猫の遠ぼえ『次の世代に残したい日本』

猫の遠ぼえ『次の世代に残したい日本』

やっと明るい未来を語る政治家が総理大臣になりました。しかし、闘いはまだまだこれから。子や孫が希望を持てる国になることを願うおやじのブログです。


NEW !
テーマ:

人気ブログランキングに参加しています
応援をよろしくお願いします。

 
人気ブログランキングへ

 

 

周回遅れのネタで恐縮だが、今年の漢字は「災」ということになった。
西日本豪雨、大阪府北部地震、北海道胆振東部地震、台風第21号と大災害が続いた今年を一言で表わせばこうなるのだろう。

ただ、個人的には、この文字は年越しも近いこの時期の話題としてはネガティブすぎる気がする。もっと前向きの意味合いのある漢字のほうがふさわしいと思うのである。
たとえば、東日本大震災の2011年には「絆」が二位の「災」を抑えて選ばれている。

このように次の希望につながる言葉のほうが、これまで幾多の試練を乗り越えてきた日本らしいし新年を迎える気持ちになる。

だから、わたしなら今年はスーパボランティアの小畠さんに敬意を表して「援」の字を選びたい。「手を差し入れて助ける」という意味のこの字なら多くのボランティアが被災地に支援を提供した年にふさわしいと考える。

さて、今年の漢字が「災」に決まったことについて、安倍総理はそれがふさわしいと答えたうえで、自分にとっての1年を示す漢字は「転」だと述べている。
以下、首相官邸フェイスブックより。


記者今年の漢字が決まりましたが、受け止めと、総理にとっての漢字一文字をお願いします。

安倍総理)今年の漢字。これやはり「災」ということで 、災害が大変多かった1年でした 。
1日も早く皆さんが 安心して暮らせる生活を取り戻せるように 、復旧復興に全力を尽くしていきたいと思っています 。

今年1年。私にとっての1年を示す漢字としては 「転」ですね 。
起承転結の「転」です 。

今年は平昌オリンピック・羽生結弦選手の「4回転」の金メダルでスタートしました 。
将棋の藤井聡太7段が活躍しましたね 。
また、大坂なおみ選手が全米オープンで優勝した。
若い力が台頭した。新しい世代への「転換」を予感させる1年でもありました。

また、国際政治に目を転じますと米朝首脳会談も行われた。
また国際貿易をめぐる情勢も大きく変化しましたね。
そして日本にとっては、また私にとっては、日露首脳会談
プーチン大統領との首脳会談をシンガポールで行い、日露関係の大きな「転機」が訪れてきたということを感じる1年でもあります。

未来を「好転」させるかどうかは、私たち自身にかかっていると思っています。

来年は日本、大きな「転換点」を迎えますが、良い年にしていきたいと思います。


https://www.facebook.com/sourikantei/videos/vb.314327765333656/840009499724024/?


米中関係がこれまでにないほど緊張するなど、国際情勢が大きく変わった1年だったから「転」の一文字は納得だ。何より『未来を「好転」させるかどうかは、私たち自身にかかっている』と前向きなところが安倍総理らしくていい

話の冒頭に若い世代の活躍を持ってきたのも同じような意図だろう。
国家のリーダーが後ろ向きの姿勢では少子高齢化など山積する課題を克服できない。激動する国際情勢にも翻弄されることになりかねないのである。

ただ、今年は国内政治の面も大改革がいくつかあったのに総理はそこには触れていない。
囲みの会見でコメントが長くなるのを避けたのだと思うが、そこは「光る番頭役」菅官房長官がきちんとカバーしている。


 菅義偉官房長官は12日の記者会見で、今年の漢字に「成」を選んだ。約70年ぶりの改革となった働き方改革法や改正漁業法などを列挙し、「様々な改革を成し遂げることができたと思っている」と自賛した。
(朝日新聞記事から)
https://www.asahi.com/articles/ASLDD5GC5LDDUTFK01Q.html


6月に成立した働き方改革関連法案は、雇用対策法、労働基準法、労働時間等設定改善法、労働安全衛生法、じん肺法、パートタイム労働法(パート法)、労働契約法、労働者派遣法を一気に改正する大改革である。

ネットでもあまり話題にならなかったが、漁業法も、なんと70年ぶりの大改革だ。
他にも入国管理法、水道法など多くの法案が成立し、日本と欧州連合(EU)の経済連携協定や日EUの戦略的パートナーシップ協定などが承認された。

