中国・三国~晋の時代に活躍した葛洪は「肘後備急法」の著者です。


肘後備急法は急性病、特に脳卒中・人事不省・急性腰痛などの症状に対し、施灸で治療するという方法を取っています。


葛洪は急性病が陰盛によって起こると考え、灸によって補陽を行なうとしています。


ひきつけ・痙攣に対しては人中に30壮、人事不省に対しては陰交穴へ2壮、脳卒中に対しては両足の母趾の下のしわの中へ随年壮(患者の年齢の数)、急性腰痛に対しては腰眼穴へ7壮、急性胃腸炎の嘔吐に対しては間使穴へ7壮、腹痛に対しては中脘穴に7壮施灸を行なうとしています。


葛洪は隔物灸について書物に初めて記載したことでも知られています。


ニンニク・塩・小麦粉などを使った隔物灸について記載しております。


特に腫瘍の上に小麦粉を丸めたもの(中に椒を含む)を置き、施灸する方法は興味深いです。


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*五枢会治療セミナー


2011年から再現性の高い治療・有効率の高い治療をマニュアル化し、治療セミナーを行なっています。


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今までご紹介した鍼灸をまとめると、補法は灸で、瀉法は刺絡で行なうということになります。


中国の金・元の時代に活躍した「鍼経指南」の著者である竇漢卿(とうかんけい)は補瀉を鍼の手技で行なうことを提唱しています。


寒熱補瀉・呼吸補瀉・手指補瀉・迎随補瀉などの記載があり、寒熱補瀉から透天涼と焼山火の手法が発展しました。


動・揺・進・退・搓・盤・弾・捻・循・捫・擦・按・爪・切などの手法についても解説しており、後にこれを高武は「鍼灸聚英」の中で十四法として紹介、楊継州は「鍼灸大成」の中で十二法の中に取り入れています。


また、得気を重要視しており、軽・滑・慢であれば気が来ておらず、沈・渋・緊であれば来ていると判定しています。


現在の中国の手技鍼にも竇漢卿の手法は多く取り入れられています。


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中国・金の時代に活躍した張従正(1156~1228年)は「儒門事親」の著者として知られています。


去邪-邪気を除去する治療-を重んじていました。


「病気の原因は邪気である。邪気を速やかに攻めて除去し、正常に戻すべきである。」というのが張従正の考え方です。


治療法は汗吐下の三法を駆使して行なわれました。


吐法には「引涎・催涙」も含まれ、汗法には「鍼・灸・導引・按摩」など解表をするものが含まれました。


また、張従正は刺絡を多く用いました。


刺絡は汗法の中に入るというのが張従正の考えで、解表をして熱を取り除くことが出来るからとの事です。


張従正は刺絡の適応症として熱証・風病・湿証などをあげていますが、虚寒証には用いないようにしていたとの事です。


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中国・金の時代に活躍した李杲(りこう)は「脾胃論」を1249年に完成しています。


この本の中で、当時食糧事情が悪いため脾胃の病を患う者が多く、脾胃の機能を高めることの重要性を説いています。


元気の衰弱は脾胃の力の低下によるものが多いことを指摘し、胃経の合穴・下合穴である足三里を取穴しています。


また、脾胃虚弱に湿証を合併し、痿(麻痺)が出現した場合には気衝・上巨虚を加えるとのことです。


現在食糧事情は良いものの、飽食や食品添加物の影響などで脾胃の力が落ちている方が多いと思います。


また、日本人には脾虚証が多いように思われます。


遺伝子の面と気候条件(湿気が強い)が関与していると考えています。


実際の臨床では脾胃の力を高める治療を行なうことにより、大きく2つの問題が解決しています。


1つは筋肉の弾力性が高まることにより、肩こり・腰痛などの整形外科疾患が改善することです。


2つ目は心配性・食欲不振・慢性の下痢などの改善により、疲労感・全身倦怠感・うつ病などの改善がみられることです。


患者さんは脾胃が弱いことが大きな問題点であることをほとんど知りませんので、啓蒙する必要があると思います。


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「扁鵲心書」の著者であり、南宋の時代に活躍した竇材(とうざい)は「灸を第一とせよ」、「扶陽を熟知せよ」と唱えました。


その根拠として加齢による老化現象は陽気の衰えによるものとし、陽気が尽きると死に至ると考えたからです。


竇材は特に脾腎の二臓を補う事を重んじました。


「人は脾を母とし、腎を根とする。」という考えによるものです。


脾を補う経穴として命関(食竇)を、腎を補う経穴として関元を使うとのことです。


私自身沢田流の影響で脾腎を補う治療を行なうことが多いので、竇材の鍼灸の考えは分かり易いと思います。


また、日本人には脾虚証が多いので、竇材の治療があっている人は多いと思います。


オーダーメイドの治療をする前に、レディメイドの治療として、竇材の治療はお勧めです。


ただし、実証タイプ・虚熱証タイプともこの治療は合わないと思います。


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張仲景は後漢に活躍した「傷寒雑病論」の著者で、「六経弁証を提唱した漢方薬による治療の大家」というイメージがありますが、鍼灸に関しても興味深い洞察をしています。


