怒涛のごとく続くif storys。今回は、三人称で展開されます。

⚠️「」は、日本語。『』は、英語です。

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各々、ホテルや滞在してる家に戻った面子はヒズリ家で開かれる食事会に向けてドレスアップを始めていた。


キョーコは、曾祖父の家で奏江と共に着替えて一緒に付いてきたミス・ジュリーウッズが2人のメイクアップをしてくれていた。


「まさか私まで食事会に招待されるとはね。本当にいいの?親戚でもないのに。」


「奏江ちゃんにも参加して欲しくてな。連絡したらどうぞってキョーコの大親友なら大歓迎するって言ってたわ。タイラ君も招待されとったし。」


ふーんとあまり関心が無いような感じで返す奏江。


その一方で、蓮と村雨泰来は滞在してるホテルでスーツ姿に着替えて社マネージャーと共にエレベーターへと向かって歩いていた。

すると古賀弘宗が部屋から出てきて2人の元に来たのである。


「ふーん…本当に村雨君招待されたんだ。俺や他のキャストは無視ってこと?見る目無いね、君のお兄さん。どんなセレブな親戚か知らないけど、気に入られるといいね村雨君。」


ふんっと呆れるようなポーズをとって嫌みを言って、いってらっしゃい~~と送り出してきたのである。


「ごめんね古賀くん。今日の食事会は、あくまでも親族や縁のある人だけの集まりだから。村雨君は、兄と一緒に子供の頃に会ってるし全く知らない関係じゃないんで。」


ハイハイと言って、手を振って直ぐに部屋へと戻っていった。


「古賀くんって、何したいんだか良く分かんねーよな。招待されなかったの悔しかったんかな?」


「彼はただ単に蓮にライバル心を持ってるだけだよ。でも一方で構って欲しいん気持ちもあるんじゃないかな?だからああいう言い方してくるんだよ多分。」


「ツンデレかい(笑)」(村雨)

「めんどくさい性格してるよね彼は」(蓮)


3人して笑いながらエレベーターに乗ってホテルのロビーへと降りてきた。

ここで一旦、キョーコ達とも合流して一緒にヒズリ家に向かう予定である。


「おっ来たな!イケメン俳優コンビとイケメンマネージャー!」


蓮と同じ顔をしたスーツ姿の悠人が揶揄りながら寄ってきた。


日本人でも背が高く尚且つスーツ姿のイケメンが揃うとかなり目立つ。

4人は、ロビーにいる女性達の目を奪っていた。

特に、ユートと蓮の2人は同じ顔立ちをしているのもあって興味を惹かれていたのである。


4人がロビーで話していると、扉の方からドレスアップした日本人らしき女性が2人背の高い体躯の良い老人と共に現れた。

そのうちの1人は、最初若手の人気日系女優のカレンと雰囲気が良く似ており本人と勘違いされてしまい声をかけられて、一緒にいた2人が訂正していたのである。


カレンに間違われたのは、普段から実年齢より高く見られてる奏江であった。更にドレスアップしてメイクも大人っぽくなっている彼女は成人女性に間違われる程になっていた。因みに濃紺のAラインのロングワンピースドレスを着ており、同じ色のパンプスも履いていて髪も大人っぽいアップスタイルになっている。


そしてもう一人注目を浴びている美少女がいたのである。

一緒にいた、腰丈もある黒髪ストレートロングを靡かせているアジアンビューティかつ小さい顔、白い肌に、大きな淡い青い瞳を持つ不思議な魅力を持つ美少女だった。

白い肩出しの膝丈より少し長めのワンピースドレスに身を包み、同じく白いパンプスを履いていた。


2人ともドレスに合わせたミニバッグも手持ち、良く見るとお揃いのヘア飾りを着けている。


「ほえ~~2人とも…めっちゃ綺麗じゃん!奏江ちゃん大人っポイ、クールビューティ美人!京子ちゃんもお人形さんみたいな美少女!!」


村雨泰来が、惚けてしまい興奮している。


するとユートがいきなりキョーコの元に駆け寄ってきて……バグしてきたのである。


「んきゃあ!何?悠人お兄ちゃんの方😳💦?」


「キョーコ~~めっちゃ似合っとるで!兄ちゃん嬉しいわ、こんなに綺麗になってなぁ。やっぱり俺の目に狂いはなかったんやな~😂」


感動して少し涙目になってる悠人。近くにいた曾祖父のレイモンドはいきなり怒り始めた。


「ふんぬ!勝手に触るなユート!久しぶりに会ったと思ったらこんなにシスコンっぷり見せるとはな!全然顔見せへんし、連絡寄越さんし!一応お前さんもわしの曾孫やろうが!」


「はい?ちょっと待って、どう言うこと?悠人お兄ちゃん達って私のお祖父さんの親戚じゃなかったっけ?お祖母さんの父親である曾おじいちゃんとは血が繋がってないはずだけど?」


キョーコは、引き離してきた曾祖父の話しに思わずビックリ。


「あれ?言うてなかったか?わしの娘は3人おるやろ長女は、嫁に行ってもうたからな。その長女レーコの娘の毬菜(マリナ)は、ユートの親父さんとこに嫁いでる。つまりこの2人から見ると、父方の祖父同士が兄弟で母方の祖母同士が姉妹になるんよ。

