Q:「どうやって名前をつけるの?」 

 

生物にはそれぞれ名前がある。

例えば我々の(生物としての)名前は、人、human、humain、

……うん、名前は、時に国をまたぐと変わってしまうものである。

でも恐竜はどこの国でも同じ名前だ。それは何故か。

簡単に言えば、恐竜の名前は[学名]だからだ。

 

[学名]とは、その生き物の「世界共通の名前」である。

ルールとしてはラテン語で記すこと、属名+種小名の「二名法」に基づいて名づけること等がある。

我々がよく知る「○○サウルス」はこの場合属名である。

また、どんな名前をつけるかは発見者のセンスにかかっているので、

時には面白い名前もつくことがあるのだ。

これを研究したことと一緒に学会に提出して、OKが出たら名前がつく、という訳だ。

ではこのモノロフォサウルスの名前を見てみよう。

モノロフォサウルスという名前は、実は3つの単語から成っている。

まず「モノ」。これは「1つ」という意味だ。

次に「ロフォ」。これは「トサカ」を表している。

そして「サウルス」。「トカゲ」という意味のラテン語だ。

これを組み合わせると、

モノロフォサウルス=「1つのトサカを持つトカゲ」ということである。

 

ではみんなに問題だ。

モノロフォサウルスの横にいるディロフォサウルス。

この恐竜の名前の意味を、みんな考えてみてね!

 

という訳で、今回の問いに対する、(現状の)答えはこちら。

A:「[学名]というものを、色んなルールの下でつけている。」 

 

 

Q:「植物を食べるのって簡単?」 

植物食。

読んで字のごとく、草や木の葉など、植物を食べることである。

自然界においては、こういった植物食の生物が

生態系を支える、重要な存在である。

そんな生物がめちゃくちゃたくさんいるので、

「案外植物食うのって楽なんじゃね?」と考える人もいるだろう。

結論から言うと、

その考えは間違っています。

 

じつは、植物はあまり栄養が取れない食物なのだ。

まず、単純に消化しづらいのである。

植物の場合は肉と違って、繊維質の物が多い。

繊維質の物は、肉と違って消化できないか、とても難しいものなのだ。

 

さらに、栄養にし辛いというのは、

これまた単純にたくさん食べなくちゃいけないということでもある。

食べることに生活リソースを割かなくてはいけないというのは、

何らかの対策をしなければ、生きる上でクソほど効率が悪い、

それが植物食である。

 

ちなみに、恐竜は胃石をつかって対処した。

すなわち、じぶんの胃の中に石を食べてためることで、

口から入ってきた植物を石の力ですりつぶすのだ。

という訳で、今回の問いに対する、(現状の)答えはこちら。

A:「胃石など、何か対策をしなければとっても難しい。」 

 

Q:「なんで食べられる存在が必要なの?」 

生物学において、食べられる存在のことを「被食者」という。

これに対して食べる存在を「捕食者」という。

この被食者と捕食者の間に起こる「食うー食われるの関係」のことを、

「被食者ー捕食者相互関係」という。

これが、自然界における絶対的なルールである。

 

でも、食べられるだけの存在はかわいそうに思うかもしれない。

だが、彼らがいないと、この自然が成り立たなくなってしまうのだ。

試しに、恐竜時代においての被食者、

植物食恐竜がみんないなくなってしまったとしてみよう。

ここで起こり得ることは、最悪の場合、自然の荒廃である。

 

例えば、肉食恐竜からすれば、エサが丸っとなくなるので、共食いする以外に道がなくなる。

しかも、生態系において、捕食者の数は被食者のより少ないため、

早いうちに限界を迎え、やがていなくなってしまう。

また、植物食恐竜が食べることで、ある程度整理されていた自然の草木が、

制御が利かなくなることで、際限なく増えていってしまう。

植物にまみれた世界では、限られた生物しか生きられない、

天然のディストピアになってしまうのだ。

という訳で、今回の問いに対する、(現状の)答えはこちら。

A:「食べる存在を含め、自然を維持するうえで大切な存在だから。」 

 

 

Q:「僕たちのご先祖様は?」 

 

私たちヒトは、「哺乳類」と呼ばれるグループに属する生物だ。

恐竜の時代が終わった後、生態系に生じた空白を埋め、

多種多様に発展した生物の、(現状の)果ての存在だ。

そんな哺乳類だが、意外なことに、ある生物と同期である。

誰とだって?