どれもこれまでの延長線上ではなく、未来に向けて転機となりそうなものばかりである。
だから、国内政治を見ても「転」の字はピッタリのような気もするが、そこを「成」としたところに、番頭役としてこれらの大改革を成し遂げた苦労と自負が感じられる。

菅氏は自身のブログ「意志あれば道あり」に次のように書いている。

臨時国会が閉会:実り多い内容に
 

本日、臨時国会が会期末を迎えました。
甚大な被害をもたらした大きな自然災害への対策を中心とする補正予算に加え、
政府が提出した法案13本、条例3本の全てが成立
しました。

入国管理法の改正案は、中小企業をはじめとして全国で人手不足が深刻化する中で、外国人材を受け入れるために、就労を目的とする新たな在留資格を創設するものです。
例えば介護人材の人手不足は深刻で、全国で特別養護老人ホーム(特養)の空きを待っている高齢者の方々が約30万人いるにもかかわらず、新設した特養の定員の約2割が人手不足のために利用できていません。
他に建設業、農業、外食、宿泊などでも人手不足が深刻で、これらを含めて14業種を新たな在留資格の対象にする予定です。
すでに我が国には128万人の外国人労働者がいます。来年度から出入国在留管理庁を創設し、政府全体で外国人をしっかりと管理しつつ、外国人材が住んでみたい、働いてみたいと思える環境を作っていきます。

漁業法の大改正も70年ぶりに実現しました。
世界の漁業生産量は30年間で2倍になっていますが、我が国の生産量は半分以下になり、順位も1位から7位に後退しています。
この間に世界で急拡大したのが養殖で、いまや全体の生産量の5割を占めますが、我が国では全体の2割にとどまっています。
漁業の就業者数は30年前は42万人でしたが、現在は16万人です。
こうした状況の中で、養殖に民間企業が参入できるチャンスを作るため、漁業権の免許の優先順位の規定を変更しました。
また、魚の種類ごとに漁獲量の目標を設定して、魚の資源量を管理できる仕組みにするなど、漁業の成長産業化を目指します。

水道法の改正は、水道管が老朽化する一方、水道事業が市町村中心で、多くが小規模で3分の1は赤字となっている現状を踏まえ、将来にわたり安全な水の安定供給を維持していくためのものです。
都道府県を中心に水道事業者の広域連携を進めるとともに、宮城県や浜松市が検討していますが、自治体にとってメリットがある場合に民間委託(いわゆるコンセッション)も選択できるようにし、水道の基盤を強化します

実り多い臨時国会とすることができました。引き続き結果にこだわり、改革を推し進めてまいります。

https://ameblo.jp/suga-yoshihide/entry-12425061690.html


激動する世界の中心で活躍する安倍総理と緊密な意思の疎通を図りつつ内政の改革に邁進する菅官房長官。
これほど強い信頼感、「絆」で結ばれた官邸コンビは見たことがない。

安倍総理は『来年わが国は「転換点」を迎える』と述べたが、自身もこれまで6年、残り3年と、「起承転結」の「転」の時期にいる。
そろそろ、総仕上げの「結」を意識する段階なのだ。

その意味で来年はさらに激動の1年になりそうな予感がある。
だからこそ、一貫して日本の明るい未来を語り、そのためにこれまで成果を積み重ねてきた安倍政権を微力ながらも応援し続けたい。


(以上)
 

人気ブログランキングに参加しています
応援をよろしくお願いします。

 
人気ブログランキングへ

 

 

 

 


テーマ:

人気ブログランキングに参加しています
応援をよろしくお願いします。

 
人気ブログランキングへ

 

 

産経新聞12日の朝刊に『本紙記者が選ぶ「政治家・オブ・ザ・イヤー2018」発表』という記事が掲載されている。産経新聞の政治部記者だけのアンケート結果だが、順位はともかくそれぞれに対する寸評が秀逸だ。

ベスト
1位(31) 安倍晋三  外交で手腕
2位(13) 河野太郎  韓国に毅然 
3位(10) 菅義偉   光る番頭役

ワースト
1位(29) 岸田文雄  煮え切らず
2位(12) 小泉進次郎 言うだけ?
3位(11) 玉木雄一郎 全てが半端


  ( )内は獲得ポイント。



かなり大きめの文字でぱっと目につくうえ、ごく短い言葉に政治家としての評価が凝縮されているから、これだけで記事の内容がほぼ分かる。
全てを5文字に統一しているのも気が利いている。