お前さんらは世にも珍しい、Wハトコって状態や。血筋的にはイトコに近いかもしれんな。」


「はい?Wハトコで血筋的にはイトコ?」


オウム返しに聞くキョーコ。その話しには村雨泰来と奏江も驚いていた。


「そんな大事な事をずっーと黙っていたとはね…この子の血縁者なのに、そういう目で見てたとは😒」


奏江が蓮の方を向いてシラーっとした顔付きで、少しドスの効いた声付で言ってきたのだ。


「それは本当に反省してるよ。この後食事会が終わったら、ちゃんと理由も話すから。本当にごめんねキョーコちゃん。」


蓮は、キョーコに深くお辞儀して謝った。


「こんなところで謝らないで下さい恥ずかしいから😳💦でもその"キョーコちゃん"呼びって昔会ってたからなんですね。てっきり別人の事だと思ってました。なんだか安心しましたよ。改めて宜しくお願いしますね、悠希さん。悠人さんもお兄ちゃん呼びはもう年的にもどうかな?と思って。お二人とも名前で呼んでもいいですか?あ、勿論完全にプライベートの時だけしか呼びませんから。お仕事中は芸名で呼びますねいいですか?」


キョーコは、完全に蓮の事を悠希だと思い込んでいる。笑顔でお願いしてきた。


「おう、構わへんで。なぁユーキ!」

「う、うん…いいよ。俺も本名呼びで構わないよ。」


蓮は、少し困りつつもユートに話を合わせた。


後が怖いな……本当の事話したらどうなるんだろうか?と蓮は心の中で思っていた。

それと同時に、事あるごとにユートは蓮の事を弟のユーキとして扱ってることにも不思議がっていた。


「おう皆揃ってるようだな。さて今夜のパーティー会場へと行こうではないか!」


その声に皆が振り返った。そこにはド派手な金ぴかスーツに身を包んだ宝田社長が立っていたのである。

そして全員ホテルの外に出ると、豪華な長いリムジンが出迎えていた。


「相も変わらず派手ですね社長……😅」

「さあ!皆乗りたまえ!!」


「お前さん達の事務所の社長さん、面白いやんけ。わしの映画に出て貰いたいわ。」


「それはやめとけ!」


レイモンドのスカウトに、皆が口を揃えてハモった。


そして、皆がリムジンに乗り込みロス市内を走り出すとセレブ達の住む豪華な家が立ち並ぶエリアへと入っていったのである。


「オイオイオイ~~なんじゃあ、ありゃあ!トンでもねー家ばっかりの高級住宅街じゃねーかよ!どこもかしこもドンだけの広さあんだよ!ユーキ達の親戚って何の仕事してんだ!?どっかの企業の社長か?それとも会長!?レイモンド監督も知ってんすよね?どんな人なんですか?」


村雨泰来は、興奮しまくって。3人に聞きまくってきた。


「まぁまぁ落ち着かんか。着けば分かる君もよーく知ってる人物や。会ったら驚くで😏」


キョーコと奏江の2人も豪華な家が立ち並ぶ住宅街を、見て呆けていた。


「私の実家がドンだけみすぼらしいか改めて感じるわ…。」

「ショータローの実家の老舗旅館よりデカイ家ばかり…私の実家もそれなりに大きいけどアチコチ痛んでるし…。」


キョーコの実家も古くから建っている武家屋敷のために、ある程度は大きいのだがそれとは比べ物にならなかった。

実は、現在母親の冴菜と伯父の京介とレイモンドが金を出し合って実家をリフォームをしているらしい。

先日、キョーコは電話で日本にいる母親と話したのである。曾祖父と再会したのと映画に出演することが決定して、連絡した方がいいと思っての事だった。その時にリフォームの話を聞いたとのこと。

因みに、伯父の京介は現在カナダに住んでおり、幼いが子供もいてシングルファザーとなって子育てをしてるらしい。


「本当の従兄弟にも会ってみたいな。このお仕事が終わったらカナダに行ってみたいんだけど…曾おじいちゃんも一緒に行かない?」


リムジンの中で曾祖父に提案して話していると、ユートも参戦してきた。


「なら俺達も会いに行こうやないけ!なぁ、曾じいちゃんええやろ。」


「それもそうやな京介とも全く会っとらんからなぁ。いや、いっそのことアメリカに曾孫全員招待して集合といこうやないか!その内、玄孫もすぐに生まれそうな勢いやけど。なあユーキにキョーコ😁ガハハ!」


蓮とキョーコに目配せしてニヤリと笑ったレイモンドの言動に、社マネージャーと村雨泰来が驚いた。ついでに宝田社長もにやついていた。


「んななななな😳💦何ゆうとんねん!曾おじいちゃん!!」


キョーコは、顔真っ赤にして京都弁なりしどろもどろになってしまった。


「ちょい待てや!ユーキお前いつの間にキョーコとそんな仲になってたんか!?」


「あれぇ?敦賀くん~何となく気づいてはいたけど、本当に京子ちゃんとそー言う仲になってたん?シスコン通り越してんじゃん、グフフ😳」


「ちょっと村雨くん、からかわないでくれるかな?それと何で皆そんな含み笑いするんだよ…本当にもう😳💦」


蓮とキョーコは、2人して顔を真っ赤にしてうつ向いてしまった。

そんな恋話に花を咲かせていると、リムジンが漸くとある家の間に停まったのである。


暫くすると、多きな門が開きリムジンが入っていった。


「ここもスゲー家!まるで貴族の家じゃん。庭に広いプールや噴水まであるぞ、キャンプ出来そう(笑)」


村雨泰来が真っ正直に話しながら、皆がリムジンから降り始めた。すると宝田社長の秘書であるルトが豪華な玄関扉を開いて出てきた。


「皆様ようこそいらっしゃいました。当屋敷の主人がお待ちになっております、どうぞお入り下さい。」


完全に執事としての振るまいに、皆が感心していた。


「何か俺……場違いな気がしてきたんだけど😅本当にいいのかなここにいて?」


冷や汗かいて、良く見ると足元も少し震えているのにユートが気が付いて笑ってきたのである。


「大丈夫やって、そんなに気を遣うことないからな。家はこんなんだけど、意外と叔父さんも庶民的な人間やし。」


そう言われて食事会が用意されたダイニングルームへと一行が案内されて入ってきた。

するとそこには、キョーコの大叔母でありレイモンドの娘でもあるエーコ・ミドルトンと親戚でもある俳優の近江政彦が先に到着しており、小さな男の子達と誰かさんに良く似た後ろ姿の男性と楽しく話していた。


