2話目は、キョーコsideから見たお話になります。

さて、どうなるんでしょ?

⚠️「」は、日本語。『』は、英語です。

当初予定していた、原作沿いのリアルテイスト話から路線変更してちょっとファンタジー要素の入ったお話に変えることに致しました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

私とマリアちゃんは、敦賀さんと社さんに連れられて事務所内ある医務室へとやって来た。たまたま今日は、事務所が契約してる病院からお医者さんと看護師さんが来ている日でもあったので、しっかりと治療をしてくれたのである。


左手首に、塗り薬を塗りながら先生が話してきた。あの男性俳優さんが私の左手首を思い切り握って来た時に、爪も食い込んで少しだけど出血もしていたから傷薬を塗ってくれたのである。


「よしっと。これで大丈夫ですよ、おそらく骨にも異常ないし軽い打ち身と同じ症状でしょうから少し痛みはあるけれど、ある程度したら治るでしょう。強く握られた痕も残りませんからね。相手の爪が食い込んだ裂傷もそんなに深くないし。でも一応、写真に撮っておいた方がいいですよ。後で、警察に届けたり弁護士に相談に乗って貰うなりするつもりなら、証拠が必要ですからね。なんだったら僕が、診断書書きますから。」


とても丁寧に対応してくれて、社さんが私の左手首の写真を撮った後、看護師さんがガーゼと包帯を巻いてる最中にマリアちゃんの頬っぺたもキチンと治療をして少し大きめのガーゼが頬っぺたに貼られた。

因みに、マリアちゃんの怪我も一応写真に撮ってある。


その後、先生と看護師さんにお礼を言って医務室を後にした。


「どうする?キョーコちゃん。社長は、ああ言ってたけど…あのグズ男に対して警察に被害届出す?それとも会社の顧問弁護士にお願いして示談にする?」


社さんに、今後の事を言われて迷ってしまった。

警察沙汰は、ちょっと怖い気もする。相手は日本人じゃないし、下手すれば国際問題にも発展してしまうかもしれないし、映画の撮影にも支障が出てしまう可能性もある。少し考えて…


「ちょっと…母に相談してみます。母は、弁護士してますから。母でなくても知り合いに何人か頼りになる最強の強面弁護士の先生もいますし。」


「強面って…もしかして、鰐顔弁護士の片桐憲一先生?不破の伯父さんでもあるって以前教えてくれたよね。」


「そうそう片桐先生って君の養父母さんの身内で、不破尚の伯父さんなんだっけ?」


2人は、少し笑いを堪えながら聞いてきた。そりゃそうよね、全然顔似てないんだもの。


「え?不破尚って、あの鰐憲先生の甥っ子さんですの?全く似てませんわ!はははっ可笑しい~~😂」


医務室を出て、人々が行き交う廊下での話だったので他の社員さんやタレントさんも聞いていたらしく、その日以降業界には2人が身内である事が知られてしまい、ショータローは影口を言われたり笑われる事が多くなっていたのを私はまだ、その時は知らなかった。


その後、警察沙汰となるとマスコミも騒ぎ立てる可能性が高いと言う、意見が周囲からも出て示談で話し合うことになった。

話し合いの場はLMEプロダクションで行われる事に。事務所の顧問弁護士先生がメインとなって話し合い、私の保護者として母と片桐先生が来てくれた。


社長は、どうしても外せない仕事があったために秘書のルトさんがマリアちゃんの保護者代わりとして列席。


相手のアメリカ人俳優のジャック・バート(名前勝手に考えました)さんには、日本とアメリカ(カリフォルニア州)の両方の弁護士資格を持つ国際弁護士が付いてくれたらしい。


『早速ですが、貴方は娘に対して一方的に言い寄り更に怪我まで負わせたと言うのは本当でしょうか?一緒にいた事務所の社長さんのお孫さんにまで怪我を負わせたそうですね。』


流暢な英語で、お母さんがいきなり話してきたのでビックリした。かなりネイティブな話し方だった。

お母さんって海外経験あるのかな?と思いつつ話し合いは続いた。

ジャックさんも、お母さんの流暢な英語に驚いたみたいだけど答えた。


『べ、別に言い寄ったってゆーか…一緒にいたガキ…いや女の子がセディに馴れ馴れしくしてきたから軽く注意しただけで、勝手に転んだんだよ。そうしたら、ソイツ…いや、娘さんが俺に怒って謝れって言ってきて、ちょっと腹立ったもんだから。

