を持ち出しています。
 
そして県側は、
  • 一般会計と企業会計との貸借関係
  • 長期保有土地
  • 公社への預託金
  • 長期未収金
などについて説明しています。
 
ところが、ここでも338億円・490億円の用先債問題が出て来ません
 
つまり、
  • 2020年 → 財政の「大枠」は議会がかなり監視していた
  • 2021年 → 竹内氏が「簿外債務」まで踏み込んだ
  • それでも338億円問題は出て来なかった
という事になります。
 
どうすりゃ良いんだ…?
 
 
 
 

 

という事で、ここからは告知になります。
 

来る9月27日(日曜日)は刃駈選手のデビュー25周年記念興業が、名古屋市中区スポルティーバで行われますので、こちらに是非、足を運んでみて下さい。

 

そして、11月1日(日曜日)には栃木県小山市文化センター小ホールにて、イーグルプロレスが興業を行いますので、お時間がございましたら観戦をしてみて下さい。

 

なお、先日7月12日の興業の模様が、こちらになります。

 

『辺野古沖抗議船転覆事故』におきまして、学校法人同志社の第三者委員会は、何を何処まで調べたのかを考察してみました。

 

是非、ご視聴下さい。

 

兵庫県の件は、本日はお休みです。

 

さて、沖縄県知事選がたけなわですね。

 

取り敢えず、9月13日が投開票という事で、各陣営も必死に投票を呼び掛けております。

 

さて、公示日の8月27日に、X(旧Twitter)におきまして、こちらの投稿がございます。

 

という事で、検証してみましょう。
 
まず、あらかじめ申し上げておきますが、図に記されております「数字」は正しいです。
 
しかし、問題は中身ですね。
 
整理してみましょう。

① まず総生産を正確に比較

まず、全国の経済規模は、以下の様に変化しております。
国内総生産(2018年度&2023年度)

 

つまり、

  • 実質的な経済規模はほとんど増えてはいないが、物価上昇によって名目GDPが大きく膨らんだ

という5年間です。

 

② 沖縄はどうだったのか?

ここは、最新の2023年度の県民経済計算の系列で揃える必要がございます。

 

すると、以下の通りになります。

沖縄県内総生産(2018年度&2023年度)

 

◎ 実質総生産

2018年度から2023年度では、

  • 全国……約+0.64%
  • 沖縄県…約+2.08%
となりますので、
  • 沖縄は全国よりも実質成長率は高かった
という事は、正しいとなります。
 
ただし、
  • ものすごい成長を遂げた
という訳ではございません。
 
むしろ、
  • 全国より少し上回った
という程度です。
 

◎ 名目総生産

こちらは、
  • 全国……約+8.89%
  • 沖縄県…約+3.05%
となっております。
 
すなわち、
  • 名目値…全国>沖縄県
  • 実質値…全国<沖縄県
という事になります。
 

② 一人当たりの県民総生産

2021年度からの沖縄県の県民一人当たりの県民所得は、以下の通りです。
沖縄県一人当たりの県民所得(2021年度~2023年度)

https://www.pref.okinawa.jp/toukeika/accounts/2023/acc4.pdf

 

2023年度は前年度と比較しまして、+5%と大きく伸ばした様に見えます。

 

しかし、全国と比較しますと、以下の通りとなります。

沖縄県一人当たりの県民所得(全国=100)

https://www.pref.okinawa.jp/toukeika/accounts/2023/acc4.pdf

 

つまり、

  • 沖縄の県民所得が絶対額で増えたのか?

だけではなく、

  • 全国と比較した相対的な所得水準は、どうだったのか?

を見ますと、かなり悪化しております

 

③ 何故、こんな事が起きるのか?

