中編は、珍しく村雨君sideから見たお話です。イメチェンしたキョーコを見て、どう思ってるのかな?

⚠️「」は、日本語。『』は、英語です。

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ハリウッドにある撮影所で行われた懇親会パーティーの翌日、漸く敦賀君が合流した事で改めて全キャストでの顔合わせが行われた。

…んだが…あの、王子様気取りのセドリック・D・ベネットが俺達日本人キャストにメンチ切ってきたもんだから腹がたってしょーがなかった。


でもそれ以上に、気になることが起きてしまった。

あの素うどんな京子ちゃんが、大人っぽく変身しちゃってビックリンコ!

何かちょっと既視感あるけど、悪くねーなぁなんて思っちゃったよ。


まぁでも、そんなこんなあって翌日から、クランクインした映画『ROUTE』の撮影。

その日も、京子ちゃん昨日とは服装少し変わってたけどヘアメイクは同じだった。

奏江ちゃんが撮影から抜ける度に、英語のイントネーションやセリフチェックをしたりアドバイスをしたりとPAとして接してる。


すぐ近くには、敦賀君と社マネージャーも殆ど一緒にいるし2人の飲み物用意したり、世話しなく動いていた。


俺は、気になってLMEチーム(俺が勝手に命名)に近づいて思いきって京子ちゃんに話し掛けることに。


「ねぇねぇ、京子ちゃん。」

「ん?何ですか村雨さん?」


京子ちゃんは、少し首を傾げて何か上目遣いで笑み返答すると、何かドキッとしてしまった。

な、何か本当に大人っぽいな😳

それにやっぱり、既視感があってしょうがない。


「やっぱり…あのさぁ、俺達以前どっかで会ってないかな?模擬撮影の時に始めてあった時から思ってたんだけど、既視感があるんだよな。京子ちゃんって本名何て言うの?変なこと聞いちゃうけど、雪花なんて…名前じゃないよな?本当に日本人?それとも小・中学生頃に会ってたりするかなぁ?

USJ行ったことある?俺、中学生の時の遠足で行ってさ、どっかの小学生グループの遠足か旅行で来てた女の子にぶつかって、持ってたコーラとポップコーンぶちまけちまったことあんだよ。」


俺は、苦笑いしながら雪花の事と咄嗟に過去に会った小学生の女の子の事を思い出して話した。

すると…京子ちゃんが、急に震えだして目付きが鋭くなっていくのに気づいた😓


「あん時のチャラい中学生は、あんたやったんかい👹!!」


いきなり関西弁?いや京都弁か!?ってゆーか大当たり!?


「げ!?まさかあの時の女の子って京子ちゃんだったのか!?」


俺は思わず退いてしまうと、近くにいた敦賀君達が驚いていたが京子ちゃんが俺に向かって来たので逃げ足駆けたら、追いかけてきた!


「待たんかいわれ!」

「うわ~~ごめんなさい~~って追いかけてくんな~~💦」


「あん時同級生の皆から笑われて、誰も助けようとせんかったんやで!近くにいたスタッフの女性が先生呼んでくれたけど!どんだけ傷付いたか!」


皆が呆然と眺めているのを知らずに俺達は追い駆けっこを始めてしまい、居たたまれなくなってスタジオの外に駆け出した。

扉を開けて逃げようとしたら、ガシッと肩を掴まれ後ろを振り向くと般若の如くな顔をした京子ちゃんがいて俺はとうとう取っ捕まってしまった…😱


そのまま首根っこを掴まれズルズルとスタジオの外に連れ出されると、慌てて俺のマネージャーも付いてきた。


「き、京子ちゃん!頼むから穏便に💦」

「あん時は、すんませんでした~~許して😞!昼飯奢るから!」


スタジオの外の廊下で俺は土下座して謝ってると、社さんと敦賀君がやって来て…


「キョーコちゃんストップ!!そこまで!」

「村雨君も一応反省してるみたいだから、人目の有るところでそんな事させちゃ駄目だよ😅」


2人も一緒になって落ち着かせてくれると、京子ちゃんは再びナツっぽい色っぽさを見せてきた。


「2人がそこまで言うなら…ここまでにしといたるわ。けど…うちは忘れてへんからな後で覚悟しとくんやで。」


京都弁で、その色っぽさは犯罪じゃ~~😳💦!!

極妻な、着物姿が見え隠れしてんぞ!


「村雨君…キミ何考えてるのかな?」


顔を上げると、何か顔は笑ってるけどどす黒い物を感じる敦賀君がいる…何かこっちも既視感あるんですけど~~!?


「お前らは、どこぞのブラコンシスコン兄妹かよ😓!?」


俺は、ヒール兄妹を思い出しぶちまけた。すると2人が微妙に一緒にビクッとしたのを見逃さなかった。


「ん?何だ今のビクッってのは~~?んん?思い当たる所があるのかな~~( ̄ー+ ̄)?」


俺は、チョイと揺さぶりをかけることに。


「何の事かな?ブラコンシスコン兄妹って何?」

「そうですよ。一体何の事ですか?」

「村雨君、2人に変な事聞いてきちゃって何言ってんの?この2人が兄妹に見えるとでも?全然似てないよ。」


3人とも何か無表情になって、言ってきたけど…何か違和感がある。やっぱりコイツら何か隠してんな!

まぁ、いいさ撮影はまだまだ続くんだ。その間に隙あらばその隠し事暴いてやろ~っと。


「取り込み中悪いんですけど、そろそろそこのお二人さん出番なので戻ってくれませんかね?」


気付くと、呉前Pがいて呼びに来ていた。


「あとそれと京子さんは、ここに残って下さい。お話があります。」


「え?あ、はい分かりました。」


何故か京子ちゃんだけ残して俺達は、スタジオ内に戻ってった。チョイと振り返ると京子ちゃんと呉前Pは、スタジオとは反対方向へと歩いていった。


「あのさぁ…京子ちゃんって本名だよな?違う?」


「一応、呼び方は似てるけど少し違うよ。本来は、片仮名の名前だよ伸ばし棒が入って、『キョーコ』って言うんだ。」


「へぇ…何か、クーみたいだな。同じ京都出身だしもしかして親戚だったりして?ん?でも模擬撮影の時にて敦賀君ってさ、京子ちゃんのこと『最上さん』って呼んでたよな?いつの間に、名前で呼ぶようになったんだよ?」


俺がそう聞くと、敦賀君がまた何だか一瞬ビクッとした気がした。


「流石にね…業界人がいるところで、本名の名字で呼ばない方が良いかな?と思ってさ。以前、料理番組で一緒にした時名字で呼んじゃっててそのままオンエアされちゃった事があるんだよ。その時に、事務所の人間からちょっと注意されたんだ。個人情報になるからって。キョーコちゃん一応、俺と同じで本名非公開にしてるからさ。

名前で呼ぶことにしたんだよ。マネージャーも一緒だし、後輩でもあるしその方が自然だろ?」


まぁ確かに無難な理由では、あるな。でもビクッとしたのは何だったんだろ?


「ふーん…でも本名まで知ってるとはね。そこまでの仲なんだな。じゃあ京子ちゃんも敦賀君の本名知ってんの?その名前って芸名だって聞いてるよ。」


「いや…まだ教えてない。」

「そうなんだよ、マネージャーの俺にすら本名教えてくれないんだぞ。普通教えるよなぁ(ノд`;)」


やれやれと言った感じで、社さんまで呆れる始末。おい…普通マネージャーになら教えるだろ😓

何かあった時どーするんだよ、家族に連絡とれねーじゃんか。


「社長は、知ってるから大丈夫だよ。両親とも元々知り合いだし。」


「え?そーなんだ。」


「事務所を紹介してくれたのも社長と知り合いだった、父さんなんだよ。自分の実力を試したくてね、せめて事務所だけはここにしろ!って言うもんだからLMEに入った次第。」


え?と言う感じで社さんもビックリしていた。それも知らんかったんかい!マネージャーなくせに。


「何で今まで話してくれなかったんだよ蓮。」


「社さん、すみません。少し考えてる事がありまして、この映画の撮影が終わったら本名含めて家族のことも教えますから。」


そう言うと、スタッフから声がかかって俺達の出番がやって来たのでセットの中にスタンバイした。



中編② に続く。


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村雨くんが、過去にキョーコと出会っていたと言うストーリーが書きたくて思い付いたお話でもあります。

他の二次小説には、過去に出会っていた設定が幾つかあるんですけどね。でもこのお話での出会いは、全く異なります。


キョーコが修学旅行での良い思い出がないことを、本誌で回想してるシーンがあったので遠足も同様かな?と思い付いて書きました。


それと色っぽいキョーコにドキマギする村雨君を書いてると、筆進みますね(笑)

因みに、キョーコの髪の色は変えてません。栗色のままです。


大人っぽく見せてる演技は、『未緒×ナツ+雪花÷2』みたいな感じかな?と思ってくださいませ。

分かりにくいか(笑)


















本誌ACT. 310の最後のシーンを見ての派生妄想話になります。

三人称視点のお話になります。若干、最新話のネタバレにもなってるのでお気をつけください。

⚠️「」は、日本語。『』は、英語となっております。

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『ここから先、役者以外は遠慮してもらう。』


そう老齢の訝しい目付きをした男性スタッフに言われたキョーコは、衣装部屋の外で奏江を待つ羽目になってしまった。ジャンプしたり柔軟体操したりと暇潰していたが、時間が経つと暇潰しも飽きてきていた。


ふと蓮の事が気になり思いきって電話をかけて、朝食事情を利いたりスタジオでのいざこざ関係の話を暈しつつも報告した。

キョーコも、早く蓮に会いたがっていたが明日になれば会えるのを我慢している。


当の蓮は、本来の姿である『久遠・ヒズリ』の姿に戻り旧友リックの墓参りに来ていた。キョーコは、話し方の中に妖精コーンの存在を感じつつも話し終えると電話を切った。

その直後に衣装部屋の扉が開き、奏江が戻ってきた。


「あっ…モー子さん!やっと終わったのね。随分時間かかってたけど何かあったの?」


奏江もまた、何か言いたげな顔してたがそれを言わなかった。何かあったのには間違いない。


「ちょっとサイズにミスがあっただけよ。微調整で何とか直るみたいだから撮影迄には間に合うって。」


本当は、違うのだが取って付けたような嘘をついてキョーコを安心させようと演技をした。

するとキョーコの手に携帯が有ることに気付き聞いてきた。


「あんたも誰かと電話でもしてたの?」

「ん?ち、ちょっとね敦賀さんと…😳💦」


ふーん…と奏江は、キョーコの顔を見てふとあることを言ってきた。


「あ、そうだわ。言おうと思ってたんだけど…あんた明日からそのツナギ着るのやめてくれない?」


「え?何で?これは私の戦闘服なのに!」


「もう!だーかーら!それが原因でアメリカ人キャストやスタッフに変に見られたり子供っぽく見られてんのよ!

私の服も少し貸すから、大人っぽくしなさいって言ってるの!馬鹿にされたり子供っぽく見られるの嫌なんでしょ?だったら努力しなさいよ!ダークムーンの打ち上げパーティーでのドレスアップした時の姿を参考にしたり、それにBOX"R"のナツの姿なら馬鹿にされたりしないでしょうが!それっぽくすりゃいーの!」


ハァハァ言いながら、奏江はキョーコにイメチェンの打診をした。

その夜、キョーコは奏江とトレーラーハウス内で色んなヘアメイクや服装等を試しに試してあるスタイルに決定し翌日の朝、蓮が来ることで改めて全キャストでの顔合わせをする事になったので懇親会パーティーが行われた、場所に全員集合したのである。


そこには既に、蓮の姿があった。社マネージャーと共に宝田社長と一緒にいた。

因みに宝田社長は、何故か織田信長のコスプレをしている(笑)


「おお!敦賀君じゃん、来るの遅いぞ!」

「やあ村雨君、久しぶり。」


村雨秦来が蓮を見つけると、他の日本人キャスト達もゾロゾロと入ってきておりアメリカ人キャスト達も少し離れて宝田社長を変な目で見ていた。

そんな中で、奏江が入ってくると一緒に歩いて来た美女に皆、目が行き注目を浴びてしまったのである。


『おい誰だあの美人?』

『あんな役者いたっけ?あの変な着物着た奴と一緒にいる男もパーティーの時にいなかったよな?』


「あれって京子ちゃんじゃね?髪長いけどそーだよな?」

「何で京子ちゃん、ツナギ着てないん?」

「相も変わらず、コロコロ変わるわね。」

「何かちょっと、BOX"R"のナツっぽくね?」


そう、そこに現れた美女はキョーコだった。昨夜、奏江と相談して決めたスタイルは、BOX"R"のナツのメイクを基にして髪型は、ダークムーンの打ち上げパーティーでのロングスタイル(奏江の沢山の荷物の中に何故かワンタッチで付けられる簡単エクステンションが入っていた。)の髪型でのアップポニーテールスイルに変化しており、両耳には少し大きめのイヤリングを付けている。


服装も、シンプルながらカジュアルで大人っぽさを感じさせる服になっていた。動きやすいパンツスタイルに合わせてアウターシャツをお洒落に腰巻きにしてウェストバッグを横に着用。

インナーは、Vネックの少し胸元が開いた黒い袖が短いTシャツに白いキャミソールのレースが見え隠れしていて、いつもしているプリンセスローザのネックレスを着けていた。

もう一つ長めのゴールドチェーンも見えているが、それはシャツインしており見せていない。おそらく蓮から渡されている、ペンダントであろう。


そしてその顔付きや立ち振舞いも、堂々としておりまるでPAと言うより丸で敏腕マネージャーの様に見えたらしく…


「おお!京子ちゃん、大人っぽくなっちゃって何かPAってゆーよりマネージャーっぽいな!イケテんじゃん!」


「どうしたの?その格好、急にイメチェンなんかしちゃって。」


「変じゃありません😳💦?ちょっと事情があってツナギ着るのやめたんです。」


村雨秦来と恵エミリアの2人が、2人の元にやって来るとその他の日本人キャストも集まってきた。

キョーコは、照れつつも皆に事情を話し始めていた。

その様子に、アメリカ人キャスト達は怪訝な顔をしている様子。


『ったくまた群れてるぜ、日本人共が。』

『いやでも…あの美人イケテるぞ。』

『あん?マジで言ってるのか?』


その様子に、セディは先日会ったキョーコだとは気付かず新しいキャストかスタッフだと勘違いした模様で自ら、その群れの中に歩いて行った。


その様子に気づいた、キョーコ達回りにいた日本人キャスト達は皆振り返り無言で威圧するセディを見て無意識に道を開けてしまったのである。


『やあ初めまして、君ってそこにいる彼と同じで今日合流したキャストかな?それともスタッフ?』


蓮の事を見つつも手を顎に当てながら笑顔でキョーコに話しかけてきた。

しかしキョーコは、セディが自分と先日出会っている事に気付いてないと言うより存在その物を無視している事に確信したようで意味深な笑顔で返したのである。


『あら?初めましてじゃないですよ。先日、パーティーの前にお会いしてますよね?私は丁寧に挨拶してたのに、無視したのはどちら様でしたっけ?』


含みを持つ、ナツっぽさを見せた笑みと少し雪花味を合わせた様な演技でセディに話しかけた。


『は?君って…え?あの変なピンクの服着てた子供…ウソだろ?丸で別人じゃないか!』


セディが失礼な事を言ってきたので、その場にいた日本人全員がムッとしてしまった。


すると蓮が寄ってきて、キョーコに合わせて演技&説明してきたのである。



『どうも初めまして、レン・ツルガです。実は彼女は、カナエのPAだけでなく俺のサポートも兼ねていてるんですよ。ピンクツナギだと、どうも嘗められるって言うんで俺と一緒にいても違和感ないようなスタイルに変えたんです。

