4.5畳の恋人。 -8ページ目

寝る寝ない問題

間取図


4.5畳(実質2畳)の部屋に二人で住むということ。
最大の問題は何か……?


それは、実際に経験しなきゃわからないかもしれないが、
生活サイクルがいちばんの問題だ。

俺が仕事から帰ってくる20:00~24:00。
まあ、その時間ならばまだ夏子は起きている。

しかしそれを逆に言えば、
俺が帰ってきてすぐに寝たいとしても……
夏子は起きている!!

それは夏子にもいえること。
夏子は自宅で建築設計の仕事をしている。
つまり、期日までに設計を仕上げなくてはならない仕事であり、
締め切りに間に合わせようと、深夜まで……いや、
早朝まで作業を続けることになる。

俺が寝るためにフトンをしくと、
夏子もフトンの上に座らなければならなくなり、
夏子は仕事がしにくくなる。

なにより、必死に仕事を頑張っているとなりで
グースカ寝られたのでは、夏子も嬉しくないはず。

逆に、夏子が眠いのに
俺が自宅作業をしているときもある。

そうなると、
ふたりの生活サイクルにズレが生じるのは
あたりまえの話だ。

「眠い……」

夏子 「私も……」

「フトンしいていい?」

夏子 「いいよ」

「じゃあしく~」

夏子 「しいてもいいけど……お茶入れて」

「お茶飲みたいの? いいけど……」


……お茶を出す。
……そして2時間後ちょっと目が覚めて。


「……まだ仕事してんの?」

夏子 「……うん。まだまだかかりそうなのよ」

「そう……でも、もう寝ちゃおうぜ♪ 明日やればいいよ」

夏子 「間に合わないの!!!!!!!!」

「ご、ごめん!!!!」


夏子 「夏子を眠りに誘わないで!!!!
俺 「はうあ!! (´Д`)


確かに空気読んでなかったかも……。

俺のしてる行為って、
クルマの運転者が眠いのに頑張って運転しているというのに、
助手席でグースカ寝ているようなものではないだろうか……。


マナーが俺にはなかったのではないか……。
ちょっと反省した日でした……。



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福祉住環境コーディネーター2級に合格

間取図

夏子が、最近なんか黙々と勉強していたと思ったら、
いつの間にか、資格を取ったらしい。


夏子 「福祉住環境コーディネーター2級に合格シタヨ!!


「おおっ!! なんかすごそうだな!! もっと偉い建築士になれんの?」

夏子 「バカ。違う」

「どんな資格なん?」

夏子 「東京商工会議所の資格で、建築と医療の間に立って高齢者や障害者の要望にこたえて、改修工事などをコーディネートする仕事よっ♪」

「……ほへ?」

夏子 「医療の人は建築のこと詳しくないでしょ?」

「うん」

夏子 「建築の人は医療のこと詳しくないでしょ?」

「うん」

夏子 「だから、両方の知識がある私がその真ん中でコーディネートするってわけよ」


おおおおおお!! よくわかんないけどすごいな!!



夏子 「夏子すごくな~い?」

「すごいすごい! っつーことは治療とかもできるわけだ!」


夏子 「ハァ~? できるはずないじゃん。バカじゃないの?

「じょ、冗談じゃん……」


夏子 「夏子……冗談通じないの。やめて!!
俺 「はい……


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金参萬円也

間取図


いま、朝です。
すっごくあせってます。

夏子の親友が結婚することになり、今日は披露宴の日。
しかし夏子は寝坊してしまい……少なくともあと20分以内に
家を出なくてはなりません……。

そういう状況で……。

俺 「冷静になれ!! まず冷静になれ!!

夏子 「……あああああん!! もう時間ない!! 混乱してきちゃった~!!」

「まず何を用意しなきゃなんない?」

夏子 「えーとえーと!! なんだったかな!?」

「化粧したよな!!」

夏子 「したした!!」

「その服、披露宴に着ていく服だよな!!」

夏子 「うん、そう!! これ着てく!! アクセもつけた!!」

「あとなんだ……!?」

夏子 「あとアレ!! ご祝儀!! お金封筒に入れないと!!」

「そうかわかった。どこだ封筒」

夏子 「これこれ!! お金2万円入れるの!!」

「入れろ入れろ!! 2万円入れろ!!」

夏子 「あああ!! ご祝儀袋に名前と金額書かなきゃ!! 住所も!!」

「書け書け!!」


夏子 「……夏子、字が下手なの
俺 「んあ!? 俺が書けばいいの?


