X(旧Twitter)にて現在“話題”の投稿が、こちらになります。
マンジャロの件でいろいろな意見をもらってます。
— 溝口勇児 | 連続起業家 (@mizoguchi_yuji) 2026年5月29日
まず最初に言うと、出資者の一人でもあるおれや運営が批判されるのは理解できる。
副作用や安全性について不安を持つ人がいるのも当然。
けど、広告モデルでしかないゆいぴすへの批判は行き過ぎているように見える。… https://t.co/ImXjIuMOh4
そう、あの「サナエトークン」の、あのお方です♪
この投稿はかなり巧妙に、
- 医療
- 自己決定
- テクノロジー礼賛
- ルッキズム
- 広告責任
- 適応外使用
- 肥満治療
- 美容痩身
を一つに混ぜて語っている文章です。
ですので一見もっともらしく見える一方で、論点がかなりズレています。
例えば、この投稿で最も大きいのは、「マンジャロ=肥満治療」として話を進めている点です。
しかし実際に批判されている中心は、「標準体重〜軽度肥満レベルの人間に、美容痩身目的でGLP-1/GIP作動薬を大量にマーケティングしている」点です。
つまり、
- 糖尿病
- 高度肥満
- 重篤な代謝異常
の治療と、
- 「もっと細くなりたい」
- 「SNS映えしたい」
- 「短期間で痩せたい」
は、医学的リスクベネフィットが全然違います。
ところが投稿では、
- インスリン
- 抗うつ薬
- ピル
- AGA薬
などを並べまして、「副作用があっても社会は薬を使っている」という方向へ持っていっています。
これは半分正しいのですが、半分ズレています。
と申しますのも医療では本来、「疾患の重さに応じて、許容される副作用リスクが変わる」からです。
例えば、
- 命に関わる重度糖尿病
- 重度肥満
- 重症うつ病
でしたら、副作用リスクをある程度受け入れる合理性がございます。
しかし、「BMI正常範囲の美容目的」になりますと話が変わります。
ここで問題視されているのは、「本当にそこまでの薬理介入が必要なのか?」なんですね。
さらに違和感が出ますのは、「最終的に選ぶのは本人」という部分です。
もちろん自己決定は重要です。
ただし美容広告・美容マーケティングでは、
- 情報の非対称性
- SNSインフルエンサー効果
- 若年女性への同調圧力
- ルッキズム
- “楽に痩せられる”幻想
が極めて強く働きます。
ですので単純な「自己責任論」では済まない訳です。
特にGLP-1系は、
- 消化器症状
- 胆嚢疾患
- 膵炎リスク
- 筋肉量低下
- 急激な体重減少
- 長期安全性未確立部分
など、まだ慎重さが必要な薬です。
しかも投稿内でも、「標準BMIへの長期安全性データは十分ではない」と本人が認めています。
にもかかわらず、「でも未来を創るテクノロジー」という“物語”で押し切ろうとしている訳です。
ここに“腑に落ちなさ”を感じる人は多いと思います。
あと、もう一つ大きいのは、「適応外使用は医療の歴史上普通」という論法です。
これは事実ではあります。
ただし重要な事は、「適応外使用だからダメ」なのではなく、「どのレベルのエビデンスで、誰に、どんな監督下で使うのか」です。
例えば、
- 医師主導
- 学会ガイドライン
- 慎重な症例選択
- 十分な説明
のある適応外使用と、SNSで「これで楽に痩せられる!」的な空気が形成される美容マーケティングは、全く別問題です。
そして多くの人が感じている違和感は、「医療的必要性の高い肥満治療」の話をしながら、実際には「美容市場・SNS市場」で拡大している点でしょう。
ですから批判が起きている訳です。
一方で、「広告モデル個人への過剰攻撃」につきましては、別問題として一定の理はあります。
企業や事業モデルへの批判と、個人への人格攻撃は分けるべき、という主張自体は理解できます。
ただ、その“切り分け”を強調するあまり、
- 医療倫理
- 過剰マーケティング
- 若年層への影響
への批判まで、「保守派 vs 革新派」の話に変換している事は、かなり危うい構図だと思います。
その一方で、こちらの“ド正論”の投稿がございます。
まじでマンジャロ使わないで。意味ないから。 pic.twitter.com/dfpRD2Ewsk
— けんとのダイエット講座 | 糖質を食べて痩せさせるプロ (@kento_dietkoza) 2026年5月27日
私がこの投稿を“ド正論”と感じました理由は、この投稿は本質的に、「痩せること」ではなく、「痩せた後に維持できる生活習慣を作れるか」を問題にしているからです。
これはダイエット論としましては、非常に重要な視点です。
特に印象的な言葉は、「ダイエット=自分の取扱説明書を作る作業」という部分ですね。
これは比喩としてかなり上手いです。
つまり、
- 自分は何で太るのか?
- どの食事なら継続できるのか?
- どの運動なら習慣化できるのか?
- ストレス時にどう崩れるのか?
を理解して、長期的に回る生活を構築するのが本来のダイエットだ、という話です。
そしてこの人は、「薬で食欲を抑えている間は、その学習が起きない」と主張している訳です。
これは一定の説得力がございます。
実際、マンジャロの様な薬は、
- 食欲低下
- 満腹感増加
によって体重を落としますが、薬をやめた後に、
- 元の食習慣
- 元の報酬系
- 元の生活
へ戻りますと、リバウンドは十分起こり得ます。
ですから、「薬だけでは生活習慣そのものは自動で変わらない」という指摘はかなり重要です。
また、「標準体重以下で使うのは違うだろ」という部分も、多くの医療者が比較的共有している感覚に近いと思います。
特に、
- 低BMI
- 痩せ願望
- SNSルッキズム
- 若年女性
が絡みますと、医療というより美容市場化し易いからです。
一方で、この投稿にも「言い過ぎ」になり易い部分はございます。
例えば、「努力すれば誰でも痩せられる」を強く言い切る部分ですね。
これは現実には個人差がかなりございます。
肥満には、
- 遺伝
- 内分泌
- 食欲調節
- 精神状態
- 家庭環境
- 睡眠
- 貧困
- 発達特性
などが強く関与します。
そのため、「人間らしい生活をすれば痩せられる」は、ある意味では正しいのですが、実際にはその「普通の生活」が難しい人もいる訳です。
ですから医学的には、「根性論だけ」で全部を説明するのも危険です。
ただ、この投稿が“ド正論”易い理由は、「薬で痩せる」ことへの違和感だけではなく、「努力・習慣形成・自己管理というプロセスを飛ばしてよいのか?」という倫理観に触れているからだと、私は思います。
更に申しますと、この投稿は「痩せること」自体を否定しているのではなく、「美容市場が“楽して痩せる”を煽っていること」への反発なんですね。
そこが、私が「まとも」に感じる理由だと思います。
「ただ“痩せる”ためだけに『マンジャロ』を使用するのはバカがやる事」と、私は思います。
「瘦せる」のでしたら、健康的に痩せましょう。
痩せた時の体形が、全く違います。
さて、来たる6月21日(日曜日)、愛知県津島市の東海プロレス道場に足を向けてみて下さい♪
そして7月12日(日曜日)、もしお時間がございましたら、栃木県小山市文化センター小ホールに足を運んでみて下さい。
先日、元同志社大学大学院の浅野健一氏の発言とスタンスにつきまして、考察してみたYouTube動画をアップ致しました。
よろしかったら、ご覧下さい。