するとその男性が振り返ると、またしても蓮と良く似た容姿の人だと気付いて、皆が驚いた。


「じいさん!久しぶりだな。元気にしてたか?」


「お前さん京介か!?いつの間にカナダから来てたんや!」


「サプライズだよイトコに頼まれてさ、急遽息子達連れて朝方アメリカに着いたんだぜ。いやあ大変だった~~昨日の昼過ぎにいきなり電話掛かってきたんだからなぁ。こっちに来れませんか?ってな。旅費はこっちが持つからって。

それに今んとこ急ぎの仕事もないしな、じいさんやキョーコもいるってんでコイツらに曾祖父さんや従姉に会わせてやろうと思ってな連れてきてやったんだよ。ホレ、翔(カケル)、櫂(カイ)に響(ヒビキ)、お前らのイトコのねーちゃんと曾祖父ちゃんだぞ。挨拶しろ。」


すると3人の男の子達が、レイモンドとキョーコの前に歩んできた。


「初めましてキョーコお姉さん、曾お祖父様。長男のカケルです12歳です。それでこっちが次男のカイで6歳、そしてこの1番ちいさいのが三男のヒビキ3歳です。宜しくお願いします。」


笑顔でかなり礼儀正しく挨拶をしてきた、長男のカケルと次男のカイ。カケルは、背丈はキョーコと差して変わらなかった。そして2人共キョーコに握手を求めてきた。

三男のヒビキは、キョーコの顔をジーッと見つめて動かないし喋りもしなかった。まるで驚いてるかの様な顔をしていたのである。


「こちらこそ初めまして最上キョーコです17歳になります。宜しくお願いしますね。」


握手をしてキョーコも笑顔で返していると、社マネージャーが眼鏡をキラーんとさせて食い付いてきた。


「むむむ!これは…将来かなりのイケメンになると見た。蓮とも似てるし将来有望かも?社長!どうですかキョーコちゃんの従兄弟達スカウトしませんか!?」


「お前な……こんなところで何考えてんだ😓。いやでも確かにイケてるな、フム…考えとくか。」


2人してキョーコの従兄弟達をスカウトしようと話していると、三男のヒビキが蓮とユートの所に走り寄ってきた。


「パパがいっぱいいる~おじちゃん達だれ?えへへへ😄」


満面の笑みで、2人をおじちゃん呼ばわりしたので2人は思わずズッコケてしまった。


「おじちゃんって……俺まだ21歳なんだけど😅」

「俺だって、23歳や!おいこらチビッ子~~ハトコの兄ちゃん達に向かっておじちゃんはないやろ!せめて兄ちゃんって呼ばんかい~~。」


「ヒビキから見ると立派なおじちゃんや。何歳離れると思っとんやお前さん達。下手すると親子やぞ。」


レイモンドが笑ってからかってると、今度はキョーコの元にヒビキがゆっくりと近づき手を差しのべてきて眼には涙を浮かべていた。

キョーコは、慌てて腰を落としてヒビキに目線を合わせるとトンでもない発言をしてきたのである。


「どうしたの?ヒビキくん?」

「ママ……天国からかえってきてくれたんだダッコして。」


「へ?ママって……わ、私が~~!?」


キョーコが狼狽えてると、伯父の京介が慌てて訂正してきた。


「だーっ💦違う違うヒビキ良く見ろ~~確かにユリカに良く似てるけどかなり若いだろが!さっきも教えたろ、キョーコはママじゃないイトコのねーちゃん!ほれもう一度、顔を良く見なさい!眼の色だって違うだろうが😅」


京介は、ヒビキの顔をキョーコの顔にギリギリにまで近づけて、眼を真ん丸にしてジーッと見つめるヒビキ。


「ホントだママのめの色とちがう。ママの色じゃない、もっと青かった。ママじゃないの?ちがうの?イトコってなに?ねーちゃん?にいにたちと何がちがうの?」


ヒビキは、とうとう泣き出してしまいその場にいた全員が困ってしまった。


「えっと……あのね私は、ヒビキくんのパパの妹さんの子供になるの。そう言う女の人をね"イトコのお姉ちゃん"って言うのよ。ヒビキくんは、お兄ちゃん達の事を"にいに"って呼んでるでしょ?だから私の事"ねえね"って呼んでもいいのよ。だから大丈夫泣かなくていいのよ。これから宜しくねヒビキくん😄」


よしよしと頭を撫でながら優しく笑顔で、ヒビキに関係性を分かりやすく教えたキョーコ。


「京介お前さんは、マザコンか?十数年前に漸く結婚するって言って寄越した手紙の中に奥さんの写真入れとったけど…娘のヨーコに良く顔が似とったもんなぁ~(笑)キョーコは、隔世遺伝で祖母であるヨーコに良く似とるからなぁ。

どっちも違うのは瞳と髪の色だけやし、やっぱり男は基本マザコンか。特に日本人はその傾向が高いらしいからな。」


「うっせいわ、じいさんだってイギリス人のばあさんと結婚する時に最終的に顔で決めたって聞いてるぞ!じいさんから見るとイギリス人の母ちゃん(キョーコから見ると高祖母のことである)に似てるらしいじゃねーか。あん?どうなんだよ。」


「それはたまたまじゃい!そもそも妻のジェシカとは、母方のかーなり離れた遠縁筋でもあったし、その母の紹介で同じ趣味持っとうて意気投合したんじゃい!遠縁なら何となく似ててもおかしくないやろうが!」