ここで2023年度の沖縄県の所得構造を見てみますと。非常に興味深いです。

 

【2023年度 沖縄県所得構造】

2023年度 沖縄の所得構造

https://www.pref.okinawa.jp/toukeika/accounts/2023/acc4.pdf

 

2023年度だけを見てみますと、企業所得の回復が非常に大きい一方で、

  • 雇用者報酬が+2.0%にとどまっている

事が分かります。

 

これは、

  • 企業部門の回復が、そのまま県民所得の大幅な上昇につながっていない

という事を示唆します。

④ 観光業の回復

2023年度の沖縄県内総生産の増加につきまして、沖縄県自身が、

入域観光客数の増加による観光需要の回復

を背景と致しまして、

運輸業、宿泊・飲食サービス業などが大幅に増加

したと説明されていらっしゃいます。

https://www.pref.okinawa.jp/toukeika/accounts/2023/acc4.pdf

 

⑤ ただし、「玉城県政の成果」とするには早計か?

実は2020年度の沖縄の実質総生産が▲6.7%と落ちております。

 

つまり、

2018年度…玉城デニー知事就任

  ⇩

2019年度

  ⇩

2020年度…コロナ禍で大幅悪化

  ⇩

2021年度

  ⇩

2022年度

  ⇩

2023年度…大幅回復

という経路であった事も、考えられます。

 

これは、

  • 2018年度に比べて2023年度は成長した

だけでは、「知事の政策効果」と「コロナ禍の落ち込みからの自然回復」を分離出来ないでしょう。

 

⑥ インフレ率は?

GDPデフレータは、

  • 名目GDP÷実質GDP×100

で概念的に算出できます。

 

相しますと、以下の様に算出する事が出来ます。

 

【全国及び沖縄県のGDPデフレータ】

全国及び沖縄県のGDPデフレータ

CPI(消費者物価指数)はGDPデフレータと違いまして、

  • 県民が購入されます消費財やサービスの価格

を見るものです。

 

概ね2018 → 2023年の総合CPIは、

  • 全国……約6%
  • 沖縄県…約6%
と、GDPデフレータほど両者間での大きな差はございません。
 
すなわち沖縄県は物価の上昇が、まだ賃金に反映されていないという事が言えましょう。
 
一人当たりの県民所得は全国との差が開く一方で有りながら、物価上昇は全国並みですから、県民一人一人の生活は苦しいものと想像が出来ます。
 

⑦ 一人当たりの県民所得の全国順位は?

 2018年度の1人当たり県民所得は、
  • 47位
でした。
 
2022年度も、
  • 47位
です。
 
2023年度は、現在42都道府県分しか内閣府に揃っていません。
 
内閣府自身が2023年度について「42都道府県」と明記しています。
 
したがいまして厳密には、
  • 2018年47位 → 2023年42県中42位
です。
 
未公表の5県を含む「47都道府県順位」はまだ確定出来ませんが、2022年度まで47都道府県が揃ったデータでは、47位でしたので、「全国順位が改善した」と評価出来る材料はございません
 
むしろ、
  • 最下位継続
と見るのが妥当です。
 

⑧ 県税収入はどうよ?

ここはかなり良いです。
 
県税収入は、
  • 2018年度…約1308億円
  • 2023年度…約1531億円
です。
 
したがいまして、約+17%です。
 
人口1人当たりで換算しますと、
  • 2018年度…約9.0万円
  • 2023年度…約10.4万円程度
ですので、約+15%です。
 
これは明確に増えています
 

⑨ しかし「県税が増えた=県民が豊かになった」ではない

税収増加には、
  • 所得増
  • 消費増
  • 企業収益
  • 物価上昇
  • 地方消費税
  • 税制変更
など複数の要因がございます。
 
しかも沖縄県の2023年度普通会計では、
  • 県税…1530.6億
に対して、
  • 地方交付税…2345.82億円
  • 国庫支出金…2353.24億円
です。
 
つまり、
  • 県税より地方交付税の方が約800億円多い
という構造です。
 

⑩ 自主財源比率は改善した

これは玉城県政の期間で明確に改善しています。
 
一般会計ベースでの自主財源比率が、
  • 2018年度…35.4%
  • 2023年度…40.8%
です。
 
つまり、
  • +5.4ポイント
です。
 
これは素直に評価して良いでしょう。
 
ただし、40.8%ですから、依然として約59%が依存財源です。
 
沖縄県は2023年度も、
  • 国庫支出金26.0%
  • 地方交付税26.3%
  • 県債3.5%
となっています。
 
したがって、
  • 財政構造は改善したが、自立財政になった訳ではない
という評価が適切でしょう。
 

⑪ 県債残高はかなり改善

これは玉城県政の財政面で、かなり評価出来る部分と言えましょう。
  • 2018年度末…6,237.8億円
  • 2023年度末…5,325.1億円
です。
  • 減少額…約913億円
  • 減少率…約▲14.6%
ですので、これはかなり明確な改善です。
 

