Q:「群れを作るのは何で?」 

肉食恐竜ではドロマエオサウルス科、草食恐竜のほとんどは

群れを形成して生活していたと考えられている。

最近では、大型肉食恐竜であるマプサウルスや、あのティラノサウルスも

群れを作っていたのではないかと考えられており、

それほど群れは魅力的だったのだろう。

何が生き物を群れづくりにかきたてるのだろうか

 

・獲物や敵が見つけやすくなる。

獲物、または敵はいつ襲い掛かってくるかはわからない。

しかし生き物一体の目は二つしかないため、

カバーできる範囲には限界がある。

なので、誰かが見張り役になるなどして、敵や獲物を探すことに注力していれば、

それらをより見つけやすくなり、

生存確率・狩猟成功率が格段に上がる。

・獲物をチームプレーでとらえられる。

これは肉食恐竜限定だが、

チームプレーによる狩猟は、群れを持つ生き物の代名詞的なものだろう。

誰かが追い立て、それを横から追尾し、

獲物の隙を窺って、死角から致命の一撃を放って倒す。

獲物によっては取り分は減るかもだが、

狩りの成功率は、これだけでさらに格段と上がる。

 

・子供を安心して育てられる。

じつはこういった面でも群れは大切なものなのである。

基本的に子どもは無力であり、

そして、最も狙われやすい危険な時期でもある。

そんな時期において、親や、群れのヘルパーが子供の世話や教育をし、

ときに命を賭けて仲間や子供を守ることで、

子どもが将来巣立つときにすぐに死ぬ、とか、

群れが一瞬で滅ぶ、みたいな可能性が減るのである。

 

という訳で、今回の問いに対する、(現状の)答えはこちら。

A:「みんなで協力して生きるため。みんなも何でか考えてみよう。」 

 

 

Q:「ティラノサウルスは何で最強になった?」 

ティラノサウルス科。

知らない人はいないであろう、恐竜界の最メジャー枠である。

大体一番強い恐竜は誰?となった時もまず名前が挙がる存在だろう。

ではなぜここまで最強を名乗ることができるのだろうか。

 

・デカい!重い!

単純にこれ。肉食恐竜としても最大級の10m越え、

がっしりとした体つきから、相応の筋肉量と重量があったことがうかがえる。

恐らく無抵抗の恐竜なら一瞬でねじ伏せることができただろう。

 

・成長が早い!

成長面については、ティラノサウルス科はおよそ20年くらいで大人になるが、

特にティラノサウルスは青年期(14、5歳ごろ)に急激な成長が起こることが示されている。

肉食恐竜であり、大きさもあるので

そこそこの寿命は保証されているだろうが、

いかんせん成長速度はやたらに早いのである。

 

・鼻がめっちゃいい!

じつは嗅覚や視覚など、狩猟者としてのスペックは

著しく高かったのではと考えられている。

特に鼻の良さは研究されている恐竜の中では最も高いと目されている。

また、視覚についても、現代の肉食獣と同様、

獲物との距離を測ることにも適している構造をしている。

 

・アゴが強い!

ティラノサウルスのアゴの力は、およそ6~8トンほどと言われている。

例えれば軽自動車くらいの重さである。

ちなみに人の平均はおよそ60kg。

あんなのに噛みつかれてしまえば……

……もう何も言うまい。

という訳で、今回の問いに対する、(現状の)答えはこちら。

A:「肉食生物としてのツヨツヨ要素を、進化の過程で盛りまくったから。」 

 

Q:「大きいことっていいこと?」 

有名な恐竜、強そうな恐竜、

そういった恐竜の大半は、そのグループの中では

比較的でっかいサイズであることがほとんどである。

では、そんな恐竜たちはみんな好きで巨大化しているわけではない。

大きいことには、ちゃんと意味があるのだ。

 

・パワーがでかくて強くなれる。

例えばただのカギヅメ、ただの武装尻尾も、

それを拡大すれば、非常に殺傷能力の高い武器になる。

また、筋肉の量も増えるため、振り下ろし、振り回したりするときに、

相手の直撃した時のダメージも増える。

ある意味、これが単純に一番大きいメリットかも。

 

・敵に襲われにくくなる。

デカい、というのは、

実はそれだけでも、十分な武器になる。

例えば自分よりデカい生物(または人間)に対し、多くの人は恐怖を抱くだろう。

大人のゾウに対してライオンは積極的に攻撃しないように、

デカいだけでも生存確率は大きく上がるのである。

・獲物を簡単に押さえつけられる。

肉食恐竜目線であるが、小さい生き物と比較しても、

大きい生き物の方が圧倒的に体重、筋力は有利である。

また、獲物の幅という面でも、大きければより狙える生き物の範囲も広くなる。

そういう意味では、デッカイと生きる上でいろいろ都合がいいのである。

 

という訳で、今回の問いに対する、(現状の)答えはこちら。

A:「いいことはある。みんなもメリットを考えてみよう。」 

 

 

 