それで一緒にいたセディがおたくの娘さんの事を見て、俺に耳打ちしてきたんだ。どうも一目見て気に入ったらしくて、彼女をディナーに誘えって。それに応じるなら謝っても良いって言えって言われたんだよ!なのに、それを断ってそのガキ連れて逃げようとしたから止めただけだ!』


所々、言葉を言い直したりしてしどろもどろになりながら、その場にいたマリアちゃんを指差して興奮気味に説明してきた。

マリアちゃんは、指差され悪鬼な如くな顔をしてきたけど黙っている。

母は、キリッとした目付きでジャックさんを見つめており、その威圧感を感じていたんだろう。

一緒にいる片桐先生の強面ふりにも畏怖してる感じだった。


更に、2人の襟元に弁護士バッヂが着いてる事にも気づいた様子だった。


『げっ、両親とも弁護士かよ😱💦何だよこんなに寄ってたかって!しかし全然似てねーな、良かったじゃん美人な母親似で。』


ん?どうも片桐先生の事を私の父親だと勘違いしてるみたいね。

どうも失礼な人ね…本当に。

後に、彼は片桐先生が父親でないと聞かされてホッとしたと言うことを聞かされた。

でもその話は、スルーされて話し合いは続いた。

話し合いの結果、私とマリアちゃんに対しての治療費と慰謝料を払うことで決着。

まぁ、慰謝料と言ってもそんなに多くはなかったけれども。

海外に持ってこれるお金は、限られてるし。ほとんどがカード払いだ。後に、指定する口座に振り込みされることになった。


話し合いが終わり、相手側が出ていくのを確認すると私は事務所の顧問弁護士先生と母と片桐先生にお礼を言った。


「顧問弁護士の先生に、片桐先生ありがとうこざいました。それと…ありがとうお母さん。相談に乗ってくれて。」


深々と頭を下げると、お母さんが近くに寄ってきた。


「頭を上げなさい。私は、身内が厄介ごとに巻き込まれるのが嫌なだっただけよ。貴女も、社長のお孫さんの為に動いたのでしょう?それだけは賞賛すべきことです。でも、相手は自分より体格の良い外国人男性なのだから少し考えて動くべきでもありましたね。今後は、気を付けるようにしなさい。」


「はい…すみませんでした。」


「おい最上。そう言う話し方はないだろう。キョーコちゃん、勘違いしなくて大丈夫。コイツは、ツンデレな正確だからこう言う言い方しか出来ないだけだからね、本当は心配してたんだよ。」


「ちょっと片桐先生、余計な事言わんといてください!」

顔を赤らめてお母さんが慌てて言い返してる。しかも京都弁になっていた。


「ほれ、この通り。いい加減に素直になれや。」


何だか夫婦漫才のような掛け合いに、見えてしまい私は思わず笑ってしまった。ついでに一緒にいたマリアちゃんと顧問弁護士の先生も笑っていた。


その後、私と母に片桐先生と顧問弁護士先生も一緒にタレント部に出向き椹主任に話し合いが終わり決着がついたことを説明。

顧問弁護士先生とマリアちゃんとルトさんが席を外して、私の今後の芸能活動について話し合うことになった。


因みに、TVに出演する事も多い『鰐憲(わにけん)』の愛称で知られる片桐先生が母と共に私の保護者(父親)代わりと言う名目で事務所に来たもんだから変な噂が一時期流れてしまったと言うおまけ話がある😅


まぁ、察してくださいませ。そのせいでショータローとイトコ疑惑が生まれちゃったけど直ぐに誤解溶けたし。


「良かったよ何とか決着ついて、それで今後の芸能活動についてなんですけど…近くにCM撮影がありましてね。実は、海外での撮影になっているんです。そこでまた興行ビザの申請が必要に。今回は、イギリスでの撮影になりまして保護者の委任状と署名が必要なんです。必要書類は、こちらにありますので署名していただいて宜しいですか?そうすれば直ぐにでもビザが下りますので。」


お母さんがイギリスと言った瞬間少しギクッとした顔をしたけれど、署名をしてくれた。


「本来ならば審査に数ヶ月かかる種類の興行ビザなのに、いやに早く申請が直ぐに下りるんですね?」


「いやぁ、それが数ヶ月前から決まっていたかなり大がかりなCM撮影なんですよ。でも撮影場所の候補が中々決まらなかったんです。でもイギリスで撮ろうと言う計画は、進められていたので前もって向こうのロケーション会社やプロモーターとかコーディネーター等への依頼も行っておりました。

