猫の遠ぼえ『次の世代に残したい日本』

猫の遠ぼえ『次の世代に残したい日本』

やっと明るい未来を語る政治家が総理大臣になりました。しかし、闘いはまだまだこれから。子や孫が希望を持てる国になることを願うおやじのブログです。


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アメリカのペンス副大統領が10月4日に行った中国政策に関する演説は衝撃的だった。
日本のメディアの反応はにぶかったが、中国に関する報道に強い大紀元などは「中国共産党に宣戦布告」とのタイトルでこれを報じたくらいだ。

関連エントリペンス米副大統領が語る驚愕の事実

ところが、そのあと中国を訪問した安倍総理は「競争から協調へ」と述べるなど、日中関係改善に意欲を見せた。通貨交換協定の再開を決め、さらには一帯一路を評価する発言もしたため、がっかりしたり怒ったりする人も多かった。

貿易戦争からさらに踏み込み、「事実上の宣戦布告」「第二次冷戦」などと言われる状況になっているから中国は相当困っているはずだ。それなのに、なぜそこまで中国に迎合して関係改善する必要があるのか(石平氏)というわけだ。

ところが、このような見方に対し安倍総理は周囲に次のように語っているそうだ。
阿比留さんが今日(11日)の産経抄で紹介している。

米国と齟齬(そご)は全くなく、歩調はそろっている。だってペンスが言っていることは、私がこれまで言ってきたこと。それを米国が実行し始めたということだ」
https://special.sankei.com/f/sankeisyo/article/20181117/0001.html

アメリカの対中政策は安倍総理が提唱し進めてきた「インド太平洋戦略」そのものだ。
安倍総理がトランプ大統領らに繰り返し説いてきた結果、米国は1年くらい前に初めて「インド太平洋」という言葉を使ってこの戦略の重要性に言及するようになった。

安倍総理が外交には素人のトランプ大統領に世界情勢やインド太平洋戦略を説き続けてきたことが形になり実行に移され始めてきたのである。
だから、日中関係改善の動きと米国の強硬な態度はまったく矛盾しない。

だから、阿比留さんはこのコラムの中で「外交は虚々実々を尽くして戦うものであり、表面に浮かぶ事象だけで判断すべきではない」と述べている。

ただ、就任当初は頻繁に電話会談を求めてくるなど、安倍総理の言うことを何でも聞く感じだったトランプ氏も最近はそれほどでもなさそうだ。
中国やEU諸国に対するほどではないが、日本への要求もだんだん強まっている。

国際会議や首脳会談をたくさんこなすうちに自信をつけてきたのかもしれない。
当ブログで何度もご紹介している「甘利明 国会レポート」の最新号に、それを裏付けるような見解が示されている。

中間選挙で一定の勝利をおさめたトランプ大統領が、これまで以上にやりたい放題になる可能性があるというのだ。

(引用ここから)

 さて、アメリカの中間選挙では下院は民主党の勝利、上院は共和党の勝利となりました。民主党は勝利宣言を行い、トランプ大統領も勝利宣言を行いました。上下両院のねじれ現象は政権の安定運営に支障をきたすという評価はありますが、市場は大きな上げ幅を示しました。

 トランプ大統領が自信を深めたのは自分に賛同した共和党候補は勝ち残り、自分に批判的な共和党候補は落選をしたということでした。2年後の大統領選時には再度、下院の全議席と上院の三分の一の議席が改選になります。トランプ大統領に批判的な共和党議員が落選したという事実は2年後の改選時にトランプ大統領を批判する共和党議員がいなくなるということを意味します。自信を持ったトランプ大統領は残りの2年間日々選挙モードで走り続けるはずです。
 最も警戒しなければならないことは、再選すればトランプ大統領は世論を気にすることなくやりたい放題出来る4年を与えられるということです。トランプ大統領と各国首脳との信頼関係の濃淡がそのまま両国関係そのものになっていくということを意味します。先の日米会談の席上で、「シンゾーと俺との関係がなかったら日本はもっとひどい事になってる」との発言があった様ですがこれはまさにトランプ大統領の本音であり、再選後に色濃く現れる方向性だということを踏まえて対応しなければなりません。

