【あらすじ:映画.comよりの引用(→☆)】
昭和18年(1943年)の冬、茨城県の炭鉱のある村で、ひとりの鉱夫が警察で死んだ。死因に疑いがあるということで、弁護士の正木ひろし(小林桂樹)が遺族から調査を依頼された。
正木は死亡診断書に死因が、脳溢血とあるのを怪しんだが、警察や検事は死体を見せようともしなかった。正木は、そこに拷問死の臭いをかぎ、いかに戦時下とはいえ、官憲の横暴、残虐さに激しい怒りを覚え、この事件を徹底的に調査しようと決心したのである。
調査するうちに、脳溢血という診断が、明らかに偽証であることがはっきりした。しかし、死体はすでに埋葬され、いかに弁護士とはいえ、警察の許可なくしてそれを掘り返すことは出来なかったし、警察が自らの不正を暴露するようなことを許すはずもなかった。
【以下結末までの記述あり! 映画未見の方は次の感想欄まで飛んで下さい。】
監督は「日本沈没」(1973)、「砂の器」(1974)、「八甲田山」(1977)等の森谷司郎。
正木ひろしを演じるのは、小林桂樹。
この四者が、がっぷり組んで生まれた傑作映画。ミステリーとしても、サスペンスとしても一級品である。敢えて白黒撮影としたのも、好効果。厳しく過酷な戦中の時代の雰囲気が良く表現されている。
正木ひろし(小林桂樹)の、一歩間違えば狂気にも陥りかねない、一徹な正義感が、画面からはみ出さんばかりに迫って来て、見る者を圧倒する。
【スタッフ、キャスト等】
監督:森谷司郎
脚本:橋本忍
原作:正木ひろし「弁護士」(1964)
音楽:佐藤勝
撮影:中井朝一
美術:阿久根巌
製作:田中友幸
キャスト:
正木ひろし(小林桂樹)
滝田静江(南風洋子)
岸本正治(下川辰平)
田代検事(神山繁)
室田(大滝秀治)
福畑教授(佐々木孝丸)
中原(大久保正信)
上映時間:1時間40分
日本公開:1968年6月8日
キネマ旬報ベストテン:日本映画第5位
鑑賞日:2018年9月5日
場所:新文芸坐(池袋)
【橋本忍脚本映画リスト】
・題名の後の氏名は、共同脚本執筆者 氏名記載無き場合は、橋本忍単独脚本