恐竜とだよ。

 

時は三畳紀までさかのぼる。

恐竜が誕生し、繁栄を始めた頃、それから時を少しおいて、哺乳類の祖先が現れた。

かつての覇者であった単弓類から進化した彼らには、

気のうなんて良いシステムを持ってはいなかった。

そこでまず、彼らはネズミくらいにまで小さくなった。

小さい分一日に使うエネルギーが少なくて済むので、これで乾燥・低酸素濃度を乗り切った。

他にも、彼らは胎生というシステムを獲得した。

ほかの生物が卵を産んで子孫を残す中、

哺乳類は体内で子供をある程度育ててから出産するという形で子孫を残した。

 

時期が進むにつれ、哺乳類の数も少しづつ増えていった。

小さい恐竜なら食べてしまえる種も現れた。

しかし最大の転機は、かの白亜紀大絶滅である。

三畳紀の環境を乗り切った彼らは、復興した世界で、

恐竜が占めていた生態系の地位をゲットし、繁栄の礎を築いたのであった。

 

という訳で、今回の問いに対する、(現状の)答えはこちら。

A:「恐竜と同じ頃に生まれ、恐竜絶滅後の後釜に座れた。だから今があるんだよ。」 

 

 

Q:「白亜紀の頃の地球って?」 

 

端的に説明すると、恐竜の生きていた中生代の最後の時代、

白亜紀の地球は、「恐竜繁栄の絶頂期であった時代」であった。

 

繁栄の絶頂の中では、様々な変化や誕生があった。

まずは、被子植物の誕生である。

これまで植物のメインストリームは裸子植物、今でいうスギとかマツの仲間だった。

彼らの広がり方は花粉を風に乗せて飛ばすというやり方だが、

意外とこのやり方、子孫を残せる確実性がなく効率がゴミである。

被子植物は、これを「虫に花粉を運んでもらう」というやり方で、

確実に生息範囲を広げる作戦をとった。そして見事にそれが当たった。

植物の多様性と種数が劇的に増加したのだ。

また、気候もさらに温暖となり、地球はほぼ全域で熱帯性気候となった。

恐竜も、北半球はティラノサウルス科の出現や、植物食恐竜の多様化による繁栄が、

南半球ではゴンドワナ大陸のほぼ完全な分裂により、

大陸ごとに独自の進化を遂げ、そして大型化した恐竜たちが闊歩していた。

ある恐竜は魚食に特化し、ある恐竜は群れで狩りをし、

ある恐竜は頭を角やエリ、コブで飾り立て、ある恐竜は全身を鎧でまとった。

まさに、恐竜の天下とも言える時代だったのだ。

 

だが、天下は唐突に終わりを告げた。

そう、ご存じ隕石の落下に伴う白亜紀末期の大量絶滅で、

哀れ恐竜は根こそぎ払われてしまったからだ。

そしてその次の時代から、いよいよ我々の生きる、新生代である。

 

という訳で、今回の問いに対する、(現状の)答えはこちら。

A:「恐竜が最も栄えた時代。そして、滅んだ時代。」 

 

 

Q:「超大陸ってなに?」 

 

まず皆さんは「大陸」とは何か、ご存じだろうか。

大陸とは、地球の海に浮かぶ巨大な陸地のことだ。

この陸地、実は常に同じ場所にある、という訳ではない。

大陸は地殻と呼ばれる、、大陸の基盤となるところが動いたりすることで、

大陸は長い年月をかけて動き、

その中で時に合体し、時に分裂することもあった。

嘘だと思うかもしれないが、大陸移動の証明は意外と簡単だ。

海を挟んで別の大陸で同じ生物の化石が見つかればいい。

これで、この大陸とあの大陸はつながっていたということができるのだ。

 

超大陸は、この合体と分裂の一つの結果である。

この超大陸が分裂していくことで、今の大陸が出来上がったほど、

とにかくデカい、デッッッカい大陸、それが超大陸である。

恐竜時代に現れたのは、

・文字通りこの世に大陸これ一つ!超大陸パンゲア

・恐竜進化の中心地!超大陸ゴンドワナ(新)

・北半球の生態系の中心!超大陸ローラシア

の3つである。

恐竜時代以外では、

・生物が現れた頃の超大陸!超大陸ゴンドワナ(旧)

・生物陸上進出のキーポイント!超大陸ユーラメリカ

があった。

なお、これ以前にもまだまだ超大陸は存在していたんだとか。

そして、少し未来には、再び超大陸ができるのではないか?とも考えられている。

という訳で、今回の問いに対する、(現状の)答えはこちら。

A:「すっごいデッカい大陸(語彙力)」 

 

 

Q:「ジュラ紀の頃の地球って?」 

端的に説明すると、恐竜の生きていた中生代の真ん中の時代、

ジュラ紀の地球は、「恐竜のために調製され始めた世界」であった。

 

大きな変化として、超大陸パンゲアの分裂がある。

まず上半分と下半分に分裂し、

次に、その上半分が横に分裂し、

上半分は北アメリカとアジア、ヨーロッパに、

下半分は超大陸ゴンドワナとなった。

そしてこの分裂によって、新しい海域ができた。

それは、「大西洋」だ。

 

大西洋誕生の影響はかなり大きいものだった。

まず、三畳紀の頃では繋がっていなかったテチス海と超海洋パンサラッサが繋がった。

これによって、赤道をつなぎ、地球を一周する海流が出来上がり、

さらに温暖湿潤な空気の流れもこのおかげで出来たことで、

三畳紀の頃みたいな乾燥地帯が減り、全体的に緑が広がるのであった。

恐竜の大型化が始まったのもこの頃である。

どんどん暖かくなっていく気候と、真に生態系の主流となったことの相乗効果で、

種の多様化、そして強くなるための大型化、武装化が加速度的に進んでいったのだ。

なお、酸素濃度の変化は三畳紀のころとそんなに変わらなかったそうな。

……気のうあるから別にいいか。

 