(甘利明 国会リポート 第368号)より
http://amari-akira.com/01_parliament/index.html


下院で負けたのに勝利宣言をした理由も再選すればさらにやりたい放題になるとの指摘も説得力がある。トランプ大統領が本音を言い出したらどうなるのか。
やはり「あまりの慧眼」はマスコミ報道とは一味違う。

安倍総理があと3年なのにトランプ大統領の時代があと6年続く可能性が高まったのである。
さて、安倍総理以外に、この異色の大統領とうまくやっていける政治家ははたしているだろうか。そう考えたら頭が痛くなってきた。

(以上)
 

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外国人労働者の受け入れに関わる出入国管理法改正案が審議入りした。
NHKをはじめ多くのメディアが「外国人材拡大法案」と呼んでおり、報道を見ているとこの改正が今後の移民推進につながると不安になるのも無理はない。

すでに、外国人労働者の増加に伴う様々な問題が起きているのに、これ以上増やしてどうするのかと考えるのはある意味当然かもしれない。
では、この法案は外国人労働者が今後大量に流入することにつながるのだろうか。

私は、将来的に移民政策に積極的な政権が登場すればともかく、当面はその懸念はないと考える。今回の改正で、これまでとは比較にならない厳しい条件を設けるとともに、受入れ人員の上限を設けようとしているからだ。


外国人労働者受け入れ34万人の根拠は…
産経 2018.11.14 21:50

 外国人労働者の受け入れ拡大に向けた出入国管理法改正案をめぐり、政府は14日、制度導入から5年間で最大34万5150人を受け入れるとする見込み数を明らかにした。日本で働く外国人は昨年時点で約128万人に上っており、さらに3割程度増える計算になる。これに対し、野党は「不十分な内容だ」として人数の根拠や詳細なデータの提出を要求し、今臨時国会での改正案の成立阻止に向け攻勢を強めている。

 政府は、公表した受け入れ見込み数について、日本人の採用や生産性向上の取り組みを行っても不足するとみられる労働者数などから算出したとしている。

 導入初年度は14業種で最大4万7550人の受け入れを見込み、そのうち50~60%は技能実習生からの移行を想定している。

 政府は当初、受け入れ見込み数の公表に消極的だった。改正案は対象業種や人数を明記しておらず、成立後に具体的な運用方針で定める予定だったからだ。だが、野党側が強く要求したため、公表に踏み切った。


(以下略)

https://www.sankei.com/economy/news/181114/ecn1811140037-n1.html


この記事には制度導入から5年間で34万人という枠の根拠となる「政府が試算した人手不足数と外国人労働者受け入れ規模」という表がついている。この表は少し見にくいので、これを見やすく整理した『ねこおぢさん』さん作成のものを引用させていただいた。





これら14業種だけでも5年後に145万人を超える人材不足が予想されるのに対し、改正案が施行されても最大でも34万人しか増やせないことになる。

これに対応するには、製造業や農業なら製造を海外に移転する手もある。
しかし、介護、外食、建設等は国内に人材がいなければ話にならないのである。

そんな心配するより、賃金をもっと引き上げて日本人の雇用をもっと増やせばいいとの声もあるが、ことはそう簡単ではない。人材の奪い合いで賃金が上がるのはいいことだが、それで日本全体の人手不足が解消するわけではないのだ。

言うまでもないことだが、わが国の生産年齢人口は減少を続けている。
しかも、団塊世代が現役を去り始めたことでさらに加速しているのである。



http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2018/0220/shiryo_04.pdf


これほど生産年齢人口が減っているのに民主党時代に人手不足があまり表面化しなかったのは経済が停滞していたからだ。
しかし、アベノミクスで景気回復が顕著になると求人が急増し始めた。

それに伴い、生産年齢人口が減っているのに*労働力人口は逆に増え始めている。
(*:就業者+完全失業者)


https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/ft/pdf/index1.pdf


民主党政権時代とその後の差は歴然としている。
景気回復で人手不足が表面化し、これに対して安倍政権は高齢者の雇用延長や女性の活躍のための施策を次々と実施した。その結果、働く意欲を持つ人が増えたのである。