このような見出しの工夫は紙面版ならではだ。
ちなみに、ネット記事のリンクはこちら↓ 

【政治デスクノート】本紙記者が選ぶベスト政治家・オブ・ザ・イヤーは誰
産経 2018.12.11 01:00

https://www.sankei.com/politics/news/181211/plt1812110001-n1.html

尚、記事によるとアンケート方法は次の通り。

調査は「活躍した政治家」「期待を裏切られた政治家」をそれぞれ3人挙げてもらい、それぞれ理由も聞いた。記者16人から回答を得て、1位=3ポイント、2位=2ポイント、3位=1ポイントで集計した。


結果についての感想だが、安倍総理が断トツの1位というのは当然だろう。
外交以外を評価する声がまったくないのが意外だが、政治記者は内政面では経済政策などより政局のほうに強い関心を持つからだろう。

河野外相が菅官房長官を抑えて2位に入ったのも、同じような理由だろう。
とはいえ、この二人に関しては的確な寸評と共に納得の選出だと思う。
ただ、石破氏がベスト4位に入っているのは意外である。ワーストではないのだ。

勝つ見込みが薄いのに総裁選に出馬したことを評価する記者がいたからだが、永田町の価値観は一般人とはかなり違うらしい。
もし彼が3位以内にランクインしていたら、いったいどんな5文字を用意したのだろうか。

私には「裏切り魔人」などワースト用の言葉しか思い浮かばないが。

岸田文雄政調会長がワースト1位になったのも納得がいかない。
岸田氏の総裁選での煮え切らない態度の印象が強いようだが、ワースト候補なら野党にも自民党にも大勢いる。

ここでも政局ばかり追いかけがちな政治記者の偏りを感じる。
小泉進次郎氏が注目を集めるのも彼自身の人気が高いことと同時に、政治記者のそのような性向も大いに関係しているのではないか。

「言うだけ?」の評価に異論はないが、彼にはそこらのベテラン議員より豊富な実績がある。少なくとも魔人氏や野党各党の幹部連中を押しのけてワーストになるほどではない。ここにも誰が何を言ったかを重視しがちな記者の特性を感じる。

そして、一番違和感を感じるのはワーストに入った野党議員が国民民主党の玉木雄一郎代表だけということだ。
これについて記事は次のように書いている。


ここまできて「ベスト」「ワースト」ともに、野党議員の名前が出てこないことに気づく。岸田、小泉両氏らは期待していた分、裏切られた印象が強かったようだが、野党議員にはもともと期待すらしていなかったということか。

 かろうじて国民民主党の玉木雄一郎代表(49)がワースト3に滑り込んだ。

 国民民主党は今年9月に代表選を実施し、玉木氏が勝利している。これで与野党の緊張関係が高まるとの記者たちの見立てはあっさりと崩れたようで「『対立より解決』路線を掲げても立ち位置が定まらない」(若手)、「全てが中途半端」(ベテラン)と手厳しい意見が並ぶ。

 玉木氏が打ち出した第3子以降に1人1000万円を給付する「コドモノミクス」や「永田町のユーチューバー」宣言も不発に終わり「本当に政権を取ろうとしているのか疑問だ」(中堅)との声も。政党支持率が1%前後の低空飛行が続くのもいたしかたない。

(引用ここまで)


野党には枝野幸男、辻元清美、蓮舫、山尾志桜里、志位和夫、福島みずほ、山本太郎、森裕子などなど、ワースト候補を挙げたらきりがない。
また、国会議員ではないが、都政を大混乱させた小池氏も忘れてはならないだろう。

ただ、いくら特定野党には批判的な産経新聞でも、反日言動や審議妨害で活躍した政治家のランキングはつけにくい。朝日新聞など反日メディアの集中砲火を浴びることになりそうだし、提訴される可能性もある。

だから「期待を裏切られた政治家」に逃げたのかもしれないが、せめて上記の連中の寸評だけでも発表してもらえないものか。
たとえば「生コン疑惑」とか「超合金仮面」とか。

(以上)

 

人気ブログランキングに参加しています
応援をよろしくお願いします。

 
人気ブログランキングへ

 

 

 

 


テーマ:

人気ブログランキングに参加しています
応援をよろしくお願いします。

 
人気ブログランキングへ

 