それと…今は休業してるけど、彼女もまた日本で役者活動をしている。そこにいる彼、ヒロムネが主演をしている映画に準ヒロイン役として出演中だ。季節の関係で今は、撮影中断してるけど。

世界に名が知られている日本人名監督の元で演じてる。その作品も、とある国際映画祭に出品予定。

あまり日本人の役者を嘗めないほうが、宜しいかと。更に失礼な事を言わせて貰うと…外見で人を判断すると、後で後悔するぞ。それに日本とアメリカでは、芸能事情が異なるって事を言わせて貰う。ハリウッドの芸能事情がスタンダードだって文句言いたいなら、もっと上の人間に直接言いに行けばいいんじゃないか?身内の力を使わずに。』



蓮は、最終的にセディに威圧感を見せてタメ口で話し終えると、周囲に静けさが訪れた。

セディは、自分より背丈のあるガタイも良い蓮から発せられたオーラに既視感を覚えつつも少し後退りして常套文句を言ってその場を離れた。


『ふぅん…日本人にもそこまで言える人間が居たとはな。かなり流暢な英語だし…でも所詮は狭い島国の日本人。俺達、映画の本場にいる役者には敵わないさ。誰も日本人キャストの事なんて注目しないよ。スタッフさえ下手に見てるんだからな。俺達アメリカ人がメインになること間違いなしだ。降板させられないように精々頑張ることだな。』


セディの態度に村雨秦来は、腹が立ったらしくかなりのお冠状態に。


「…っだよ、アイツ何様のつもりだ!ざけてんじゃねーぞ!」


「まぁまぁ落ち着きなよ村雨君。敦賀君だってかなり腹に据えかねない様子だけどね。」


村雨秦来と古賀弘宗が話してる隣で蓮は宝田社長と社マネージャーに認められていた。


「ったく蓮お前な、我慢出来なかったのか。流石にあれだとますますアメリカ人キャストを敵に回すことになるぞ。」


「ワザとか?煽るように言うなんて、お前らしくないな。」


「いえ!あれくらい言わないと、私だって腹が立ってたので反ってスッキリしましたよ!私なんか、念じて呪ってやる~~👻」


キョーコが背を向けて離れてくセディに向かって、鋭い目付きを放ち更に怨キョを放出させると周りにいた人達もその気配に、ギョッと驚き後退りをした。



「き、京子ちゃんから何か黒いもんが出てるんだけど…😅」

「スンゲー、負のオーラ感じる気がする…。」


「いつもの事なんで心配しなくてもいいですよ。」


奏江が呆れた顔をしてると蓮がキョーコの肩に手をやって…


「こらこら皆怯えてるからやめなさい。」


「でも!敦賀さん、あんの男腹立ちません!?日本人キャスト達を下手に見るなんて!ショータローよりゲスだわあれは!」


「確かにね、俺だって良く思ってないよ。でもこれ以上揉めたら撮影に支障が出る。一応こちらからの牽制もしたんだから少し様子を見ようか。」


「そうだよキョーコちゃん。気持ち分かるけど、撮影が無事終わるまで我慢しようよ。」


蓮と社マネージャーが認めると、宝田社長まで言ってきた。


「2人の言う通りだ。これ以上あの男を刺激するな、君のためにもならない。下手すると、将来こちらで役者活動出来なくさせる程の不利益が生じる可能性もある。アイツは、汚い手で沢山の若手を潰してきた人間だからな。でもコチラだって考えてることはある。それまで我慢しなさい。」


キョーコは、ムスッとしつつも何とか説得されキリッとした顔付きに戻った。


「分かりました。でも私がぶちギレる可能性もありますので、その時はお願いしますね。」



中編① につづく。


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前月のお話と本日発売された、話を読んで妄想したお話になります。


どうやらスタッフにまで手を回して、役者以外の人間であるキョーコをつま弾きにしてる様子を見て、思い付いたお話です。

何でそこまでするんだか?何が目的なんでしょうね?


日本人全員、映画から追い出すつもり?そんなことしたら映画自体、作れなくなるのに?映画自体をぶち壊すつもりなのかな?


⚠️2024.1.24一部修正









キョーコと蓮(久遠)との結婚式シーンの撮影、どうなるんでしょうかね?途中であるトラブルが発生いたします。

⚠️「」は、日本語。『』は、英語になっております。

今回は、蓮sideからみたお話です。では、どーぞ!

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俺は、大聖堂前の道に馬車が来たのを確認して馬車の扉が開くのを待っていた。

キョーコちゃんは、市内にあるホテルでヘアメイクと着替えをして準備していると聞いている。

今回の撮影の為に馬車まで特注してそれを使って来るとも、彼女の代理マネージャーをしている松永さんから伝えられていた。


俺の専属美容師であるテンさんも、キョーコちゃんのメイクをすると言って意気揚々と行ってしまった。


新郎姿…と言うより、殆ど王子様スタイルの俺が大聖堂前の道路にやって来ると女性の黄色い声も聞いたけど、キョーコちゃんが降りてくるとその声も消えて感嘆の声に変わった。

一緒に、ドレスの裾を持って松永さんも降りてきた。


『うわぁ…キレイ。』

『ママーお嫁さんがいるよ。』

『本当ね、あの二人結婚するみたいね😃』

『何だか童話の世界みたい😳』

『王子様とお姫様がいるー。』


よく見ると、幼い子供を連れた母親らしき人達が多く皆微笑んで子供達と話していた。

俺は、その人達に向けて軽く手を振るとキョーコちゃんも手を振った。すると周囲から拍手が起きたのである。


『結婚おめでとう🎉』


撮影だと知らない人達から、祝福の声も来たけれどここはそれに答えてありがとうと言い俺達は、大聖堂前の撮影隊に合流した。


「あの人達、京子ちゃんが本物の花嫁さんだと思っちゃったみたいだけど、いいんですかね?」


「大丈夫じゃないかな?この後、街中でのパレードのシーンも撮るから説明すると思うよ。」


松永さんがちょっと心配してたけど、大丈夫だろう。その時はそう思っていた。まさかあんな事件が起きるとは、この時は思わなかったからだ。


「おお!漸く来たな、待ちくたびれだぞ。我が娘よ!」


王様スタイルの近江政彦さんがキョーコちゃんに近寄ってハグをしてきた。


「んきゃ😳💦近江さん、ビックリさせないでくださ~い。」


「いいじゃねーか、冴ちゃんからもう聞いてるんだろ?俺は、京子ちゃんの父親役2回目なんだぞ!久しぶりに父娘として演じられるのも嬉しくてさ。それに…俺以上に喜んでるやつらもいるし、やたらとハイテンションになってるから一応気を付けろ。」


近江さんが顔を別の方向に向けると、その方向から俺の両親が突進してきた。


「うおおお!キョーコの花嫁姿!」

「絵になるわ~2人とも!いっそのこと本当に結婚式挙げちゃいなさい✨😆!」


目をギラギラさせて興奮しまくってる俺の両親。周囲は、少しドン引きしている😅

しかしその背後から、ドス黒い空気を漂わせた女性が近寄っていた。


「あんたら……ええ加減にせんか!なんでそこまでして、うちの娘とあんたらの息子を結婚させようとしてんねん!!2人の意見ちゃんと聞かんかい!!」


フーッフーッとまるで野獣の如くな勢いで、俺の両親を認めてる冴菜さん。


「そ、それは~~だってなぁ久遠だってキョーコの事好きだし、キョーコだって久遠の事好きなんだろ?両思いなんだから結婚話し進めてもいいじゃねーか?ダメなん?」


「そうよ。私達は、2人の結婚認めてるのよ。キョーコは未成年だけど、双方の親の同意さえあれば結婚式挙げられるんだから後は、冴菜さん?貴女の了承さえあれば本当にここで結婚式挙げられるんだからね。ほら私なんか、久遠達が海外で結婚式挙げられるように必要書類まで用意してるのよ!」


そう言って、母はデカイ封筒を取り出して皆に見せてきた。


「いや無理や。今ここで結婚式を挙げるんには、結婚訪問ビザとソールズベリー市役所への届け出も必要。2人は、芸能関係の仕事用ビザしか持っとらんから正式な結婚式は、挙げられへん。嘘こいて丸め込んで結婚させようとは虚偽罪で訴えてもええのか?」


冷や汗をかいて封筒を破いた母。


「さ、流石現役エリート弁護士。抜け目ないわね…😅」

「やっぱりハッタリもダメか。」


未だに両親を般若顔でにらみ続ける冴菜さん。

その様子を皆、固唾を飲んで見ていたけど…新開監督の一言でその場は解散した。


「あんたらな…いい加減にしろよ。撮影の邪魔すんなら全員降板させるぞ!」


流石に、ぶちギレた監督の言動に皆言うことを聞いて撮影が始まった。


大聖堂での結婚式のシーンは、厳かに行われた。

欧米式の結婚式を少しアレンジしたゲーム世界の文化を取り入れた様式。

そして互いの永遠の誓いのシーンを終えた直後に事件が発生。


『おいまて!お前、勝手に入ってくるな!』

『きゃあ!銃持ってるわよ!』

『早く警察呼べ!!』


式場の廊下扉の方で騒ぎが起きていた。そして式場にある人物が現れた。

それは、セディだった…。


『セディ!?何でお前がここにいるんだ?』


目が虚ろになっている、何やらブツブツ言いながら俺達の方へと歩み寄っていた。右手には、銃まで持っている。

その間に、その場にいたスタッフやキャスト陣は、俺とキョーコちゃんと父さんを残し足早に逃げ去っていった。


『お前のせいで…お前のせいで!俺は、プリンスでいられなくなったんだ!』


そう言うと俺達に銃を向けてきた。咄嗟に俺は隣にいたキョーコちゃんを抱き上げて端に寄った。

すると、父さんがアイコンタクトを取ってきたのである。

隙をみて後ろから羽交い締めにしようとしてるのが直ぐに分かった。


「こ、コーン…あれって本物の銃?」

「分からない…モデルガンかもしれないし…。」


イギリスは、日本と同じく銃規制の厳しい国だ。ライセンスを取るにも難しいと聞いている。

よく見るとキョーコちゃんは震えていた。


「大丈夫だよ、俺が付いてるから。絶対に君を守る。」

コクンと無言で頷き俺の胸元で顔を隠してきた。


『へぇ…すっかり仲良しになっちゃって。俺のことなんてどうでも良いってことか?それとも本物の王族の血を引いてるからって、偽物プリンスの俺をバカにでもしてるのか!?』


パアーン!!


よく分からない事を口走って俺達に向かって銃を発泡。本物なのか!?でも玉は当たったようには見えなかった。でも当たったと思わしき装飾の部分からは煙が出ていた。

発泡する直前に、俺は彼女を抱えながら扉の方向へと左手の椅子側の壁際から走り出していた。


「久遠こっちや!早うこんかい!!」

悠人が手招きしている方向へと、走り振り向くと父さんがセディを羽交い締めにして床に伏せさせている。


『早く警察呼べ!!』

『今呼んでますから!Mr.クー!気をつけて!!』


「キョーコ!大丈夫か?久遠君、早うこっちに大聖堂から出るんや少しでも安全な所に避難せんと!!」


『皆もよ!早くここから逃げて!!』


冴菜さんと、母さんが先導してその場にいた全員が大聖堂から逃げ出していた。その場は騒然として外にいたスタッフや野次馬達にも気付かれ始めていた。


「クー…お父さん、大丈夫なの…😨?殺されちゃったりしないよね!?」

ガタガタ震えて涙ぐんでいるキョーコちゃんを俺は抱きしめて宥めた。


「大丈夫だよ、俺の父さんはヒーローなんだから。あんなことで殺される訳がない!」

「そうよ。私の夫は強いのよ!そこらのヒーローより強いんだからね!忘れた?アラシは、パワーレンジャーで随一の強さを持ってたのよ!」


母さんは、父さんが昔演じた戦隊ヒーローを例に出してキョーコちゃんを慰めてくれた。

すると、大聖堂の廊下から外に出てきた男性がいた…。

父さんかと思ったら、セディだった。


「そんな…父さんは?どうしたんだ😱?まさか…。」


セディの手には、銃ではなく鋭利なナイフが血まで付いている。

俺は思わず嫌な予感がしてしまった。

ニヤニヤと笑うセディの足がまたしても俺達の方に向いてきた。

そして走りながら、俺達に刃を向けると大きな影が現れたのである。セディもそれに気付き、上を見上げると…2頭のドラゴンがセディの真後ろにいつの間にか居たのである。


「パールディアとグランディス!?」

「教授が動かしてくれたのか?」


そのドラゴンを見上げてセディは、あんぐりしていた。


『な、なんだこれは…ただのハリボテだと…何で動いてるんだ😱?ほ、本物?』


ガタガタと震えだしたセディ。手に持ってたナイフも落とし、ドラゴンから目を離せず膝を付いてしまった。

そして…


ガウァァァ~~!!×2


2頭のドラゴンのけたたましい雄叫びと共にセディの目の前に顔を突きだし大きく口を開いたら、今度は…


ギャアアアアア~~!!


セディの大きな悲鳴が響き渡り失神してしまった。泡まで吹いており、よく見ると失禁までしている。


あまりにも大きな声に俺達は、耳を塞いでいたけれどそれでもかなりの轟音だったのは分かる。

こんな声まで出るように設計されてたのか、この2頭のドラゴンロボットは。


すると大聖堂の廊下から、父さんが走ってきていた。


「おーい皆無事か!?」

よく見ると、左腕の袖から血が流れていた。


「あなた!その怪我!」

「そんな大した怪我じゃねーさ、アイツポケットにナイフ隠し持ってたんだよ。羽交い締めにして一発殴ろうとひっくり返したら、ナイフで応戦してきてその隙に逃げられちまったんだ。すまん俺としたことが!」


ホッとした所に漸く警察のパトカーが到着。失神してしまったセディは、とりあえず市内の病院に搬送され父さんも応急処置をするために救急車で病院に。

俺達は、その場での事情聴取となり撮影は一時中断することに。

後日、また改めて撮影することになってしまったのである。


セディは、その日の夜に病院で目が覚めてそのまま現地警察に逮捕された。その事は、直ぐに世界中に知られることに。

世界中のマスメディアはプリンス・セディの逮捕に沸き立ちその後、アメリカに強制送還された。

アメリカでも様々な人からの告発があり、同業者への嫌がらせや妨害工作が次々と明るみになり沢山の訴訟が起き、後に裁判が開かれる事になるとは思わなかったろうな。


その日の夜、俺はキョーコちゃんとお母さんが泊まるホテルの部屋に来ていた。そこには、ロボットチームの統括技術者であるロンドン大学工学部教授のエリック・サン・テミリオン先生もいた。


『いやすまないね大変な事になってる中で時間取ってくれて。どうしても気になることがあって、2人に話したかったんだよ。』


『気になる事って何ですか?』


『実は、今日の事なんだけど…実は私は動くように指示してなかったんだよ。あの2頭のドラゴンロボットには、私の声紋がプログラミングされていてね、私の声で色んな命令や指示によって動くようにプログラムが組み込まれているんだ。』


『え?でも…今日、セディの側に来たとき教授も一緒に走ってきてましたよね?』


『ああ電源は入ってたけど、指示あるまで待機と命令してた。でも大聖堂での騒ぎが起きた頃に、急に動き始めたんだ。それであわてて止めようとしたんだけど、言うこと聞かなくてそうしたら…2人が襲われかけてる所に突進していって、逮捕された青年の真後ろに立ってまるで威嚇するかのような動作を取ったんだよ。しかも大口開けて雄叫びまで上げるなんて…そんな動作をプログラムに組んでいないんだ。確かに声を出せるようには作ってあるけどね。

なんかこの撮影に使いだした途端に、不思議な行動が起きるようになったんだ。それまでのテスト起動では、プログラム道理にしか動かなかったのに。AIの仕組も最新鋭のボトムアップ式を取り入れてはあるんだけど…一体ぜんたいどうなってるんだか?

