Q:「恐竜もケガや病気をしたの?」 

この話をする前に、私たちの話をしよう。

私たちは時々転んだり、ウイルスにかかったりなどして、

どこかしらをケガしたり病気したりするときがある。

でも、そんなときでも私たちにはお医者さんや、

便利な医療器具や薬があるので、

怪我も治るし、病気もいつか治る。

(治らない時もある。)

それを踏まえた上で今回の話をしよう。

 

このヘスペロサウルスの化石からは、

少しいびつな箇所があった。

少し膨らんだ肋骨と、癒合した尾っぽの骨だ。

これについては、前者は骨折の痕、

後者は病気の痕と考えられている。

そしてこの化石のそれは、自然治癒したものであると考えられている。

自然治癒。つまりこの恐竜は医者にかかっていないのである。

いや、そもそもこの時代に医者はいない。

自然界では、いわゆるお医者さんは人以外には恐らくいない。

そしてケガや病気をしたら、頼れるのは自己回復力だけである。

しかも、こうなったら最後、治るまで基本は生活に支障が生じることになる。

そんなときに捕食者に見つかりでもしたら……。

 

という訳で、今回の問いに対する、(現状の)答えはこちら。

A:「した。そしてそれは、時に死への片道切符にもなる。」