 

私の父は徴兵検査に甲種合格してから終戦までの12年間で、現役として2年、二度の予備役で3年半、合計5年半の勤めを果たした。その間、朝鮮、中国大陸にも渡っているが、特に日中戦争勃発直後だった中国ではかなり苦しい思いをしたようだ。

戦後の父は戦友と何度も会い、機嫌のいい時には軍歌を口ずさんだりしていた。
勲章もいくつか持っていて、私たち子供に見せる時もあった。
ただ、そのとき軍隊時代の話もしたかもしれないが、まったく覚えていない。

おばあちゃん子だった父が朝鮮で祖母の訃報をうけとって密かに泣いたことや、中国山西省で苦戦したことなどを知ったのは遺品の手帳を読んだからだった。生きている内にもっと聞いておけばよかったが、大人になってから戦争に関して話したことは一度もない。

南京大虐殺、百人斬りといったねつ造暴虐話を信じていたから、とても父に軍隊時代の話を聞く気持ちなど起きなかったのだ。先の大戦を父や母がなぜ太平洋戦争ではなく大東亜戦争と呼ぶのかなど考えもしなかったのである。

そして今回、百田尚樹さんの『日本国紀』を読み、戦後の日本人に刷り込まれた自虐思想がその理由だと改めて認識させられた。

日本国紀  2018/11/12百田 尚樹  (著)



「日本通史の決定版」とうたっているが、百田さんが最も書きたかったのは十一章から十三章(大東亜戦争、敗戦と占領、日本の復興)ではないか。
中でも特に力が入っていると感じるのはGHQの「WGIP」に関する記述だ。

「私たちの歴史はどこから始まるのか、これは簡単なようでなかなか難しいテーマである」で始まる第一章からここまで読んでくると、歴史の専門家でもない筆者がなぜ日本通史に取り組もうと考えたのかが分かる気がする。

「戦争についての罪悪感を、日本人の心に植え付けるための宣伝計画」による影響はいまも深刻な影響を残している。そして、その影響がハッキリしてきたのはGHQなどとっくの昔にいなくなっていた昭和40年代になってからだと筆者は指摘する。

私が子供のころは祝日に日の丸を掲げることは普通のことだった。しかし、それをいつのまにかしなくなったのは私が大人になってからだ。新年の仕事始めで歌われる君が代では声を出さず、社歌の時は大きな声で歌った。

筆者は戦中生まれと戦後すぐ生まれた団塊世代が「WGIP」の影響を受け、彼らが成人して社会に出るようになって自虐思想がゾンビのように復活したと指摘する。わが身を振り返えれば、その指摘は当たっていると思う。

時代を生きてきた親の世代は、急に日本だけが一方的に悪いと言われてもそう簡単には信じない。負けた戦争について語ることは少なくなっても、ごく自然に日の丸を掲げ、子どもの前で教育勅語を暗唱して見せた。

しかし、学校教育やマスコミを通して自虐史観を刷り込まれた世代は、学園闘争に関わる程でなくても日の丸や君が代を遠ざけるようになった。わずか数年の占領時代の影響はその後もいまに至るまで続いている。

このごく短い期間で失ったものの大きさは、この時代に起きたことだけを見ていても感じ取ることは難しい。私たちの祖先が営みのなかで築いてきたものを知らなければ、何を失ったのか分かるはずがないのである。

だから、最も読み応えのあるのは大東亜戦争以降なのだが、それまでの時代も読むのが苦痛でさえあった歴史教科書とは比べ物にならないほど興味深い。中には「おや?」と思う部分もあるが、それは歴史書なら避けて通れないことだ。

本の帯には次のように書かれている。


私たちは何者なのか―――。
神話とともに誕生し、万世一系の天皇を中心に、独自の
発展を遂げてきた、私たちの国・日本。本書は、2000年
以上にわたる国民の歴史と感動にみちた国家の変遷を
「一本の線」でつないだ、壮大なる叙事詩である!


当代一のストーリーテラーが、
平成最後の年に送り出す、
日本通史の決定版!