直ぐにでもイギリスに行けるようにと、興行ビザ申請の書類を英国大使館に出向いて貰って、初期的な書類申請を済ませていたんです。それをキョーコさんから預かっていました。

きちんとこちらのCMプロジェクト計画書を提出して、撮影候補地の検討と許可取りに難儀していることやCMのスボンサー契約をしている会社の広報と共に、大使館に出向いて説明して撮影地の許可が出たら直ぐにでも英国へ行って撮影がしたい事をお願いしていたんです。

キョーコさんがアメリカに行ってる間も事務所の顧問弁護士の先生が代理人となって説明に行ったこともあったんです。

何度もお願いしている内に、大使館側も分かって下さって申請を撮影地の許可が下りたら直ぐビザを取得出来るようにしてくれたんですよ。

それでキョーコさんは、未成年なので親御さんの署名が必要になりますので、お母さんに書いて頂いて貰った次第です。」


「え?あ、あの椹さんこのCMってそんなに大きな仕事なんですか?私は、ゲームソフトのCMだって聞いてますけど?確かに私がキャラクターの声も演じさせて貰ったってのもあって、CMもやってほしいって話になってきたお仕事ですよね?」


私がアメリカに行く前に、スポンサー契約した企業は国内外でも有数のゲーム制作会社だった。


今年の秋頃に、新しく売り出される予定のゲームのキャラクターボイス(CV)のオーディションがあって、椹さんに声だけの演技も勉強になるし、やってみたら?と勧められて去年の暮れに声優オーディションを周囲には隠れて受けていたのだ。


そして見事に合格して、ヒロイン役をゲットしてたんだよね。

しかもまさかのキャラクターソングまで唄ってるし。更にもう一つ劇中歌も作られて唄ってるし😳

その事を、作品が発表されるまで内緒にするように言われていた。


今年に入って、マネージャーになった社さんにはその事は話してあったので知っている。


「そんなに大掛かりなプロジェクトなんですか?娘が参加している、そのゲームとやらのCM撮影は。海外にまで渡って撮影するなんて、しかも撮影地の許可取りにかなり難儀していると話も…もしかしたらストーンヘンジなどの古代遺跡や世界遺産での撮影ではありませんか?」


お母さんが私の仕事に興味が出たらしく聞いてきた。

その話に椹さんが感嘆して話を続けた。


「よく分かりましたね。実はそうなんですよ、作品名はまだ言えないんですけど昔から人気のあるファンタジーRPG作品の最新作のヒロイン役のCVをゲットしたんですよ。しかもそのシリーズの生誕30周年記念作品プロジェクトの一環でもあるんです。

正にファンタジーの本場である、イギリスでの撮影が一番だと会議で決まりまして、ストーンヘンジや遺跡での撮影をしようと許可取りにかなり難儀したんですよ。いやぁ、時間かかりましたね。」


「ほぉ、スゴいなキョーコちゃん。そんな大きな仕事をしていたなんて小さい頃から知ってる私としては、鼻高々だよ。甥っ子のショータローは、また別で活躍してはいるがアイツは性格がなぁ😅」


苦笑いしながら、憎きアイツの事を話してたけど…椹さんも片桐先生が不破尚の伯父であることを噂で知ったらしく、私に幼馴染みであることを話してあったので確認してきて肯定したら大爆笑してたっけ。


隣にいるお母さんは、先ほどから何かうつ向いて何か考えていた。そしたら顔を上げて片桐先生に向かって言った。


「あの片桐先生、有給申請しても宜しいですか?少し長めの休みになってしまうのですが。」


「え?有給申請って何処か旅行にでも行くのか?」


「はい、娘に同行して一緒に英国に行きます。」


「え!?」


そこにいる全員が目を丸くした。


 に続く。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

いやはや色んな話書いてるのに、またやってしまいました。

まぁ、でも一応短くする予定です。

それにしても冴菜さん、どうしたんですかね?

何か理由があるのかな?どんな展開になってくのでしょう?

今後のお話に私のオリジナル設定も盛り込んで書いていく予定でもあります。


実は、今後のお話を考えて妄想していたら…何故かファンタジー&SFチックな展開になってしまったので、路線変更してちょいとファンタジー要素を取り入れてしまえ。と思いつき短編でもなくカテゴライズにして集中連載することにしました。


それとグズ男(笑)の名前が分からないので、勝手に名付けてしまいました。

今後のお話、お楽しみにー😃✌️