夏子 「お願い!! 書いて!!」

「書く書く!! 俺書く!!」



成瀬夏子 ____φ(.. )

東京都港区麻布十番…… ____φ(.. )

金参萬円也 ____φ(.. )




「できたぞっ!!」

夏子 「キャ♪ ありがとう!!」

「イッテコーーイ!!」


夏子 「ギャアアアアアアアアアアアアア!!
俺 「はうあ!!



夏子 「3万円じゃない!! 2万円!! 2万円よっ!!
俺 「うはああああああああああ!!



× 金参萬円也
○ 金弐万円也
 


夏子 「……もういい。時間ないから行く!!」


俺 「……ごめんよ。今夜、焼肉にするから……
夏子 「そういう問題じゃない!! 行ってくる!!



……完全に怒ってる。
こりゃヤバイ……。夏子がこんなに怒ったの初めてだ。


……夜。


夏子 「ただいま♪」

「ごめんな……3万円」


夏子 「あっ? いいのいいの♪


「どして?」

夏子 「親友だったしさ、披露宴すっごく楽しかったし♪」

「そ、そうかぁ。よかったあ♪」


夏子
焼肉は?
俺 「こういうオチだよな


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風呂(シャワー室)ぶっこわれる

間取図


夏子 「お風呂、壊れちゃった


「え~~っ!? どうすんの?」

夏子 「うん、それでね、大家さんがね……」

「銭湯に行けって?」


夏子 「1階の空き部屋のお風呂使ってくれって


「マジ!?」

夏子 「マジマジ」


俺 「風呂入るたびに階段おりて1階へ?
夏子 「うん


「俺、ここに住んでるの大家さんに内緒ダヨナ……」
※2006年現在は大家さんの許可を得ています。

夏子 「内緒もなにも、一人で住む契約だもの……」

「俺がさ、お風呂に入るために1階に出入りしてるの見られたらヤバいよナ」

夏子 「ヤバイね」

「……」


夏子 「でもまあ、なんとかなるんじゃない?


「何が?」

夏子 「さあ……」


俺 「なんとかなる根拠はないわけか


夏子 「1週間くらい外の配管を工事するらしい。どうしよう……」

「じゃあ、バレないように深夜に1階へ行く……」


夏子 「1週間お風呂ガマンできる?
俺 「ハァーーーーーーーーー!?


夏子 「1階の部屋に出入りしているの見つかったらヤバイじゃん?」
俺 「銭湯に行くっつーの!


夏子 「あっ!!」

「何……」


夏子 「トイレも使えないって言ってたんだ

俺 「………………(;´・`)


夏子 「ごめんね……」

「え? 何がごめんなの?」


夏子 「トイレ、銭湯でするはめになってごめんね
俺 「そうくると思った




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45センチのテラス

間取図


「いまさらだけどさ……」

夏子 「うん」


俺 「この部屋のテラス、意味ないよな


夏子 「ふぁ~!? なんでよ」
俺 「だってさ、出られないじゃん


夏子 「勇太郎はバカね~。気合で出られるじゃん
俺 「毎度おかしなこと言うよな


夏子 「窓開けて、またいでテラスに出ればいいじゃん」

「あのさ、テラスとかベランダって、普通はガラス扉開けて出られるじゃん?」

夏子 「うん」

「窓またがないと出られないテラスって変じゃない?」


夏子 「幅45センチしかないのよ。何に使えると思ってんの?



「……まあ、使い道ないわな」

夏子 「……でも、ひとつだけ使い道あるわよ」

「なに?」

夏子 「ごみ置き場

「!!」

夏子 「こんな狭い部屋じゃ、ゴミ箱さえ置けないじゃない?」

「……そういやゴミ箱ないな。いつもスーパーの袋に入れてる」

夏子 「そのスーパーの袋、テラスに置いてるのよ。気がついてた?」

「!! 知らなかった!! マジで?」

夏子 「マジで」

「テラスに出られなくてもゴミは置けるか……考えたな!」

夏子 「でへへ。ふんぽこふんぽこ!!