ただ、これだけ顕著に増えてもまだまだ人は足りなかった。
だから、外国人に頼ろうとする動きも加速していた。



http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2018/0220/shiryo_04.pdf


2012年から2017年までの5年間で60万人も増えている。
民主党政権時は景気後退で増加が止まっていたのが、景気回復と共に急激に増え、政府が示した5年間で最大34万人という数字の倍近くも増えていた。

つまり、「外国人材拡大法案」が施行されても、これまでよりむしろ伸び率が抑えられることになるのである。

拡大のはずがそうなるのは、この法改正がより適切に管理する出入国管理法改正を行ったうえで?上限を設けて外国人労働者の受け入れを拡大しようとしていることによる。
「外国人材拡大法案」との呼び方は法案の一面だけしか表していないのだ。

最近の外国人材に係る最大の問題は技能研修制度が歪められていることだ。
OJT(実地研修)と称して事実上の労働をさせていることや、この制度で入国した外国人が毎年数千人も失踪している現実がある。

今回の改正とそれに伴う施策は、そのような出入国管理上の法的あるいは運用の問題点を改善しようとするものだ。新たに出入国在留管理庁という専門の部門を設置するのも、穴だらけの管理体制を強化する狙いがあるのだろう。

そして、こうして受け入れ条件を厳格化すれば、いくら外国人材へのニーズが高くてもそう簡単に増やせなくなる。さらに、優秀な人材は国際的に取り合いとなっている現状もあるから、34万人よりはるかに少ない人材しか来ない可能性もある。

安倍政権は人口減少への政策も積極的に進められているが、こちらの方は効果がすぐに表れる性質のものではない。外国人材の力も借りながら一方で根本的な手を打ち続ける。
今回の法改正は、そのような現実を踏まえた対応なのである。

この法案が成立して政策が実行されても、現在の景気が続けば深刻な人手不足は続く。
日本人でも外国人でも、それ相応の賃金なり条件を提示しなければ優秀な人材を確保することはますます難しくなる。

同時に、自動化、ロボット化、IoT化、あるいは海外での生産を増やすなど、それぞれの判断で人材不足に対応することが必要だ。
移民をあてにして手を打たない企業は存在が危ぶまれることになるのである。

(以上)
 

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先日のエントリ『百聞は一見に如かず 若いうちに外国を』では、仕事で何度か訪れた中国での思い出話を書いた。25年近く前に最初に訪問しその後も何度か行ったが、上海や深圳は街も人も行くたびに変わっていたのである。


最後に訪問してからすでに10年以上経っているから、上海も北京も深圳もさらに変わっているに違いない。乞食まで電子決済という話が本当がどうかぜひ自分の目で確かめたいと思っていたが、街だけではなくモノづくりの現場もかなり変わっているらしい。

ネットで見かけた次の記事ではビジネスのため中国に長年住み続けている日本人の方がじかに見た中国のモノづくりの一側面が語られている。


(まぐまぐニュース!第一線の専門家たちがニッポンに「なぜ?」を問いかける)
中国で仕事する日本人が素直に感じた「このままだと日本ヤバい」2018.11.12
https://www.mag2.com/p/news/376210

(一部抜粋)


私は仕事柄、中国の工場を訪問する機会があるのですが、先日中国の中部にある工場を訪問した時に度肝を抜かれたというか、考えさせられる出来事がありました。

訪問したエリアは湖北省と呼ばれる中国中部にあるエリア。

上海から高鉄と呼ばれる新幹線を使うと最速で4時間で行ける場所です。都心部は都市開発を急速に進めていて地下鉄工事や商業施設、誘致を受けた工場などの工事の真っ只中。まだ下町のエリアは残っているものの、建設ラッシュが始まった姿は十数年前の上海を彷彿とさせます。

一般的な庶民が食す軽食を扱う店舗は、上海に比べると3割から半額程度の値段設定。もちろん生活費が安い訳ですから給与も低く、繁華街で見かけた日本レストラン募集の給与は3,500元(18年11月レート換算5.8万円)。若手サラリーマンの給与でも4,000元程度(18年11月レート換算6.5万円)とのことで、この辺も上海などに比べ賃金も4割くらいは安い状態です。

