キョーコと蓮(久遠)との結婚式シーンの撮影、どうなるんでしょうかね?途中であるトラブルが発生いたします。

⚠️「」は、日本語。『』は、英語になっております。

今回は、蓮sideからみたお話です。では、どーぞ!

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俺は、大聖堂前の道に馬車が来たのを確認して馬車の扉が開くのを待っていた。

キョーコちゃんは、市内にあるホテルでヘアメイクと着替えをして準備していると聞いている。

今回の撮影の為に馬車まで特注してそれを使って来るとも、彼女の代理マネージャーをしている松永さんから伝えられていた。


俺の専属美容師であるテンさんも、キョーコちゃんのメイクをすると言って意気揚々と行ってしまった。


新郎姿…と言うより、殆ど王子様スタイルの俺が大聖堂前の道路にやって来ると女性の黄色い声も聞いたけど、キョーコちゃんが降りてくるとその声も消えて感嘆の声に変わった。

一緒に、ドレスの裾を持って松永さんも降りてきた。


『うわぁ…キレイ。』

『ママーお嫁さんがいるよ。』

『本当ね、あの二人結婚するみたいね😃』

『何だか童話の世界みたい😳』

『王子様とお姫様がいるー。』


よく見ると、幼い子供を連れた母親らしき人達が多く皆微笑んで子供達と話していた。

俺は、その人達に向けて軽く手を振るとキョーコちゃんも手を振った。すると周囲から拍手が起きたのである。


『結婚おめでとう🎉』


撮影だと知らない人達から、祝福の声も来たけれどここはそれに答えてありがとうと言い俺達は、大聖堂前の撮影隊に合流した。


「あの人達、京子ちゃんが本物の花嫁さんだと思っちゃったみたいだけど、いいんですかね?」


「大丈夫じゃないかな?この後、街中でのパレードのシーンも撮るから説明すると思うよ。」


松永さんがちょっと心配してたけど、大丈夫だろう。その時はそう思っていた。まさかあんな事件が起きるとは、この時は思わなかったからだ。


「おお!漸く来たな、待ちくたびれだぞ。我が娘よ!」


王様スタイルの近江政彦さんがキョーコちゃんに近寄ってハグをしてきた。


「んきゃ😳💦近江さん、ビックリさせないでくださ~い。」


「いいじゃねーか、冴ちゃんからもう聞いてるんだろ?俺は、京子ちゃんの父親役2回目なんだぞ!久しぶりに父娘として演じられるのも嬉しくてさ。それに…俺以上に喜んでるやつらもいるし、やたらとハイテンションになってるから一応気を付けろ。」


近江さんが顔を別の方向に向けると、その方向から俺の両親が突進してきた。


「うおおお!キョーコの花嫁姿!」

「絵になるわ~2人とも!いっそのこと本当に結婚式挙げちゃいなさい✨😆!」


目をギラギラさせて興奮しまくってる俺の両親。周囲は、少しドン引きしている😅

しかしその背後から、ドス黒い空気を漂わせた女性が近寄っていた。


「あんたら……ええ加減にせんか!なんでそこまでして、うちの娘とあんたらの息子を結婚させようとしてんねん!!2人の意見ちゃんと聞かんかい!!」


フーッフーッとまるで野獣の如くな勢いで、俺の両親を認めてる冴菜さん。


「そ、それは~~だってなぁ久遠だってキョーコの事好きだし、キョーコだって久遠の事好きなんだろ?両思いなんだから結婚話し進めてもいいじゃねーか?ダメなん?」


「そうよ。私達は、2人の結婚認めてるのよ。キョーコは未成年だけど、双方の親の同意さえあれば結婚式挙げられるんだから後は、冴菜さん?貴女の了承さえあれば本当にここで結婚式挙げられるんだからね。ほら私なんか、久遠達が海外で結婚式挙げられるように必要書類まで用意してるのよ!」


そう言って、母はデカイ封筒を取り出して皆に見せてきた。


「いや無理や。今ここで結婚式を挙げるんには、結婚訪問ビザとソールズベリー市役所への届け出も必要。2人は、芸能関係の仕事用ビザしか持っとらんから正式な結婚式は、挙げられへん。嘘こいて丸め込んで結婚させようとは虚偽罪で訴えてもええのか?」