2人が口喧嘩をおっ始めてしまいキョーコは慌ててヒビキを抱き変えてその場を離れた。


「ああもう、あの二人はまた喧嘩おっ始めよって。」

「ほっとけよエーコ叔母さん、暫くすれば落ち着くだろうよ。」


エーコ・ミドルトンと近江雅彦が白けながら話していると、ハリセンを手にした人物が颯爽と走ってきて2人に振り落とした。

バッシーンと良い音を立てると仁王立ちで言い放ってきた。


「いい加減にしろお前ら!俺んちで喧嘩すんなよ!!」


そうそこにいたのは、日本が誇るハリウッドスター…クー・ヒズリだった。

その後ろには、金髪碧眼の男女2人も揃って颯爽と歩いて来たのである。

男性の方は、キョーコが見知った人物だった。


「コーン……?」


キョーコは思わず口に出していた。そして蓮は、眼を見開いてまるで幽霊を見るかのように青くなっていた。


→9へと続きます。

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やっと、登場しましたね。ハリセンを手にしての登場クーパパさん(笑)

それと並んで姿を現した奥様のジュリエナさんと息子の久遠くん?


いやしかし本人の久遠(蓮)は、ユーキとして扱われてる。

それがヒントです(笑)


それとレイモンドさんの奥さんジェシカさんは、国籍はイギリスで英国人になります。このストーリー内での職業は、作曲家(音楽家)兼小説家(作家)にしました。お貴族様(伯爵家)のお家柄でもあります。


更にレイモンドさんのお母様(キョーコから見ると高祖母)は、私が考えたオリジナル設定のエスティリア王国と言う架空の国(イギリス諸島から西側にある大小7つの島々からなる海洋国家)の出身である母親(元王女様)と英国人の父親(英国侯爵)の間に産まれた人物です。

元王女様の名前は、エステレイシア(通称エステル)。キョーコの来祖母です。

つまりレイモンドさんは、当時の国王陛下の孫。現王家とも遠戚で繋がっております。因みに、現国王は又従兄弟。


キョーコから見ると、母方(祖母方)のご先祖様は完全に西洋人。尚且つ、一国の王族の血を引いております。

他のストーリーの設定を幾つか引っ張ってきており、ごちゃ混ぜ状態なif storysシリーズ(笑)


原作では絶対にあり得ねー設定で好き勝手に書いちゃっておりまする( ̄▽ ̄;)














































さーて続いてのお話は、どうなるのかな?思いもかけない人物が登場します!

⚠️「」は、日本語。『』は英語です。続いてのお話も蓮sideから見たお話です。

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次の日の撮影は、アクションシーンがメインとなって行われて皆満身創痍で演じていた。

流石に、アクションシーンでの嫌がらせはなかった。下手すればアメリカ人キャストだって大怪我する可能性があるからな。


「ふわぁ~~疲れた😖💦早くシャワー浴びて~!」

「ホントにあちこちアザだらけだよ。」

「ったくアイツらも手加減ねえよな。」


古賀くんや村雨くんに力也さん達が愚痴を言いながら、撮影所を出てサーカス(トレーラー広場)に向かっていると驚くべく人が現れた。


「おーい蓮!おひさ~~元気にしてたか!?」


両手をブンブンと振り上げ歩いてくる、大声で俺を呼ぶ人物。顔付きが俺と全く同じ……身長体型も殆ど一緒で、声も瓜二つな男性……その人を見て俺は驚いてしまった。


「ゆ、ゆゆゆゆ悠人さん!?なんで貴方がここにいるんですか!?」


俺が思わずどもってしまい声をかけて、駆け付けると回りにいた日本人キャスト&スタッフ達も驚いていた。

そうここにいるのは、俺の父方の2歳年上の従兄弟である伯父の息子の悠人(ユート)さんだった。


確か彼は、俺が日本で俳優活動をするので似た顔立ちであるのを理由に俺の素性がバレないように、母方の親戚がいるイギリスに留学したはずだった。

そのまま現地の大学にも入学して、就職もイギリスでしたと聞いてたんだけど…。


「大学は卒業してるし、日本じゃ学校夏休み中だしな。仕事もやってるけど在宅でのフリーランスの仕事してるんで何処でも出来んだよ。んなもんで久しぶりにお前の顔見たくてさ、ロンドンから飛んできちゃいました。」


ニカッと笑って俺の事も『蓮』呼びで説明してきた。


「安心しろお前の本名や素性は、何とか誤魔化すし。叔父さんにも朝家に行ったら説明受けてさ、今夜他の親戚呼ぶんだって?

俺も関係者だからな協力してやるよ。まぁ俺も久しぶりにキョーコに会いたいってのもあるし。

俺もキョーコには、どうしても直々に謝らなきゃいけないことあってさ。一緒に謝罪しようぜ。」


耳打ちしての話しもしてきて、気になる事を言ってきた。

ユートもキョーコちゃんに謝らなきゃいけないことがある?

と言うか…ユートさんもキョーコちゃんに会っている?


「それとあの松ぼっくりのクソ坊主もいるんだって?こりゃあ楽しみだな(* ̄ー ̄)」


ニヤニヤと、不破の事?まで話してきた。アイツの事も知ってるのか!?


俺達がこそこそ話してると、村雨くん達が聞いてきた。


「ちょちょちょちょい💦!おーい敦賀くん?その人誰?そっくりじゃねーかよ双子だったんか!?」


俺が説明しようとしたら……


「どもども弟がお世話になってまーす。蓮の2歳年上の兄貴の悠人(ユート)って言います。普段は、イギリスのロンドンに住んでるんだけどサマーバカンス利用してアメリカにやって来ました。

親戚がロス市内に住んでるんで今はそこに厄介になっててさ、今夜は親戚同士集まって食事会しようって事で誘いに来た次第です。ヨロシク!!」


いつの間にか、従兄弟から兄弟設定にされてしまった俺。実際にもう一人悠人さんには俺と同い年の弟がいるんだけど……因みにそっちの名前は、悠希(ユーキ)と言う。

彼もイギリスに留学してる筈だけど?一緒に来たのか?