この本は百田尚樹という極めて優秀なストーリーテラーが、戦後の歪められた言論、報道環境がいまも続いていることに警鐘を鳴らすために、あえて日本通史に取り組んだものだ。
だから、通史とはいえ、人物に焦点を当てた時の面白さが特に際立つ。

これまでの歴史書ではあまり光が当たっていない何人もの人物が取り上げられている。通史だから深いりはしていないが、そのいきいきとした記述を読むと、このうち誰かはいずれ小説の主人公になるのではと思えてくる。

歴史には諸説があるが、氏は限られた紙数のなかで、できるだけ諸説を紹介しながらも、氏の考える「一本の線」でつながる通史を書き上げたのである。そういう意味で、この本は、まさに当代一のストーリーテラーによる壮大な叙事詩と言える。

私は読むのに結構時間がかかったが、それは考えさせられること、興味深いことが多かったからだ。面白さに引き込まれて一気に読むのもいいが、引っかかったことをさらに自分で調べながら読み進めるのもこの本の楽しみかたの一つだろう。

アンチはもちろん、保守層の中にも極めて低い評価を与える人がいる。
中には参考文献が示されていないなどと批判する向きもあるが、この本は学術書でも教科書でもない。叙事詩に出典の記載を求めるなど滑稽ですらある。

ネットではこの本を子供や親に読ませた、読ませたいという人をけっこう見かけるが、老人や子供にこそ読んでほしい本である。また、一部の酷評で読むことをためらっているのであれば、是非手に取ってみることをお勧めしたい。

(以上)
 

人気ブログランキングに参加しています
応援をよろしくお願いします。

 
人気ブログランキングへ

 

 

 

 


テーマ:

人気ブログランキングに参加しています
応援をよろしくお願いします。

 
人気ブログランキングへ

 

 

今日未明、外国人労働者受入れに関する入国管理法改正案が成立した。
他にも改正サイバーセキュリティ基本法、天皇即位日祝日法、改正水道法や日EU・EPAなど重要な法律・条約が成立・承認された。

一方、憲法改正に関する具体的な論議は全く行われなかったといっていい。
野党が憲法審査会の開催にすら抵抗することは予測の範囲内だが、自民党案の説明すらできないままに終わるとは思わなかった。

10月の改造人事は、いよいよ安倍総理が憲法改正に本腰を入れ始めたと感じさせるものだった。特に、加藤勝信(総務会長)、甘利明(選対本部長)、下村博文(憲法改正推進委員長)、稲田朋美(筆頭副幹事長)党人事にその意欲が表れていると思わせた。

すでに議員を引退している高村正彦氏を党憲法改正推進本部の最高顧問としたことも、改正ヘの動きが加速することを強く期待させるものだった。ところが、その後の動きは加速どころかほとんど動いていない。


自民党 憲法審の22日開催を断念 野党が幹事懇欠席
毎日新聞2018年11月21日

https://mainichi.jp/articles/20181122/k00/00m/010/124000c

自民、改憲4項目の今国会提示断念 参院選前の発議困難
朝日新聞 2018年12月5日

衆院憲法審査会は5日、自民党が目指した6日の審査会開催を見送ることを決めた。同党は、安倍晋三首相が意欲を示した憲法9条への自衛隊明記を含む「改憲4項目」の今国会提示を断念する。当面、与野党対立が収まる気配はなく、来年の参院選前の改憲案発議も困難な情勢となった。

 10日に会期末を控え、6日は衆院憲法審の最後の定例日となる。与党筆頭幹事を務める自民の新藤義孝・元総務相は5日、立憲民主党の山花郁夫・野党筆頭幹事と国会内で会談。新藤氏が6日開催を求めたのに対し、山花氏は開催できる環境にはないと拒否した。

 自民、公明両党などの幹事らは対応を協議し、6日開催を見送ることにした。自民は今国会で「改憲4項目」の提示を目標に定め、6日の提示を模索した。だが、強硬な運営には出入国管理法改正案の会期内成立をめざす参院側や公明が反対するなどし、「今国会での提示はできない」(首相側近)との判断に傾いた。

 来年の通常国会では、統一地方選や参院選を見据えた与野党対立が予想されるほか、公明も参院選前の改憲案発議には慎重姿勢を示している。参院選までの発議は困難な見通しだ。

https://www.asahi.com/articles/ASLD556W0LD5UTFK00Y.html


維新を除く野党は、具体的な議論ではまったく対抗できないから入り口で阻止する手に出ている。それに対し自民党はなすすべもなくただ時間だけが過ぎてしまっている。完全に野党ペースのまま国会が閉じられようとしているのである。