俺 「は? ふんぽ……


※なぜこんな狭い部屋にわざわざテラスがついているか?
建築基準法には道路斜線制限というものがあり、ある一定の高さを超える建物は、景観に対して圧迫感を与えることがないように、建物を建てられる空間に制限が設けられている。つまり、夏子の部屋のテラス部分は“建物を建てられる空間”外であり、そこを部屋にすることができなかったわけです。




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光ファイバーを申し込む

間取図

ハァァァァァァァ!?
4.5畳の部屋に光ファイバー導入!?



夏子 「いま、二人同時にインターネットできないよね」

「あー、そうだね。ちょっと不便かな。いまAIR-EDGEか」

夏子 「うん……PCカードっていうやつ? だから勇太郎が使ってると私が使えないの」

「ごめんごめん。ついつい長時間使いすぎちゃうな」

夏子 「しかもさ、動画とかつらいよね」

「う~ん、まあ、通信スピード32kだからなあ」

夏子 「でしょ? もっと早いインターネットにしない?」

「おおっ!! どーする? ADSLあたりにする?」


夏子 「光ファイバーにする!!
俺 「ぶっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


夏子 「電話もIP電話にする。いま電話ないでしょ?」


俺 「まさか、電話台にするために本棚もう一個買ったのか!?


夏子 「うん♪ いいアイデアでしょ?」

「4.5畳の部屋に光ファイバーって、すげーな!」


机とか棚とか増えたから
実質、生活スペース2畳の部屋に光ファイバー……。


夏子 「光ファイバーの会社に電話してみてよ。よくわかんないから」

「光ファイバーの会社って……」


……とりあえず、電話してみた。


「工事開始まで1か月かかるって」


夏子 「そんなに待たせんの!?
          部屋が狭いからバカにしてんじゃないの!?

俺 「いや、部屋の広さとか話してないから(汗)


……1か月後が楽しみというかなんというか。


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机を買いました……

間取図

机がない……。
確かにこの部屋は狭い。

4.5畳しかない。
立ったり歩いたりできるのは3.0畳くらい。

しかし、机が無いのはつらい。
なぜなら、俺のデスクトップパソコンが
地面に置いて使用しているからだ。

必然的に、おれはうつぶせに寝そべりながら
パソコンを使うことになる。


夏子のパソコンはまだいい。
ノートのiBookなので、ひざの上で作業できる。
しかしそれでも、Macをひざの上に乗せて設計をするのは
かなり苦痛らしい。


「ねえねえ、机欲しいよね」


夏子 「欲しいけど、机なんて置いたら人間のいる場所なくなるよ?



「……だよなぁ」

夏子 「……あっ、そうだ! 夏子頭いい♪」

「なになに? 何かいいアイデア?」


夏子 「細長い本棚を横に倒して、その上にパソコン置いたらどう?


「……なるほどっ♪ 頭いいじゃん!」

夏子 「そうすれば、棚の部分に本とか入るからいいよね♪」

「だな!!」


……ということで本棚を買いに行きました。


夏子 「ここよここ。麻布十番でもここが安いのよ」

「おおお、そうなのか」

店員 「いらっしゃい」

夏子 「細長い本棚が欲しいんですけど~」

店員 「ほほう。こんなのどうですか?」

夏子 「いいんじゃない?」

「うん、丈夫そうだしサイズもいいね」

夏子 「おいくらですか?」

店員 「9800円だよ」

夏子 「高い! ちょっと高いわぁ~」

店員 「……じゃあこれは? 3800円だけど」

夏子 「ちょっと軽いのね。予算ないからこれにしようかぁ」

「安いしいいんじゃない? これ買っちゃうよ? 俺買うから」


夏子 「……なら、もう一個買わない?

俺 「払うの俺ってわかったとんたソレかよ!!


夏子 「この本棚はは横倒しにするけど、もう一個は縦置きにするの」

「……何を置くの?」


夏子 「フフフフフ。いいからいいから

いいからって何!?


本棚横倒し机

ということで買いました……。


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ヘッドフォンの意味なし

間取図

こんなこと があったので、
渋谷のビックカメラでイヤフォンを購入。
っていうかヘッドフォンを購入。

俺が使うはずが、
なぜか夏子が使うことに……。

まだ結婚してないが、お前は『鬼嫁日記』の嫁かよ!


