中編は、珍しく村雨君sideから見たお話です。イメチェンしたキョーコを見て、どう思ってるのかな?
⚠️「」は、日本語。『』は、英語です。
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ハリウッドにある撮影所で行われた懇親会パーティーの翌日、漸く敦賀君が合流した事で改めて全キャストでの顔合わせが行われた。
…んだが…あの、王子様気取りのセドリック・D・ベネットが俺達日本人キャストにメンチ切ってきたもんだから腹がたってしょーがなかった。
でもそれ以上に、気になることが起きてしまった。
あの素うどんな京子ちゃんが、大人っぽく変身しちゃってビックリンコ!
何かちょっと既視感あるけど、悪くねーなぁなんて思っちゃったよ。
まぁでも、そんなこんなあって翌日から、クランクインした映画『ROUTE』の撮影。
その日も、京子ちゃん昨日とは服装少し変わってたけどヘアメイクは同じだった。
奏江ちゃんが撮影から抜ける度に、英語のイントネーションやセリフチェックをしたりアドバイスをしたりとPAとして接してる。
すぐ近くには、敦賀君と社マネージャーも殆ど一緒にいるし2人の飲み物用意したり、世話しなく動いていた。
俺は、気になってLMEチーム(俺が勝手に命名)に近づいて思いきって京子ちゃんに話し掛けることに。
「ねぇねぇ、京子ちゃん。」
「ん?何ですか村雨さん?」
京子ちゃんは、少し首を傾げて何か上目遣いで笑み返答すると、何かドキッとしてしまった。
な、何か本当に大人っぽいな😳
それにやっぱり、既視感があってしょうがない。
「やっぱり…あのさぁ、俺達以前どっかで会ってないかな?模擬撮影の時に始めてあった時から思ってたんだけど、既視感があるんだよな。京子ちゃんって本名何て言うの?変なこと聞いちゃうけど、雪花なんて…名前じゃないよな?本当に日本人?それとも小・中学生頃に会ってたりするかなぁ?
USJ行ったことある?俺、中学生の時の遠足で行ってさ、どっかの小学生グループの遠足か旅行で来てた女の子にぶつかって、持ってたコーラとポップコーンぶちまけちまったことあんだよ。」
俺は、苦笑いしながら雪花の事と咄嗟に過去に会った小学生の女の子の事を思い出して話した。
すると…京子ちゃんが、急に震えだして目付きが鋭くなっていくのに気づいた😓
「あん時のチャラい中学生は、あんたやったんかい👹!!」
いきなり関西弁?いや京都弁か!?ってゆーか大当たり!?
「げ!?まさかあの時の女の子って京子ちゃんだったのか!?」
俺は思わず退いてしまうと、近くにいた敦賀君達が驚いていたが京子ちゃんが俺に向かって来たので逃げ足駆けたら、追いかけてきた!
「待たんかいわれ!」
「うわ~~ごめんなさい~~って追いかけてくんな~~💦」
「あん時同級生の皆から笑われて、誰も助けようとせんかったんやで!近くにいたスタッフの女性が先生呼んでくれたけど!どんだけ傷付いたか!」
皆が呆然と眺めているのを知らずに俺達は追い駆けっこを始めてしまい、居たたまれなくなってスタジオの外に駆け出した。
扉を開けて逃げようとしたら、ガシッと肩を掴まれ後ろを振り向くと般若の如くな顔をした京子ちゃんがいて俺はとうとう取っ捕まってしまった…😱
そのまま首根っこを掴まれズルズルとスタジオの外に連れ出されると、慌てて俺のマネージャーも付いてきた。
「き、京子ちゃん!頼むから穏便に💦」
「あん時は、すんませんでした~~許して😞!昼飯奢るから!」
スタジオの外の廊下で俺は土下座して謝ってると、社さんと敦賀君がやって来て…
「キョーコちゃんストップ!!そこまで!」
「村雨君も一応反省してるみたいだから、人目の有るところでそんな事させちゃ駄目だよ😅」
2人も一緒になって落ち着かせてくれると、京子ちゃんは再びナツっぽい色っぽさを見せてきた。
「2人がそこまで言うなら…ここまでにしといたるわ。けど…うちは忘れてへんからな後で覚悟しとくんやで。」
京都弁で、その色っぽさは犯罪じゃ~~😳💦!!
極妻な、着物姿が見え隠れしてんぞ!
「村雨君…キミ何考えてるのかな?」
顔を上げると、何か顔は笑ってるけどどす黒い物を感じる敦賀君がいる…何かこっちも既視感あるんですけど~~!?