法案の審議を人質に取られたこと、公明党が積極的でないこともあるが、要するに床に寝転がっている駄々っ子を殴って言うことを聞かせるわけにもいかないということだ。道理が通じない相手を議論の場に引き出す名案は簡単には見つかりそうもないのである。

安倍総理は9月の総裁選では今国会での「改憲4項目」の提示に強い意欲を示していたが、そんなつまらない理由で来年への先送りを余儀なくされたのである。
ただ、その分、法案審議のほうは比較的順調に進んだとも言える。

立憲民主党などの審議妨害は相変わらずだが、今回は審議拒否をほとんどしなかった。大好きな連休をとらなかったのである。憲法審査会を徹底的にさぼったうえに法案の審議まで欠席すれば、また連休批判が起きることを恐れたのではないか。

おかげで、問責とか不信任とか、採決抗議パフォーマンスなどお決まりのコースをたどったものの、多くの重要法案が成立し条約が承認された。つまり、安倍政権が憲法議論より法案審議を優先したことがこの結果につながったとも言える。

ただ、産経新聞は改憲4項目の今国会提示を断念したと伝えられていることについて、憲法改正の優先順位を下げるのかと安倍総理に懸念を示している。


【主張】自民党と憲法改正 「優先順位」を下げるのか
産経 2018.12.4

 臨時国会の閉会日を10日に控え、自民党が党独自の憲法改正案を衆院憲法審査会に提示する見通しが立っていない。

 「自衛隊明記」などを柱とする自民党改憲案の臨時国会での提示は、9月の党総裁選で3選した安倍晋三首相(党総裁)の公約である。

 臨時国会での提示を見送れば、安倍政権が憲法改正の優先順位を下げたとみられかねない。改憲の機運を高める上でも、自民党は会期内最後の審査会定例日の6日に、または会期を延長してでも約束を果たしてほしい。安倍首相は、党総裁として指導力を発揮すべきである。

(以下略)
https://www.sankei.com/column/news/181204/clm1812040001-n1.html


もっともな主張だ。
しかし、安倍総理は駄々っ子の相手をしていては何も結果が残らないと考え、法案審議を優先した。憲法改正の重要度より人手不足やインフラ整備の緊急度を優先したのである。

安倍政権の間に国民投票に持ち込めなければ憲法改正がさらに遠のく。
ただ、任期は3年近く残っており、いますぐに改正しないとどうにもならないこともない。
支持率を大きく下げてまで成立させた安保法制のおかげで安全保障体制の整備は前に進んでいる。インド太平洋戦略の進展、防衛費の1%枠の突破など、現行憲法の範囲内でもできることは次々と実行に移されている。

わが国にとって憲法改正の重要度は極めて高いが、現憲法の範囲内でできることも多いのである。だから、時間があまりないとはいえ、焦ってことを進めて失敗したら元も子もないのである。

そういう意味では「4項目全部」にこだわらず、まずは憲法改正の実績をつくるという選択肢もある。無理に国民投票にかけて否定されたらそれで終わりだが、「通りやすそうな項目」を選んで岩盤に一旦穴を開けておけば道は開ける。

そんなことを考えていたら、改憲に反対の立場からそうなることを警戒している人を見つけた。ネットでいろんな意味ですごく有名な菅野完氏である。
氏の論説から一部を引用させていただく。


イヤガラセの道具と化した「憲法改正」 <改憲案の背景><改憲ってほんとにするの?>
https://blogos.com/article/343276/?p=2

(以下引用)
安倍首相および彼の周辺の人々は、憲法を「国の形をつくるもの」と表現します。憲法とは「国家権力に歯止めをかけるもの」というのが世界共通の常識であり、「国の形を作るもの」という彼らの憲法解釈そのものが間違っているのですが、いまはあえて、彼らの憲法認識に歩調をあわせましょう。しかしながら、彼らのやっていることをみると、「国の形」をつくる憲法を、彼らは、話し合いさえ放棄し、「通りやすそうなものを通す」という姑息な方法で作成しようとしているわけです。そんな手法で作られた憲法が日本という国家の形をつくるというのであれば、彼らが作りたい日本とは「姑息で乱暴な日本」ということになるのでしょう。

ここまでくると、なぜ憲法を変えたいのかの意図さえよくわからなくなります。ただ単に「変えたいから変える」としか言っているようにしか見えない
(原文ママ)のです。改憲そのものが自己目的化しており、つまるところそれは、「護憲としかいわない連中を吊るし上げてやろう」という醜悪なイヤガラセにさえ見えてしまうのです。