「敦賀くんのお兄さん?スンゲーそっくりじゃんか。」(力也)

「ビックリしたよ、こんなにそっくりな兄弟がいたんだな。」(古賀君)

「あれ……?悠人…………んん?どっかで聞いたような?何だかどっかで会ったことあるような雰囲気な気もするよーな…」(村雨君)



皆ビックリしつつも話しが湧き、人だかりが出来てしまっていた。村雨くんだけは、何だか顔を傾げて何かを思い出すかのような仕草をしていた。

その中で、サーカスにやって来た琴南さんとキョーコちゃんにレイモンド監督の3人。


3人も俺と同じ顔をしたユートさんを見て驚きを隠せなかった。


「な、何あの人…敦賀さんにそっくりじゃない。」(奏江)


「あ、アイツは……なんで二人…いるんや?えっと…どっちだ?蓮くんは弟の方だったんかいな?」(レイモンド)


「ウソ……敦賀さんと殆ど声も一緒。顔立ちだけでなく寸分互いもない程に身長も体型も同じ!まるでクローンよ!あの神の寵児の如くのような顔立ちに体型の持ち主がもう一人この世にいたなんて✨👀✨!!」(キョーコ)


ドゲシャッ!!


その言葉に、その場にいた全員がズッコケたのは言うまでもない。関西圏出身者が意外にも多かったのもあるか😅?


ユートさんも前のめりにズッコケてしまい、そのままキョーコちゃんのところに俺を連れて走り出した。



「おいこら~キョーコ、何言っとんねん!そっくりなのは当たり前やろが。ハトコの兄ちゃん達忘れるなんてうちら泣くで!!昔会っとるやろうが~滋賀の琵琶湖の畔にある田舎町で!親戚のばあちゃん家で夏休みの間だけ世話になって、他の親戚の子供達や近所の子も一緒んなって過ごしたやんけ!あん時の親戚のハトコ兄弟は俺達、悠人と悠希や!もう一人別のハトコの龍夜兄ちゃんもいたやろが!忘れたんかい!!」


思わず俺の顔を指差して、京都弁で捲し立てて過去話しをし始めたけど…いやそれ俺じゃないし…あれ?俺弟のユーキにされてないか?


キョーコちゃんは、ユートさんの話しにボケ~~っとしてしまい暫くすると思い出したのか俺達の顔に手を伸ばしてきて……


「え……?悠人お兄ちゃんと悠希お兄ちゃん……なの?」

「えっと…その………😅」


そして俺が何かを言いかけた瞬間……



「ああ~~思い出した~~!!」


村雨君が大声を出して皆をビックリさせた。すると俺達の前にずんずんと歩いて来て……指差した!


「何かずっとおかしいと思ってたんだ!キョーコちゃんだけでなく敦賀くんとも始めて会った気がしなかったのはそれが原因か!ってゆーかUSJ以外でもキョーコちゃんと会ってんじゃん俺って!」


その内容から、今度はユートさんがビックリした。


「あれ?もしかしてお前さん滋賀のばあちゃん家の隣の家にいたタイラか?俺の事覚えとるんか?」


「ああ、今やっと思い出したよ。んだよ~敦賀くんってあん時のユーキだったんかよ。何で黙ってたん!?話してくれれば良かったのに今度、昔話に花咲かせようぜ!酒のつまみにでもしながらさ😉ダハハハ!俺達って幼馴染みだったんだな!敦賀蓮って芸名だったんかい!」


背中を突っ込みながらバンバン叩いてきて、かなりフレンドリーに接してくる村雨くん。


「いやぁそのう……タイミングを逃してて中々言い出せなくてね。ごめん今度改めて理由話すよ。」


「ついでたからタイラも食事会に参加させたるわ。今夜来るか?叔父さんの事だから料理沢山用意してあるやろうし。」


「え?俺もいいんすか?」


ユートさんが突拍子もないことを提案してきた。


「ちょっとユー…兄さん、流石に村雨君まで招待するわけには…😓」


「いやここは別の協力者も必要かもしれへんで。タイラやったら約束守ってくれそうやし。俺の人をみる目は間違いない!アイツは義理人情に熱い人間と見た。」


また耳打ちしてきたユートさん。ちらりとキョーコちゃんの方を見るとまだ呆けていた。

するとユートさんは、彼女に持っていた紙袋を差し出した。良く見ると、若い女性に最近人気のあるブランドの物であることに気づいた。


「え……これ何?」


「今夜の食事会用に用意した、キョーコのドレスセットや。叔母さんが渡してくれって。これ着て参加して欲しいんやって。」


「ええ!こんな高そうなハイブランドの物なんて受け取れません!」


キョーコちゃんは慌てて返そうとしてきたけれど……


「ええんよ、今日はどちらかと言うとキョーコがメインゲストやからな。叔父さんと叔母さんもキョーコに会いたいって言ってるんや。受け取ってくれへんと俺が困るわ。」


「そこまで言うんなら受け取ります。食事会は何時からですか?」


「ちょっと遅めやけど8時頃を予定してる。それまでの間にドレスアップしてくれるか?ホテルで待っとるわ。叔父さん家まで俺が送ったる。ユーキお前もスーツぐらい持ってきてるやろ、タイラはえっと…。」


「一応、持ってきてるんで大丈夫っすよ。呉前Pにこっちのスポンサー企業の主催するパーティーに招待される予定があるからって持ってくるように言われてたから。にしても食事会でドレスコードある家って凄いな。ユーキ達の親戚ってどんな人なんだ?」