⑫ 実質公債費比率も改善

  • 2018年度…8.4%
  • 2023年度…7.4%
  • ▲1.0ポイント
です。
 
しかも全国平均は、
  • 2018年度…12.2%
  • 2023年度…10.9%
なので、沖縄は両年度とも全国平均より低いという事が分かります。
 
ここは、
  • 沖縄県の財政は「借金まみれで危険」という評価には当たらない
という事を示しています。
 
むしろ、
  • 公債費負担は全国平均より軽く、県債残高も減っている
というのが実態です。
 

⑬ では歳出はどう変わったのか

一般会計歳出は、
  • 2018年度…7,245億円
  • 2023年度…8,790億円
です。
 
つまり、
  • +1,545億円
  • +21.3%
です。
 
ところが中身を見てみますと、かなり大きく変化しています。
 

◎ 教育費

  • 2018年度…1,667億円
  • 2023年度…約1,688億円
  • +約21億円程度
金額は増えていますが、構成比では、
  • 23.0% → 19.2%
です。
 
つまり、
  • 予算全体が膨らんだため、教育費の比率はむしろ低下
という事ですね。
 

◎ 民生費

  • 2018年度…約1,091億円
  • 2023年度…約1,310億円
  • +約216億円
  • +約20%

程度となっております。

 
構成比は、
  • 15.1% → 14.9%
ですので、ほぼ横這いです。
 
つまり、
  • 福祉関係支出はかなり増えたが、予算全体に占める割合はほぼ変わらない
という事です。
 

◎ 土木費

  • 2018年度…約835億円
  • 2023年度…約774億円
  • ▲約60億円
  • ▲約7%程度
です。
 
構成比も、
  • 11.5% → 8.8%
です。
 
これは結構大きな変化です。
 
つまり、
  • 土木・公共インフラ系の比重は低下
しています。
 

◎ 商工費

  • 2018年度…約392億円
  • 2023年度…約1,239億円
  • +約848億円
  • +217%程度
です。
 
構成比も、
  • 5.4% → 14.1%
になっています。
 
これは「玉城県政になって商工政策を3倍にした」と単純に解釈してはいけません。
 
最大の理由は、Covid-19対策です。
 
2020~2022年度を中心に、
  • 中小企業支援
  • 休業・営業時間短縮関連
  • 観光支援
  • 事業継続支援
  • Go To おきなわ等
  • 県内需要喚起
などの大型事業が商工費に入ってきました。
 
したがいまして2023年度の商工費が異常に大きい理由は、玉城県政の平時の産業政策だけを反映した数字ではございません
 

◎ 衛生費

  • 2018年度…約360億円
  • 2023年度…約659億円
  • +約300億円
  • +82%程度
です。
 
これも当然、Covid-19対策の影響が大きい訳ですね。
 
したがいまして、
  • 玉城県政で医療・福祉政策を300億円増やした
という解釈も適切ではございません。
 
Covid-19という外生的ショックによる特殊要因です。
 

⑭ 総合評価

画像の、
  • 「沖縄経済が危ない」→「事実ではない」
は、支持出来る部分もございます。
 
しかし、
  • 主要4指標が過去最高 → だからデニー県政で沖縄経済は大きく前進した
は、かなり飛躍がございます。
 
もっと正確に申しますと、
  • 沖縄経済はコロナ禍を経て回復し、観光・税収など主要な“総量”指標では過去最高を更新した
  • 一方、1人当たり県民所得は2018年度を下回り、全国最下位から脱出出来ていない
  • 財政については県債残高・公債費負担・自主財源比率が改善したが、国への依存度は依然として高い
という評価になります。
 
そして、データが示している事は、
  • 総量としての沖縄経済は回復・拡大した
  • しかし、県民一人ひとりの所得という最終アウトカムでは、全国との格差を縮める事には成功していない
という、かなり中間的な評価だと思いますが、皆さんは如何でしょうか?
 