冷や汗をかいて封筒を破いた母。


「さ、流石現役エリート弁護士。抜け目ないわね…😅」

「やっぱりハッタリもダメか。」


未だに両親を般若顔でにらみ続ける冴菜さん。

その様子を皆、固唾を飲んで見ていたけど…新開監督の一言でその場は解散した。


「あんたらな…いい加減にしろよ。撮影の邪魔すんなら全員降板させるぞ!」


流石に、ぶちギレた監督の言動に皆言うことを聞いて撮影が始まった。


大聖堂での結婚式のシーンは、厳かに行われた。

欧米式の結婚式を少しアレンジしたゲーム世界の文化を取り入れた様式。

そして互いの永遠の誓いのシーンを終えた直後に事件が発生。


『おいまて!お前、勝手に入ってくるな!』

『きゃあ!銃持ってるわよ!』

『早く警察呼べ!!』


式場の廊下扉の方で騒ぎが起きていた。そして式場にある人物が現れた。

それは、セディだった…。


『セディ!?何でお前がここにいるんだ?』


目が虚ろになっている、何やらブツブツ言いながら俺達の方へと歩み寄っていた。右手には、銃まで持っている。

その間に、その場にいたスタッフやキャスト陣は、俺とキョーコちゃんと父さんを残し足早に逃げ去っていった。


『お前のせいで…お前のせいで!俺は、プリンスでいられなくなったんだ!』


そう言うと俺達に銃を向けてきた。咄嗟に俺は隣にいたキョーコちゃんを抱き上げて端に寄った。

すると、父さんがアイコンタクトを取ってきたのである。

隙をみて後ろから羽交い締めにしようとしてるのが直ぐに分かった。


「こ、コーン…あれって本物の銃?」

「分からない…モデルガンかもしれないし…。」


イギリスは、日本と同じく銃規制の厳しい国だ。ライセンスを取るにも難しいと聞いている。

よく見るとキョーコちゃんは震えていた。


「大丈夫だよ、俺が付いてるから。絶対に君を守る。」

コクンと無言で頷き俺の胸元で顔を隠してきた。


『へぇ…すっかり仲良しになっちゃって。俺のことなんてどうでも良いってことか?それとも本物の王族の血を引いてるからって、偽物プリンスの俺をバカにでもしてるのか!?』


パアーン!!