……帰宅後。


さっそく俺はWindowsパソコンのスピーカーで宇多田ヒカル
聴きながらインターネット。

夏子はヘッドフォンでスピッツを聞きながら
設計の仕事をMacで進行中。


俺 「宇多田はえぇなァ~。心に響くわァ~」


Windows


夏子 「あ□ぁ~♪ 今、君だ×のため□赤い火▲な※あぁ~♪ のおぉ~♪
俺 「……(;´・`)


夏子 「あぁ~♪ 君▲あ×ため※い~♪
俺 「…………(´Д`)


スピッツ聴こえなくても夏子が歌ったら
ヘッドフォンの意味ねぇええええええ!!!!!!!!!!!!
夏子はギャグでやってるんだよね?


「……あのさ、夏子」

夏子 「……? どしたん? スピッツ音漏れうるさい?」


俺「いや……音漏れなんてレベルじゃないんだけど


夏子 「ハァ? 何がいいたいの?」

俺 「スピッツ聴こえなくても夏子が歌ったら意味なくない?


夏子 「リズムに乗ってなんで悪いの?」

俺「宇多田ヒカルの曲に夏子の歌が乗ってきてんの!


しかも歌詞はスピッツ


夏子 「……夏子、歌ってた?」

「歌ってた……」

夏子 「……ごめんね」

「……まあいいけど」

夏子 「でもさ……」

「ん?」


夏子 「ノリに乗ったら歌うっつーの。夏子の設計の邪魔したいの?

ヘッドフォンの意味ねえええええええええ!!


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騒音問題発生

間取図


うるさい……
いや、うるさいというわけじゃなくて
なんというか……狭いがゆえの騒音問題発生です

いつも俺はWindowsパソコンで音楽を聴き、
夏子はMacで音楽を聴いている。


夏子 「あのさ……」

「ん?」

夏子 いま夏子がスピッツ聴いてるのよね」

「……あ、おう」

夏子 「勇太郎は宇多田ヒカル聴いてるわよね」

「あ、うん……何?」


夏子 「二人で違う曲聴いていたら、スピッツ宇多田ヒカルの音が混ざるわけ


「……まあ、それは仕方ないかな。俺は我慢できるけど……」

夏子 「ちゃんとスピッツ聴けないじゃない!」

「まあ、この狭さじゃあね……嫌でも聴こえるわな」


夏子 「ほぼ密着して2つのパソコンから違う曲が出てる


「うん……」


夏子 「私がスピッツ聴いてるときは宇多田やめて


「えええええ~!!」

夏子 「……わかったわ。どっちかがイヤフォンで聴けばいいのよ」

「あ、そうか。頭いいなっ!」

夏子 「勇太郎、イヤフォンあったわよね?」

「へ? ないない。おれ、iPod妹にあげちゃったもん」

夏子 「でもイヤフォンあるでしょコレ」

イヤフォン

俺 「……これ、両耳じゃなくて片耳用のイヤフォンだよ


夏子 「だめ?
俺 「だめって、意味がわからん


夏子 「勇太郎はそれで聴けばいいのよ」

「俺には夏子のスピッツ聴こえまくりじゃん!」


夏子 「夏子には宇多田聴こえないからいいじゃん♪


「……よしわかった。今度イヤフォン買いに行こう」

夏子 「やったー!!!! 夏子それ使うわ♪ いいやつ買おっ♪」

俺 「夏子がかよ!


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水道料タダ

間取図


二人で住むにあたって、決めなくてはならないことがある。
それが家賃や光熱費などの生活費だ。

彼女名義のマンションで彼女が住んでいたところへ
俺が泊まるようになったわけで、
このままオレが何も払わないのでは、
どう考えてもヒモである。

……ヒモか。
でも、ヒモになるつもりはない(笑)。

ということで、俺も生活費を支払うことにした。


「家賃は?」

夏子 「5万円

「安っ!! ここ麻布十番だよね……?」

夏子 「うん。探せば普通にあるもんよ」

俺 「いやいやいやいや、普通ないから5万円なんて。光熱費は?」

夏子 「ガス2500円、電気2500円、水道料タダ」

俺 「ガス2500円、電気2500円、水道料タダね……ってタダ!!!!!????

夏子 「そうタダ

「なんで?」

夏子 「さぁ……」

「……」

夏子 「……」

「じゃあ、食費っていくらくらい?」

夏子 「いくらかなぁ。計算したことないわぁ」

「じゃあ、家賃は夏子が払って、交友費とか食費は俺が払う。いい?」

夏子 「うん♪」

「とりあえず、月7~8万円くらいかな?」

夏子 「うん♪」

……それにしても水道料タダって……なんで?


えっ『4.5畳の恋人。』について