 
 
 
 
という事で、告知です。
 

来る9月27日(日曜日)は刃駈選手のデビュー25周年記念興業が、名古屋市中区スポルティーバで行われますので、こちらに是非、足を運んでみて下さい。

 

私も体調が許しましたら、観戦する予定です。

 

そして、11月1日(日曜日)には栃木県小山市文化センター小ホールにて、イーグルプロレスが興業を行いますので、お時間がございましたら観戦をしてみて下さい。

 

なお、先日7月12日の興業の模様が、こちらになります。

 

『辺野古沖抗議船転覆事故』におきまして、学校法人同志社の第三者委員会は、何を何処まで調べたのかを考察してみました。

 

是非、ご視聴下さい。

 

 

 

 

 

 

 

2020年3月5日に五島・竹内・丸尾・相崎の4氏が、実際に何を質問し、県側が何と答えたのかを全文で並べまして、
  • 「長期保有土地」→「土地売却」→「県債」→「借換え」→「県債管理基金」
という話が、どこまで一つの話として認識されていたのかを検証してみようと思ったのですが、兵庫県議会の公式ページは3月5日の「質問通告」は公開していますが、実際の質問・答弁の全文は別の「会議録検索」に掲載すると明記しています。
 
したがって、県議会公式ページだけを見て「実際にこう質問した」と断定する事は出来ません。

 

一方、竹内英明氏につきましては、本人側が3月5日の質問全文を公開しておりますので、かなり詳細に追えます。
  • 公式に確認出来る質問通告
  • 実際の質問全文が確認出来るもの
  • そこから分かる「土地→県債→借換え→県債管理基金」の接続
を分けて検証してみようと思います。
 
結論から申し上げますと今回の資料を見る限り、
  • 長期保有土地
  • 県債
  • 県債管理基金
2020年3月5日の予算審査の中におきまして、それぞれ明確に議論されていました
 
しかし、
  • 土地を売却したのに、その土地に対応する338億円の債務を償還せず、490億円の用先債として借り換えている
という一連の問題として認識されていた事を示す証拠は、現時点では確認出来ません
 

① 五島県議――「長期保有土地」と「県債」は質問項目に明記

公式記録ですと、五島壮一郎県議は3月5日に、
  • 6 長期保有土地の処理方針について
  • 7 県債発行方針についてを質問項目
として提出しています。
 
また、その前段には、
  • 財政フレーム
  • 将来負担比率
  • 県庁舎等再整備事業
もございます。

 

したがいまして五島氏につきましては、 
  • 土地問題を見ていた
  • 県債発行も見ていた
という事は確認出来ます。
 
しかし、ここから
  • 「土地売却収入を県債償還に充てるべきではないか」 或いは 「売却済み土地に対応する用先債が残っている」
というところまで踏み込んだ事は、現在確認出来ます資料からは分かりません
 

② 竹内県議――実はかなり深いところまで踏み込んでいる

ここが今回一番重要です。
 
竹内氏の質問は、単なる「県債残高はいくらですか」というレベルではございません。
 
本人公開の全文を見てみますと、まず、
  • 将来負担比率の目標を下方修正する事
を批判しています
  • 2018年度の将来負担比率339.2% → それほど財政が好転したとは言えない
と指摘していらっしゃいます。
 
つまり、兵庫県の「見かけ上の財政改善」をかなり疑っていた訳です。
 

③ そして「県債管理基金」にかなり強烈な疑問を呈している

竹内氏は、
  • 1,805億円の繰上償還
を取り上げていらっしゃいます。
 
更に、
  • 2020年度当初予算の県債管理基金を活用した302億円の償還
につきまして、
  • これは実質公債費比率の算定から除外するのか?
と質問しています。
  • 県債管理基金 → 繰上償還 → 実質公債費比率
という関係は、明確に認識していたと思われます。
 