俺は、冷や汗をかきながらも平静さを取り戻して話した。いつの間にかユーキ呼ばわりされてるし😅


「会うまでの内緒。村雨君がビックリする人物かもね。」


俺達は、そんな話をしながら一旦トレーラーハウスに入り着替えて直ぐホテルへと向かった。

後で知ったことだけどサーカスでの一騒動(?)は、アメリカ人キャスト達も遠巻きに見ていたらしく日本語が分かるスタッフが通訳して内容を知ったらしい。


その事で、後にセディがある行動を取り大騒動を起こすキッカケになるとは、誰もがこの時は予測出来なかった。


7へと続く。


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アハハハ~また、出しちゃいました。悠人(ユート)くん。私が勝手に考えたオリジナルキャラたけど、お気に入りキャラなのよね。

それと村雨君との子供時代のお話も、君ハピから引っ張ってきてこちらにも組ませました。

過去話しや兄弟設定は他の話しと少し変えてあります。もう一人、蓮(久遠)と同い年の従兄弟を誕生させました。


なので村雨君は、ショータローとも子供時代に会ってます。

次いでに中学生の時に、キョーコとUSJでも会っています。

キョーコは、小学校の遠足で来ていて村雨君は中学校の遠足で来ていて、村雨君が小学生のグループとふつかってしまい持っていたコーラとポップコーンをその中にいたキョーコの頭にぶちまけてしまったという経緯があるんです。

その事が撮影序盤時に判明して、2人は大喧嘩する展開があります。

良く似たお話で『イメチェン☆パニック』と言う話があるんですけどそれと同様の事がこちらでも起きております(笑)


滋賀県に住む、親戚のお姉さんは欧米を拠点にモデル活動してるのも同じ。その人も出す予定です。


『イメチェン☆パニック』同様、キョーコは撮影序盤に奏江のPAをする際にピンクつなぎを着るのをやめて、髪型も変えて(こっちはショートのままナツヘアーになってます。)カジュアルワークな私服にしてイメチェンしております。


⚠️2024.6.10 

一部ストーリー構成を修正









さてさて久しぶりの更新となります。

⚠️「」は、日本語。『』は、英語となります。〔〕は、電話越しになっております。

今回は、蓮sideから見たお話です。殆ど蓮の独話になっちゃってますけど、お付き合い下さいませ。

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映画の撮影を終えて社さんや他の日本人キャストとロビーに向かって歩いていると、不破に向かって日本語(京都弁)で捲し立てるレイモンド監督の姿を発見して皆で呆けてしまっていた。


その内容から、もしかしたらキョーコちゃんのお祖父さんって俺のお祖父さんの弟?と思ってしまったんだ。

幼い頃に父に聞いたことがある。何で俳優になったのかと。

それは叔父さんが殺陣師と俳優をやっていて、幼い頃によく父と叔父に京都市内にある撮影所に連れてってもらってたと。


それで仕事を見ているうちに叔父さんの仕事に憧れるようになって、俳優の道を選んだって。

実は祖父も芸能関係の仕事をしていて京都の太秦撮影所に出入りをしている関係もあったらしい。


「ああ、すまんなぁキョーコ。今夜、日本の朝方になるけど冴菜に電話するわ。そこでちゃんと許可取るから。それまで待っててくれるか?それと明日の夜に、同じロス市内に住んでる秋人の親族呼び寄せるわ。そこで一緒に説明させるから。」


その話を聞いた直後、レイモンド監督と目があった。

思わずビクッとした行為を見て少し首を掲げたが、俺は静観な顔つきに戻り軽く頷くと、何と無く意味が分かったのか向こうも軽く頷いた。


そしてトレーラーに戻って着替え終わりソファーで暫く水を飲みながら寛いでると、俺のスマホが鳴った。

想定通りの人物から電話がかかってきた。


〔もしもし…父さん?ご無沙汰ですね、んで?いつ話し合いするんですか?彼女に素性話せと?ハトコ同士だとぶっきらぼうに話せと言うんですか?〕


少し怒り口調で話し出すと、電話口で焦ってるのが直ぐに分かった。因みに万が一の為にアメリカ人キャストやスタッフの誰かに気づかれないように日本語で小声で話している。


〔あ、ありゃ…気づいちまったのか😅まぁ確かにレイモンド監督、パニクって要らんこと沢山話しちまったみたいだからな。さっき電話掛かってきたんだ。

お察しの通りで、俺の親父…つまりお前の祖父さんとキョーコの祖父さんは兄弟。母親の冴菜さんはイトコの姉さんで、キョーコは、俺の叔父の孫になるんだ。女優兼歌手だったキョーコのお祖母さんと幼馴染みでもあって後に恋人になってな、結婚する時に最上家に婿養子になったんだよ。

あっちの家は、女の子しかいなかったから家を継ぐためにそうしたんだ。親父には、兄弟沢山いるからな。〕


〔やっぱりそうだったんですね。しかも不破のお祖父さんから彼女のお祖母さんがストーカーに合ってたとも。〕


〔んなことも話したんかあの爺さんは😅んまぁ兎も角、取り敢えずキチンとキョーコには話さなきゃいけねーしな。何とかして家に帰ってこれるか?カツラでもいいから本来の姿に戻って明日の夜、実家に来いや。ボスにも伝えてあるし、セディにバレたくないならボディーガード頼むから。〕


〔そんなことしなくても大丈夫です。一応念のため今の姿で行くくんで。社長も一緒なら、後でクー・ヒズリの家に行ったことがバレても事務所の大先輩の家に招待されたとでも言えば言い訳に出来ますからね。〕


そういって納得させて通話を終わらせた。

その後暫く項垂れてしまい、ボケーっとしていると社さんがトレーラー内に入ってきた。


「おーい蓮。どうしたんだよ着替えたんならホテル戻るぞ。何かあったんか?」


「社さん……ホテルに戻ったら話があります。聞いてくれますか?」

「うん?いいけど?」


そして俺はホテルに戻ると、自分の素性からどうして日本にやって来たか、両親の話からセディとの確執にキョーコちゃんとの関係性や幼い頃に互いに親族とも知らずに出逢っていた事も全て話した。