そんな情報を仕入れつつ、訪問先の工場が完全な「中華系企業」であったため、勝手に「工員が多く働いているのだろう」と想像しながら訪問したのですが、それが完全な間違いでした。

訪問した工場構内、整然とされていて非常にキレイ。そして人がいない。基本的に機械が加工を行い、工員は部材を準備している程度。整列された工場機器に数えるほどしか居ない工員達。想定外の出来事でした。

工賃が安いエリアに工場があるので、数多くのスタッフを雇い製造を行っていると思っていたのが、カナリ機械化を進めているのでした。





思っていたとおりだ。
10数年前は上海や深圳など一部の都市だけが急速に近代的な街に変貌しつつあったが、その急激な変化が地方にも広り始めているのである。

そして、何より驚いたのは、工賃の安い地域でも工場の自動化という選択を始めていることだった。中国の工場と言えば地方から出てきた工員さんがずらっと並んだ光景を思い出すが、それも変わりつつあるのだ。

もちろん、これはまだまだ一部なのだろう。とはいえ、街だけではなくモノづくりの世界でも、私の知る10年前とは状況がかなり変わっていることは間違いなさそうだ。もっとも、その自動化を進めたり整然とした工場を維持できているのはどうやら日本人のおかげらしい。

記事は次のように続く。


中華系企業ですが、お会いした相手は日本人。業界に精通していて、簡単な話「ヘッドハンティング」で採用された方。与えられた使命は企業の効率化やカイゼン。その為ある程度の費用が掛かっても、自動化や無人化など「人を減らせる提案」を求めているという事でした。

工賃が高い日本で自動化や無人化を進めるというのは理解できますが、工賃が安い場所でも自動化や無人化を進める中華系企業。日本人には考えられないかも知れませんが、その背景には少しでも条件の良い給与先を求めて、ある一定の年齢までは転職を繰り返すという中国人スタッフの姿があります。

雇う側からすれば、仕事を覚えた頃には転職。人の入れ替わりが激しいと、ルールの徹底ができず品質が安定しません。そこで、生産の標準化を実現するために、費用がかかっても自動化や無人化を進めて、一定の標準化や規則に従うよう管理を行いたいという事のようでした。

そして、その任務を担っているのがカイゼンのプロ、日本人なのです。


(引用ここまで)


中国が生産拠点として注目されだしてから四半世紀は経つ。ところが、彼らの工場の現場にはノウハウらしきものが蓄積できていないようなのだ。これまで多くの日本人が指導に当たってきたが、肝心のところがあまり進歩していないのである。。

苦労して人材を育てても、少しでも条件のいいところがあると簡単に転職してしまう。
だから、いつまでたっても日本人の指導は終わらない。
そんな状態が昔からずっと続いているのだ。

そんな状態の上に、農村部からの労働力供給が頭打ちになり賃金が上がってきた。人材不足と経費上昇に伴うコスト力の低下が自動化の強い動機付けになっているのではないか。
将来のことを考えれば、あてにならない中国人より自動化のほうがあてになる。

そして、この傾向はすでに中国社会に広く普及している電子マネーのように一気に加速しそうな気がする。言い方は悪いが、偽札が多いから電子マネーが爆発的に普及しているのと同じ構図に思えるのである。

ところで、上記記事の後半は、責任の所在があいまいで決断に時間がかかる日本企業や駐在員に対する批判が続く。中国へ進出した日本企業の駐在員がリスクを嫌う、本社の意向を気にしすぎて決断が遅いなど、さまざまな問題点が指摘されている。

カイゼンのプロとしてバリバリ仕事をしている日本人もいれば、そんな人もいるのだ。
それまでいた企業から離れて単身中国に渡った人はすぐに結果を求められるし、誰も頼れないから決断も仕事も早くなるのだろう。

それはともかく、中国はIoTやロボット技術などの最先端技術による情報社会の次の時代、「超スマート社会(Society 5.0)」を目指し、中国製造2025と名付けた国家プロジェクトを推進している。モノづくりでも世界制覇を果たそうとしているのである。