よく分からない事を口走って俺達に向かって銃を発泡。本物なのか!?でも玉は当たったようには見えなかった。でも当たったと思わしき装飾の部分からは煙が出ていた。

発泡する直前に、俺は彼女を抱えながら扉の方向へと左手の椅子側の壁際から走り出していた。


「久遠こっちや!早うこんかい!!」

悠人が手招きしている方向へと、走り振り向くと父さんがセディを羽交い締めにして床に伏せさせている。


『早く警察呼べ!!』

『今呼んでますから!Mr.クー!気をつけて!!』


「キョーコ!大丈夫か?久遠君、早うこっちに大聖堂から出るんや少しでも安全な所に避難せんと!!」


『皆もよ!早くここから逃げて!!』


冴菜さんと、母さんが先導してその場にいた全員が大聖堂から逃げ出していた。その場は騒然として外にいたスタッフや野次馬達にも気付かれ始めていた。


「クー…お父さん、大丈夫なの…😨?殺されちゃったりしないよね!?」

ガタガタ震えて涙ぐんでいるキョーコちゃんを俺は抱きしめて宥めた。


「大丈夫だよ、俺の父さんはヒーローなんだから。あんなことで殺される訳がない!」

「そうよ。私の夫は強いのよ!そこらのヒーローより強いんだからね!忘れた?アラシは、パワーレンジャーで随一の強さを持ってたのよ!」


母さんは、父さんが昔演じた戦隊ヒーローを例に出してキョーコちゃんを慰めてくれた。

すると、大聖堂の廊下から外に出てきた男性がいた…。

父さんかと思ったら、セディだった。


「そんな…父さんは?どうしたんだ😱?まさか…。」


セディの手には、銃ではなく鋭利なナイフが血まで付いている。

俺は思わず嫌な予感がしてしまった。

ニヤニヤと笑うセディの足がまたしても俺達の方に向いてきた。

そして走りながら、俺達に刃を向けると大きな影が現れたのである。セディもそれに気付き、上を見上げると…2頭のドラゴンがセディの真後ろにいつの間にか居たのである。


「パールディアとグランディス!?」

「教授が動かしてくれたのか?」


そのドラゴンを見上げてセディは、あんぐりしていた。


『な、なんだこれは…ただのハリボテだと…何で動いてるんだ😱?ほ、本物?』


ガタガタと震えだしたセディ。手に持ってたナイフも落とし、ドラゴンから目を離せず膝を付いてしまった。

そして…


ガウァァァ~~!!×2


2頭のドラゴンのけたたましい雄叫びと共にセディの目の前に顔を突きだし大きく口を開いたら、今度は…


ギャアアアアア~~!!


セディの大きな悲鳴が響き渡り失神してしまった。泡まで吹いており、よく見ると失禁までしている。


あまりにも大きな声に俺達は、耳を塞いでいたけれどそれでもかなりの轟音だったのは分かる。

こんな声まで出るように設計されてたのか、この2頭のドラゴンロボットは。


すると大聖堂の廊下から、父さんが走ってきていた。


「おーい皆無事か!?」

よく見ると、左腕の袖から血が流れていた。


「あなた!その怪我!」

「そんな大した怪我じゃねーさ、アイツポケットにナイフ隠し持ってたんだよ。羽交い締めにして一発殴ろうとひっくり返したら、ナイフで応戦してきてその隙に逃げられちまったんだ。すまん俺としたことが!」


ホッとした所に漸く警察のパトカーが到着。失神してしまったセディは、とりあえず市内の病院に搬送され父さんも応急処置をするために救急車で病院に。

俺達は、その場での事情聴取となり撮影は一時中断することに。

後日、また改めて撮影することになってしまったのである。


セディは、その日の夜に病院で目が覚めてそのまま現地警察に逮捕された。その事は、直ぐに世界中に知られることに。

世界中のマスメディアはプリンス・セディの逮捕に沸き立ちその後、アメリカに強制送還された。

アメリカでも様々な人からの告発があり、同業者への嫌がらせや妨害工作が次々と明るみになり沢山の訴訟が起き、後に裁判が開かれる事になるとは思わなかったろうな。


その日の夜、俺はキョーコちゃんとお母さんが泊まるホテルの部屋に来ていた。そこには、ロボットチームの統括技術者であるロンドン大学工学部教授のエリック・サン・テミリオン先生もいた。


『いやすまないね大変な事になってる中で時間取ってくれて。どうしても気になることがあって、2人に話したかったんだよ。』


『気になる事って何ですか?』


『実は、今日の事なんだけど…実は私は動くように指示してなかったんだよ。あの2頭のドラゴンロボットには、私の声紋がプログラミングされていてね、私の声で色んな命令や指示によって動くようにプログラムが組み込まれているんだ。』


『え?でも…今日、セディの側に来たとき教授も一緒に走ってきてましたよね?』


『ああ電源は入ってたけど、指示あるまで待機と命令してた。でも大聖堂での騒ぎが起きた頃に、急に動き始めたんだ。それであわてて止めようとしたんだけど、言うこと聞かなくてそうしたら…2人が襲われかけてる所に突進していって、逮捕された青年の真後ろに立ってまるで威嚇するかのような動作を取ったんだよ。しかも大口開けて雄叫びまで上げるなんて…そんな動作をプログラムに組んでいないんだ。確かに声を出せるようには作ってあるけどね。

なんかこの撮影に使いだした途端に、不思議な行動が起きるようになったんだ。それまでのテスト起動では、プログラム道理にしか動かなかったのに。AIの仕組も最新鋭のボトムアップ式を取り入れてはあるんだけど…一体ぜんたいどうなってるんだか?