「その話し……本当か?はい?キョーコちゃんとハトコ同士っておいおいまじかよ!お前、血の繋がったハトコ好きになったんかい!」


「そんなに変なことですか?ハトコ好きになるって…😓だって日本だと法的にも結婚許される続柄の筈だし、中には殆ど会ったことも無い人も多いらしいし。偶然出逢って結婚にまで至った人も少なからずいるって聞いたことありますよ。」


「まぁ…確かにハトコだと冠婚葬祭や法事なんかの親戚の集まりくらいしか会わないもんな。俺もイトコまでしか会ってない、ハトコ知らんわ。結構な田舎なんかで、親族が集まって住んでる所だと幼馴染みがイトコやハトコ同士って場合多いけどな。」


苦笑いして社さんと話していると、社長からも電話が掛かってきた。話し終えるとやはり父さんと同様の話をしてきたので、明日実家へと戻る決心をした。


「ご両親と会うんだろ?それとキョーコちゃんとレイモンド監督招待するんなら俺も行っていいか?俺は2人のマネージャーとしてちゃんと立ち会いたい。それと今、撮影所で起きてる日本人キャストに向けた色んな嫌がらせについても話し合いたいんだ。可能なら、お前の母方のお祖父さんであるエルトラさんも呼び寄せられないかな?明らかに裏で操ってるのセディとしか思えないからな。」


確かに、現在映画『ROUTE』の撮影現場では様々な問題が起きている。些細な事ばかりだけど、日本人キャストとスタッフに向けての嫌がらせが多い。


日本人キャスト全員(俺以外)、水をスタッフからかけられたのをキッカケに、各マネージャーに対しても嫌みを言ったり、スタッフに命令してサイズ違いの衣装を用意させられたり汚されたり、小道具に傷をつけられたり、私物を隠したりドッキリと言ってイタズラを起こしたりと。


それが原因で度々撮影自体がストップすることもあり流石に呉前Pも注意してきたけれど、特に若手のアメリカ人キャストのビル・ネルソンの言動に言及するも反省なんか殆ど無かった。

琴南さんのPAをしているキョーコちゃんに対しての嫌がらせもあったし。


セディは、最初の頃ピンクつなぎを着た姿を見て粗か様に無視していたのにイメチェンして大人美人になった彼女を見て180度態度を変えてきたのにも腹が立ったな。


更に言えば、レイモンド監督とミドルトンEPに別の映画にスカウトされて出演が決まると日本人キャストの多い作品である『STAR SEED』の事もバカにしてきたのと同時に、彼女がレイモンド監督の曾孫であることを知るとコネでスカウトされたと揶揄してきた。


誰が言う口なんだろうか、アイツだって祖父や両親の威光を使ってるのに日本語で言うとあれ程の七光りはいない。


俺に向かって両親のネームバリューを使ってるって言っていた本人が、同様の事をしているのに……歌手活動だってそうだ。

本当に自分で作詞作曲しているのか疑問視している。アイツは、飽きやすい性格だ。


モデル活動も直ぐに辞めた。役者活動がメインの筈なのに、いきなり歌手活動と動画配信まで始めたけど…今回はいつまで続くかな?


実はまだ、水面下の噂でしかないけれど、セディはゴーストライターを使ってるとか他のミュージシャンから曲や詞を盗作していると言う噂が流れているらしい。


しかもまだデビューして間もない新人歌手や、海外からレコーディングに来た外国人ミュージシャンに良く近づいていると言う話しも聞く。

自分の音楽スタッフをスパイダー(スパイ)として潜り込ませて売れそうな新曲を選んで先に自分の動画チャンネルで配信すると言う悪どい手口で自分の曲として発表していると言う話だ。本当かどうかは不明だが。


その理由として、セディの出す曲はロックからポップスにダンス曲にバラード・テクノ・ジャズ・カントリーと多岐に渡ってるからだ。そんなに才能あるミュージシャンは、欧米でも少ない。


しかも短期間でそんな多岐に渡る幾つもの曲を自分で作りリリース・配信している。役者活動もして歌手活動してるのにそんな暇があるのだろうか?と疑問視している業界の人間が多いらしい。


不破が現在アメリカに来てるのは、将来的に世界進出を目指しているらしく、アメリカの音楽プロモーターやプロデューサーに会いに来てるのとプロモーションを兼ねてのライブ活動やレコーディング・PV撮影をするためらしい。


社さんがキョーコちゃんの事を気にして、不破が同じロス市内にいる事を知って(偶然にも同じホテルに滞在していたのもある)、もしかしたらちょっかいかけてくるんじゃないかと思って調べてくれた。

実はそれもあって、琴南さんは彼女にイメチェンを勧めてきたんだとか。


そこで社さんがセディが接触してきた事も知ったらしく、その噂も流れてきたらしい。どうも不破もセディに狙われてるのでは?と。

そこで一応、キョーコちゃんにもその話しをしたらしく、ビックリしたことに不破に先日会ってその事を伝えたらしい。

その事を俺にも話してきた。


↓からその回想シーンです。


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「何でアイツに話したんだ!君はアイツの事嫌いなんだろ!?そのままにしとけばセディの餌食にあって立ち直れなくなる可能性だってあるんだし、それこそ本望じゃないのか!?」


俺は、撮影を終えてホテルに戻って彼女を呼び出して、その話しを聞いて思わず粗下てしまった。


「おいおい蓮落ち着けよ。キョーコちゃんにも何か理由があっての事なんだから。そうだよね?キョーコちゃん?」


一緒に話を聞いてた社さんが俺を宥めてきた。


ソファーに座って顔を下に項垂れて話を再度始めたキョーコちゃん。


「それは…確かにショータローの餌食になる姿を想像したら、ざまあみろって感じになりましたよ。でも……そんなんでへこたれるんだったら、アイツにはミュージシャンとしての覚悟が無かった証拠になるし、私はそんなアイツを認めたくないから。

私に対しても、役者活動に満身創痍で挑まないで、恋に現抜かすくらいなら地元に戻って実家の旅館で一生中居してろって約束したんだし。

私が敦賀さんとインタビュー受けてるワイドショー見て何か勘違いしてきたんです!