もっとも、中国がこの分野のルールや仕組みづくりの主導権を握ることはできないだろう。
なにしろ、いまだに日本のカイゼンの指導を受けているありさまなのだ。
10数年前と比べて工場の自動化は進んでいても、肝心のところは進歩していないようだ。

(以上)

 

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安倍総理が12月に訪英してTPPへの参加を促すという。
民主党政権の「平成の開国」に大反対した頃には想像もできなかったことになっている。


首相、12月の訪英を検討 TPPへの参加促す
2018/11/10 0:16日本経済新聞 電子版

安倍晋三首相は12月上旬に英国を訪問する方向で検討に入った。メイ首相と会談し、英国が関心を示す環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を促したい考えだ。来年3月に予定する英国の欧州連合(EU)離脱を巡っては、日本企業に悪影響が出ないよう重ねて配慮を求める。北朝鮮問題を含む安全保障協力についても話し合う。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3760971010112018000000/?n_cid=SNSTW001


安倍総理は先月上旬にフィナンシャルタイムズのインタビューでEU離脱後の英国を「両手を広げて歓迎する」と語っており、メイ首相も「英国は参加する用意がある」と応じているから、来年3月末にEU離脱する予定の英国がTPPに参加する可能性は高い


安倍首相、ブレグジット後の英国をTPPに歓迎と 英紙に
2018年10月8日

日本の安倍晋三首相は、欧州連合(EU)離脱後の英国を「両手を広げて」環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に歓迎すると英紙フィナンシャル・タイムズに述べた。首相はさらに、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長との首脳会談や、改憲議論に決着をつけることに意欲を示した。

安倍首相は、ブレグジット(英国のEU離脱)によって英国は欧州への玄関口ではなくなるものの、「世界的な力」をもつ国であり続けると話した。さらに、英国とEUに、「合意なし」ブレグジットを避けるよう「見識」を活用してほしいと呼びかけた。


(以下略)
https://www.bbc.com/japanese/45781381


安倍総理の言う「世界的な力」とは何を指すのか分からないが、GDPでいえばイギリスは日本、ドイツに続く世界第5位だ。国土の広さは日本(62位)よりも狭い(80位)が、海外領土などを加えると14位に跳ね上がる。

植民地は香港を最後になくなったが、独立していない海外領土や王室属領が世界中の海に点在している。そして、ある調査による軍事力ランキングでアメリカ、ロシア、中国、インドに次いで5位となっている(日本は9位)。イギリスは、いまもかなりの軍事大国なのだ。

そのイギリスがTPPに参加すれば貿易、投資、人材の交流など、関係が一気に進むことになるが、すでに、軍事面では準同盟と言っていい関係になりつつある。自衛隊は今年4月には英海軍と、9月末からは陸軍と13日間も共同演習を行っているのである。

これは、日本と英国の安全保障関係を新たな段階に引きあげる方向は昨年8月30日の安倍-メイ会談で決まっていた。ブレグジットを控えたメイ首相は安倍総理に会うだけのためにわざわざ日本まで出向いてきたのである。

そして、会談後に発表された共同宣言の冒頭には次のような文言が入れられた。


日本の「積極的平和主義」と「グローバルな英国」という英国のビジョンにより具体化された、グローバルな戦略的パートナーシップを次の段階へと引き上げるコミットメントを再確認。


パートナーシップの次の段階とは同盟関係だ。

「再確認」だから、安倍総理とメイ首相の間ではもっと前から約束があり、この会談で中身がさらに具体的に前に進んだということだろう。

この共同宣言には協力の範囲や対象がかなり具体的に書かれている。

安全保障協力に関する日英共同宣言【骨子】 
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000285660.pdf

ここには、インド太平洋地域の安定のため、英国の空母を展開させることや、北朝鮮の脅威に共同で対処すること、共同軍事演習を定例化することなどがうたわれている。その他、技術協力や装備品の共同開発を強化することなど幅広い協力も進めることになっているのである。

この程度ではまだ同盟とは言えないが、書かれている内容からはその関係を目指していることは十分感じられる。すでに陸海両軍で実際に共同軍事訓練が行われたことが、この共同宣言が絵に描いた餅ではないことを証明しているのである。

