本誌ACT. 310の最後のシーンを見ての派生妄想話になります。

三人称視点のお話になります。若干、最新話のネタバレにもなってるのでお気をつけください。

⚠️「」は、日本語。『』は、英語となっております。

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『ここから先、役者以外は遠慮してもらう。』


そう老齢の訝しい目付きをした男性スタッフに言われたキョーコは、衣装部屋の外で奏江を待つ羽目になってしまった。ジャンプしたり柔軟体操したりと暇潰していたが、時間が経つと暇潰しも飽きてきていた。


ふと蓮の事が気になり思いきって電話をかけて、朝食事情を利いたりスタジオでのいざこざ関係の話を暈しつつも報告した。

キョーコも、早く蓮に会いたがっていたが明日になれば会えるのを我慢している。


当の蓮は、本来の姿である『久遠・ヒズリ』の姿に戻り旧友リックの墓参りに来ていた。キョーコは、話し方の中に妖精コーンの存在を感じつつも話し終えると電話を切った。

その直後に衣装部屋の扉が開き、奏江が戻ってきた。


「あっ…モー子さん!やっと終わったのね。随分時間かかってたけど何かあったの?」


奏江もまた、何か言いたげな顔してたがそれを言わなかった。何かあったのには間違いない。


「ちょっとサイズにミスがあっただけよ。微調整で何とか直るみたいだから撮影迄には間に合うって。」


本当は、違うのだが取って付けたような嘘をついてキョーコを安心させようと演技をした。

するとキョーコの手に携帯が有ることに気付き聞いてきた。


「あんたも誰かと電話でもしてたの?」

「ん?ち、ちょっとね敦賀さんと…😳💦」


ふーん…と奏江は、キョーコの顔を見てふとあることを言ってきた。


「あ、そうだわ。言おうと思ってたんだけど…あんた明日からそのツナギ着るのやめてくれない?」


「え?何で?これは私の戦闘服なのに!」


「もう!だーかーら!それが原因でアメリカ人キャストやスタッフに変に見られたり子供っぽく見られてんのよ!

私の服も少し貸すから、大人っぽくしなさいって言ってるの!馬鹿にされたり子供っぽく見られるの嫌なんでしょ?だったら努力しなさいよ!ダークムーンの打ち上げパーティーでのドレスアップした時の姿を参考にしたり、それにBOX"R"のナツの姿なら馬鹿にされたりしないでしょうが!それっぽくすりゃいーの!」


ハァハァ言いながら、奏江はキョーコにイメチェンの打診をした。

その夜、キョーコは奏江とトレーラーハウス内で色んなヘアメイクや服装等を試しに試してあるスタイルに決定し翌日の朝、蓮が来ることで改めて全キャストでの顔合わせをする事になったので懇親会パーティーが行われた、場所に全員集合したのである。


そこには既に、蓮の姿があった。社マネージャーと共に宝田社長と一緒にいた。

因みに宝田社長は、何故か織田信長のコスプレをしている(笑)


「おお!敦賀君じゃん、来るの遅いぞ!」

「やあ村雨君、久しぶり。」


村雨秦来が蓮を見つけると、他の日本人キャスト達もゾロゾロと入ってきておりアメリカ人キャスト達も少し離れて宝田社長を変な目で見ていた。

そんな中で、奏江が入ってくると一緒に歩いて来た美女に皆、目が行き注目を浴びてしまったのである。


『おい誰だあの美人?』

『あんな役者いたっけ?あの変な着物着た奴と一緒にいる男もパーティーの時にいなかったよな?』


「あれって京子ちゃんじゃね?髪長いけどそーだよな?」

「何で京子ちゃん、ツナギ着てないん?」

「相も変わらず、コロコロ変わるわね。」

「何かちょっと、BOX"R"のナツっぽくね?」


そう、そこに現れた美女はキョーコだった。昨夜、奏江と相談して決めたスタイルは、BOX"R"のナツのメイクを基にして髪型は、ダークムーンの打ち上げパーティーでのロングスタイル(奏江の沢山の荷物の中に何故かワンタッチで付けられる簡単エクステンションが入っていた。)の髪型でのアップポニーテールスイルに変化しており、両耳には少し大きめのイヤリングを付けている。


服装も、シンプルながらカジュアルで大人っぽさを感じさせる服になっていた。動きやすいパンツスタイルに合わせてアウターシャツをお洒落に腰巻きにしてウェストバッグを横に着用。