特に、パールディアの方はキョーコの隣に直ぐ行きたがる。一応、性別は雌になってるがあくまでも設定としてだ。グランディスの方は、ある程度の指示は言うことはきくんだけとな。』


俺達は、その話しに食い入るように興味が出てしまった。特にキョーコちゃんは目をキラキラさせてとんでもない事を言ってきたんだ。


『それってもしかしたら、ロボットの身体に本物のドラゴンの魂が宿ったのかもしれませんよ✨😃!』


ズコッ!!俺達は、思わずその場にコケてしまった。

冴菜さんは、目を点にしてる。


『キョーコ…君って子は、メルヘン思考の持ち主なのかい😅?

それはないと思うんだが…でも不可解な点があるのも事実なんだよな。先ほどパールディアのAIプログラムの方もチェックしたんだが、いつの間にか君の声紋データが登録されてたんだ。

チームの誰かが勝手に登録したのかと思って聞いたら、誰も入れてないって。ほら撮影に入る前に、一応君たちの声紋データを録らせて貰っただろ?プログラムに組み込もうと思ってたけど、少し時間がかかるんでまだ入れてなかったんだよ。でもフォルダの中にはデータが入ってるからな。チームメンバーにしかパスワードは教えてない。一体誰が…』


皆、黙ってしまった。暫く沈黙が続きそうしたら冴菜さんが質問してきた。


『あの、そのボトムアップ式AIと言うのは普通のAIとは違うのですか?もしかしてインターネットとかにも接続出来たりします?昔読んだことのある海外のSF小説に、自我のある人工知能が出てくるお話があったんですけど…確かシンギュラリティをテーマにした小説だったと記憶しています。現実には、まだ起こり得ないお話ですが近い将来に人間に近い人工知能が誕生してもおかしくない。と人工知能を研究している科学者のインタビューもTVで見たことがあるのですが…。』


その話しに、エリック教授はハッと目を開き驚いていた。


『シンギュラリティ…自我…まさか…そんなはず。パールディア自身が考えて行動を起こしている?いや…しかし~~まだそこまで私のAIプログラムでは、量子コンピュータを使わない限り、いや待てよボトムアップ式には確か…いやいや違う。えっと~ああ、あの数式を使えば…ん?やっぱり違うな。うう~~ん💦』


『あ、あの…そんなに考えると頭痛くなりません?とりあえず今は、撮影には支障ないんですよね?』


俺は、エリック教授に聞くと…


『まぁ…一応、大丈夫なんだけど。明日も撮影あるしなぁ、2人とも街中でのシーンだから気を付けてくれよ。それとキョーコ?君の考えは、ちょっと違うと思うよ。ロマンある話だけど、あくまでもドラゴンや魔法は架空の存在だと私は思ってるからね。』


『そうですか…残念😖』


エリック教授から言われてキョーコちゃんは、少し落ち込んでしまった。


『でもその純粋な想いは忘れちゃいけないよ。君は、本当にピュアな心の持ち主なんだね。』


『はい…😳』


話が終わると教授は、自分の部屋に戻っていき暫く経つと冴菜さんがホテル内にある、バーに行くと言って部屋を出ていった。


部屋には俺とキョーコちゃんの二人きりになってしまった。


に続く。

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スッキリしました!本誌(原作)の方では、セディはまだ罰を受けていないので、こっちでは罰を受けて貰おうと書いた次第です。


本当に、私はスキビのキャラの中で一番嫌いな人物なんですよね。なんであんなに日本人が嫌いなんだか?

各国の芸能界の事情だって違うって理解出来ないんでしょうね?


漫画だからそー言う展開にしてるんでしょうけど、流石に日本人キャストや裏方のPAなんかを馬鹿にしすぎてませんかね?

ちゃんとハリウッドの常識を調べたり取材してるのかなぁ?


あと私の書くスキビ二次の世界観では、飯塚寛子さんや近江政彦さんなんかはキョーコから見ると縁のある人物として描いております。

もし今後の原作の展開で、似たような設定になっていてもそれは偶然です。予想や考察が当たったと言うわけですね。


さて今後の展開どうしようかな?



























今回は、珍しく社さんsideから見たお話になります。

さて!とうとう現れました、ジュリママさん。今後の展開どーなるのかな?

⚠️「」は、日本語。『』は、英語です。

それと作中の年代は、本誌(原作)と同じ2015年辺りになっております。なので現在の法律とは結婚出来る歳が違っておりますので気を付けて読んでください。

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人々がドラゴンで騒然とする中、今度は草原の中をドレス姿で颯爽と歩いてくる背の高い金髪で緑色の瞳の超絶美人が現れた。


そして、キョーコちゃんはドラゴンの時と同様に手を合わせまるで拝めるかのように見つめていた。


その女性は、モデルで女優のジュリエナ・デュリス。クー・ヒズリさんの奥さんで、蓮のお母さん。

さっきの話だと、キョーコちゃんは幼い頃に出会ってることになるけど…?顔はあまり覚えてないのかな?


するとジュリエナさんがキョーコちゃんに足早に近寄ったきた。そして……ガバァ!っといきなり思い切り抱いてきた。


「キョーコ!久しぶりねぇ~~😆ディジョウェイランド以来よね。それとも京都の森以来って言った方がいいのかしら?」


「ふにゃああああ💦いきなり何ですか~~~?ふぐっ、豊満なお胸が~~😳💦💦」


ジュリエナさんがキョーコちゃんを抱き止めて、上手く喋れないのにも気付かず話を続ける😅


「いやあん可愛い❤️そのドレス姿も可愛いけれど、ウェディングドレスも似合うんでしょうね。あ~早く久遠との結婚式見たいわ~~😆」


はいはい?何言ってくれてんの~💦蓮との結婚話しちゃってくれてるし回りの皆ビックリしちゃってるじゃんか。

ほら!キョーコちゃんのお母さんまで近寄ってきてるし…ん?

何か怒ってるような…


「ふんぬっ!娘から離れんかい!このパツキン女が!何であんたの息子との結婚話が出とんのや!」


無理やり、2人を離して今度はキョーコちゃんのお母さんとの口喧嘩が始まってしまった。


「あらいいじゃない。久遠は、自身のブログでも正式に発表したのよ。楠香凪さんとは、恋人関係にはないって。

正式にまだ恋人にはなってないけれど、両思い関係の女性がいます。互いに今後の事を意識もしているけれど、世間から見ると俺との関係性や年齢的に色々と言われるかも知れないのでまだ彼女の事はまだ発表出来ません。日本の法律上では何も問題はないのですが、自分はアメリカ国籍、アメリカの州法ではまだ無理なので時期が来たら発表します、それまで待っていて下さい。ってね。

そのお相手が、キョーコなんじゃないか?って噂になってるのよ。年齢的や関係性ってのがヒントになったらしくて😉」


「んなななっ!何考えてんのや、お宅の息子はロリコンか!18歳未満に手をだしよって!!確かに、日本の法律上では女性は16歳以上なら、保護者の同意があれば結婚出来るけど。別の意味で、都市条例違反になりかねんのやぞ!そんな息子の恋路応援してどうする!」


その話しに、隣で項垂れ落ち込んでいる蓮に近づき俺は慰めた。


「社さん…俺ってそんなにおかしいんですかね?ロリコンって…だった4歳しか離れてないのに。悠人だって冗談めいてこなかけてたくらいなのに…😖」


丸で大きなゴールデンレトリバーが落ち込んでるようにも見える、本来の久遠・ヒズリとしての姿にちょっと笑ってしまった。


「まあまあお二人とも、その辺にして。監督も撮影再開したいみたいなんで。」


これ以上、撮影隊を待たせるわけには行かなかったので俺は蓮とジュリエナさんを連れてった。


少しして、蓮と同じデザインの甲冑姿をした従兄弟の悠人君も撮影に参加。実は、彼って英国留学中にコッチ(イギリス)でスカウトされて俳優デビューしてたんだって。


中学生の時に、短期交換留学でイギリスに登英して高校も留学試験を受けてロンドン市内にある高校に通い、ロンドン大学に進学。高校生の時に学校の演劇祭で、主役を演じた時にたまたまドラマプロデューサーをしている保護者がいたらしくて、スカウトされてチョイ役でイギリスのドラマで俳優デビュー。


イギリスもアメリカと一緒で、留学生で俳優活動(労働)するのに許可が必要になるからちゃんとビザ申請して取得してから、俳優活動を始めたらしい。

日本とイギリスで離れてるし、日本人俳優『敦賀蓮』との関係性を疑う人はいないからって理由で、蓮みたいに外見は変えないでそのまま活動。でも一応芸名は『ユート・オーランド』と変えて活動してたんだってさ。母方の、ご先祖様のファミリーネームを借りたのこと。


最近は、ちょこちょこ色んなドラマや映画で準主役や重要人物を演じたり、雑誌のモデルもやるようになって名前が知られるようになっていた。

若手の日系英国人俳優として、若い女の子にも結構人気があるらしい。その事もあって、日本の芸能界にも名前が少し入ってくるようになってたんだよな。


しかも容姿が蓮とソックリってのもあって一部のマスコミが目をつけ始めていた。それもあって、クー・ヒズリさんは蓮の素性を明かそうとしたらしい。


「相変わらず、蓮にソックリ。まぁだからこそ今回のキャスティングには好都合だよね。」


「っつーても俺は、久遠の代わりやろ。姿が変わる設定で撮影めんどいからって理由で俺が急遽キャスティングされたんやからな。」


「えっと~~久遠…じゃなかった、敦賀さんが演じるリオンって魔法で髪と目の色を変えて別人に成り済ましてるって設定でしたっけ?金髪緑目は、リオン。黒髪黒目は、デュランでしたよね?悠人さんが、その格好してるのってデュラン役を演じるからだったんですね。で、私はリオンとは幼馴染みで恋人同士で婚約もしてるんですよね。」


キョーコちゃんも改めてキャラクター確認。

ってその設定、現実の蓮に通じる設定だよな。


「いっそのこと俺が金髪に染めてソッチやりたいくらいや。」

「誰がお前に、やらせるか。これは俺の役だ。」

「こらこら従兄弟同士で喧嘩すな!」


ノッシノッシとまた足音が聞こえてきて振り返ると、ホワイトドラゴンの大きな顔が2人の間に割り込んだ。


「うわっ!何すんやこの竜は!」

「ビックリした。」


『おい~💦またかよ!何で勝手に動くんだ!?』


するとホワイトドラゴンは、キョーコちゃんの側にやって来てチョコンと犬のように座ってしまった。

顔は、キョーコちゃんに向けて目を細めてまるで笑っているかのようにも見える。技術者の人も首を傾げて困ってる様子だったけど?


そんなこんな事が起きながらも、撮影は進んだ。特にドラゴンを使った撮影は皆が注目。

地元民のエキストラ達が、色々と話を広げてしまったらしくて地元に住む人達がギャラリーとして観に来ていたのだ。


今後、街中でも少し撮影する予定なので市長さんまでもが撮影の見学に来ていた事もあとで知った。


ストーンヘンジ辺りでの撮影は、他にも騎馬隊が走るシーンや軍服姿になったキョーコちゃんがホワイトドラゴンに跨がり、軍隊を指揮するシーンを撮ったりとあっという間に約2週間に及ぶ撮影が終わって、次はソールズベリー市内にある大聖堂を借りきっての結婚式のシーンを撮ることになった。


そう、キョーコちゃん演じる『マヤ・エステル・アスタリア』と蓮(久遠)演じる『リオン・ガーランド』の結婚式のシーンだ。


「うーん♥️やっとこのシーンの撮影にこぎつけたのね。楽しみだわ2人の新郎新婦姿が、役とは言え見れるんだもの✨😆」


ジュリエナさんが、大聖堂前できらびやかなドレス姿で舞い踊り超絶喜んでいる。

それに合わせて、クーさんも踊っていた。その場面を見たスタッフ達は、シラーっと見ていたけど。


「何やっとんねん…あのバカ夫婦は。」


「本当に、相変わらずだなあの二人。と言うか、冴ちゃんもまさかイギリスで再会するとは思わなかったよ。」


「政彦さんまでもがこの作品に参加してたとわね。エスティリアがモデルになってるから、それ関係の人が配役されたの?」


キョーコちゃんお母さんと話してるのは、俳優の近江政彦さんだ。実は、近江さんはお母さんと父方の又従兄弟にあたる人物。

彼は、キョーコちゃんから見ると日本人である曾祖父の弟さんのお孫さんらしい。だからエスティリア人の血は引いてないけれど、近江さんのお祖母さんもイギリス人で実はクォーターだったりする。


「いやぁ俺はたまたまだよ。顔立ちが一応それっぽいってねそんな理由で選ばれた(笑)。寛子ちゃんだって、京子ちゃんがヒロイン役だってことで母親役になったんだしなぁ。」


近江さんの隣で腕を組み複雑な顔をして、控え室になってるトレーラーハウス内で一緒に椅子に座ってる飯塚寛子さんに話しかけた。


「まさか棚ぼた仕事だとは思わなかったわよ。まあ、でも声優の仕事も経験のうちだと思って引き受けたけど。いっそのことそちらの本当のお母様が演じても宜しいんじゃありません。子役経験あるんでしょ?」


「幼い頃に少ししかしてませんから。私は演技に向いてませんよ。飯塚寛子さんの方が余程、私より母親役に相応しいと思います。これで3回目の親子役ですからね。」


その話しにんん?と俺は耳ダンボになってしまった。因みに蓮と悠人君は外にいて一緒にキョーコちゃんを待っていた。


「あ、あのう…3回目って?2回目の間違いじゃありません?ダークムーンでの本郷親子と今回の2回目だけですよね?」


俺は、3人の話しに入って思いきって聞いてみた。


「あら?話してないんですか。京子ちゃんってかなり幼い頃に映画とTVドラマに数本出てるって。一応、子役やってたのよね?」


「へ?子役?」


「ええそうよ。私も最初気付かなかったんだけどね、蓮見葉子さんのお孫さんだって確信した時に思い出したのよ。私が若い頃に出演した映画で娘役を京子ちゃんが演じてるの。

まだ彼女は、2歳になりたての頃だったかしらね。京都が舞台になってる作品で、オール京都ロケだったのよ。予定してた子役の女の子が泣き通しで使えなくて、困ってる時に撮影で使わせてもらってた旅館の女将さんが連れてる女の子を監督が見て急遽使いたいって、その子が京子ちゃんだったのよ。

皆、女将さんの娘さんだと勘違いしちゃったけど、知り合いの娘さんだって説明されて、お母さんもたまたまいたから許可貰って出て貰ったってこと。次いでに女将さんの息子さんも、ちょっと出てるのよね。近江さんも私の夫役で出演してたから、京子ちゃんのお父さん役2回目になるわね。

その後も、全国CMとローカルCMに1本ずつ二時間ドラマにも数本お願いされて出てますよね?」


「よく覚えてますね、そんな昔の事。」


「そりゃあ覚えてるさ。あのガキんちょ!女将さんの息子さんが本番中に緊張しまくって、ションベンお漏らししたんだからな。皆慌ててたのキョーレツに覚えてる!ワハハハ!」


「ええ?不破尚も出てたんですか!?」


俺はビックリしてしまった。まさかアイツまで子供の時に映画に出てたとは…。


そんな話をしていたら、トレーラーハウスの外がガヤガヤしだした。ノッシノッシと言う音が聞こえてきた。

その音に俺は、察した。来たなと。


「何の音かしら?」

「何じゃありゃ、ゴジラ?」

「んなわけあるかい!ドラゴンや!」


その突っ込みもどーかと思うんだが😅


近江さんが窓から覗いてブラックドラゴンを見てボケたら、キョーコちゃんのお母さんが突っ込んでいる。

何で関西圏の人って、こーなんだろ😅?