そのうえ、経済面でもTPPに参加するというのだから、両国の関係は急速に親密度を増していると言えるだろう。

また、共同宣言は「世界において、特にインド太平洋地域において協力を強化」としている。
インド洋に領土を持つイギリスは安全保障(シーレーン確保)と経済の両面で、安倍政権が提唱し、「自由で開かれたインド太平洋戦略」にイギリスも加わろうとしているのである。

さらに、安倍政権はフランスとも同様の関係を築きつつある。
当初は日本、インド、オーストラリア、アメリカ(ハワイ)を結ぶダイアモンドの形から「ダイヤモンドセキュリティ構想」と呼ばれていた戦略が、いつのまにかさらに大きく広がっているのである。

安倍総理が当初から将来的にイギリスやフランスとも連携することを考えていたかどうかは不明だ。

ただ、オバマ政権時代にアメリカの安全保障上の存在感が大きく低下していることは誰の目にも明らかだった。

だからこそ、基軸である日米同盟の強化に最優先で取り組むと共にインド、オーストラリア、も含めた特別の関係構築に努めてきた。さらにはスリランカ、モルディブといったインド太平洋地域に点在する諸国とも連携を深めてきたのである。

そこに、この地域からはるか離れたイギリスやフランスが加わる。
まさに「地球儀を俯瞰する外交」である。
この外交があるから、私たちは安心して内向きの話題を追うことができる。

(以上)
 

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前エントリでも取り上げた甘利明氏は中国はFinance(金融)とTechnology(技術)を組み合わせたフィンテック(Fintech)の分野で、いまやアメリカすら凌駕する勢いだと警告している。ソフトの最先端技術で日本は遅れを取っており、政府もやっと動き出している。

また、わが国が最も得意とするモノづくりの分野でも、いわゆる第4次産業革命への取り組みで出遅れている。例えば、ドイツでは2011年から製造業を中心とした「Industry(インダストリー) 4.0」と称する高度技術戦略を掲げ、産官学一体のプロジェクトを推進している。

アメリカはインダストリアルインターネット、中国は中国製造2025とネーミングは様々だが、それぞれが国を挙げてIoTやロボット技術などの最先端技術による情報社会の次の時代、「超スマート社会(Society 5.0)」を目指して取組んでいるのである。

ちなみに、「超スマート社会(Society 5.0)」とは次のようなイメージだ。
ネットで見つけた僅か1分22秒くらいの動画なのでよかったらご視聴いただきたい。


Society5.0(ソサエティ5.0)
 



ドイツがいち早く取り組みを始めた当時、民主党政権下のわが国の産業界は疲弊していた。
さらに、東日本大震災という巨大な災害もあったから、安倍政権になってからも復興や経済の立て直しを優先せざるを得なかったこともある。

とはいえ、安倍政権は放置していた訳ではなく、当初からこの問題に取り組んできた。
ただ、日本版インダストリー4.0、IoT化、ロボット革命、スマートファクトリー、つながる工場など、の呼び方で名前もコンセプトも統一されていなかった。

それがやっと「Connected Industries」と名称を決定し、コンセプトが統一されたのは昨年だった。
そして、そのきっかけになったのが一昨年5月の安倍-メルケル会談である。

ドイツ側が翌年(2017年)3月のドイツ情報通信見本市(CeBIT)にパートナー国として参加要請してくることが分かっていた。そこで、事前打ち合わせでどう対応するかが議題になったが、事務方(経産省)は、安倍総理に「持ち帰って検討します」と言わせようとした。

つまり、やんわりと断ることを考えていたのである。
ところが、その打ち合わせに陪席していた世耕副官房長官(当時)が割って入った。
世耕氏はNTT出身でこの分野には詳しく、かつてCeBITに参加したこともある。

氏に言わせると、CeBITはこの分野の世界中の技術が集まる素晴らしいイベントであり、かつて(おそらく1990年代)は日本からも100社以上の企業が参加していた。ところが、その後は参加は減る一方で、いまでは日本の存在感はほとんどなくなっていたのである。