という訳で、今回の問いに対する、(現状の)答えはこちら。

A:「大西洋のおかげで恐竜が多様化していった時代。」 

 

 

Q:「恐竜が出てくる前はどうだったの?」 

 

中生代は恐竜の時代。この事実は確かに間違っていない。

だが、それが中生代が始まってすぐからだったかと言えば、

それは違うのである。

三畳紀の初めは、また違った世界が広がっていたのだ。

 

まず、三畳紀の1つ前の時代であるペルム紀において、

この時代は「単弓類」という爬虫類の仲間が繫栄していた。

しかし、末期に起きた、生物種の95%が絶滅するという空前絶後の大量絶滅によって

ほとんどの種は滅亡。

三畳紀では、その生き残りが生態系を下支える存在として生きることとなった。

また、同じ時期に多様な種が現れた両生類も、生き残った一部の種が大型化し、

水辺の生態系を支配していた。

 

そして、この時期の覇権をとった生き物が、

「クルロタルシ類」と呼ばれる爬虫類グループである。

彼らは、今のワニの仲間の祖先にあたる生物で、

絶滅後に支配者のいなくなった地球を支配、多様化した。

ティラノサウルスのような顔をしたファソラスクスや、

背中に鎧を背負ったアエトサウルス類、

まるで恐竜みたいな姿をしたポポサウルスの仲間など、

まさに三畳紀の初めは「クルロタルシ類の天国」だったと言えよう。

だが、そんな彼らも三畳紀末期の大絶滅は耐え切れず、絶滅してしまった。

その後釜に座ったのが、恐竜たちなのである。

 

という訳で、今回の問いに対する、(現状の)答えはこちら。

A:「絶滅を生き残ったやつと、ヘンテコなトカゲたちがいっぱいだった。」 

 

 

Q:「三畳紀の頃の地球って?」 

 

端的に説明すると、恐竜の生きていた中生代の最初の時代、

三畳紀の地球は、「生き物にとってあまりに過酷な世界」であった。

 

この前の時代で、生物種の95%をこの世から抹消せしめた大量絶滅を乗り越えた生物たちを苦しめたのは、

今より少ない酸素濃度と、著しく乾燥した気候である。

この頃の大陸は、今の中国に当たる少し大きめな島を除くと

超大陸パンゲアしかなかった。

海も超大陸に覆われた内湾であるテチス海と、超海洋パンサラッサの二か所しかない。

こんな極端な編成で起こること、

それはパンゲア内陸部の極度の乾燥化である。

気温も昼は酷暑、夜は極寒。

トドメに空気の循環があまりなかったことによって酸素濃度は今のおよそ2/3である15%。

例えるなら「常に真夏と真冬が繰り返される富士山頂」といった状況、

それが三畳紀の地球である。

 

 

 

このような環境で恐竜が覇権を取れたのは、

[気のう]というシステムを獲得したことだったと考えられている。

乾燥と少ない酸素濃度と戦うため、恐竜はこのシステムを構築することで、

「空気を吸う時も吐くときも、酸素を体内に取り込む」ことができるようになった。

これにより、恐竜も大型化することができるようになり、

やがて三畳紀末期の大量絶滅を乗り越えると、

一気に生態系の頂点へと上り詰めたのだった。

 

という訳で、今回の問いに対する、(現状の)答えはこちら。

A:「常に真夏と真冬が繰り返される富士山頂のような、とにかく過酷な世界だった。」 

 

 

Q:「島の恐竜が小さいのは何で?」 

 

大きい恐竜と言えば、かみなりりゅうこと竜脚類だ。

このヨーロッパサウルスもまた、立派な竜脚類の仲間である。

ではさぞ大きいことだろうと思うだろう。

その大きさはなんと、6mだ!大きい!

……大きい?

 

ヨーロッパサウルスは同時期に現れた他の竜脚類と比べても明らかに小さい。

この時代と言えば、竜脚類の大きさは20m越えが普通にいる時代だ。

だのにこの大きさである。しかも、成体の大きさだ。

何でこんなに小さいのか?

 

原因は当時のドイツにある。

ジュラ紀後期のドイツは、今の瀬戸内海みたいに大小多数の島々が点在する地域の中にあった。

そんな島暮らしとなると、

・住めるエリアがそもそも大陸のそれより狭い。

・エサも限られている。

・一方で敵もそこまでいないからわざわざ大きくならなくてもいい。

ということもあり、

このような地域では生物は島に合わせて、体が小さくなるように進化したのである。

これを「島嶼性矮小化(とうしょせいわいしょうか)」というのだ。

一方で、こういう島にいた、「元から小さかった生き物」はどうなるかと言うと……。

 

という訳で、今回の問いに対する、(現状の)答えはこちら。

A:「島で暮らすには小さい方が何かと便利だから。」