特に、パールディアの方はキョーコの隣に直ぐ行きたがる。一応、性別は雌になってるがあくまでも設定としてだ。グランディスの方は、ある程度の指示は言うことはきくんだけとな。』


俺達は、その話しに食い入るように興味が出てしまった。特にキョーコちゃんは目をキラキラさせてとんでもない事を言ってきたんだ。


『それってもしかしたら、ロボットの身体に本物のドラゴンの魂が宿ったのかもしれませんよ✨😃!』


ズコッ!!俺達は、思わずその場にコケてしまった。

冴菜さんは、目を点にしてる。


『キョーコ…君って子は、メルヘン思考の持ち主なのかい😅?

それはないと思うんだが…でも不可解な点があるのも事実なんだよな。先ほどパールディアのAIプログラムの方もチェックしたんだが、いつの間にか君の声紋データが登録されてたんだ。

チームの誰かが勝手に登録したのかと思って聞いたら、誰も入れてないって。ほら撮影に入る前に、一応君たちの声紋データを録らせて貰っただろ?プログラムに組み込もうと思ってたけど、少し時間がかかるんでまだ入れてなかったんだよ。でもフォルダの中にはデータが入ってるからな。チームメンバーにしかパスワードは教えてない。一体誰が…』


皆、黙ってしまった。暫く沈黙が続きそうしたら冴菜さんが質問してきた。


『あの、そのボトムアップ式AIと言うのは普通のAIとは違うのですか?もしかしてインターネットとかにも接続出来たりします?昔読んだことのある海外のSF小説に、自我のある人工知能が出てくるお話があったんですけど…確かシンギュラリティをテーマにした小説だったと記憶しています。現実には、まだ起こり得ないお話ですが近い将来に人間に近い人工知能が誕生してもおかしくない。と人工知能を研究している科学者のインタビューもTVで見たことがあるのですが…。』


その話しに、エリック教授はハッと目を開き驚いていた。


『シンギュラリティ…自我…まさか…そんなはず。パールディア自身が考えて行動を起こしている?いや…しかし~~まだそこまで私のAIプログラムでは、量子コンピュータを使わない限り、いや待てよボトムアップ式には確か…いやいや違う。えっと~ああ、あの数式を使えば…ん?やっぱり違うな。うう~~ん💦』


『あ、あの…そんなに考えると頭痛くなりません?とりあえず今は、撮影には支障ないんですよね?』


俺は、エリック教授に聞くと…


『まぁ…一応、大丈夫なんだけど。明日も撮影あるしなぁ、2人とも街中でのシーンだから気を付けてくれよ。それとキョーコ?君の考えは、ちょっと違うと思うよ。ロマンある話だけど、あくまでもドラゴンや魔法は架空の存在だと私は思ってるからね。』


『そうですか…残念😖』


エリック教授から言われてキョーコちゃんは、少し落ち込んでしまった。


『でもその純粋な想いは忘れちゃいけないよ。君は、本当にピュアな心の持ち主なんだね。』


『はい…😳』


話が終わると教授は、自分の部屋に戻っていき暫く経つと冴菜さんがホテル内にある、バーに行くと言って部屋を出ていった。


部屋には俺とキョーコちゃんの二人きりになってしまった。


に続く。

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スッキリしました!本誌(原作)の方では、セディはまだ罰を受けていないので、こっちでは罰を受けて貰おうと書いた次第です。


本当に、私はスキビのキャラの中で一番嫌いな人物なんですよね。なんであんなに日本人が嫌いなんだか?

各国の芸能界の事情だって違うって理解出来ないんでしょうね?


漫画だからそー言う展開にしてるんでしょうけど、流石に日本人キャストや裏方のPAなんかを馬鹿にしすぎてませんかね?

ちゃんとハリウッドの常識を調べたり取材してるのかなぁ?


あと私の書くスキビ二次の世界観では、飯塚寛子さんや近江政彦さんなんかはキョーコから見ると縁のある人物として描いております。

もし今後の原作の展開で、似たような設定になっていてもそれは偶然です。予想や考察が当たったと言うわけですね。


さて今後の展開どうしようかな?