世耕氏はそのことに危機感を感じていたし、わが国も日本版インダストリー4.0に取り組んでいた。それに、メルケル首相が安倍総理に直接提案してくるのには相当な意味がある。だからこの提案に前向きに応えるべきだと考えたのである。

この熱弁をうけた安倍総理はその提案を受け入れ、首脳会談で前向きな回答をした。
世耕氏は渋る経産省の事務方も説得して、最終的には真剣に取り組まざるを得ない状況に追い込んだ。この出来事がきっかけで我が国の取り組みに一気に加速がついたのである。

世耕官房副長官は経産省の担当者や企業と議論を重ね、イベントへの参加要請にも力を注いだ。その結果、イベントは大盛況で、わが国の遅れも大きく取り戻せたという。
この会談の半年後に経産大臣に就任したのは、危機感を共有した安倍総理の判断なのだろう。

側近中の側近の一人、エースの世耕氏をこのポジションにつけたことは、安倍総理がこの成長戦略の一つをいかに重視しているかの表れだろう。

実は、上記は昨年6月のG1ベンチャー2017という催しでの世耕氏自身の講演で語られたことを元にしている。
「kame cafe 資料倉庫」さんのツイートに添付されていた動画を参照させていただいた。

尚、冒頭のSociety5.0の動画も同じところから引用させていただいた。


世耕経産大臣が語る「Connected Industries」が実現する日本の産業の未来



日本はこの分野で後れを取っていること、政府としてこれからどうしようとしているのか、大企業やベンチャー企業に何を求めているのかが、僅か20分にまとめられている。
ただ、ベンチャーも含む企業人を対象にした講演なので一般にはやや難しい話かもしれない。

それでも、思ったよりはるかに話し上手の世耕氏は、冒頭の映画シン・ゴジラで活躍する官房副長と自分を対比して笑わせ、さらりと経産省の官僚たちの活躍をアピールして見せるなどしている。論旨も語り口も明快で気持ちよく聞ける。

世耕大臣の説明によると、モノづくりでライバルのドイツがソフトに強いのに対し、わが国はハードに強い。特に工場の現場には独自のノウハウや精緻なデータの蓄積があるが、これらの情報が社内や工場の現場に眠ったままで外部でほとんど活用されていない。

これらの眠っているデータをドイツの優れたソフト力と組み合わせて活用する。また、ドイツは標準化にも強く、両国が組むことで世界の製造業のIT化のスタンダードを日独で押さえていくことができるというのである。

そのようにして議論を積み重ねた末に「Connected Industries」という名称と統一したコンセプトが定まった。ブログ主にはその詳細を分かりやすく解説する能力はないので、興味のある方は経産省がまとめた下記資料をご覧いただきたい。


「Connected Industries」
東京イニシアティブ2017

http://www.meti.go.jp/press/2017/10/20171002012/20171002012-1.pdf


私たちが好むと好まざるとに関わらず、世界は情報化社会から超スマート社会に変わりつつある。国が音頭をとって利害が対立する企業をつなぎ、人材や、機械、データをつなぐルールや仕組みを作り、課題を解決する政府の役割は極めて重要なのだ。

そして、日本が目指すのはAIに人が振り回される社会ではなく、人間中心の課題解決型社会だ。外国に先を越されてそのルールや仕組みに合わさざるを得なくなれば、ほぼ永久に競争上のハンディを背負うことになる。

だからこそ、日本が主導権をとり、その考え方を世界のスタンダードに取り入れていかなければならない。
各国が国を挙げて取り組んでいるのに、わが国が遅れを取るわけにはいかないのである。

ところが、ネットでというか若い世代の間で成長戦略の評判はあまりよくない。
政府は金融緩和と財政出動に精を出すべきで、研究開発と縁の薄い政治家や官僚の考える成長戦略など邪魔だと言う人もかなりいる。

しかし、熾烈な競争を続ける企業に任せていたら国を挙げて世界スタンダードの仕組みやルールを目指す外国に太刀打ちできないこともある。
今日ご紹介した分野はまさにそれなのだ。

だから、特に若い人には関心を持っていただきたいと思う。
世の中は驚くほどの勢いで変わりつつあるのだ。

(以上)
 

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