俺達は、外に出てドラゴンチーム(AI担当&制御担当&統括技術者)を近江さんと飯塚さんに紹介。

技術者の人は、ロンドン大学の工学部の教授でもあり悠人君も顔は知ってたらしい。



「凄いわね本物みたい。街の人も驚いてるわよ。」


確かに、ソールズベリー大聖堂の周囲には沢山の野次馬が集まっていた。ストーンヘンジでエキストラとして参加してた人達も一部、こちらの撮影にも参加しているのでその人達はもう慣れっこだ。


「コイツら名前あんのか?」


近江さんが首を下げているブラックドラゴンの顔を撫でながら聞いてきた。


「ありますよ。ゲーム内に出てくるドラゴンの名前がそのまま名付けられてます。

ホワイトドラゴンは、パールディア(Perldia)。ブラックドラゴンは、グランディス(grandess)。って。」


大聖堂の近くにいる、白と黒のドラゴンに正にファンタジーな光景に皆興奮して観光客も続々と集まってきてしまい、スマホで写真を撮りまくっている。

そんな中で、更にファンタジーな光景が。1台の白くて大きな馬車が現れた。

所々にゴールドの装飾が施されている荘厳な馬車。大聖堂前の道に停車すると扉が開いて、いつの間にか久遠姿の蓮が手を取り1人の女性が降りてきた。


真っ白なベールを被ったウェディングドレス姿のキョーコちゃんだった。


 に続く。


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ウェディングドレス姿のキョーコちゃん。想像するだけでヨダレが…(笑)

そのまま本当に結婚式挙げちゃうか?


ドラゴン達もスタンバイした結婚式のシーン。

想像しただけで大変そう😅


さてさてどーなるのかな?













さーて今回は、蓮sideから見たお話です。クーパパさんと従兄弟の悠人くんとの掛け合いにも注目!そして、あの人も登場しますよ!

⚠️「」は、日本語。『』は、英語です。

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トレーラーハウス内で俺が全てを話し終えると、キョーコちゃんはすっかり落ち着いていた。

彼女のお母さんも落ち着いて、父さんがなだめている。

全ての話に納得してくれて、俺の事をジーッと見つめてきた。


「コーンが久遠さんだったなんて…妖精の王子様を演じてたって…それじゃあこの世界には妖精はいないの?」


「キョーコ貴女ね…いつまでもメルヘン思考でいても、世間はあまり良い目で見てくれないわよ。妖精や魔法は、存在しないわ……多分。」


キョーコちゃんのお母さんは、少し黙ってから妖精や魔法の存在を否定した。何だかハッキリしていないのが不思議に思ったけど。


「でもでも…私、コーンに出逢う前にも妖精に会ったことあるし!」


「はい!?」


キョーコちゃんがトンでもない事を告白してきて、その場にいた皆が驚いた。

そして、その時の事を教えてくれたのだ。



「えっと…確か私が3歳くらいの時、コーンと初めて会った実家近くの森の中にある同じ小川の畔で会ったのよ。顔はあまり覚えてないけれど、金髪のフワフワした長い髪の毛の女性の妖精さんだった!瞳の色も綺麗なキラキラした緑色してて、肌も白くて服は白いワンピース姿だったけど…背も結構高かった気がする。私が幼稚園でいじめにあって家に帰っても誰もいなくて、居たたまれなくなって泣きながら小川に行ったの。

そしたらその妖精さんが、私の涙を拭ってくれて『笑えば悲しいことも忘れるわ』って言って慰めてくれたの。その言葉だけは、ハッキリ覚えてる。

それで『私は妖精の女王よ、またいつか出逢えるのをまってるわ約束ね』。

ってだからその数年後にコーンに同じ場所で出会ったから、同じ髪と瞳してたから妖精の王子様だと思って…その後で妖精の女王様と私は、手を繋いで森の出口まで歩いてきた時に、私は森から出れないからってお別れして振り返ったらもうそこにはいなかった。」


俺はその話しに出てきた、『妖精の女王』とやらの人物に心当たりがあった…と言うか、隣にいる父さんも冷や汗をかいている。

従兄弟の悠人も、首を傾げて、冴菜さん(面倒くさいので名前で呼ぶことに)も父さんの方をシラーっとした顔で見ていた。


「そ、そっか~そんな人に会っちゃえば妖精の存在信じちゃってもおかしくないよな~しかもまだ3歳じゃあな😅」


「いやそれってあんたの奥さんやろ。ジュリエナさんしか考えられへん。確か、キョーコが3歳の頃に家族で実家に里帰りしてた時期あったな。そんときに会ったんやろうな。」


「だーっ!おいおい娘の夢壊すヤツがあるかい💦何考えてんだよ!!」


直ぐにネタバレしてしまった冴菜さんと、父さん。

その話しにキョーコちゃんも呆けてる。


「はい?あの妖精の女王様がコーンのお母さん?」


「ったく、家族揃って娘を騙すなんて…なーに考えてとるんや?あんたらわ😈」


冴菜さんは、俺達の事を悪鬼顔のごとく般若顔で説教してきた。

何か、こう言う所は似てるかも😅?


「すんませんでした!冴菜お姉さま!!もうこれ以上隠し事しませんから~~💦許してちょ🥺」


父さんが土下座して、ちょっと冗談めいて謝罪する姿に皆冷やか視線をしていた。そんな時に、トレーラーハウスに新開監督が入ってきた。


「すいませんねお話そろそろ終わったかな?と思って、そろそろ次の撮影の準備に入りたくて。それとクーさんちゃんと説明したんですか?共演の話。」


そう言えば仕事の話、全くしてなかったな。


「そうだ!すっかり忘れてた。何で3人がそんな格好してるんですか?コーン…じゃなかった久遠さんと悠人さんは、衣装全く同じだし。」


「実は、俺もStar SeedのCVを担当してるんだ。俺の場合は、オファーなんだけど30周年記念作品で実在する俳優さんをモデルにキャラクターを作るっていう企画があって、声も本人が演じるって事で俺が抜擢されたんだよ。父さんも同様。

各々個々で声録りしたから、皆知らされてなかったんだよな。

前もって仕事用の渡英ビザも申請してて、ルートの撮影が終わった直後に直ぐに行けるようにスケジュール組んでたんだよ。俺も実写ムービーの配役にキャスティングされてたんだ。それで父さんが一緒にイギリスに行こうって誘ってきたんだよ。まぁ…その前にカミングアウト計画をしていたとは思いもよらずだったんだけど😅


すると悠人くんが困り顔して、参加してきた。


「俺なんか、いきなりクー叔父さんが実家に来て、俺の事を首根っこ掴んでほぼ強制的に新幹線に乗せられて東京の奥多摩にまで連行させられたんやぞ。俺の意見なんか完全無視。っつーか新幹線でも東京駅でも皆にジロジロ見られて写真撮られまくり!Twitterでもバズってまうし、それで奥多摩のスタジオ着いたら同じ顔が2つある~って双子か?って騒然してもうたわ。」


「俺も最初、クー・ヒズリさんが蓮のそっくりさん連れてきたんでビックリしたよ。そしたら、セディとの対峙事件発生。そこからの素性カミングアウトに公式ブログでの素性公開に、楠香凪さんの同性愛カミングアウト、日本の芸能界と世間は大騒ぎ。京子ちゃんとのハトコ同士ってことも公式ブログで発表しちゃってさ、次いでに事務所がお祖母さんが蓮見葉子さんであることや、ご先祖様が一国の王女様って事も公表しちゃったんだよ。」


社さんが、追加説明してるとキョーコちゃんは更に呆けてしまっている。


「へ?王女様って…。エスティリア王国出身なのはさっきお母さんから聞いたけど…お母さん?」


「蓮見葉子の孫って知られると、芋づる方式でキョーコはエスティリアの王族の血を引いてるって直ぐにバレるからな、だから事務所は発表したんだろうな。俺とも親戚だってのも、葉子おばさんの旦那が俺の叔父って事を知ってる奴らいるし。だから冴ねーちゃんもキョーコに黙ってたんだろ?娘が七光りやコネなんかで仕事を得てるって言われたくなかったんだよな?何だかんだ言ってちゃんと娘の事を思ってるんじゃねーか。」


冴菜さんの方を見ると、黙ってうつ向いていた。よく見ると顔を赤らめている。


「それは…」

するとキョーコちゃんが冴菜さんの手を取って優しい目で言ってきた。


「大丈夫よ、お母さん。心配してくれてありがとう😳」


それ以上何も言わず、冴菜さんは一筋の涙を流し頷いた。


「あの~~そろそろ撮影の打ち合わせしたいんだけど?」


新開監督の一言で、皆が漸く動き始めた。とりあえずキョーコちゃんはメイク直しをして少し遅れて撮影現場に。


そうしていたら大きなトレーラーが2台走ってきて皆が注目し始めた。


「うわっ!でっけートラック。何が入ってるんだ?」


「おっ!来たな、今回の目玉が。皆も来てみなよ、スンゴイ物が見れるぞ😏」


新開監督が先導となって、皆がトラックに近寄ると荷台の扉と側面も下がってきた。

中には、何か大きなトカゲ…?みたいな物が見えてきた。

しかし全ての姿が現れた時に、周囲は騒然としてしまった。


「ドラゴン!?」

「おお~~~~!!」


そうそこには大きなドラゴンにしか見えない、生物?が寝ていた。RPGゲームによく出てくる西洋型のドラゴンだ立派な翼も着いている。


「これって…本物?」


キョーコちゃんが目をキラキラさせてドラゴンに近寄っている。

トラックの荷台で寝ているドラゴンは二頭いる。白いドラゴンと黒いドラゴンだった。

厳密に言うとホワイトドラゴンの方は、少し銀色っぽい光沢もあり、ブラックドラゴンの方も青光する光沢がされていた。

キョーコちゃんはホワイトドラゴンに無意識に足を動かしてトラックに近寄って荷台に上がり、寝ている(?)ドラゴンの鼻の上を触るといきなり瞑っていた目が開き、ドラゴンが動いたのである。


「きゃあ!」

「キョーコちゃん危ない!」


俺は、思わずキョーコちゃんを抱き止め腰に指していた剣をドラゴンの前に向けてしまった。

それを見ていた新開監督が笑いだして言ってきた。


「おーい大丈夫だぞ、それ最新鋭のアニマトロニクスとロボット工学とAI工学の粋を集めて造り出された、世界に二頭しかいないドラゴン型ロボットだ!」


「ドラゴン型ロボット!?」


確かによく見ると、瞳の部分に機械が少し見え隠れしてるしモーター音だろうか何か機械の音が聞こえてる。


『よし最初の起動は、上手くいったようだな。そこの騎士さん、お姫様を守ってご苦労様。離れてもらっていいかな?トラックから下ろしたいんだけど?』


近くにインカムをつけパッドを持っている技術者ッポイ人がいて俺に言ってきたので、俺達はトラックから下りるとドラゴンが歩きだし下りてきた。


「凄い…本物のドラゴンみたい😳✨」

キョーコちゃんは、両手で拝みキラキラした目でずっとドラゴンを見て、すっかり魅了されてしまっていた。


もう1頭のブラックドラゴンも同じく隣のトラックから下りてきて、その場にいたスタッフ・エキストラも騒然としている。

ノッシノッシと軽快に歩くドラゴンに誰もが驚き中には失神してしまったエキストラもいた。


『ドラゴンが現れたぞ!』

『逃げろー!!』

『うわぁ~~💦』

『オーマイゴッド!!』


やっぱりなどうみても本物にしか見えないもんな😅


「うひょー!スゲーなよく撮影に使わせてくれたな。」


「今回の撮影にピッタリでしょ。最初は、フルCGで制作する予定でしたけど、たまたまこっちのプロモーターの中に工業大学でロボット工学を研究してる人と知り合いの方がいたんですよ。そしたら口を利いてくれて、起動実験も兼ねてなら撮影に協力しても構わないって外見もゲームに出てくるドラゴンと同じにしてくれたんですよね。」


俺達も悠人くんと合流して、演出の人と打ち合わせを始めようとしたら白いドラゴンがキョーコちゃんの隣にやって来て顔をスリスリしてきた。


「んきゃっ😳💦ビックリした。」


『あれ?おかしいな、そんな動作プログラミングしてないんだけど…。もう一度AIプログラムチェックしないと駄目か?』


技術者の方が怪訝な顔して、パッドを取り出しなにやら小難しい画面を扱い始めた。


するとホワイトドラゴンは、俺の方を見つめてきた。吸い寄せられるような青色の瞳…機械の瞳だけど、生気に満ちているような瞳に見えてしまったのは俺だけだろうか?

不思議な感覚にとらわれていると別の場所でも騒ぎが起きていた。

ある人物が颯爽と現れたのである。

キョーコちゃんは、その人物を見て発した。


「妖精の女王さま…?」


 に続く。


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漸く登場しました!妖精の女王こと、ジュリママ!

サラ・スミスとしては出会ってるけど、ジュリエナさんとしては子供以来ですもんね。


そしてヒズリファミリー勢揃い!

次回は、ちょっと嫌なヤツも登場いたしますが…コテンパンにやられる予定です(笑)


それと、キョーコに懐いてる(?)ホワイトドラゴンちゃん。

共にブラックドラゴンも登場しましたが、この二頭にはある秘密があります。非科学的なことが度々起きてしまう設定になっております。シンギュラリティ的な?感じですかね?



















今回は、三人称で展開させていただきます。キョーコと冴菜さんの前に現れた3人。はて?何で蓮とコーンが一緒にいるのか?

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「何でコーンがここにいるの?それにその格好は…何で甲冑姿なんかに。」


キョーコは、驚いてコーンに問い詰めた。

クー・ヒズリと敦賀蓮にコーンと思わしき青年は、皆似たような甲冑姿になっていたからである。ついでにマントも付いていた。

よく見ると、蓮とコーンは全く同じデザインの甲冑姿。


「あのね…キョーコちゃん、これには理由があって。それと…その…言いづらいんだけど…その…なんと言ったらいいのか😥」


困り顔をして歯切れの悪い話し方をするコーンを見て苛立ってるクー・ヒズリ。


「だーっもう!お前なぁ、ハッキリ言わんかい!俺が言ったるぞ、いいか?キョーコよく聞け、そいつは俺の息子の久遠だ!幼い頃、お前が会ったって言う妖精の王子様の正体だ!」


「はい?先生の息子さんはお亡くなりになってるんじゃ?」


ペシンっ!クー・ヒズリは、キョーコの額にデコピンを軽くかました。


「人の息子を勝手に殺すな!」

「だって~前に、大人になった姿を見ることが出来ないって悲しい顔をして言ってたじゃないですか~😭」


額を抑えながら少し涙ぐんで反論するキョーコ。


「そ・れ・は!コイツが本来の姿を封印して、敦賀蓮として活動してたから。顔は整形してねーけど、髪染めて目にはカラコン入れて日本人に成り済ましてたんだ!何故か黒髪黒目になると、俺の親父の若い頃にそっくりになるんだ。だから兄貴の息子である、こっちの悠人と瓜二つ!まるで双子みたいになっちまうんだよ!」


指差した方にいる、誰が見ても敦賀蓮にしか見えない青年。

クー・ヒズリは、自身の甥っ子だと言ってきた。


「はえ?敦賀さんじゃない…で、でも背格好も同じだし顔も殆ど一緒…体格も変わらないような?」


キョーコは、蓮だと思っていた人物がハトコの悠人だと説明されると、その悠人が寄ってきた。


「久しぶりやなキョーコ。滋賀のおばあちゃんの家で夏休みに遊んだ時以来やな。大きくなって、しかも美人さんになったやんけ。」


満面の笑顔で京都弁で話しかけてきた悠人。


「ほえ?敦賀さんじゃないの?あれ?どー言うこと!?コーンって妖精の王子様じゃなかったの?クー先生の息子?何でなんで?どないなっとるんや~ワケわからん~😭!!」


キョーコは、とうとうその場にしゃがみこんで泣き出してしまい周囲を動揺させてしまったのである。

一旦撮影は、中断してしまい泣きわめくキョーコを控え室になってるトレーラーハウスに連れてって落ち着かせて全てを説明した。

蓮が素性を隠していた本当の理由を。そして父親である、クー・ヒズリにアメリカに帰ってきた時に、幼き頃にキョーコと出逢っていた事を話したとも。そして先日、自身の公式ブログにて素性を世間にカミングアウトしたことも。


「本当にごめんキョーコちゃん。妖精の王子様なんて嘘をついてしまって…あまりにも信じきってる幼い頃の君を見て…夢を壊したくなくてずっと妖精の王子様であるコーンを演じてたんだ。いつかは言おうと思ってた。でも中々タイミングがなくて言えずにいたんだよ。」


「そうしてたら日本の映究スタジオでのルートの撮影が終わりかけた時にトラブルが起きたんだ。」

途中で、社マネが話に参加してきた。


「トラブル?」


「そう。セディが日本での撮影方法に何かとイチャモン付けてきてさ。更に、大嫌いな日本人キャストとの共演がやっと終わった、これ以上一緒にいるとストレスが溜まる一方だから俺の録り分は終わったからさっさとアメリカに帰らせて貰う。って嫌味な顔で、皆の前で言い放ったんだ。そしたらとうとう村雨くんがぶちギレてセディに殴りかかろうとしたんだよ。でもそれを蓮が止めたんだ。」


「セディは、俺たち若手の日本人俳優とは撮影以外では全く話すことはなかったんだ。ハリウッドの撮影でもそうだったろう?日本での撮影になると更に苛立つ言動が目立っていたんだ。クロエとアビゲイルにケニーは、俺たちと隠れて話すことはあったけどそれも気に入らなかったらしい。

日本人キャストは、事務所に甘えて自分で仕事を取ろうとしない。甘えん坊な赤ん坊と同じだ。そんな奴らを僕は役者として、認めないってね。そんな事も言ってきたもんだから、村雨くんだけでなく日本人キャスト全員が怒ってきたんだよ。」


↓ここから回想シーンとなります。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


『ふざけんな!俺達だって色んなオーディション受けてるし。自ら売り込みに行くことだってあるさ!このルートに配役されたのだって、呉前EPとレオ監督の前で演技テスト受けて最終的に決定したんだぞ!』


『そうよ!芸能事務所だってなければ日本では活動が難しいのよ!中にはフリーランスや個人事務所だけでやってる人もいるけれど、日本では少数派。芸能事情は、国によって違うでしょ!アメリカがスタンダードだって誰が決めたのよ!!』


『言っとくが日本の映画だって近年は、様々な国際映画祭で賞を受賞している。世界に名を轟かせた名監督や名俳優だって少ないがいるんだが?それはどう思ってるんだ。』


村雨秦来と恵エミリアが食って掛かってきた。他の日本人キャストも様々な意見を放ち騒然としてしまったのである。

そしてぶちギレて殴りかかろうとした村雨秦来の手を止めたのは蓮だった。


「そんなことしたら君の俳優人生終わるよ村雨君。」

「で、でもコイツが俺達の事を罵倒してきたのは事実だし。」


2人の様子を見て腕を組み下目に見てる、セドリック・D・ベネット。先程の、話を聞いても納得が行かない様子だった。


『でも事務所に甘えてるのは事実じゃないのか?言っとくが映画やショービズの本場はアメリカ、ハリウッドだ。日本なんて狭い島国の映画なんて歴史浅いだろ。アニメーションやコミックにゲームばっかり、そんなのしか世界中に認められないマニアックな国のクセに威張ってるんじゃないよ。』


セディの知識の無さに蓮は思わず笑ってしまった。


『それなら聞くが、世界初の映画は何処で何年に公開されたか知ってるのかな?』


『は?何言ってるんだ、アメリカのハリウッドに決まってるだろう!何年かなんて知らないよ。でも映画の本場はアメリカなんだからハリウッドなのは当たり前だ!』


そのセディの自信を持った言い草に一部の人間は、笑っていた。


『映画が世界で初公開された国はフランスだよ、1895年12月28日のパリ。リュミエール兄弟によって作られた。日本はそれから少し後の1899年の京都で初公開、アメリカのストーリー映画としての初公開は1903年なんだけどね。君が嫌ってる日本の方が先なんだよ。俳優業を生業にしてるのに知らなかったのか?』


蓮が勝ち誇ったかのように言い放つと、セディは顔を真っ赤にしてきた。


『な…ふざけるな!そんな映画の歴史なんて知らなくったって俳優なんて出来るだろうが!おい!お前らコイツをぶちのめしてやれ!2度と面が拝めないような顔にしろ!』


セディは、近くにいた取り巻き俳優達に命令した。だが、誰として動かない。


『何してるんだ!さっさとやれよ!祖父であるMr.Dに言って芸能活動出来なくしてやるぞ、いいのか!?』


その命令にも従わない。アメリカ人キャスト達は、セディの言うことに反論もしなかった。完全に無視をしている。

どちらかと言うと冷ややかな目で見ていた。


『まだ分からないのか?お前の命令なんて誰も聞く義務なんてないんだよ。本当に相変わらずの甘えん坊なんだな昔から変わらない。しかも自分の手を汚したくないって他の人間にやらせようとしたり、俺のこと散々ミュータントだなんて言っといて、お前こそ祖父や両親のネームバリューで仕事して恥ずかしくないのか?』


蓮は、そう言いながら両目からカラーコンタクトを外して静観な顔付きをして言い放った。


『その目の色…その話…まさかお前!?』

セディは、冷や汗をかいている。


『ああそうだ、お察しの通り。お前の従兄弟の久遠・ヒズリだ。全く気づかなかったみたいだな。これで証明出来たな、俺は何人にもなれないミュータントじゃない。何人にもなれる、演じれる俳優として成長した。』


2人の掛け合いに周囲は騒然とし始めた。


「へ?あ?敦賀くん…君、日本人じゃない?目の色が緑色?久遠・ヒズリって…クーの息子と同じなんだけど…セディとイトコって~~!?マジですか~~💦」


村雨秦来が頭を抱えて狼狽え始めたのである。


そしてスタジオ内に、ある人物が入ったきた所で静けさが訪れた。


『もうやめなさいセディ。久遠も、もうそれくらいで構わないだろう。』


そうやってきたのは、2人の祖父であるMr.Dことエルトラ・デュリスであった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「その後が更に凄かった。またスタジオ内が騒然としちゃって。なんたってMr.Dがセディと絶縁宣言しちゃったんだし。」


「絶縁宣言!?」


「そうそうエルトラの親父さんがさ、もうこれ以上デュリスの名前を傷付けるな!利用するな!名乗るな!ってな。セドリック・ベネットとして活動して金輪際、私や自分の両親の名前を利用して芸能活動するな!お前も久遠を見習って、自身の実力だけで仕事を取ってみろって言い放ったんだ。そうでなければお前とは絶縁するって皆の前で宣言しちまったんだよ。そうしたら意気消沈しちまってその場に項垂れる始末。結局エルトラさんが無理やり連れてってアメリカに帰国させたんだ。んでその日の夜に、コイツの公式ブログで素性カミングアウトさせたんだよ。元々、そろそろ素性バレしてもおかしくねーなと思ってたんで俺から動いたんだ。」


クー・ヒズリも同じ場所に居合わせていた事を話す。イギリスに発つ前に日本に立ち寄って、久遠と一緒に行こうと画策していたらしい。次いでに故郷の実家にも行ったら留学先から一時帰国していた悠人を見つけて奥多摩の撮影所に連行。

素性カミングアウト計画には欠かせない人物だと言うことで連れてきたとのこと。


「ったく、俺まで巻き込んどいて何考えとるんやこの親子は。しかもキョーコの事も騙しよって!ホンマにええんか?コイツで何やったら俺に切り替えへんか?キョーコ。顔立ち一緒やし、俺の方が包容力あるんちゃう?ハトコは結婚出来るし。俺は構へんけど?」


急にキョーコの事を口説き始めた悠人。そうしたらずっと黙り込んでいた母親、冴菜の怒号が放たれた。


「何考えとんねん!このアホンダラ親子と甥っ子は!娘口説くな!!妖精の王子様!?何騙しとんねん!あんたも何で同じ京都嵐山出身で最上姓なのにうちの娘やって気付かんとったんや!アホかお前は!赤ん坊のキョーコ抱いて写真撮ったことあるやろが!」


「いやぁ、最初は単なる同姓の別の家庭の子かなぁくらいしか思わなかったんだよな。ほら他にも最上姓の家が幾つかあるじゃんか?でも帰国する前の晩に一応、親父に電話して聞いてみたら冴菜さんの娘だって教えられてさぁ、でも話さずにアメリカに帰ったんだ。もし知られると七光りとかコネとか言われる可能性あったしな。久遠みたいになっちまうと嫌だったし。少し落ちついたらとうなんだよ冴菜さんよ?」


クー・ヒズリの説明にキョーコは少し複雑な気持ちになってしまった。


「まあまあ、クーさんの、言う通りですよ。お母さん落ち着いてください。」


父方の従弟であるクー・ヒズリと、代理マネの松永に認められて何とか落ち着いてきたキョーコの母親であった。


 に続く。

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まさかの口説きにかかった悠人くん。

その様子に最上川が決壊(笑)


3人が衣装を着てるって事は?撮影に参加するってことですね。

さてさて次回は、漸くちょっとファンタジーな要素が入るお話になります。
















さて漸くイギリスでのお話になります。今回もキョーコsideからみたお話です。

⚠️「」は、日本語。『』は、英語となっております。

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英国ロンドンのヒースロー空港へと降り立った飛行機。

私とお母さんは、マネージャー代理の松永さんと共に飛行機から降り立ちロビーへと歩いてきた。

松永さんは、ヒーコラ言いながら少し遅れて歩いている。

両肩に旅行バッグを抱えと大きなキャリーケース二個を載せたカーゴを引いてるんだもの。


「松永さん、大丈夫ですか?流石に荷物多すぎなんじゃありません?こっちに郵送で送れば良かったのに😅」


「最初は、そうしようと思ったんです~でもすっかり手続き忘れてて~結局持ってくることに💦」


代理マネージャーとなってくれた松永愛海(まなみ)さん、今年マネジネント部に入社した新人社員さんである。

なんと無く社さんにも似てて、真ん中分けの髪型にメガネがかけている。


「バッグ1つ持ちますよ。」

そう言うと、お母さんもバッグを黙って左肩から外した。


「ああ大丈夫ですよ。お母さんにまでお手数かけちゃうし。」


「早く移動したいので、この方が手っ取り早いですよ。」


お母さんと私で松永さんの荷物を一緒に持ち再び歩いてると、正面の方から手を振ってる背の高い金髪の男性が歩いてきた。


『おーい!サエナ~!』


「あ、あれは…アーサー?」


足早に寄ってきたその男性は、いきなりお母さんにハグをしてきた。それをみて松永さんは顔を真っ赤にしている。


『久しぶりだな。元気にしてたか?』

『そっちこそ久しぶりね。でもどうして空港に?』


ニッコリと笑みをして私の方にも寄ってきた。かなり背が高い、年齢はお母さんと同じくらいだろうか?敦賀さんよりも大きいんじゃないかな?ガタイもいいし、何かスポーツしてそうな体格もしている。


『えっと…君がサエナの娘のキョーコかな?初めまして、サエナの又従兄弟にあたるアーサー・デレック・オーランドだ。英語は、話せるのかな?俺も少しなら日本語分かるんだけど?』


少し身体を屈めて、握手を求めてきたので私もそれに答え応じた。


『初めまして、娘のキョーコです。英語で大丈夫ですよ勉強してますので。』


私が笑顔で丁寧に答えると、アーサーさんは感嘆して言ってきた。


『ほぉ…綺麗な発音だな、聞き取りやすい。クイーンズイングリッシュに近いな。姿勢もいいしレディ教育もしっかりしてるようだなサエナ。流石だ、これなら曾お祖父様も喜ぶに違いない。』


アーサーさんがそう言うと、お母さんは少しギクッとした顔をした。

そうかこっちの親戚には話してないんだ。私を養父母に預けていたこと。


『こちらの女性は?』


アーサーさんが松永さんの事を聞いてきたので、彼女事も紹介し空港を後にした。

何でも、母のハトコにあたるアーサーさんには前もってお母さんが連絡していたらしくて飛行機の到着時間に合わせて迎えに来てくれたらしい。


私達は、アーサーさんの運転する車に乗ってホテルへとやって来た。


『長期だったら俺の家に滞在すれば良かったのに。マネージャーさんの泊まれる部屋も用意できますよ。我が家はやたらと広いから3人くらい泊まれるし。』


『そこまで甘えるわけには行きませんよ。それにロケーション撮影の場所は、ここから離れてる地域ですからそこでの撮影期間は、そっちに宿を移しますし。』


『そっか…残念だな。でもさっき車内で話してたけど、こっちの撮影スタジオでの撮影もあるんだろ?その間は、うちに来ないか?

日本で芸能活動をしてるって言う、キョーコの事を家族に話したら、皆会いたがってるんだよ。特に、息子がやたらと興味を持ってるみたいでね。駄目かな?』


アーサーさんが屈んで私にも聞いてきたので、少し考えて…


『そこまで言うならお世話になっても良いですか?お母さんもここまで言ってるんだから少し甘えてもいいんじゃ?』


私の申し出に、ふぅっとため息を出しつつやっと心折れたのかお母さんも承諾した。


『分かりました…宜しくお願いします。』


その後、アーサーさんと別れて同じホテルに滞在してる、撮影スタッフとゲーム会社の広報さんと合流をして打ち合わせが始まった。


そして今回のロケーション撮影は、ゲームのCMだけでなくプロモーション映像やYouTube動画限定で配信される、実写キャストによるショートムービーと私が唄うキャラソングとCMのイメージソングのPV撮影も兼ねている事をそこで知らされた。


「だから1か月もかかる撮影になってたんですね。しかもまさか総監督兼演出が、新開監督だったとは。本当に驚きましたよ。」


そう撮影監督もまだ知らされてなかった。現地で会わせるまで教える事もサプライズにしてたんだって。


「俺もねまさか京子ちゃんが、この役ゲットしてたとは。驚いたよ、いつか一緒に仕事したいなと思ってたんでね。今回の、監督要請を受けたのは君がいたからだよ。これから約1ヶ月間よろしくね。まぁでもこれくらいサプライズにはならないよ。後でビックリする共演者が来るからね。それこそサプライズになるかも?お母さんも見学しててくれて構いませんよ。楽しんでいってくださいね。なんだったらチョイ役で出ますか?」


「すみません娘の仕事にノコノコと着いてきてしまって。ちょっと嫌な予感がして心配だったものですから。それとお仕事には携われません、私はあくまでも保護者として、娘の仕事に着いてきて次いでに旅行を楽しむだけですので。」


監督に淡々と説明するお母さん。一緒に打ち合わせの場にいたので、話を聞いていたのだ。

嫌な予感って、何だろう?

それはともかくこれからの撮影スケジュール等の確認や、現地のコーディネーターさんやプロモーターさんに撮影スタッフの重鎮達との紹介だったり色々と話し合いが進んだ。


そして最初の1週間だけは、ロンドン市内にある撮影スタジオでの簡単な撮影をして約2週間に及ぶロケーション撮影をするためにストーンヘンジのあるソールズベリーへとやって来た。

ロケーション撮影の後もまたロンドンに戻ってきて撮影スタジオでの撮影があるんだけどね。


因みにロケ撮影の間は、ソールズベリー市内のホテルに泊まってる。


始めて来る海外の世界遺産。と言っても周りは真っ暗だ。

当たり前よね、今は夜明け前まだ日が昇ってないし。

衣装部屋代わりになってるトレーラーハウスの中で衣装に着替えながら松永さんと話していたら、お母さんが窓から外を眺めて何か考えているように見えた。


「うーんやっぱりお似合いよね。その白いドレス♥️本当にお姫様みたいですよ京子ちゃん。ね、お母さんもそう思いますよね?ベールも付いてるからお嫁さんにも見えません?」


「え、ええ。確かに…幼い頃に古い写真で見たけれど、曾祖母の若い頃にも少し似てるかも。隣の国から嫁いできた時の写真で、似たような花嫁衣装を着ていた記憶があるわね。」


因みに私が着ているドレスは、如何にもって言うお姫様ドレスではなくAラインドレスであり大きく広がってはいない。

それでもティアラを頭に着けていてそこから透明なロングヴェールが垂れ下がっている。パールが全体的に施され、ノースリーブになっていて両椀の上部にはゴールドのドラゴンモチーフの彫刻が施された腕輪を着けている。

そこからふわりとした袖が着いていた。まさにファンタジーに出てくるようなお姫様衣装である。髪の毛もロングヘアーで垂らしていた。


「隣の国?曾々お祖母さんってアイルランド出身なの?」


お母さんは、横に顔を振っていいえと答えた。


「そのさらに西方にある北大西洋にある小さな海洋国家の出身よ。エスティリア王国と言うんだけど…貴女知らないの?このゲームの舞台のモデルになった国の筈だけど?説明受けてないの?私は最初気付かなかったけど、監督さんのお話で直ぐに分かったわよ。」


「へ?このゲームの舞台になったモデルの国?」


「ああ、確かにStar Seedシリーズの初期作品の舞台になってるアスタリア王国って、エスティリア王国がモデルになってるんですってね。

今回の30周年記念作品も原点に戻ってアスタリア王国を舞台にしてるんで、それに近い風景や遺跡のあるストーンヘンジで撮ることになったんですって。流石に、エスティリアでの撮影許可が降りなかったみたいで。」


松永さんが少し苦笑いしながら説明していると着替えが終わって、ヘアメイクさんがメイクをしていたらスタッフさんが呼びに来た。


『そろそろ夜明け前になってきたんで、移動できますか?』

『はい分かりました。』


トレーラーハウスから出ると、うっすらと太陽の光が地平線から上がってきていた。

ストーンヘンジ近くまでやってくると沢山のエキストラが集まっている。皆中世ヨーロッパ風の衣装を着て、中には甲冑姿の人達や子供もいた。因みに、エキストラの殆どは地元に住む住民の方々が協力してくれたらしい。

ガヤガヤしてる中に白いドレス姿の私が現れると、エキストラさん達が気付いて道を開けてくれた。


『わぁ…綺麗な人。』

『あれが、お姫様役の日本人の女の子なの?』

『おおっ美少女!』


そんな事を言われながらストーンヘンジまで歩いてきた私。

夜明けの太陽に当たる神秘的で荘厳なストーンヘンジを間近で見て何だか不思議な感覚に捕らわれた。


「うわぁ…何か凄い。神秘的…。」


「おーい京子ちゃん。ストーンヘンジに見とれてないで撮影始めたいんだけど、いいかな?」


近くに来た新開監督の声にハッとして我に返った。


「あっすみません💦つい凄いなぁって見とれちゃいました。」


「まぁ気持ちも分からんでもないけどな。さてとエキストラにも撮影説明しないとな。」


新開監督は、拡声器を手にしてエキストラさん達に挨拶と説明。私も皆さんに自己紹介と挨拶、少し打ち合わせをして撮影が始まった。


まずは、夜明け前の遺跡での歌を歌うシーンから始まった。私が演じるヒロイン『マヤ・エステル・アスタリア』、アスタリア王国の第一王女でもある。

彼女のキャラソングにもなってる歌でもある。歌詞は、日本語版と英語版両方あり今回は、英語版を歌うことに。


実際に歌い、民衆の前で踊るシーンもある。古代の神様に捧げる舞と歌を披露すると言う設定らしい。

私が、歌い舞終わるとドレスの裾を少し持ち上げて会釈すると、民衆からの大拍手が起きた。そこでカットの声が上がったけど、拍手が鳴りやまない。


『ブラボー!!』

『素敵よー綺麗な歌!』

『もう一度歌ってくれ!』

『アンコール!アンコール!』


『おいおいおい💦皆さん~!歌のシーンは、まだ他にもあるんで我慢してくださーい!』


新開監督が、メガホン手にしてエキストラさん達に言ってるけど拍手が鳴りやまないんで急遽もう一曲少しだけ歌うことに。

アカペラでCMのイメージソングの一節を私は歌った。実はこの曲もゲームの劇中でマヤが歌うシーンがある。その歌をCMでも使うことになったらしい。



『風よ吹け 風よ吹け 満天の星空(そら)に輝く 満月(つき)の光に導かれ 再び出逢う 双星(ふたぼし)よ』


日本語の歌詞だったけど皆納得してくれて、そこまで歌うと再び拍手が起きた。

ストーンヘンジから離れて松永さんとお母さんの元に寄ると、お母さんが驚いてる様子だった。


「キョーコ、さっき少しだけ歌った歌…知っててオファーを受けたの?あの歌は…。」

そう言うとハッとして口を押さえてきた。


「さっきの歌?昔の歌手さんの歌だってことは聞いてるけど…今回のゲームのイメージにピッタリだからって作った作曲家の先生に頼んで少しだけ今風にリメイクしたって厳密に言うとカバー曲になるのよね。お母さんは、この曲歌ってた歌手さん知ってるの?かなり昔の女性だって、でも若くして亡くなられてるらしいのよね。名前は確か…蓮見葉子(はすみ・ようこ)さんだったかな?顔は知らないから後でスマホで検索してみようかな?」


私がそれを言うと、お母さんが慌ててきた。


「ち、ちょっと待ちなさい!調べなくてええわ!うちが調べておくしちゃんと説明するからあんたは撮影に集中せい!」


息せき切って、冷や汗かいて説明するお母さん。一体どうしたんだろ?京都弁に戻ってるし…😓


「ふーん…やっぱりそうか、そのお母さんの慌てよう。最上冴菜さん?もう腹をくくって京子ちゃんに話した方がよくありませんか?業界のベテラン勢の中には気付いてる人もいますよ。京子ちゃんが、蓮見葉子さんのお孫さんだってこと。」


「へ?」


新開監督が、思いもよらない話をカミングアウトしてきた。

お母さんは、その事に顔が青くなっている。


「そ、それは…😰何で皆気付いて…。」


「至極簡単。ダークムーンの打ち上げパーティーでのドレスアップして大人美人になった京子ちゃんが、蓮見葉子さんに瓜二つだったからですよ。」


ウンウンと近くにいた、年配の日本人カメラマンの男性も頷いていた。


「ついでに言うと一緒にインタビュー受けてた蓮とのツーショットで確信した人もいたみたいで。葉子さんの旦那さんに瓜二つですもんね。保津秋人さんでしたっけ?芸名は。結婚して、最上秋人にはなったけど、俳優としては芸名使ってましたし。」


私はその話しに呆けつつ…


「はい?お祖母さんが、蓮見葉子さん…私に瓜二つ…お祖父さんも敦賀さんに瓜二つで、俳優で…芸名が保津秋人?あれ?保津って…昔同じ名字の芸名持ってる俳優さんいなかったっけ?同じ京都出身でハリウッドに売って出るって勢いで芸名の葬儀までやった人おらんかったけ?んん?何か関係しとるんか?」


途中から私まで京都弁になってしまい、お母さんににじり寄って問い詰めるととうとう話し出した。


「う~ああもう、そうや!うちの両親も芸能界で活躍しとったんよ。お父さんは、俳優兼殺陣師!お母さんは、女優兼歌手やっとったわ!更に言うと、お父さんの旧姓は繁縷(ひずり)や!お母さんと結婚して最上家の婿養子になったんや。

だから、ハリウッドで活躍してるクー・ヒズリはうちの従弟にあたる!アイツは伯父さんの次男や。長男の奏(そう)さんは、父さんや伯父に似てて、次男の空(くう)くんはお母さんに似てるから似てない兄弟で地元では有名だし!奏さんの長男の悠人くんは完全にお父さん似!だからうちは確信もって言える!あんたと同じ事務所の俳優の敦賀蓮は、繁縷悠人くんや!」


指差して、お母さんがとんでもないことを言っていた。


「はい?敦賀さんがハトコの悠人さん!?まさか!」


「いいや、間違いない!悠人くんは英国に留学してるって従姉の鞠江姉さんが教えてくれたけど、あれは嘘やな。その証拠に、生年月日と血液型が同じ年齢も一緒。それに、あの顔が物語ってる!おそらく実力で勝負したいから素性を隠して芸名で俳優活躍してるんやろ。クー・ヒズリの甥っ子って知られたくなかったんやろうな。こっちに来る前に、一度会った時菓子折り見てうちらの話し聞いてて冷や汗かいとったし、あれはあんたに素性がバレそうになったから慌ててたんやろ。」


お母さんは、腕を組み私に説明してると後ろからある人達が近寄ってきていた。


「残念でした推理外れてんぞ弁護士の先生のクセに、それじゃあ2時間サスペンスの主人公にはなれんな。まぁ半分は当たってるけどな。」


その声には覚えがある。お母さんも振り返るとそこには、3人の男性が立っていた。

朝焼けの陽の中に佇む3人。

敦賀さんとクー・ヒズリさん、そして金髪に緑色の瞳をした青年…私にとってはもう一度会いたいと思ってた人物…コーンだった。


 に続く。


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とうとう現れました!3人が一緒に現れましたね。

まぁ、またやってしまった蓮との親戚設定のお話。


でもこの方がご都合展開がしやすいんで、そうしました。

他の親戚設定のお話とはキョーコの身内の名前や出身地や立場を変えてあります。


実際の世界にはない、架空の国家が登場しますがこの国がキーパーソンとなっております。


劇中に登場するゲーム『Star Seed』も、別のお話にも使ってますがこちらでは設定変えてます。

それとキョーコが唄ってるお祖母さんの曲は、私が考えた完全オリジナルの歌詞になっており実はメロディーも付いています。

タイトルもあります。

『風の月と金の鳥~Eternal Moon~』

と言います。メロディーは、少し古風な感じでバラード調。

歌詞も本当は、もっと長いんです。メロディーから楽譜に起こす事が私には出来ませんが、よく鼻歌で唄ってることもありますね。


数年前に、もしキョーコが歌手デビューしたら?と言う二次作品を構想中に生まれでた歌です。結局そのお話はボツになってゴミ箱行きになっちゃったんですけど、何故かオリジナルで考えた歌詞にメロディー付けてみようかな?と思い付き何となく色々と考えていたら倉木麻衣さんの『渡月橋』がラジオから流れてきて、そこからインスパイアされてメロディーが生まれました。


とは言っても完全にパクった訳ではありません(笑)

全く違うメロディーラインになってます。


今後のお話にもお楽しみ下されば幸いです。少し足早に連載をやろうと思ってるので送れたらすみません。













怒涛の3話目となります。まさかのキョーコとの渡英宣言をした冴菜さん。どうしたのかな?前話に続き、キョーコsideから見たお話です。

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いきなりお母さんが私と一緒にイギリスに行くと言ってきてビックリ!


「も、最上?キョーコちゃんの仕事に付いて行くきか!?」


「はい。今のところ取り急ぎの案件もありませんし、そろそろ教育担当している新人弁護士にも1人で仕事を任せたいとも思っていたので一部の案件を引き継ぎたいと考えておりました。スケジュールを調整すれば、休めないこともありません。

これを機に、有給も沢山残っておりますし、使っても構いませんよね?働き方改革の一環で、先生も常日頃から休める時は休めと仰っていたではありませんか。

私は、殆ど週休2日制で働いてはいましたが有給は殆ど使って来なかったのですからいいですよね?」


お母さんは、ジリジリと片桐先生に寄って脅すかのように頼んでいる。


「分かった分かった、有給使って構わん💦仕事休んでキョーコちゃんに付いてってやれ!たまには親子らしく、向こうで遊んでこい!!次いでに、曾お祖父さんにも会ってこい!!暫く会ってないんだろう。キョーコちゃんにも会わせてやれ。もうかなりの高齢なんだから産まれてから1度も直接会ったことないんだし、向こうの親戚さんたちにも紹介したらどうだ?」


ん…………?向こうの親戚?曾お祖父さん?


「あのう…今の話って。お母さんってイギリスに親戚いるの?」


「え、えっと…実は、私の祖母、貴女から見ると曾祖母に当たる人は、英国人なのよ。父親と祖父は日本人だけど、母は日英ハーフで私はクォーター。私の曾祖父で、あなたの高祖父にあたる人はもう100歳を超えてるけど尚存命中。長男一家と共に、ロンドン市内で暮らしてるわ。」


その話にビックリした。椹さんも驚いていたし。


「それなら尚更一緒に行った方がいいんじゃないかな?社くんも蓮のマネジメントしなければならないし、代わりに別の社員を付けようと思ってたんだけど、お母さんも英語かなり話せるんだろ?それに未成年のタレントさんの仕事に親御さんが着いてくのも少なくないよ。しかも海外だしね、心配なのはよく分かる。直接仕事に関わらなければ、ノービザでも大丈夫じゃないかな?パスポートも持ってるんじゃありません?それを分かった上で仰ってるんですよね?」


「ええ、イギリスは日本人がパスポートのみで入国して観光旅行が出来る国です。私は、娘に着いてって仕事を見学しつつ旅行を楽しむ体で行けば何の問題はありません。もちろん旅費や滞在費も自費で出します。ついでに親族にも会いに来たと入国審査の時に言えば、難なく入国出来るでしょう。」


その計画に、呆然としてしまった私…😓


「最上、お前な…仮にも弁護士なんだから法の網を掻い潜るような真似するんじゃない。まあ、確かにそれなら無理なく一緒にイギリスに行くことは出来るけどな😅」


そんなこんなで、お母さんも一緒にイギリスに行くことが決定したのである。

私も、初めて高祖父に会えると思うとドキドキしていた。どんな人なんだろうか?それにしても何で今まで、曾祖母がイギリス人であることを教えてくれなかったんだろう。


後日、ラブミー部室にてモー子さんと天宮さんに仕事でイギリスに行くことを伝えた。


「へぇ、お母さんまで一緒にイギリスに行くことになったの。しかしまさかあんたに外国人の血が流れてたとわね。」

「良かったじゃない、仕事終えた後にも曾々お祖父さんにも会えるんでしょ?」

「えへへ😳まさかイギリスに親戚がいるなんて知らなくてビックリしたけどね。2人にもお土産沢山買ってくるから、何がいい?リクエスト受け付けとくけど?」


ワイワイと話し合ってると、部室の扉をノックする音がして開いたら社さんと敦賀さんがいた。


「やあ皆今日は。」


相も変わらずエンジェルラダーを放つ敦賀さん。

正に神の御光とばかりに光輝いている。


「むやみやたらと女共を倒す光放ってんじゃないわよ。」

「何か言った?琴南さん。」


何故か2人には、エンジェルラダーが通じてないみたい。


「社さんから聞いてね、明後日からイギリスでCMの撮影なんだってね。その前にちょっと話がしたくて来たんだ。」


敦賀さんが話がしたいと言ったら、社さんが2人を連れて部室から出ていってしまった。

部室には、私と敦賀さんの二人きりに…。


「座って下さい、今お茶いれるんでちょっと待ってて下さいね😳」


照れながら私は新しい紅茶を用意して、敦賀さんの前に置いた。


「粗茶ですが…😳」

「ありがとう。」


紅茶を少し飲んで、敦賀さんは私の事をジーッと見つめてきた。


「そのイメチェンってCM撮影のためだったんだね。よく似合ってる可愛いよ。」


「へ?は、はい実はそうだったんですよね。CMで演じる女の子が黒髪ロングヘアーだと言うので、地毛の色に戻したんです。足らない長さはエクステンションで足せば大丈夫だと言われて、試しに着けて貰ったんです。

その打ち合わせが終わって事務所に戻ってきたら、マリアちゃんがラブミーツナギで直ぐに私だと気づいてくれたんですけど、髪型に合ってない!って言い出して事務所の衣装部屋に連れてかれて、あのワンピースを着せられた上にメイクまでさせられて。一緒に事務所内をウロウロ歩いてたんです。

そしたら色んな部署の人から声かけられて新人タレントだと勘違いされちゃったんですよね。そうしていたら、セディさんが良く一緒にいる俳優のジャックさんと事務所に来ていたんですよ。

どうも日本の芸能事務所に興味があったらしくて、見学に来てたらしいんです。」


「なるほど…でも何でアイツは、君にコナをかけようとしたんだか。」


敦賀さんがプリンス・セディの事をアイツと呼ぶなんて…良く見ると左手を握りしめていた。


「そんなに怒らなくても、あ、それと!母が敦賀さんにお礼が言いたいと言ってました。」


慌てて話を反らす。


「キョーコちゃんのお母さんが俺にお礼?」

「はい、この後事務所に来る予定なんですけど会えますか?」

「うん、大丈夫だよ。この後は、映究スタジオでの撮影が始まる明後日までオフ貰ってるからね。」


その後、暫くしてお母さんが事務所へとやって来た。いつものビシッとしたスーツ姿ではなく、パンツスタイルの少しカジュアルな服装をしていて、纏めた髪型ではなく後ろに1つに束ねて下ろしていていたので印象がかなり変わっていた。

どこにでもいるような、雰囲気の良いお母さんという感じだけど、やっぱり美形なのは隠せない。

事務所に入ってきた時に少しざわついた程だった。

どこぞの美魔女モデルか?と言われてしまったらしい(笑)


「この度は、娘がお世話になりまして。助けていただきありがとうございました。これは心ばかりのお礼です、どうかお受け取りください。」


お母さんは、丁寧にお辞儀をして高級そうな菓子折りを敦賀さんに差し出した。

良く見ると『京都銘菓』と紙包みに書かれている。わざわざ京都まで行ってきたんだろうか?ん?いやこっちでも買えるかな?


「いえそんな大した事はしてませんよ。こんな上等なお菓子まで…ってあれ?このお菓子って父さんが好きな…」


敦賀さんがハッとした顔をして、慌てて顔を上げた。


「ん?あのう今『父さん』と言いましたよね。敦賀蓮さんのお父様は、このお菓子がお好きなんですか?このお菓子は、京都まで行かないと購入出来ないのですが…ネット通販もしておりません。」


「え?お母さんわざわざ京都まで行ってきてお礼のお菓子買ってきたの?」


「午前中に実家に行ってイギリスに持っていきたい物が保管してあったから取りに行ったのよ。そのついでに同じ嵐山に住む父方の祖父と、父の兄である伯父夫婦と一緒に住んでる母方の従姉のお姉さん夫婦にも久しぶりに会って挨拶して、帰りにこのお菓子を買ってきたのよ。ああ、それと従姉のお姉さんは、父方の従兄と幼馴染みで結婚してるから、そのお二人の間に産まれた息子さんの悠人(ゆうと)くんは貴女から見ると、Wハトコになるわよ。悠人くんとそのハトコに当たる龍夜くんだけは、昔小学生の時に他の親戚の子供達と滋賀に住む親戚のお祖母さんの家に夏休みの間だけ、お世話になった時に会ってるはずだけど…?松太郎君も一緒に行ってて覚えてないの?」


「あんまり覚えてない…😓」


「え?キョーコちゃんの親戚って同じ京都市内に住んでるんですか?じゃあ何で赤の他人である不破家に預けるなんて事を?」


その話に驚いてしまった。同じ京都市内に親戚いたんだ…しかもWでハトコ!?そんな珍しい関係の人いたっけ?

確かに、小学生の時…2年生の頃だったかな?夏休みの期間だけショータローも一緒に滋賀に住んでるって言う、遠い親戚のお家にお世話になった事がある。


そのお家に住んでる、ちょっと年上の親戚のお兄さんやお姉さんが何人かいた記憶はある。他にも、地元の子供達とも遊んだっけ。なんか懐かしくなってきたな。

あの時は、京都から離れてたからショータローのこと知ってる子供はいなかったから、仲良くしてもらったんだっけ。



「それは…まだ話せないわ。でも今回、イギリスの親族には会わせるんだからそれで我慢して頂戴。帰国したら折を見て、父方の親戚達にも会わせてあげる。父方のお祖父様は、まだ高齢な割にはお元気だから何時でも会いに来ていいと仰ってたわよ。私の父親が婿養子であることは、片桐先生に聞いて知ってるんでしょう?」


「うん。お祖母さんは三人姉妹の次女で、お姉さんがお嫁さんに行っちゃったから皆お嫁さんに行くと、最上家を継ぐ人がいなくなるからって、お祖母さんが結婚するときにお祖父さんが婿養子になってくれたって教えて貰った。あと確か、お祖父さんには兄弟が沢山いて五人兄弟の次男だってことも。でも…旧姓は、教えて貰えなかった。それに仏壇にも仏間にも写真無かったし…位牌はあるのに、どうして?」


私は、お母さんに今まで疑問に思っていた事を聞いてみた。

ふと敦賀さんの方も見てみると、何故か菓子折りを持ったまま冷や汗をかいていた。


「嵐山に住む祖父と伯父夫婦…五人兄弟……従姉夫婦………悠人…………😨」


何かブツブツ言っているけど、どうしたんだろうか?


「あのう…😓敦賀さん?どうかしたんですか?」

私が顔の前で手をフリフリしたらやっとハッとして気付いてくれた。


「あ、あのいやこのお菓子そう言えば、父がよく知り合いにお願いして送ってきてくれたなぁ。って思い出したんですよ。」


何だか、取って付けたような話にも聞こえなくはないともとれたけど…?


「それはそうと明日の朝には、イギリスに発つんだよね。渡したい物があってちょっといいかな?両手出して貰っていい?」


そう言うとジャケットの内ポケットに手をいれて私の両手の手のひらに、ピンク色のリボン付きの透明ケースを置いてくれた。

中には、小さなバラのチャーム付きのゴールドチェーンが入っていた。


「うわぁ可愛い💠」

「かなり遅れたけど、ホワイトデーのお返しって事で。プリンセス・ローザを着けてたチェーンまた壊れちゃったって言ってなかった?もし良かったらこれ使ってみて。」


「え?ホワイトデーのプレゼントはもう貰ってますよ。ディジョウェイランドのチケットくれたじゃありませんか💦」


「そうだけど、社さんに言われたんだよね。チケット二枚じゃバレンタインのワインゼリーのお礼にしては割に合ってないぞって。

後で調べたんだけど、ゼリーに使ったロゼワインと一緒にプレゼントしてくれたクリスタルカップ合わせると少なくとも三万円以上かかってない?あの時は、メルヘンな物が好きな君だったらこれが一番かな?と思って遊園地のチケット送ったけどやっぱりもう少しちゃんとした物を贈りたいなと思って考えてね。これなら実用性もあると思って。」


「ありがとうございます😳」


お礼を言っていうと隣にいたお母さんが、敦賀さんに般若の目を向けていた。


「へぇ…ただの事務所の先輩なのに、三万円以上かけてバレンタインにプレゼント…お返しに遊園地のチケット…約半年送れでゴールドチェーンですか。まぁ一応お返しにはなってますからね、わざわざすみません娘のために色々としてくださって。」


顔は、笑ってるけどドス黒い何かが出てるのは分かってた😅


その後、社さんが合流して明日から一緒にイギリスに行くマネージャー代理の社員さんである松永さんを紹介された。

マネジネント部に今年入った、新入社員だけど海外留学の経験があって英語も話せると言うので抜擢されたらしい。


互いに挨拶を交わして、お母さんにも紹介。

明後日からイギリスでの撮影、約1か月もかけたロケーション。

そして…初めて会う、イギリスに住む曾々お祖父さん。ドキドキする気持ちを胸に私は次の日の朝、日本を旅立った。


 に続く。

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またやってしまいました😅

このお話での、キョーコの身内には他の二次設定と同じ設定を使っております。


でもちょっとだけ変更してる部分もあり、名前や年齢、立場も変わっていたりするところも。

その方が面白くなるかな?と思って外国人混血疑惑を使わせて貰った次第です。


それと昔小学生の時に滋賀で夏休みに親戚の家で世話になっていたと言うお話は、君ハピと全く同じになっております。

なので村雨君とも、キョーコは幼い頃に出会っております。

本誌(原作)でも、ライヤーに扮したキョーコに初めて会った気がしない。と言ってましたが、それは雪花の事だと思ってますが、このお話では幼い頃にも出会ってる事も伏線にしています。













2話目は、キョーコsideから見たお話になります。

さて、どうなるんでしょ?

⚠️「」は、日本語。『』は、英語です。

当初予定していた、原作沿いのリアルテイスト話から路線変更してちょっとファンタジー要素の入ったお話に変えることに致しました。

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私とマリアちゃんは、敦賀さんと社さんに連れられて事務所内ある医務室へとやって来た。たまたま今日は、事務所が契約してる病院からお医者さんと看護師さんが来ている日でもあったので、しっかりと治療をしてくれたのである。


左手首に、塗り薬を塗りながら先生が話してきた。あの男性俳優さんが私の左手首を思い切り握って来た時に、爪も食い込んで少しだけど出血もしていたから傷薬を塗ってくれたのである。


「よしっと。これで大丈夫ですよ、おそらく骨にも異常ないし軽い打ち身と同じ症状でしょうから少し痛みはあるけれど、ある程度したら治るでしょう。強く握られた痕も残りませんからね。相手の爪が食い込んだ裂傷もそんなに深くないし。でも一応、写真に撮っておいた方がいいですよ。後で、警察に届けたり弁護士に相談に乗って貰うなりするつもりなら、証拠が必要ですからね。なんだったら僕が、診断書書きますから。」


とても丁寧に対応してくれて、社さんが私の左手首の写真を撮った後、看護師さんがガーゼと包帯を巻いてる最中にマリアちゃんの頬っぺたもキチンと治療をして少し大きめのガーゼが頬っぺたに貼られた。

因みに、マリアちゃんの怪我も一応写真に撮ってある。


その後、先生と看護師さんにお礼を言って医務室を後にした。


「どうする?キョーコちゃん。社長は、ああ言ってたけど…あのグズ男に対して警察に被害届出す?それとも会社の顧問弁護士にお願いして示談にする?」


社さんに、今後の事を言われて迷ってしまった。

警察沙汰は、ちょっと怖い気もする。相手は日本人じゃないし、下手すれば国際問題にも発展してしまうかもしれないし、映画の撮影にも支障が出てしまう可能性もある。少し考えて…


「ちょっと…母に相談してみます。母は、弁護士してますから。母でなくても知り合いに何人か頼りになる最強の強面弁護士の先生もいますし。」


「強面って…もしかして、鰐顔弁護士の片桐憲一先生?不破の伯父さんでもあるって以前教えてくれたよね。」


「そうそう片桐先生って君の養父母さんの身内で、不破尚の伯父さんなんだっけ?」


2人は、少し笑いを堪えながら聞いてきた。そりゃそうよね、全然顔似てないんだもの。


「え?不破尚って、あの鰐憲先生の甥っ子さんですの?全く似てませんわ!はははっ可笑しい~~😂」


医務室を出て、人々が行き交う廊下での話だったので他の社員さんやタレントさんも聞いていたらしく、その日以降業界には2人が身内である事が知られてしまい、ショータローは影口を言われたり笑われる事が多くなっていたのを私はまだ、その時は知らなかった。


その後、警察沙汰となるとマスコミも騒ぎ立てる可能性が高いと言う、意見が周囲からも出て示談で話し合うことになった。

話し合いの場はLMEプロダクションで行われる事に。事務所の顧問弁護士先生がメインとなって話し合い、私の保護者として母と片桐先生が来てくれた。


社長は、どうしても外せない仕事があったために秘書のルトさんがマリアちゃんの保護者代わりとして列席。


相手のアメリカ人俳優のジャック・バート(名前勝手に考えました)さんには、日本とアメリカ(カリフォルニア州)の両方の弁護士資格を持つ国際弁護士が付いてくれたらしい。


『早速ですが、貴方は娘に対して一方的に言い寄り更に怪我まで負わせたと言うのは本当でしょうか?一緒にいた事務所の社長さんのお孫さんにまで怪我を負わせたそうですね。』


流暢な英語で、お母さんがいきなり話してきたのでビックリした。かなりネイティブな話し方だった。

お母さんって海外経験あるのかな?と思いつつ話し合いは続いた。

ジャックさんも、お母さんの流暢な英語に驚いたみたいだけど答えた。


『べ、別に言い寄ったってゆーか…一緒にいたガキ…いや女の子がセディに馴れ馴れしくしてきたから軽く注意しただけで、勝手に転んだんだよ。そうしたら、ソイツ…いや、娘さんが俺に怒って謝れって言ってきて、ちょっと腹立ったもんだから。

それで一緒にいたセディがおたくの娘さんの事を見て、俺に耳打ちしてきたんだ。どうも一目見て気に入ったらしくて、彼女をディナーに誘えって。それに応じるなら謝っても良いって言えって言われたんだよ!なのに、それを断ってそのガキ連れて逃げようとしたから止めただけだ!』


所々、言葉を言い直したりしてしどろもどろになりながら、その場にいたマリアちゃんを指差して興奮気味に説明してきた。

マリアちゃんは、指差され悪鬼な如くな顔をしてきたけど黙っている。

母は、キリッとした目付きでジャックさんを見つめており、その威圧感を感じていたんだろう。

一緒にいる片桐先生の強面ふりにも畏怖してる感じだった。


更に、2人の襟元に弁護士バッヂが着いてる事にも気づいた様子だった。


『げっ、両親とも弁護士かよ😱💦何だよこんなに寄ってたかって!しかし全然似てねーな、良かったじゃん美人な母親似で。』


ん?どうも片桐先生の事を私の父親だと勘違いしてるみたいね。

どうも失礼な人ね…本当に。

後に、彼は片桐先生が父親でないと聞かされてホッとしたと言うことを聞かされた。

でもその話は、スルーされて話し合いは続いた。

話し合いの結果、私とマリアちゃんに対しての治療費と慰謝料を払うことで決着。

まぁ、慰謝料と言ってもそんなに多くはなかったけれども。

海外に持ってこれるお金は、限られてるし。ほとんどがカード払いだ。後に、指定する口座に振り込みされることになった。


話し合いが終わり、相手側が出ていくのを確認すると私は事務所の顧問弁護士先生と母と片桐先生にお礼を言った。


「顧問弁護士の先生に、片桐先生ありがとうこざいました。それと…ありがとうお母さん。相談に乗ってくれて。」


深々と頭を下げると、お母さんが近くに寄ってきた。


「頭を上げなさい。私は、身内が厄介ごとに巻き込まれるのが嫌なだっただけよ。貴女も、社長のお孫さんの為に動いたのでしょう?それだけは賞賛すべきことです。でも、相手は自分より体格の良い外国人男性なのだから少し考えて動くべきでもありましたね。今後は、気を付けるようにしなさい。」


「はい…すみませんでした。」


「おい最上。そう言う話し方はないだろう。キョーコちゃん、勘違いしなくて大丈夫。コイツは、ツンデレな正確だからこう言う言い方しか出来ないだけだからね、本当は心配してたんだよ。」