Q:「毒をもっているって本当?」 

進化していない種ほど毒を持つ。私の考えていることだ。

毒という、生物が持つ中で多分、一番陰湿な武器を持つ生物は、

進化段階では前の方の生物、

無脊椎動物や魚類、両生類、爬虫類に非常に多い。

一方で、鳥類や哺乳類は、逆に毒をもっている種はほとんどいない。

では恐竜はと言うと……疑わしい種が一種いる。

 

シノルニトサウルスは、

見た目は平凡なドロマエオサウルス科である。

普通に羽毛に覆われていたし、

足には特徴的なカギヅメを持っている。

ただ、唯一の特徴は、歯の中心に空いた、細い溝である。

そして、これが今回の話の、最も大切なところだ。

 

突然だが、毒蛇が獲物や敵に毒を注入するとき、

どうやってやるかはご存じだろうか。

彼らが目標に噛みつくと、

頭にある、毒腺と呼ばれるところに溜まっている毒が、

歯の中心の溝を通って相手の体内に注入されるのだ。

この歯の構造は、シノルニトサウルスのそれと非常によく似ている。

このことから、実はシノルニトサウルスは、

毒を持つ恐竜だったのではないかと推測されている、ということなのだ。


という訳で、今回の問いに対する、(現状の)答えはこちら。

A:「本当かもしれない。ちなみにディロフォサウルスについては完全にフィクション。」 

 

 

 

Q:「どうして指が一本しかないの?」 

 

僕たち人間は五本指だ。これでいろんなものを掴んだり握ったりすることができる。

でもこのアルバレッツサウルス、指をよく見ると、太い爪が一本しかない。

試しに人差し指以外の指を握って、一本指になってみよう。

……うん、なんだかムズムズしてきた。

ふつうに考えたらさぞ生き辛そうな指だ。でも、何でこんな指になったんだろう?

 

その答えとなり得るのが、彼らの食性である。

じつは現代に生きている生物の中で、アルバレッツサウルスと同じような手を持つ生き物がいる。

それはアリクイやアルマジロである。

彼らのツメは武器であると同時に、土をくだき、掘り返すことができるようになっている。

何でそんなことができるのか。

それは彼らの主食であるシロアリを食べるためだ。


とくに南米のシロアリは、巣としてそれは巨大なアリ塚を建てるのだ。

シロアリからすれば天突くほどの高さであるこの塚は堅固な土の防壁で守られており、

並大抵の生物では壁に穴をあけることすらできないだろう。

だが、その壁をぶっ壊すことができるならば……?

 

つまりはこういうことである。

アルバレッツサウルスの一本しかない指は、エサとなるシロアリをおいしくいただくため、

その硬い、かたーいアリ塚を壊すために、

「効率がいい」形なのだと言えるのだ。

 

という訳で今回の問いに対する(現状の)答えはこちら。

A:「エサとなるシロアリが暮らす巣を効率よく破壊するため」 

 

 

 

 

Q:「恐竜って、なに?」 

早速だが、この恐竜は私の中での思い出の恐竜である。

絵本[おまえうまそうだな]で登場するキランタイサウルスだ。

当時ティラノサウルスやトリケラトプスといった、

メジャーな恐竜しか知らなかった私は、

「こいつはだれなんだ?」と首を傾げた記憶がある。

 

さて、当たり前のように恐竜の話をしているが、

こんなこと、皆さんは思ったことはないだろうか。

「恐竜ってなに?」と。

むかし生きていた生物と言えばそれまでだが、

ここでは恐竜の[定義]という面から答えよう。

ズバリ

「鳥(なんでもいい)とトリケラトプスの共通祖先から進化した全てのいきもの」

である。

 

より詳しく説明しよう。

恐竜といっても大きく「竜盤類」と「鳥盤類」の二つのグループがある。

竜盤類は、ティラノサウルスやブラキオサウルスなどが属するグループで、

鳥盤類はステゴサウルスやアンキロサウルス、トリケラトプスなどが属するグループだ。

竜盤類については、最終進化系となるのが現生の鳥類であり、

鳥盤類については、最も後に現れたトリケラトプスである。

この二つのグループがあるということは、分かれる前、

つまりその2グループ共通のご先祖様がいることになる。

このご先祖様を起点として、

[鳥(例えばスズメとか)]及び[トリケラトプス]に至るまでに現れた全ての生物。

これが現在における、「恐竜」というカテゴリーにくくられた生物である。


という訳で、今回の問いに対する、(現状の)答えはこちら。

A:「鳥(なんでもいい)とトリケラトプスの共通祖先から進化した全てのいきもの」 

 

 

​Q:「小さいことっていいこと?」 

 

恐竜の中には、

大きさが精々大人と同じくらいの大きさのやつもいる。

小さい恐竜は、地味な中でも一番地味な部類だろう。

だが、小さいことは別に悪いことばかりではない。

今回は、そんな小さき者たちのメリットをいくつか見てみよう。

 

・すばしっこくなれる。

小さい、ということは、

よっぽどのことがない限り、体重は軽いということになる。

体重が軽いということは、動きに関しては

より軽快になれる、ということだ。

とくに進化した恐竜ほど骨の軽量化は進むので、

よりすばしっこくなれるだろう。

 