熱証には鍼、寒証には灸を用いることを原則とし、熱証に対して灸(温灸・焼鍼)を用いることを禁じています。


陰虚証・太陽病(浮脈・発熱)にも灸(温灸・焼鍼)を用いてはならず、誤治をすることにより、変証・壊病になり易いとしています。


陰虚証では津液不足が根底にあるため、火熱によりさらに津液が損なわれることが増悪の原因としています。


太陽病では風池・風府への刺鍼を指南しています。



私自身も熱証に対し、温灸・灸頭鍼などを控えるようにしています。


透熱灸は行ないますが、施灸部位を少なくし、頭部・背部は避け、腹部や下肢のみに行なっています。


炎症部位・熱感の強い部位への温灸は症状を増悪させますのでご注意下さい。


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高齢者にとって寝たきりになることが最も嫌なことではないでしょうか?


寝たきりだったある方は「死んだほうがましだ。」とおっしゃっていました。


寝たきりの原因の一つである骨折・転倒の割合は12.4%ですが、骨折・転倒が契機となって、以前からあった疾患が悪化し、最終的に寝たきりなるケースがしばしば報告されています。


高齢者ではふらつき・バランス機能の低下・下肢の筋力低下・敏捷性の低下などがみられます。


これらの症状に対する鍼灸治療は以下のように行なっています。


ふらつきに対しては、百会・翳明・中渚などを中心にめまいの鍼灸治療を行なっております。


下肢の筋力低下で前脛骨筋の筋力低下による足の引っ掛かりに対しては足三里の施灸、長・短腓骨筋の筋力低下による捻挫に対しては陽陵泉・懸鐘への刺鍼などを使っています。


敏捷性に関しては特定の経穴を使うというより、その方に応じた治療(症状・体質傾向に対する)を行なっております。


寝返り動作が速くなったり、家族の方から、「歩行速度が速くなる。」という報告を受けています。


以上のように鍼灸治療は寝たきり予防に対し効果を発揮することができ、患者さんに運動していただくことにより、相乗効果が期待できると考えております。


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鍼灸治療を続けていると、若々しく元気になる方が多いです。


例えば石原慎太郎氏・中曽根康弘氏(元総理大臣)・タモリさんなど高齢でも元気で活躍されている方は鍼灸治療を継続している場合が多いです。


老化予防の治療としては腎虚を改善する治療だけでは十分ではありません。


関節の可動性を高める治療(股関節・膝関節など)や筋肉の支持力を高める治療など筋骨格系の調整が重要だと思います。


全体的にくすんだような、むくんだような状態の場合は瘀血証・痰飲の治療なども加える必要があると思います。


その他訴える症状に対応することで全体的にコンディションが上がり、健康状態が向上すると考えられます。


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鍼灸治療を続けていると、「風邪を引きにくくなりました。」とか、「風邪で寝込むことがなくなりました。」とか、「風邪をひいてもすぐに回復するようになりました。」という声が多く寄せられます。


年中風邪を引いていた人によると、「いつも体全体が重く、気分が晴れない。どんよりとした状態が続いていました。」とのことです。


風邪を引きにくくなってからは、「さわやか、体が軽い、気分が晴れている。」とのことでした。


身体の良い状態で過ごせることの価値は体験しないとなかなか分からないものです。


まず鍼灸師が自ら体験し、その価値を伝えられることと、風邪の症例を集積していくことが重要だと思っています。


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鍼灸治療を開始しある程度良くなると、治療を自ら中止する患者さんが多いと思います。


鍼灸師側から「治療は終了しました。」と宣言する場合もあるかもしれません。


しかし、症状が改善しても体調が良くなるため続けた方が良い場合もありますので、お伝えします。


まず第一に睡眠が改善することです。


寝つきが良くなる・眠りが深くなる・中途覚醒がなくなる・早朝目覚めなくなるなど日頃睡眠の質が低下している方から喜ばれます。


睡眠の質が良くなると、気分が良くなった・気持ちが明るくなった・集中力がアップした・日中の眠気がなくなったなどの変化が現れます。


睡眠薬・抗不安薬などを服用している場合は服用量が少なくなることもあります。


注意点としては、第105回でもお伝えしたように、改善しにくい不眠症の中にはうつ病・神経症性障害などの方が含まれていることがあります。


その時は心療内科などの受診を勧めて下さい。


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