思想の左右、政治的陣営の如何に関わらず、普通なら、このような性急かつ内容のない議論に参加することは、はばかるはずです。こんな状態で、野党は憲法審査会の審議に応じられるはずもなく、審議を拒否するでしょう。しかしそうなれば、官邸サイドの人々は、「野党は反対ばかりする」「サヨクは護憲護憲と宗教のようだ」と言いつのるのでしょう。下村博文氏のように「議論しないのは職場放棄だ」と言ってのけ、内容もなく妥協の産物でしかない姑息なものを、姑息な手段で押し通し「憲法改正」という結果を手に入れることになるのでしょう。

(引用ここまで)


「通りやすそうなものを通す」手法をとっているとの指摘は当たっている。
安倍総理が加憲に舵を切ったのは明らかにそのためだ。
イヤガラセという表現にそれに対する警戒感が強く表れているではないか。

安倍総理は2012年衆院選の公約では9条ではなくその前段として憲法発議要件を各議院の三分の二以上とする96条の改正をうたっていた。その後、2項をそのままに自衛隊を明記する9条改正を提案したが、これは「通りやすさ」を意識したものだ。

だから、安倍政権の間に改憲4項目全部でなくても改正を実現し、まずは現行憲法に風穴を開けることを優先する可能性もある。「単に変えたいから変えると言っているようにしか見えない」との指摘もそれほど的外れではない。

もちろん4項目全部を是非実現してほしいが、どんな形であっても憲法改正の実績をつくることが最重要と考える。改憲のための改憲に見えようが、イヤガラセや姑息な手段に見えようが気にする必要はないのである。

まずは「憲法改正」という結果を手に入れることに集中するべきだ。

(以上)
 

人気ブログランキングに参加しています
応援をよろしくお願いします。

 
人気ブログランキングへ

 

 

 

 


テーマ:

人気ブログランキングに参加しています
応援をよろしくお願いします。

 
人気ブログランキングへ

 

 

日本の水道はその水質の良さで世界一とも言われる。ただ、その運営は市町村単位で細分化されており、施設の老朽化、人口減少に伴う需要の減少、職員数の不足など課題が山積している。特に小規模事業体ほど状況は深刻なようだ。


(水道法改正に向けて ~水道行政の現状と今後のあり方~ 厚労省)より
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000179020.pdf

安倍政権はこの現状に対応するため水道法を改正しようとしているのである。
この件については下記エントリでも触れたことがある。

拙エントリ『極論と極論の間には無数の選択肢がある』
https://ameblo.jp/akiran1969/entry-12392203824.html

また、「ひろのひとりごと」さんはもっと詳しく、しかもわかりやすく解説している。

(「ひろのひとりごと」さんのブログ記事)
水道事業民営化デマに騙されないように
https://hirohitorigoto.info/archives/269

水道事業の民営化を止めるためにはどうすればいいか
https://hirohitorigoto.info/archives/276

上記の拙エントリで私の地元の体育館の運営の一部が民間(正確には市と民間の共同企業体)に委託された結果、サービスが向上し利用者も増えたことを紹介した。この民間事業者は大阪府のいくつかの自治体でも同様の業務を受けることで、スケールメリットを出している。

これまでも水道事業でも似たような試みが進められてきたが、既得権や自治体ごとの事情の違いなどが複雑に絡み合って思うように進まない。そこで、水道法を改正するとともに、各自治体への働きかけや予算措置も強化しようというのだ。

これらの政策により、これまでも進めてきた民間事業者との連携をより深め、事業の広域化(市町ごとの運営を、市町と県で設立する企業団で一体的に運営する)を進めて効率化を図り、上記のような課題に対応するのである。

ところが、安倍政権の政策に何でも反対の勢力はそうはとらない。

水道法改正案、参院委で可決 民営化への懸念やまず
朝日新聞デジタル 2018年12月4日

 水道事業を「民営化」しやすくする水道法改正案が4日、参院厚生労働委員会で与党などの賛成多数で可決され、週内にも成立する見通しとなった。この日の質疑でも民営化への懸念に質問が集中し、海外で近年相次ぐ失敗例についての厚生労働省の調査は、5年前に実施した3件しかないことが判明。利益相反の疑いも浮上した。