インナーは、Vネックの少し胸元が開いた黒い袖が短いTシャツに白いキャミソールのレースが見え隠れしていて、いつもしているプリンセスローザのネックレスを着けていた。

もう一つ長めのゴールドチェーンも見えているが、それはシャツインしており見せていない。おそらく蓮から渡されている、ペンダントであろう。


そしてその顔付きや立ち振舞いも、堂々としておりまるでPAと言うより丸で敏腕マネージャーの様に見えたらしく…


「おお!京子ちゃん、大人っぽくなっちゃって何かPAってゆーよりマネージャーっぽいな!イケテんじゃん!」


「どうしたの?その格好、急にイメチェンなんかしちゃって。」


「変じゃありません😳💦?ちょっと事情があってツナギ着るのやめたんです。」


村雨秦来と恵エミリアの2人が、2人の元にやって来るとその他の日本人キャストも集まってきた。

キョーコは、照れつつも皆に事情を話し始めていた。

その様子に、アメリカ人キャスト達は怪訝な顔をしている様子。


『ったくまた群れてるぜ、日本人共が。』

『いやでも…あの美人イケテるぞ。』

『あん?マジで言ってるのか?』


その様子に、セディは先日会ったキョーコだとは気付かず新しいキャストかスタッフだと勘違いした模様で自ら、その群れの中に歩いて行った。


その様子に気づいた、キョーコ達回りにいた日本人キャスト達は皆振り返り無言で威圧するセディを見て無意識に道を開けてしまったのである。


『やあ初めまして、君ってそこにいる彼と同じで今日合流したキャストかな?それともスタッフ?』


蓮の事を見つつも手を顎に当てながら笑顔でキョーコに話しかけてきた。

しかしキョーコは、セディが自分と先日出会っている事に気付いてないと言うより存在その物を無視している事に確信したようで意味深な笑顔で返したのである。


『あら?初めましてじゃないですよ。先日、パーティーの前にお会いしてますよね?私は丁寧に挨拶してたのに、無視したのはどちら様でしたっけ?』


含みを持つ、ナツっぽさを見せた笑みと少し雪花味を合わせた様な演技でセディに話しかけた。


『は?君って…え?あの変なピンクの服着てた子供…ウソだろ?丸で別人じゃないか!』


セディが失礼な事を言ってきたので、その場にいた日本人全員がムッとしてしまった。


すると蓮が寄ってきて、キョーコに合わせて演技&説明してきたのである。



『どうも初めまして、レン・ツルガです。実は彼女は、カナエのPAだけでなく俺のサポートも兼ねていてるんですよ。ピンクツナギだと、どうも嘗められるって言うんで俺と一緒にいても違和感ないようなスタイルに変えたんです。

それと…今は休業してるけど、彼女もまた日本で役者活動をしている。そこにいる彼、ヒロムネが主演をしている映画に準ヒロイン役として出演中だ。季節の関係で今は、撮影中断してるけど。

世界に名が知られている日本人名監督の元で演じてる。その作品も、とある国際映画祭に出品予定。

あまり日本人の役者を嘗めないほうが、宜しいかと。更に失礼な事を言わせて貰うと…外見で人を判断すると、後で後悔するぞ。それに日本とアメリカでは、芸能事情が異なるって事を言わせて貰う。ハリウッドの芸能事情がスタンダードだって文句言いたいなら、もっと上の人間に直接言いに行けばいいんじゃないか?身内の力を使わずに。』



蓮は、最終的にセディに威圧感を見せてタメ口で話し終えると、周囲に静けさが訪れた。

セディは、自分より背丈のあるガタイも良い蓮から発せられたオーラに既視感を覚えつつも少し後退りして常套文句を言ってその場を離れた。


『ふぅん…日本人にもそこまで言える人間が居たとはな。かなり流暢な英語だし…でも所詮は狭い島国の日本人。俺達、映画の本場にいる役者には敵わないさ。誰も日本人キャストの事なんて注目しないよ。スタッフさえ下手に見てるんだからな。俺達アメリカ人がメインになること間違いなしだ。降板させられないように精々頑張ることだな。』


セディの態度に村雨秦来は、腹が立ったらしくかなりのお冠状態に。


「…っだよ、アイツ何様のつもりだ!ざけてんじゃねーぞ!」


「まぁまぁ落ち着きなよ村雨君。敦賀君だってかなり腹に据えかねない様子だけどね。」


村雨秦来と古賀弘宗が話してる隣で蓮は宝田社長と社マネージャーに認められていた。


「ったく蓮お前な、我慢出来なかったのか。流石にあれだとますますアメリカ人キャストを敵に回すことになるぞ。」


「ワザとか?煽るように言うなんて、お前らしくないな。」


「いえ!あれくらい言わないと、私だって腹が立ってたので反ってスッキリしましたよ!私なんか、念じて呪ってやる~~👻」


キョーコが背を向けて離れてくセディに向かって、鋭い目付きを放ち更に怨キョを放出させると周りにいた人達もその気配に、ギョッと驚き後退りをした。



「き、京子ちゃんから何か黒いもんが出てるんだけど…😅」

「スンゲー、負のオーラ感じる気がする…。」


「いつもの事なんで心配しなくてもいいですよ。」


奏江が呆れた顔をしてると蓮がキョーコの肩に手をやって…


「こらこら皆怯えてるからやめなさい。」


「でも!敦賀さん、あんの男腹立ちません!?日本人キャスト達を下手に見るなんて!ショータローよりゲスだわあれは!」


「確かにね、俺だって良く思ってないよ。でもこれ以上揉めたら撮影に支障が出る。一応こちらからの牽制もしたんだから少し様子を見ようか。」


「そうだよキョーコちゃん。気持ち分かるけど、撮影が無事終わるまで我慢しようよ。」


蓮と社マネージャーが認めると、宝田社長まで言ってきた。


「2人の言う通りだ。これ以上あの男を刺激するな、君のためにもならない。下手すると、将来こちらで役者活動出来なくさせる程の不利益が生じる可能性もある。アイツは、汚い手で沢山の若手を潰してきた人間だからな。でもコチラだって考えてることはある。それまで我慢しなさい。」


キョーコは、ムスッとしつつも何とか説得されキリッとした顔付きに戻った。


「分かりました。でも私がぶちギレる可能性もありますので、その時はお願いしますね。」



中編① につづく。


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前月のお話と本日発売された、話を読んで妄想したお話になります。


どうやらスタッフにまで手を回して、役者以外の人間であるキョーコをつま弾きにしてる様子を見て、思い付いたお話です。

何でそこまでするんだか?何が目的なんでしょうね?


日本人全員、映画から追い出すつもり?そんなことしたら映画自体、作れなくなるのに?映画自体をぶち壊すつもりなのかな?


⚠️2024.1.24一部修正