「ちょっと片桐先生、余計な事言わんといてください!」

顔を赤らめてお母さんが慌てて言い返してる。しかも京都弁になっていた。


「ほれ、この通り。いい加減に素直になれや。」


何だか夫婦漫才のような掛け合いに、見えてしまい私は思わず笑ってしまった。ついでに一緒にいたマリアちゃんと顧問弁護士の先生も笑っていた。


その後、私と母に片桐先生と顧問弁護士先生も一緒にタレント部に出向き椹主任に話し合いが終わり決着がついたことを説明。

顧問弁護士先生とマリアちゃんとルトさんが席を外して、私の今後の芸能活動について話し合うことになった。


因みに、TVに出演する事も多い『鰐憲(わにけん)』の愛称で知られる片桐先生が母と共に私の保護者(父親)代わりと言う名目で事務所に来たもんだから変な噂が一時期流れてしまったと言うおまけ話がある😅


まぁ、察してくださいませ。そのせいでショータローとイトコ疑惑が生まれちゃったけど直ぐに誤解溶けたし。


「良かったよ何とか決着ついて、それで今後の芸能活動についてなんですけど…近くにCM撮影がありましてね。実は、海外での撮影になっているんです。そこでまた興行ビザの申請が必要に。今回は、イギリスでの撮影になりまして保護者の委任状と署名が必要なんです。必要書類は、こちらにありますので署名していただいて宜しいですか?そうすれば直ぐにでもビザが下りますので。」


お母さんがイギリスと言った瞬間少しギクッとした顔をしたけれど、署名をしてくれた。


「本来ならば審査に数ヶ月かかる種類の興行ビザなのに、いやに早く申請が直ぐに下りるんですね?」


「いやぁ、それが数ヶ月前から決まっていたかなり大がかりなCM撮影なんですよ。でも撮影場所の候補が中々決まらなかったんです。でもイギリスで撮ろうと言う計画は、進められていたので前もって向こうのロケーション会社やプロモーターとかコーディネーター等への依頼も行っておりました。

直ぐにでもイギリスに行けるようにと、興行ビザ申請の書類を英国大使館に出向いて貰って、初期的な書類申請を済ませていたんです。それをキョーコさんから預かっていました。

きちんとこちらのCMプロジェクト計画書を提出して、撮影候補地の検討と許可取りに難儀していることやCMのスボンサー契約をしている会社の広報と共に、大使館に出向いて説明して撮影地の許可が出たら直ぐにでも英国へ行って撮影がしたい事をお願いしていたんです。

キョーコさんがアメリカに行ってる間も事務所の顧問弁護士の先生が代理人となって説明に行ったこともあったんです。

何度もお願いしている内に、大使館側も分かって下さって申請を撮影地の許可が下りたら直ぐビザを取得出来るようにしてくれたんですよ。

それでキョーコさんは、未成年なので親御さんの署名が必要になりますので、お母さんに書いて頂いて貰った次第です。」


「え?あ、あの椹さんこのCMってそんなに大きな仕事なんですか?私は、ゲームソフトのCMだって聞いてますけど?確かに私がキャラクターの声も演じさせて貰ったってのもあって、CMもやってほしいって話になってきたお仕事ですよね?」


私がアメリカに行く前に、スポンサー契約した企業は国内外でも有数のゲーム制作会社だった。


今年の秋頃に、新しく売り出される予定のゲームのキャラクターボイス(CV)のオーディションがあって、椹さんに声だけの演技も勉強になるし、やってみたら?と勧められて去年の暮れに声優オーディションを周囲には隠れて受けていたのだ。


そして見事に合格して、ヒロイン役をゲットしてたんだよね。

しかもまさかのキャラクターソングまで唄ってるし。更にもう一つ劇中歌も作られて唄ってるし😳

その事を、作品が発表されるまで内緒にするように言われていた。


今年に入って、マネージャーになった社さんにはその事は話してあったので知っている。


「そんなに大掛かりなプロジェクトなんですか?娘が参加している、そのゲームとやらのCM撮影は。海外にまで渡って撮影するなんて、しかも撮影地の許可取りにかなり難儀していると話も…もしかしたらストーンヘンジなどの古代遺跡や世界遺産での撮影ではありませんか?」


お母さんが私の仕事に興味が出たらしく聞いてきた。

その話に椹さんが感嘆して話を続けた。


「よく分かりましたね。実はそうなんですよ、作品名はまだ言えないんですけど昔から人気のあるファンタジーRPG作品の最新作のヒロイン役のCVをゲットしたんですよ。しかもそのシリーズの生誕30周年記念作品プロジェクトの一環でもあるんです。

正にファンタジーの本場である、イギリスでの撮影が一番だと会議で決まりまして、ストーンヘンジや遺跡での撮影をしようと許可取りにかなり難儀したんですよ。いやぁ、時間かかりましたね。」


「ほぉ、スゴいなキョーコちゃん。そんな大きな仕事をしていたなんて小さい頃から知ってる私としては、鼻高々だよ。甥っ子のショータローは、また別で活躍してはいるがアイツは性格がなぁ😅」


苦笑いしながら、憎きアイツの事を話してたけど…椹さんも片桐先生が不破尚の伯父であることを噂で知ったらしく、私に幼馴染みであることを話してあったので確認してきて肯定したら大爆笑してたっけ。


隣にいるお母さんは、先ほどから何かうつ向いて何か考えていた。そしたら顔を上げて片桐先生に向かって言った。


「あの片桐先生、有給申請しても宜しいですか?少し長めの休みになってしまうのですが。」


「え?有給申請って何処か旅行にでも行くのか?」


「はい、娘に同行して一緒に英国に行きます。」


「え!?」


そこにいる全員が目を丸くした。


 に続く。

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いやはや色んな話書いてるのに、またやってしまいました。

まぁ、でも一応短くする予定です。

それにしても冴菜さん、どうしたんですかね?

何か理由があるのかな?どんな展開になってくのでしょう?

今後のお話に私のオリジナル設定も盛り込んで書いていく予定でもあります。


実は、今後のお話を考えて妄想していたら…何故かファンタジー&SFチックな展開になってしまったので、路線変更してちょいとファンタジー要素を取り入れてしまえ。と思いつき短編でもなくカテゴライズにして集中連載することにしました。


それとグズ男(笑)の名前が分からないので、勝手に名付けてしまいました。

今後のお話、お楽しみにー😃✌️


















突如として思い付いたお話です。キョーコとマリアちゃんがある騒動に巻き込まれるストーリーです。でも最初は、蓮目線から見たお話なっております。一応、原作寄りストーリーになっております。

⚠️「」は、日本語。『』は、英語になっております。

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映画『Route』の撮影が日本の映究スタジオに移ることになって、日本に帰国した翌日俺はミス・ジュリーウッズにお願いして事務所の駐車場に停めてある、彼女の移動美容室兼トレーラーハウスの中で黒髪に染め直して貰っていた。

因みに駐車場までは、ウィッグをかぶってバレないように慎重に移動してきた次第だ。


3日後には再び撮影が再開される。アメリカでの撮影では、少しトラブルがあったが予定通り撮影は進んだ。


「うん!上手く染められたわよ蓮ちゃん。」

「いつもありがとうございますミス…いやテンさん😊」


ミス・ジュリーウッズと言おうとしたらムスッとした顔をしたので言い直した。なんでテンの方がいいんだろうか?


「そー言えばキョーコちゃんも今日、事務所に来てるのよね?」

「ええ、来てますよ。彼女の方は琴南さんのPAだけじゃなく、日本での芸能活動再開の打ち合わせもありますからね。」


そう、キョーコちゃんは琴南さんのPAとして一緒に渡米したけれどそれはアメリカ滞在中の期間限定としていた。

日本に帰国したら、琴南さんの出番のシーンはあんまりない。アメリカでの撮影が彼女はメインで撮っていたので、日本での撮影自体が少ないとのこと。

その点も考慮して、琴南さんのオールアップまでPA活動は同じラブミー部員である天宮さんも協力してやることになったらしい。


キョーコちゃんがずっとPAをしていたら今後の芸能活動にも差し支えると社さんもタレント部主任の椹さんと、俳優部の松島主任にも相談したらしい。社長にもその事を伝えたら、仕方がないと彼女の芸能活動再開予定を早めたのである。


キョーコちゃん本人は、最後までキチンと琴南さんのPAとして活動したい!とゴネたらしいが…日本に帰国したら予定していたCMの仕事がありその撮影が早まってしまって映画の撮影の時期と被ってしまったのだ。

CM契約も済ましてしまった後なので、断れないのもあって渋々承諾したらしい。


「はは、キョーコちゃんも変わってる子よね。日本を代表する大女優を目指してるのに、裏方のPA活動を自ら申し出るなんて。」


「そういう子なんですよ。凝り性で真面目すぎるってのもありますけどね。やり始めたら最後まで納得するまでやり遂げないと済まない性格ですからね。」


そんな話をしながら、事務所のロビーに続く廊下を歩いていた。

ロビーに着くとなにやら人が騒然としており、ガヤガヤしていたのだ。


「何かしらこの人混み。」


テンさんがピョンピョンと跳び跳ねながら確認している中で、人混みの中に社さんがいるのに気付いた。


「ああ!蓮、丁度良いところに。おーい、キョーコちゃんを助けてやってくれ~~!!」


社さんが両手を広げて俺に向かって大声で呼び掛けてきたのだ。

俺にがいることに他の人達も気付いて、道を開けてくれた。


「何事ですか、この騒ぎは?キョーコちゃんがどうかしたんですか?」


「兎に角、彼らをどうにかしてくれ!周りがやめてくれって言っても止めてくれないんだよ。しかもマリアちゃんがもう興奮して変な道具出して変な呪文みたいな事まで口放ってるし😞💦」


社さんが指差す方向を見ると、俺も見知った顔があった。

それは、アメリカ人俳優兼歌手の『プリンス・セディ』こと、セドリック・D・ベネットだった。

一緒にいるのは、彼の取り巻き俳優の一人。ルートにも一緒に出演しているアメリカ人俳優の1人だ。


その取り巻き俳優が、少女の左手首を思い切り握りしめて上げていたのだ。

少女は、かなり痛そうな顔をして青ざめている。


『何をしているんだ!止めろ!!』


俺は思わず、取り巻き俳優に蹴りを入れてしまった。その時の反動からか握りしめていた右手は、少女の左手から離れたがその子も倒れそうになった為に直ぐに抱き止めて転倒は間逃れた。


『ってーな。何すんだてめー!!』


取り巻き俳優が床に倒れながら、俺にガンを飛ばしてきた。


『それはこっちのセリフだ!か弱い女の子にこんなことするなんて何を考えてるんだ!事によっては傷害で訴えることだって出来るんだぞ!』


俺は、少女を抱きしめながらソイツに言い放ってやった。

この子が直ぐに俺の想い人である、キョーコちゃんだと直ぐに気付いたからだ。


「あの、敦賀さん。私大丈夫ですから、そもそもこんな騒ぎが起きたのも私にも原因があるんだし。マリアちゃんも呪うのそこまででいいわよ。もう充分効果は出てるみたいだから。」


キョーコちゃんがそう言うと、床に倒れてる取り巻き野郎(ドンドン酷い呼び方になっていきます)に不思議な言動が現れていた。


『うがっ?何だか身体が動かないだけど~~何だこりゃあ!変な黒いもんが見えてる~~助けて~~んぎゃああああ💦😭💦』


最終的には、口から泡を吹いて失神してしまった。

その様子をセディは、冷ややかな目で見ていた。


『おい、こいつをさっさと運べ。ホテルに帰るぞ。』


近くにいた彼のボディーガードらしき人物にグズ男は、抱えられてロビーの扉から出ていった。

暫くすると、ざわついていたロビーからもホッとした雰囲気が流れ出していたのである。


「敦賀くん助かったよ。ありがとう。」

「本当に誰も手を出せなかったんだからな。」

「警備員ですら、ボディーガード達と一触即発になっちまって警察まで呼ぼうとした矢先に君が来てくれたから何とか警察騒ぎにならずには済んだけどな…。」

「本当にすまん!俺達が不甲斐ないばかりに。京子ちゃんを助けられなかった。」

「京子ちゃん、ごめんなさい。」


近くにいた社員や、所属タレント達がキョーコちゃんに対して助けることが出来ずに謝罪してきたのである。


「いいえ💦皆さん、顔を上げてください。私もこんな騒ぎを起こしてすみませんでした。それよりもマリアちゃんも大丈夫?ほっぺた赤くなってない?痛くない?」


キョーコちゃんは、マリアちゃんの前にしゃがみこみ彼女の左頬を優しく撫でていた。

良く見ると、マリアちゃんも左頬が少し赤くなっていたのだ。少し涙目にもなっている。

キョーコちゃんの左手首にもグズ男の握り締めた、痕が残っていた。


「アイツ(グズ男)、マリアちゃんがセディに声をかけたらいきなり、セディに近づくな!ってわざと脚を引っ掻けてマリアちゃんを転ばしたんだよ。そんときに顔も床にぶつけちゃったらしいんだ。

それを一緒にいたキョーコちゃんが認めたんだって。そしたら何て言ったと思う?」


社さんが他の人から聞いたと言う話を俺にしてくれた。


「事もあろうに、イメチェンしたキョーコちゃんを見たアイツがPA活動をしていたキョーコちゃんだと気付かずに、ディナーに誘ってきて断ったからあんなことしたらしいんだ。」


そう、いま俺の腕の中にいるキョーコちゃん。

いつもの栗色ショートヘア・ラブミーツナギの姿をしていない。


地毛の黒髪に戻っていた。しかも長さも違い腰丈までもあるストレートのロングヘアーになっている。最初は、ウィッグかと思っていたけどどうやら違うらしい。おそらくエクステンションで長さを足しているんだろう。

服装もいつもはカジュアルで動きやすい服装を好む彼女からすると、一変して清楚なお嬢様のような白い肩だしのレース紐付きの半袖ワンピースを着ていた。

メイクも派手すぎず、おとなしめなシンプルなメイクだがいつもより大人っぽくなっていて何処から見ても美少女。

一見すると、本当に大金持ちの深窓の令嬢のような姿になっている。


確かにその姿を見たら、琴南さんのPA活動をしていたキョーコちゃんだと気付かないだろうな。

しかもアメリカ人からすればイメチェンした彼女だと分かるのは難しいだろう。


「こんなの大丈夫ですわ、お姉さま!そんな事より駒かけてきてきたあのメリケン男達の方がいけないんですもの!見た目で判断しちゃいけないってのもよーく分かった次第ですわね。外見王子様でも、あれは中身悪魔だわ。お姉さまの事をニヤニヤした顔で見ていたんですのよ!あれは明かに雄の目よ~~イヤイヤ~~お姉さまがあんな男の手中に捕まったらと思うと、怖気がするわ~~😭!!」


マリアちゃんが目に涙を浮かべながら叫んでいると社長も騒ぎを聞き付けてロビーにへと降りてきていた。


「おいおい皆何してる、さっさと仕事に戻れ!それと…マリアお前もその大量の呪いグッズどうにかしろ。頬っぺたと手首の治療費は、俺がメリケン取り巻きグズ男(全合体(笑))から踏んだ食ってやるから安心しなさい。最上くんも医務室行ってこい!社と蓮、お前達連れてってやれ。」


社長の命令で皆解散し俺達は、キョーコちゃんとマリアちゃんを医務室に連れていくことにしたのである。


 へと続きます。


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皆様、明けましておめでとうごさいます。今年初の投稿となりました。

if storysシリーズとは違う、お話になっております。一応、原作沿いのストーリー。


作中に出てくるセディの取り巻き俳優は、本誌では日本人俳優達をディスっていたガタイのデカイ名前も分からん俳優です。

アイツ、私も大嫌いですね。日本とアメリカの芸能事情をちゃんと調べてから言えよな。


アメリカの芸能事情やシステムが、グローバルスタンダードとは言いきれんだろ。確かにアメリカスタイルのメリットもあるけれど、デメリットもあるじゃんか。

日本や台湾、中国・韓国等のアジア圏の芸能事情(システム)知らんのか?



⚠️2024.1.5修正

修正して短編ではなくカテゴライズして集中短期連載にすることにしました。