Q:「頭がいいってどうわかるの?」 

あなたは、自分の頭の良さについて考えたことはあるだろうか。

恐らく今この画面の前で、

「オレは頭がいい」、「あんま頭よくなかったな……」という

振り返りが行われている頃だろう。

だが、そういった心配はしなくてもいい。

生物学的に見れば、あなたは、いや、私たちは十二分に「頭がいい」生き物だ。

 

生物には、[脳函(のうかん)]と呼ばれる空洞が必ず頭にある。

これは何かといえば、「脳を入れるためのケース」である。

ここの大きさは、つまり「ケースに詰まっている脳の大きさ」を、

そのまま表すこともできるのだ。

この脳函の大きさ≒脳の大きさと、生物の大きさを比較した時に

その生物の大きさに対して入っているだろう脳の大きさより

大きい脳を持っているということは、

つまり頭がいい、よかったのではないかと考えられる、という訳だ。

さて、このザナバザール属するトロオドン科の恐竜も、

そういった点で頭がよかったのではないかと考えられている。

とくにトロオドンはそう言った点で注目され、

「もし恐竜が絶滅しなかったら?」という想像でも

人っぽく進化したのかもしれないと言われるほどである。

しかし、その頭の良さがいかように生かされていたかについては、あまり分かっていない。

 

という訳で、今回の問いに対する、(現状の)答えはこちら。

A:「自分の大きさと比べた際の脳の大きさで決まる。」 

 

 

Q:「一番大きな恐竜って?」 

まず単刀直入に言おう。

「一番大きな恐竜って誰~?」

「わかりませ~ん」

 

無責任かもしれないが、これが正解っちゃ正解である。

何故かというと、化石情報が断片的なので、推測するしかないからだ。

例えばそれは背骨だけだったり、首の骨、足の骨だけなんてざらである。

後はそこから近縁種の体型を参考に予想するだけである。

 

だが、その化石の断片が馬鹿でかいのが最大と目される恐竜たちである。

参考に、最近NHKスペシャルでも取り上げられたプエルタサウルスの骨は、

軽く人の背丈に匹敵、または凌駕する大きさだ。

推測された大きさは35mから40m。

もうこの時点でシロナガスクジラは超えている。

 

だがまだ上がいる。

アルゼンチノサウルスは、まあまあ化石証拠がある方だが

それを踏まえて推測された大きさはおよそ40m、

このブルハスカヨサウルスはそれを上回る40m~50m。

最大値では、およそ2mの背骨の一片から推測された、

アンフィコエリアス・フラギリムスの60mだ。しかしこの化石は現在行方知れずだ。

何だろう。スケールが大きすぎてもう想像ができないや。

ちなみに、完全に最も近い化石が見つかっている種において、

最大の恐竜はディプロドクス・ハロルム(旧名:セイスモサウルス)の35mだ。

さて、他の恐竜たちは、残りの化石は見つかるのだろうか。

 

という訳で、今回の問いに対する、(現状の)答えはこちら。

A:「不明。ただし、35mを超えることだけはほぼ確実。」 

 

 

Q:「恐竜は今も生きているの?」 

ご存じの通り、恐竜は既に絶滅した生物だ。

突如飛来した隕石と、それによって起こった大災害に耐え切れずに、滅びた。

これは疑いようのない事実だ。

だが、最近の学説によれば、

どうやら恐竜がただでは消滅しなかった、と考えられている。

 

これについてのシナリオは二つ用意されている。

まず一つは、「絶滅を乗り越えたもの」たちだ。

恐竜の時代である中生代と、私たち哺乳類に時代である新生代の地層の境界線を

「K-Pg境界」と言うが、この境界を越えた、新生代の地層側で

恐竜化石が発掘されたことに由来するものだ。

ただしこの説については、地層の崩れによる再堆積によるもの、

つまり誤差の範囲内のものであるということでほぼ否定されているものだ。

 

そこでもう一つのシナリオの出番である。

前に私が「恐竜の定義」で鳥の名前を出したことを覚えているだろうか?

そう、恐竜の進化の果てにある存在の一つ、それが鳥類である。

鳥類というグループの祖先となる恐竜が現れたのは、ジュラ紀の後期ごろと言われている。

始めは滑空しかできなかったが、進化を重ねるにつれて、

腕が完全な羽になり、

華麗に飛行できるようになり、

そしてあの大量絶滅を生き抜いた。

さらに、一時代だけであるが、恐竜絶滅後の時代の、

生態系の頂点にもなった。

恐竜の遺伝子は、確かに滅びず、今も脈々とその血を継承し続けているのだ。

 

という訳で、今回の問いに対する、(現状の)答えはこちら。

A:「今はいない。だが、その一部は「鳥類」として今も生きている」 

 

 

Q:「復元ってなに?」 

突然だが、皆さんはここにいる2頭の恐竜について

何か思うことがあるだろうか。

多分ないと答える人が多いだろうが、

あるとすれば、「なぜ同じカラーリング何だろう?」といったくらいだろうか。

ちなみに同じカラーリングにしたのは意図的なことだ。

じつはこの二頭、同じ[デルタドロメウス]なのだ。

 

今回の話はそうなった原因である、「復元」について話そう。

「復元」とは、そのものを元に戻す・直すこと。恐竜的に言えば、

「生前の姿に骨格を戻すこと」である。

この復元をするためには、様々な学者の意見や、最新の学説、各種論文など

様々な材料が必要になる。

そして、この復元における最大の特徴は、「答えがない」ことである。

学説や論文はずっと同じではない。時が経つと180°変わったりすることさえもある。

このデルタドロメウスも、初めは右のような、どう猛な肉食恐竜って見た目をしていた。

しかし、その後に示された新しい復元ではスラっとした姿だったんじゃね?とも考えられている。

そしてこの恐竜、そもそも化石情報があまりにも少ないので、

復元するには誰か近しい恐竜の姿を参考にするしかない。

そのため、復元はいわば、「答えのないパズル」ということができるだろう。

 

という訳で、今回の問いに対する、(現状の)答えはこちら。

A:「常にたくさんの材料が必要な、「答えのないパズル」」