④ 更に「県債管理基金そのものの中身」に踏み込んでいる

竹内氏は県債管理基金につきまして、
  • 土地
  • 美術品
  • 貸付金
  • 有価証券
  • 兵庫県債
などが含まれていることを問題視していらっしゃいます。
 
特に、
  • 土地を県債管理基金に含めること
につきまして、
  • 「塩漬けの土地」まで含めて良いのか?
と疑問を呈しています
  • 「土地」と「県債管理基金」
明確に関連付けて見ていらっしゃったと思われます。
 

⑤ 更に「複式簿記・貸借対照表的な問題」にまで踏み込んでいる

竹内氏は県債管理基金が保有する兵庫県債につきまして、
  • 一般会計から見れば借金
  • バランスシート上では負債
という趣旨の指摘をしていらっしゃいます。
 
更に、
  • 実質公債費比率では基金として扱われるが、将来負担比率では扱いが異なる
という会計・財政指標上の「見え方」の違いを問題にしています。
竹内氏の2020年3月5日の公開全文には、
  • 338億円
という数字は出て来ません。
 
また、
  • 490億円
という数字も確認出来ません。
 
そして、
  • 用先債
という言葉も、公開された竹内氏の質問全文には出て来ません。
丸尾牧氏につきまして公式の質問通告では、
  1. 実質公債費比率の操作について
  2. 震災関連県債の先行償還について
  3. 新規の大型投資事業の優先順位について
となっています。
  • 県債 → 先行償還 → 実質公債費比率
という問題を見ていたと思われます。
 
しかし、公式に確認出来ます通告上では、
  • 長期保有土地
  • 土地売却
  • 338億円
  • 490億円
  • 用先債
  • 借換え
までは出て来ません。
 
したがいまして、
  • 丸尾氏が338億円問題を2020年に認識していた
とは言えないと思います。
 

⑧ 相崎県議――財政フレームの下方修正を質問

相崎佐和子氏の公式通告は、
  • 財政フレームにおける下方修正
  • 県税収入における当初予算額と実績額の乖離
です。
  • 税収見込み → 財政フレーム → 将来の財政状況
を見ていらっしゃった訳ですね。
 
しかし、土地・県債・借換えにつきましては、公式通告上は確認出来ません
 

⑨ ここまでで分かったこと

ここで非常に興味深い事は
  •  土地を見ていた五島氏
  • 県債・県債管理基金を猛烈に追及していた竹内氏
が、同じ3月5日に審査している事です。
 
それでも、
  • 売却済み土地338億円+残存債務+490億円借換債
という一本の線には、少なくとも公開資料上では繋がってはおりません
 

⑩ では「隠されていた」のか?

ここは慎重に分ける必要がございます。
 
現段階で言えます事は、
 

◎「県債について議会が何も見ていなかった」→ これは違います

竹内氏などは、かなり深く追及しています。
竹内氏は土地・貸付金・美術品・兵庫県債まで具体的に取り上げています。
五島氏が明確に「長期保有土地の処理方針」を質問しています。

 

◎ 「その土地と、490億円の用先債・338億円の残存債務が一体として説明されていた」→ 現時点では確認出来ません

 

⑪ そして、ここが一番面白いところです♪

竹内氏は2020年3月5日に、

いろんなテクニックを駆使したり、単式と複式会計の使い分けなどを含めて非常に複雑で、公表資料だけで理解するのはかなり難しい

とまで発言していらっしゃいます。
県庁職員と言っても財政課とか一部の方にしか分からない様なもの
とも仰っていらっしゃいます。
 
つまり当時既に、
  • 兵庫県財政は普通の県議が予算書を見るだけでは構造を把握しにくい
という問題を、議員自身が認識していたものと思われます。
 
これは今回の338億円問題を考える上で非常に重要なのではないかと思います。
 

⑫ 現時点での私見

現段階の資料から最も慎重に言えます事は、
  • 2020年3月5日には、土地・県債・県債管理基金・繰上償還・財政指標について、それぞれかなり深い議論が行われていた
  • しかし、「長期保有土地を売却した後も、その土地に対応する338億円の債務を償還せず、490億円の借換債として残している」という構造を、議員側が一つの問題として認識していた証拠は、今のところ見つかっていない
そして竹内氏の質問内容を見る限りにおきまして、むしろ、
  • 県債管理基金や財政指標の見え方がおかしくないか?
というところまではかなり鋭く追及していた様です。
 