 冒頭の質疑で立憲民主党の石橋通宏氏は「驚くべき事態が発生した」と、水道事業を公営に戻した海外の事例を厚労省が3件しか調べていない点を指摘。「再調査して厚労省として責任ある形でやり直すべきだ」と求めた。

 争点の民営化の手法は、「コンセッション方式」と呼ばれ、自治体が施設や設備の所有権を持ったまま運営権を長期間、民間に売却できる制度。改正案では、導入を促すため、自治体が水道事業の認可を手放さずに導入できるようにする。

(以下略)
https://digital.asahi.com/articles/ASLD451MBLD4ULBJ00S.html?rm=527

記事が取り上げているコンセッション方式(公共施設等運営権方式)とは、水道施設の所有権を公共が有したまま、民間事業者に当該施設の運営を委ねる方式のことだ。
ちなみに水道事業での官民連携の手法には下記のようなものがある。


(水道法改正に向けて ~水道行政の現状と今後のあり方~ 厚労省)より
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000179020.pdf

上記のような資料で法案の内容を少しでも知れば「民営化」という表現は「戦争法」とか「移民法」と同様の実態とはかけ離れたレッテル貼りだと分かるはずだ。
しかし、このようなレッテル貼りは、特定野党やマスコミだけではないようだ。

まずは、こんなツイートが目についた。

エルコン@国語教室@hidelcondorpasa
まだまだ三橋さんに乗っかって水道法反対の人おるなぁ。
彼らに限らないけど、「この法律はこうなる!」で脅すだけでやはり対案がない。

反対するだけじゃ共産党と変わらんよ。
所詮はビジネスやな( ゚Д゚)y─┛~~
0:02 - 2018年12月5日

https://twitter.com/hidelcondorpasa/status/1069970170033115136
 
ここで触れているのは三橋ブログの次の記事のことだろう。

卑劣な水道コンセッション 2018-12-01
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12422762195.html

ここで、氏は次のように批判している。

 水道コンセッションの場合、災害で水道ネットワークが利用不可能になったとしても、民間事業者は一切、責任を負いません。それどころか、自治体に対し、
「早く水道を復旧しろ、こらっ! 俺たちの利益が減るだろ!」
 と、怒鳴りつける、醜い光景を見ることになる
でしょう。

 そもそも、日本の水道を民営化する必然性はゼロです。その上、安倍政権は民間事業者に資産リスクを持たせない、
最も卑劣なコンセッション方式で民営化を進めているという事実を拡散して下さい
(引用ここまで)

「自治体を怒鳴りつける事業者」という架空の存在を登場させた藁人形論法だ。
「日本の水道を民営化する必然性はゼロ」という結論が先にあり、コンセッション方式を悪者にすることでドミナントストーリーを完成させているのである。

この方式は水道料金の決定も含めた主導権は自治体にあり、受託企業は広域化や企業努力で利益を生み出すというビジネススタイルだ。
これが氏の手にかかると「最も卑劣な方式」という煽りのネタになる。

氏はこれまでも「水道民営化を推進するなど、狂気の沙汰」とか「安倍政権は、日本史上、類例を見ない「亡国の政権」」などと主観に基づく過激な煽り文句を使用している。
中身の薄さをカバーする時に陥りがちなことである。

また、保守論客と言われる人のなかにも、間違った認識や現実を無視した極論をもとに、水道法改正、出入国管理法改正、自称・元徴用工判決への政府の対応、対中外交など安倍政権の主要な政策にことごとく批判を浴びせる人達がいる。

徴用工の件などは、韓国に対してもっと強硬な対応を取るべきだと主張することは日本国民の怒りを伝える手段として有効だと思う。しかし、現実にはこの局面でこちらが先に手を出すのは困り切っている相手に手を差し伸べるのと同じだ。

批判するなら、政府が国際世論を睨みながら戦略的に動いていることを理解したうえであるべきだ。しかし、これらの問題に関しても、愛国や保守を名乗る論客が読者を意識して反日勢力とは違うスタンスから政府の対応を批判するケースが目につく。

中身を知ったうえでの政策批判はもちろん、怒りを表明することも時には必要だ。
ただ、その時も冷静な判断を忘れず、結果的に敵を利することは避けたいものである。

(以上)
 

人気ブログランキングに参加しています
応援をよろしくお願いします。

 
人気ブログランキングへ

 

 

 

 

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス