鍼灸治療を続けていると、つい「数」を意識してしまうことがあります。
ただ、本当に技術を磨き、治療力を伸ばしてくれるのは、目の前の“ひとり”を丁寧に診ることです。

一人の患者さんをじっくり治療していると、症状の変化、体の反応、刺激量の違い、経穴の選び方の微妙な差…そのすべてが学びになります。
同じ症状でも日によって反応が違うことも多く、そのたびに「次はこうしてみよう」「この角度で取穴したらどうだろう」と、アプローチがどんどん増えていきます。

多くの患者さんは、1つの主訴だけでなく、複数の症状を抱えています。
肩こり+頭痛、腰痛+冷え、不眠+自律神経の乱れ…など、組み合わせは無限。
つまり、一人の患者さんを診るだけで、何通りもの治療法を実践できるということでもあります。

そして複数の症状があるときに、特に大切なのが
「どの症状が最も鍵になっているのか」を見抜くこと。
鍵となる症状を的確に治療できれば、他の症状が連動して改善することも珍しくありません。
ここを丁寧に考える時間こそ、臨床家としての“深み”につながります。

ぜひ、今日の臨床でも「ひとりに深く向き合う」姿勢を意識してみてください。
それだけで治療の質が、驚くほど変わります。
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◆可動域制限に効果的な治療法◆
可動域制限に悩む患者さんは多くいます。
五十肩や腰痛、膝関節痛など、関節の動きが悪いと日常生活にも支障をきたします。
そのようなケースに高い効果を示すのが 「運動鍼」 です。
「運動鍼」とは、ある経穴に刺鍼したまま可動域制限のある関節を動かす 方法です。
この手技を行うことで、直後に80%以上の方で可動域の改善がみられる という臨床結果が得られています。
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◆運動鍼の基本と注意点◆
「運動鍼」を行う際のポイントは、
・動かす関節の周囲には刺鍼しないこと。
 → 痛みや残鍼感が出やすいためです。
・刺鍼部位は、可動域制限がある関節を通る経絡の要穴に取ること。
たとえば、肩関節の可動域制限 では、
条口から承山へ透鍼して肩を動かす 方法があります。
この時鍼は太い方がより効果的です。
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◆臨床の即戦力になるテーマをYouTubeで解説◆
次回のYouTubeライブ配信では、
「深刺と浅刺の使い分け」 をテーマにお届けします。
深刺・浅刺を「なんとなく」で使い分けていませんか?
それぞれの目的・効果、具体的な刺鍼法を臨床例とともに解説します。
治療精度を高めたい先生方、学生の方もぜひご参加ください。
📅 11月6日(木)AM7:00
🎥 【YouTubeライブ配信】
視聴はこちらから
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鍼灸院の経営において「リピート率」はとても重要な指標です。
しかし、単に経営のためだけでなく、患者さんの治療効果や、私たち施術者の成長にも深く関係しています。

● リピート率を高める意義

治療効果が発揮される
 鍼灸治療は、1回で劇的に変化する場合もありますが、多くは継続することで体質やバランスが整っていきます。
 リピートがあることで、改善の積み重ねが可能になります。

鍼灸師の腕が上達する
 同じ患者さんを継続して診ることで、経過の変化を観察し、鍼の深さや刺激量などを調整する経験が積めます。
 この積み重ねが「治療の再現性」を高めてくれます。

鍼灸院の経営が安定する
 リピート率が上がることで予約が安定し、無理なく治療を続けられる環境を整えることができます。

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■ リピート率を高める3つのポイント
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① 治療経過中に改善した点を定期的に伝える
 患者さんは「良くなっている実感」がないと通院の意欲が下がります。
 「前回より可動域が広がっていますね」「頭痛の回数が減っていますね」など、客観的な変化を言葉にして伝えましょう。

② ゴールを設定する
 「痛みが取れたら終わり」ではなく、「痛みが出にくい体に整える」「仕事を楽に続けられる体を目指す」など、
 治療の最終目的を共有することでモチベーションを保てます。

③ 治療間隔は治療者側から案内する
 「いつ来ればいいですか?」と聞かれたら、「今の状態なら週1回が理想です」「次回は○日頃がベストです」と、
 治療者の判断でリズムを提案しましょう。
 この一言が、治療の継続を後押しします。

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患者さんとの信頼関係は「技術+言葉」で築かれます。
臨床力とコミュニケーション力を両輪で磨いていきましょう。

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五枢会代表 武藤由香子
http://5su.muto-shinkyu.com/
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鍼灸治療を行う上で、「同じ経穴を使っても効果が違う」と感じたことはありませんか?
その差を生むのは、鍼で効かせるポイントにあります。
今日はその3つの重要なポイントを整理してお伝えします。
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■ 1.筋膜を意識する
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鍼の深さを変えることで、狙う筋膜が変わります。
浅い層では表層筋膜、深く刺入すると深層筋膜に作用し、得られる反応も異なります。
同じ経穴でも、どの層を狙うかによって治療効果が大きく変わるのです。

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■ 2.骨際(こつさい)を狙う
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もう一つのポイントは「骨の際」です。
経穴を骨から離して取るのと、骨際に取るのとでは刺激の伝わり方が違います。
骨際への刺鍼は他の部位に比べ、痛みや筋緊張に対してより効果的なことがあります。

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■ 3.響きを活かす
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響き(得気)は治療効果を高めるうえで重要な感覚です。
特に耳鳴りや内臓関連の症状では、響きがあった方が効果的なケースが多くみられます。
ただし、鍼に慣れていない患者さんには徐々に刺激量を調整する配慮も必要です。

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臨床で結果を出すためには、「どこに・どの深さで・どのように」効かせるかを常に意識することが大切です。
同じ経穴でも、鍼の効かせ方で治療の質が変わります。

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【YouTubeライブ配信のお知らせ】
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10月16日(木)AM7:00~
テーマ:「臓腑・経絡の前に○○に注意!」

臓腑・経絡の理論を深める前に、実はもっと重要な視点があります。
そこを誤ると誤治につながることも…。
臨床現場で即役立つ内容をお届けします。

▼視聴はこちら
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◆鍼の「響き」は必要か?◆
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鍼治療を行う際、「響き(得気)」は必要かどうか――これは鍼灸師の間でも意見が分かれるテーマです。

結論から言えば、鍼は響きがなくても十分に効果を発揮します。
しかし一方で、響きがあった方がより効果的である症例も多いのが臨床上の実感です。

特に、耳鳴りや上腹部痛などでは、響きが出た瞬間に症状が軽減するケースが多く見られます。
これは、局所の反応だけでなく、深層筋や中枢神経系にまで刺激が伝わることが関係していると考えられます。

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◆響きを出すための2つの方法◆
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1.鍼を太くすること
細い鍼では刺激が浅くなりがちです。太めの鍼を選ぶことで響きを得やすくなります。

2.手技鍼を行うこと
雀啄(じゃくたく)術や旋捻(せんねん)術などの手技を組み合わせることで、コントロールされた響きを導くことができます。

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◆注意点◆
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ただし、鍼に慣れていない患者さんに強い響きを与えるのは逆効果です。
初回から強い刺激を加えると、恐怖感や交感神経の過緊張を招き、逆に治療効果を下げてしまう場合があります。

そのため、徐々に刺激を強くしていく工夫が必要です。
患者さんの表情や呼吸の変化を観察しながら、響きの強さを調整していきましょう。

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◆お知らせ◆
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10月9日(木)AM7:00より、YouTubeライブ配信を行います。
今回のテーマは
「鍼の本数は多い方が良い?少ない方が良い?」 です。

治療効果・刺激量・全体治療のバランスについて、臨床で役立つ考え方をお伝えします。
実際の治療現場での判断に直結する内容ですので、ぜひご覧ください。

📺【YouTubeライブ配信】
視聴はこちらから
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五枢会代表 武藤由香子
(鍼灸学修士・自由が丘ムトウ針灸院 院長)
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整形外科疾患の臨床において、筋緊張の緩和や筋力低下の改善を行っても、なかなか症状が快方に向かわないケースを経験されたことはありませんか。
その背景には「アライメントの異常」が隠れていることがあります。
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■ アライメント異常と症状の関係
具体的には以下のようなケースが代表的です。
•頸部のアライメント異常:頸椎椎間板ヘルニア、うつ病、耳鳴、めまい
•腰部のアライメント異常:腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症
•膝のアライメント異常:膝関節痛
•足のアライメント異常:外反母趾、底筋膜炎
下肢に限っても、以下のように因果関係が明確です。
•内反足 → 股関節痛
•O脚 → 膝関節痛
•扁平足 → 外反母趾・足底筋膜炎
このように、アライメントの乱れを整えることは、根本的に症状を改善させるための重要なアプローチとなります。
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■ 臨床に活かすために
鍼灸治療では筋緊張の緩和や血流改善、経絡の調整などが行われますが、更にアライメントの視点を加えることで、治療の再現性や持続性がさらに高まります。
臨床における新たな視点として「アライメント」を取り入れていただければ幸いです。

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患者さんから「何回くらいで良くなりますか?」と聞かれたことはありませんか?
これは多くの鍼灸師が一度は経験する質問ですが、実はこの“予測”が、信頼関係や通院継続に大きく関わってきます。
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■ 私の臨床経験からの目安
実際の臨床経験をもとにした目安は以下の通りです。
•    軽症:3ヶ月(12回)
•    中症:6ヶ月(24回)
•    重症:1年(48回)
「1年かかる」と期間だけで伝えると、患者さんは驚いてしまうことが多いため、週1回通院した場合の「回数」で伝えるのがポイントです。
■ 急性症状は短期間で改善することも
一方で、急性の腰痛や寝違えなどのケースでは、3~5回の治療で改善することもよくあります。
このように、症状の性質によって予測を柔軟に使い分けることが重要です。
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■ 途中でのフォローが鍵
どんなに丁寧に説明しても、長期間通っていただくには“モチベーションの維持”が必要です。
そのためには、身体の変化を定期的にフィードバックすることが効果的です。
•「以前より眠りが深くなってきましたね」
•「肩の緊張が明らかに減っています」
•「お腹の冷えが少しずつ取れてきました」
このような言葉が、患者さんの継続意欲を後押しします。
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今後も、日々の臨床に役立つ情報をお届けしていきます。
ご意見・ご感想もお待ちしております!
 

こんにちは。
日々の治療の中で、患者さんの「主訴」ばかりに集中してしまっていませんか?
実際、主訴だけを治療する鍼灸師は少なくありません。
もちろん主訴の改善は最優先ですが、私は主訴以外の症状にもアプローチすることを大切にしています。

なぜなら、主訴以外の治療を行うことで、以下の3つのメリットがあるからです。
① 患者さんが喜ぶ
「肩こりで来たのに、胃の調子まで良くなった!」
「腰の治療中に便通が改善した!」
そんな反応をもらえると、信頼感がぐっと高まります。

② 経験が積める
さまざまな症状を診ることで、治療の幅が広がります。
結果として引き出しが増え、難しい症例にも対応できるようになります。

③ 継続治療につながる
主訴に即効性が出ないときでも、他の症状で改善が感じられれば、
「この先生にお願いしたい」と継続につながりやすくなります。

なお、「主訴以外の治療に自信がない」「説明が難しい」と感じる方は、
患者さんに伝えずにさりげなく行うという方法もあります。
効果が出れば、患者さんの方から変化に気づいてくださるかもしれません。

主訴以外の治療は、鍼灸師としての実力を高めるチャンスでもあります。
ぜひ一度、意識して取り入れてみてください。
 

こんにちは。
鍼灸師にとって腰痛は非常に多く出会う症状のひとつではないでしょうか。
しかし、その腰痛に対して「痛む場所にすぐ鍼を刺す」というアプローチをしていませんか?

実は、カチカチに緊張している部位に直接鍼をするのはNGなのです。
強い緊張がある場合、まず遠隔取穴で緊張を緩めてから局所にアプローチするのが鉄則です。
このひと手間が、治療効果に大きな差を生みます。

また、カチカチに固まった腰の場合、脾虚証が関与していることが多いです。
もちろん、椎間板ヘルニアや変形性脊椎症など、整形外科的な原因も視野に入れる必要があります。

そうした多様な原因を見極め、的確にアプローチするためのヒントを、
8月のセミナーで詳しくお伝えします。
■セミナーのご案内
テーマ:腰痛の鍼灸治療
日時:8月10日(日)9:00~
会場:東京都目黒区 自由が丘
内容:急性腰痛・慢性腰痛に対する効果的な治療法を解説します。
詳細・お申込みは下記ページをご覧ください:
👉 https://5su.muto-shinkyu.com/category/2097416.html
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「結果の出る治療」を目指す鍼灸師の方の
参加をお待ちしております。
 

肩こりは鍼灸院で最もよく見られる訴えの一つです。
「ただの肩こりだから、局所をほぐせばすぐ良くなる」
もし、そう思っているなら、それは大きな誤解かもしれません。
実は、局所治療だけではまったく改善しない肩こりが存在します。
その背景には、単なる筋緊張ではない深い病証が隠れていることがあります。

■ 重症の脾虚証がある肩こり
重度の脾虚証を持つ患者は、筋肉を支える力そのものが弱くなっています。
筋力低下によって、肩や背部の筋肉が疲弊し、慢性的な重だるさや痛みにつながります。
このタイプの肩こりは、局所の鍼だけでは効果が長続きせず、脾虚証そのものの改善が最優先となります。
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■ 精神疾患が背景にある肩こり
うつ病や不安障害など、精神的な問題を抱える患者の中には、頸椎の可動性が著しく悪化している方が多くいます。
この場合、重要なのは頸椎のローテーション(回旋)を整える治療です。
特に上部頸椎の回旋制限を緩めることで、局所の血流や神経伝達が改善され、肩こりの軽減につながります。

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■ パーキンソン病に伴う肩こり
パーキンソン病の患者では、筋肉のこわばり(筋固縮)により肩こりが慢性化しています。
このようなケースでは、局所取穴だけでなく、遠隔取穴との組み合わせが効果的です。
たとえば、下肢や手の経絡を利用した調整により、肩部の症状が緩和されやすくなります。
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「肩こり=軽症」と思い込むことで、見逃される病態は少なくありません。
見た目は同じ“肩こり”でも、その背後にある体の状態や病証はさまざまです。

肩だけにとらわれず、全身の状態を見極める目を持つこと——それが、卓越した治療家への一歩になるのではないでしょうか。
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*五枢会治療セミナー
再現性の高い治療・有効率の高い治療をマニュアル化し、治療セミナーを行なっています。
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