それでも、
  • 土地売却→338億円→用先債490億円
には到達していない…。
 
まだまだ奥が深そうです…_ト ̄|◯
 
 
 
 
 
では、いつもの告知です。
 

来る9月27日(日曜日)は刃駈選手のデビュー25周年記念興業が、名古屋市中区スポルティーバで行われますので、こちらに是非、足を運んでみて下さい。

 

そして、11月1日(日曜日)には栃木県小山市文化センター小ホールにて、イーグルプロレスが興業を行いますので、お時間がございましたら観戦をしてみて下さい。

 

なお、先日7月12日の興業の模様が、こちらになります。

 

『辺野古沖抗議船転覆事故』におきまして、学校法人同志社の第三者委員会は、何を何処まで調べたのかを考察してみました。

 

是非、ご視聴下さい。

 

再生回数が、イーグルプロレスに圧倒的に少ない…_ト ̄│○
 
頑張れ俺…

さて、ここまで来ますと、予算・決算に“シレっと”紛れ込ませたのではないかとすら、考えてしまいます。
 
という事で、2020年3月5日の五島・竹内・相崎各県議の財政質疑につきまして、質問→県側答弁を全文で追い、
  • 用先債
  • 490億円
  • 県債管理基金
  • 長期保有土地
  • 土地売却
  • 借換え
の言葉が実際に出ているかを確認するのが一番重要かと、私は考えました。
 
結論から申し上げますと、かなり面白い事が分かりました。
 
ただし、『2020年3月5日の会議録全文』を検索エンジンから直接取得出来る状態ではなく、現時点では質問通告+各議員側が公開した質問全文まで確認出来た段階です。
 
という事で、現段階で言えます事を、整理してみましょう。
 

① まず公式記録上、3月5日に何が議題だったか?

兵庫県議会の公式ページには、3月5日の予算特別委員会『令和2年度の財政状況』の質問事項が残っています。
 
五島壮一郎県議は、
  • 長期保有土地の処理方針
  • 県債発行方針
を明示的に質問項目にしています。
 
竹内英明県議は、
  • 実質公債費比率
  • 1,805億円の繰上償還
  • 県債管理基金
  • 将来負担比率
を質問項目にしています。
 
また丸尾まき県議は、
  • 実質公債費比率の操作
  • 震災関連県債の先行償還
を取り上げていらっしゃいます。
 
つまり、県債・基金・償還につきましては、まさにその日にかなり突っ込んだ議論が行われていた事は間違いありません。

 

②「490億円」「用先債」は?

私が確認出来ました3月5日の公開資料では、
  • 用先債
という言葉は確認出来ませんでした。
 
同様に、
  • 490億円
  • 338億円
  • 令和12年度まで土地売却収入を県債管理基金に留保
という、今回問題になっている核心部分を直接指摘した質問も、現段階では確認出来ておりません
 
公式の質問事項一覧にも、それらは出ていませんでした。

 

これはかなり重要なのかも知れません。
 

③「長期保有土地」は、五島県議が明確に聞いている

五島県議の質問項目には、
  • 長期保有土地の処理方針について
が明記されています。
 
つまり、
  • 土地の処分問題そのものは議会の財政審査の俎上に載っていた
  • しかも同じ日の質問項目に、“県債発行方針について”も有る
という事ですね。
  • 土地についても県債についても議会は全く関心を持っていなかった
とは言えません。
 
むしろ、「土地」と「県債」は、それぞれ議論されていたのです。
 
問題は、「この土地売却と、この県債が対応している」というところまで議論が接続していたのか?なのかも知れません。
 

④ 竹内県議の質問は更に興味深い

竹内県議は1,805億円の繰上償還につきまして、かなり細かく質問しています。
 
県債管理基金を活用した302億円の償還につきまして、
  • これは実質公債費比率の算定から除外するのか?
というところまで質問しています
 
更に県債残高約2兆9,000億円につきまして、交付税措置率を30%と想定しますと約8,700億円、実際の平均措置率を17.1%とすると約5,000億円となりまして、約3,700億円も過大に見込んでいるのではないかという、かなり厳しい指摘までしています。
  • 県債残高
  • 将来負担
  • 県債管理基金
  • 繰上償還
  • 財政指標の見え方
をかなり意識していた様です。
 
それでも今回の490億円の用先債につきましては、少なくとも確認出来ました公開資料では出て来ておりません。
 

⑤ 相崎県議はどうか?

相崎県議の3月5日の質問は、
  • 財政フレームにおける下方修正
  • 県税収入における当初予算額と実績額の乖離
でした。
  • 成長実現ケースを前提にした財政フレームは大丈夫なのか
という問題意識が中心でして、用先債や県債管理基金そのものを質問した形跡は、現段階では確認出来ませんでした


⑥ では「シレっと紛れ込ませた」のか?

ここは、現段階では私はこう評価します。
  • ❌ 「議会に秘密にして勝手に490億円を借り換えた」
これは違います。
 
令和2年度予算には公債費特別会計がございまして、議会の議決を経ています

そして後の決算を見てみますと、
  • 公共事業用地先行取得事業特別会計借換債…490億3,720万円
が実際に発行されています。

したがいまして、借換債そのものは予算・決算という正式な財政手続きの中にございます。

しかし、
  • 490億円の借換えの中に、既に売却済み土地に対応する338億円が含まれている
という重要な事実関係が、議会にどこまで説明されていたのかとなりますと、ここは別問題です。
 
そして現在確認できた資料では、その338億円について議員が質問した形跡は確認出来ません


⑦ むしろ「シレっと紛れ込ませた」という表現が当てはまる可能性がある部分

仮に当時の実務が、
  • 「公共事業用地先行取得事業特別会計の債務について、借換債○○億円を発行します」
という形式で予算計上されていたのでしてたら、議員側からしますと、
  • 490億円の借換え
は予算書の中の一項目として見る事になります。

ところが、
  • 490億円 = 取得済み土地に対応する債務 + 売却済み土地338億円に対応する債務
という資産・債務の対応関係までは、予算書の数字だけでは分かりにくい訳です。

ですから、「数字を隠した」というより、「数字は公開されていたが、その意味・内訳が非常に見えにくい形だった」という可能性が、現段階では一番しっくり来る様な気がします。


⑧ そして、ここが今回かなり重要

3月5日の議会は、決して「財政について何もチェックしていなかった」という訳ではございません。
 
むしろ、
  • 五島 → 長期保有土地・県債発行
  • 竹内 → 県債管理基金・繰上償還・将来負担
  • 丸尾 → 実質公債費比率・震災関連県債
と、財政のかなり深いところまで議論しています
  • 売却済み土地に対応する県債がなぜ残っているのか?
という横断的な質問にまで至っておりません
 

⑩ ただし、ここはまだ「黒」とは言えない

現在確認出来ました資料から、「県が意図的に議会を欺くため、予算にシレっと紛れ込ませた」とは言えません。
 
一方で、
  • 議会には予算・決算という形で数字そのものは出ていた
  • しかし、土地売却と債務の対応関係まで説明・議論されていたかは疑わしい
というところまでは、かなり具体的に言える様になって来た様な気がします。
 
とはいえ、まだまだ、先は長そうです(泣
 
 
 
 
では、告知です。
 

来る9月27日(日曜日)は刃駈選手のデビュー25周年記念興業が、名古屋市中区スポルティーバで行われますので、こちらに是非、足を運んでみて下さい。

 

そして、11月1日(日曜日)には栃木県小山市文化センター小ホールにて、イーグルプロレスが興業を行いますので、お時間がございましたら観戦をしてみて下さい。

 

なお、先日7月12日の興業の模様が、こちらになります。

 

『辺野古沖抗議船転覆事故』におきまして、学校法人同志社の第三者委員会は、何を何処まで調べたのかを考察してみました。

 

是非、ご視聴下さい。