「お前らは、どこぞのブラコンシスコン兄妹かよ😓!?」
俺は、ヒール兄妹を思い出しぶちまけた。すると2人が微妙に一緒にビクッとしたのを見逃さなかった。
「ん?何だ今のビクッってのは~~?んん?思い当たる所があるのかな~~( ̄ー+ ̄)?」
俺は、チョイと揺さぶりをかけることに。
「何の事かな?ブラコンシスコン兄妹って何?」
「そうですよ。一体何の事ですか?」
「村雨君、2人に変な事聞いてきちゃって何言ってんの?この2人が兄妹に見えるとでも?全然似てないよ。」
3人とも何か無表情になって、言ってきたけど…何か違和感がある。やっぱりコイツら何か隠してんな!
まぁ、いいさ撮影はまだまだ続くんだ。その間に隙あらばその隠し事暴いてやろ~っと。
「取り込み中悪いんですけど、そろそろそこのお二人さん出番なので戻ってくれませんかね?」
気付くと、呉前Pがいて呼びに来ていた。
「あとそれと京子さんは、ここに残って下さい。お話があります。」
「え?あ、はい分かりました。」
何故か京子ちゃんだけ残して俺達は、スタジオ内に戻ってった。チョイと振り返ると京子ちゃんと呉前Pは、スタジオとは反対方向へと歩いていった。
「あのさぁ…京子ちゃんって本名だよな?違う?」
「一応、呼び方は似てるけど少し違うよ。本来は、片仮名の名前だよ伸ばし棒が入って、『キョーコ』って言うんだ。」
「へぇ…何か、クーみたいだな。同じ京都出身だしもしかして親戚だったりして?ん?でも模擬撮影の時にて敦賀君ってさ、京子ちゃんのこと『最上さん』って呼んでたよな?いつの間に、名前で呼ぶようになったんだよ?」
俺がそう聞くと、敦賀君がまた何だか一瞬ビクッとした気がした。
「流石にね…業界人がいるところで、本名の名字で呼ばない方が良いかな?と思ってさ。以前、料理番組で一緒にした時名字で呼んじゃっててそのままオンエアされちゃった事があるんだよ。その時に、事務所の人間からちょっと注意されたんだ。個人情報になるからって。キョーコちゃん一応、俺と同じで本名非公開にしてるからさ。
名前で呼ぶことにしたんだよ。マネージャーも一緒だし、後輩でもあるしその方が自然だろ?」
まぁ確かに無難な理由では、あるな。でもビクッとしたのは何だったんだろ?
「ふーん…でも本名まで知ってるとはね。そこまでの仲なんだな。じゃあ京子ちゃんも敦賀君の本名知ってんの?その名前って芸名だって聞いてるよ。」
「いや…まだ教えてない。」
「そうなんだよ、マネージャーの俺にすら本名教えてくれないんだぞ。普通教えるよなぁ(ノд`;)」
やれやれと言った感じで、社さんまで呆れる始末。おい…普通マネージャーになら教えるだろ😓
何かあった時どーするんだよ、家族に連絡とれねーじゃんか。
「社長は、知ってるから大丈夫だよ。両親とも元々知り合いだし。」
「え?そーなんだ。」
「事務所を紹介してくれたのも社長と知り合いだった、父さんなんだよ。自分の実力を試したくてね、せめて事務所だけはここにしろ!って言うもんだからLMEに入った次第。」
え?と言う感じで社さんもビックリしていた。それも知らんかったんかい!マネージャーなくせに。
「何で今まで話してくれなかったんだよ蓮。」
「社さん、すみません。少し考えてる事がありまして、この映画の撮影が終わったら本名含めて家族のことも教えますから。」
そう言うと、スタッフから声がかかって俺達の出番がやって来たのでセットの中にスタンバイした。
中編② に続く。
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村雨くんが、過去にキョーコと出会っていたと言うストーリーが書きたくて思い付いたお話でもあります。
他の二次小説には、過去に出会っていた設定が幾つかあるんですけどね。でもこのお話での出会いは、全く異なります。
キョーコが修学旅行での良い思い出がないことを、本誌で回想してるシーンがあったので遠足も同様かな?と思い付いて書きました。
それと色っぽいキョーコにドキマギする村雨君を書いてると、筆進みますね(笑)
因みに、キョーコの髪の色は変えてません。栗色のままです。
大人っぽく見せてる演技は、『未緒×ナツ+雪花÷2』みたいな感じかな?と思ってくださいませ。
分かりにくいか(笑)