Q:「三畳紀の頃の地球って?」 

 

端的に説明すると、恐竜の生きていた中生代の最初の時代、

三畳紀の地球は、「生き物にとってあまりに過酷な世界」であった。

 

この前の時代で、生物種の95%をこの世から抹消せしめた大量絶滅を乗り越えた生物たちを苦しめたのは、

今より少ない酸素濃度と、著しく乾燥した気候である。

この頃の大陸は、今の中国に当たる少し大きめな島を除くと

超大陸パンゲアしかなかった。

海も超大陸に覆われた内湾であるテチス海と、超海洋パンサラッサの二か所しかない。

こんな極端な編成で起こること、

それはパンゲア内陸部の極度の乾燥化である。

気温も昼は酷暑、夜は極寒。

トドメに空気の循環があまりなかったことによって酸素濃度は今のおよそ2/3である15%。

例えるなら「常に真夏と真冬が繰り返される富士山頂」といった状況、

それが三畳紀の地球である。

 

 

 

このような環境で恐竜が覇権を取れたのは、

[気のう]というシステムを獲得したことだったと考えられている。

乾燥と少ない酸素濃度と戦うため、恐竜はこのシステムを構築することで、

「空気を吸う時も吐くときも、酸素を体内に取り込む」ことができるようになった。

これにより、恐竜も大型化することができるようになり、

やがて三畳紀末期の大量絶滅を乗り越えると、

一気に生態系の頂点へと上り詰めたのだった。

 

という訳で、今回の問いに対する、(現状の)答えはこちら。

A:「常に真夏と真冬が繰り返される富士山頂のような、とにかく過酷な世界だった。」