・必要なエネルギーが少ない

よほど余裕のない生き方だったり、代謝がよろしくない限り、

食べる量は小さいほど少なくて済む。

大型の恐竜が、その巨体を保つために、

1日数百キロも食べなくてはいけないことを考えると、

彼らは小食であっても問題ないのだ。

・早く大人になれる。

これはあくまで相対的な話になるが、

小さな恐竜は大きな恐竜と比べて、寿命はかなり短い。

ネコの寿命と人の寿命に差があるみたいに、

小さい生物の寿命は一ケタ年のことがよくある。

だが、裏を返せばそれまでに子を作って子孫を残さないといけないので、

そういう意味では、早く大人になれるのである。

 

という訳で、今回の問いに対する、(現状の)答えはこちら。

A:「いいことはある。みんなもメリットを考えてみよう。」 

 

 

Q:「サメが最強ってホント?」 

白亜紀後期、「新生板鰓類(しんせいばんさいるい)」という、

今生きているサメの仲間が現れたのは、丁度この頃である。

そんな中である時、一種類のサメが現れた。

それがこのクレトキシリナである。

見た目は今のホオジロザメを少し太ましくしたくらいである。

これくらいしか書くことが無い。

何故か。

後の生態などがホオジロザメとさして変わらない、

いや、より凶暴なものだったからだ。

この恐竜時代において、5~6mのサメは、十二分に脅威であった。

古生代から生き抜いた確かな実績、

サカナならではの機動力と、

恐らく持っていただろう、ロレンチーニ器官に支えられた優れた感覚、

何度でも生え変わり、確実に獲物を切り裂く歯、

そして時折群れを組み、「生きた獲物」を襲う凶暴性が、

このサメの脅威たる所以である。

 

さらに、このサメは世界中にいた。

そう、世界中である。

こんな、あのジョーズも尻尾まいて逃げ出しそうなやつが

恐竜時代はうじゃうじゃいたのである。

もしあなたが海のいきもので、

このサメに出会ってしまった場合は、

静かに合掌して、運命を受け入れよう。

 

という訳で、今回の問いに対する、(現状の)答えはこちら。

A:「大体本当。なおこんなヤバいサメはもう一回現れる。」 

 

Q:「恐竜もケガや病気をしたの?」 

この話をする前に、私たちの話をしよう。

私たちは時々転んだり、ウイルスにかかったりなどして、

どこかしらをケガしたり病気したりするときがある。

でも、そんなときでも私たちにはお医者さんや、

便利な医療器具や薬があるので、

怪我も治るし、病気もいつか治る。

(治らない時もある。)

それを踏まえた上で今回の話をしよう。

 

このヘスペロサウルスの化石からは、

少しいびつな箇所があった。

少し膨らんだ肋骨と、癒合した尾っぽの骨だ。

これについては、前者は骨折の痕、

後者は病気の痕と考えられている。

そしてこの化石のそれは、自然治癒したものであると考えられている。

自然治癒。つまりこの恐竜は医者にかかっていないのである。

いや、そもそもこの時代に医者はいない。

自然界では、いわゆるお医者さんは人以外には恐らくいない。

そしてケガや病気をしたら、頼れるのは自己回復力だけである。

しかも、こうなったら最後、治るまで基本は生活に支障が生じることになる。

そんなときに捕食者に見つかりでもしたら……。

 

という訳で、今回の問いに対する、(現状の)答えはこちら。

A:「した。そしてそれは、時に死への片道切符にもなる。」 

 

Q:「ワニみたいな顔をしているのはなんで?」 

まずティラノサウルスやアロサウルスを想像してみよう。

次に、この恐竜の絵を見てみよう。

ちなみに同じ獣脚類、肉食恐竜の仲間である。

中々違う部分が多いのではないだろうか。

ながいツメ、棒のような歯、そして、ワニみたいに細い顔である。

同じところはせいぜい二足歩行と姿勢ぐらいか。

 

いや、一つ言い忘れたことがある。

このオシャライア……ひいてはスピノサウルス科の主食である。

スピノサウルス科の主食は、魚、

つまり彼らは魚食性となる。

 

基本的に肉とは違って、捕食者は魚を切り刻まず丸のみにしてしまう。

そのため、歯も他の肉食恐竜は肉を切り裂ける、

エッジの利いたナイフ状であるのに対して、

オシャライアの歯はほぼまっすぐな形をしている。

これは、口で捕まえた魚をがっちり捉えて離さないようにするためだと考えられており、

この特徴は、現生ワニ類で同じ魚食性のガビアルのそれと非常に似ている。

また、胃化石の中から魚のウロコが発見されたことから、

オシャライア含むスピノサウルス科は魚を食っていた、

つまりその顔は、エサを効率よくとらえるための顔であるわけである。

という訳で、今回の問いに対する、(現状の)答えはこちら。

A:「魚を食べる生活に効率が良い顔に進化したから。」