その約束させたアイツが曲を盗まれたくらいで落ち込む姿を見たくないんですよ。ビーグルからも同じ目に会ったときのようにやり返して意地でも芸能界に残ってくれないと私の存在価値がないんです。曲がり仮にも不本意ではありますけれど、私の芸能界入りを作った人間でもありますからね。

その責任とってもらわないと!アイツは、私のライバルでもあるんです!だから敢えて話しました。プリンスに曲盗まれても、それ以上の曲を作って逆にへこたましたれ!ってね。それでへこたれるようならあんたこそ実家に帰って旅館継げや!って約束させましたよ。」


最後には般若のごとくな顔をして話してきた。ふーっふーっと息も荒立てていた。


「そんなことアイツと約束って……事務所だって違うのに、仕事にイチャモンつけて、キョーコちゃんの事捨てた奴が言う資格ないだろ!」


「恋に現抜かす?それとこれとは関係ないじゃないか。また変な口車に乗せられて変な約束までするなんて……😓」


社さんまでもが怒り出して呆れてしまった。


「私は今、役者としての仕事を続けたいって想いがあります。キッカケは不純だったけれど芸能界に入らなかったらこんな想い生まれなかっただろうし…曾祖父との再会や今回の映画出演もなかったかもしれない。そう言った経緯を考えると、ショータローには感謝しなければなりません。だから不本意ではあったけれど、仮を返すつもりで話しました。

アイツには、プリンスセディ……いやコネコネの超絶七光りワガママ盗人偽物王子様に負けないくらいの曲を出してもらわないと!私の煮えきれない気持ちが収まらないんですよ!私はあくまでも役者です!タレントセクションではあるけれど、歌手活動してないし同じ舞台に立ってるアイツにしか出来ないことがあるんですよ!」


コネコネの超絶七光りワガママ盗人偽物王子様……って😓

俺だったらそれに"チビッ子童顔"を加えるけどな、アイツ他のアメリカ人男性と比べると身長低いし。(←何気にディスってます(笑))


「そこまで言うんなら…分かったよ。」


俺達は、彼女の説得に一応納得させられてその晩は話を終えた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「取り敢えず、そろそろ寝るか。明日の撮影はかなりハードそうだし。夜はお前の実家にも行かなきゃな。覚悟しとけよ蓮!ちゃーんとキョーコちゃんに素性告白して納得させろよな。」


「はい…分かりました。本当に黙っていてすみませんでした。」


「まぁ…でも、グフフ😳こんなシチュエーションないよなぁ~~好きになった女の子が幼馴染みで親戚って互いに知らなくて、芸能界で再会して黙ってて両想いになっちまうなんて。何かそれこそ映画な話だよ。新開監督か緒方監督辺りに話したら、映画化したいんなんて言うんじゃね?

あ、そうだ!近衛監督とレナード監督にも話しちゃおうかな~?グフフ😄」


「だーっ!止めてください😳💦まだ素性明かしてないのに!!特に近衛監督にはまだ話さないで下さいよ!あの人には、俺の本来の姿に近い顔見せてるし。その時に、キョーコちゃんの外国人ッポイ姿も見てるから絶対に食い付いてきます!

次作のプロットに使いたいなんて冗談めいた話しをしてきたけれど…渡米する前に連絡きて、本気で言ってきましたからね。社さんも一応話し聞いてるでしょ。」


「ああ~~あれね。何か興奮してたもんなぁ、キョーコちゃんも呼ばれてファンタジーな作品考えてるから出てほしいって。まぁでもあれはまだ結構先の話だし、もし撮影始まるとしても最低でも来年の秋以降だって言ってたじゃないか。次回作のルートやSSの撮影とも被ってない時期だから良かったよ。何でもアメリカ以外での海外撮影も予定に入ってるみたいだし。ちゃんとビザ申請しとかないとな。

一応、松島主任と椹さんとも話し合って、2人の今後のスケジュール調整始めてるよ。キョーコちゃん嬉しそうにしてたんもなぁ。」


確かにキョーコちゃんも近衛監督の映画の話しには、かなり食い付いてたものな。かなり彼女好みのメルヘンストーリーだし。


「さてそろそろ本当に寝るか、お前もちゃんと寝ろよ。おやすみ~。」

「おやすみなさい。」


やっとベッドに潜り込んで眠りについた俺達だった。


6へと続きます。


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更新滞っていた話が漸く出来ました。

いやはや、殆どセディの悪口オンパレード(笑)


いやだってねぇ……ありゃあねーだろ。ってのが一言ですよ。

ドンだけ日本人嫌いなんだよ!Σ( ̄皿 ̄;;!って。

日本の芸能界事情を否定してるし、ハリウッドが全てスタンダードって威張ってるところが本当に嫌みですね。

だったらテメーも日本にきて、日本の芸能界のシステムで活動してみろってんだ。勿論、家族のネームバリュー使わないで。


なので私が思ってること、予想してること、妄想ストーリーを捏造(笑)しちゃいました。


実際に、本編読んでいて他のアメリカ人より華奢で小さめに描かれてるな。と思ったのでチビッ子認定しちゃいました(笑)。

ショータローよりも背が低いんじゃないかな?等身が8頭身ないんで(コミック版で調べたら7.5頭身だった)、少なくとも170㎝あるかないか前半。

180㎝は絶対にないな。ショータローは確か177㎝だから、それより低いと168~175㎝以内。


欧米人の男性としては、背は低い方なんでしょうね。

顔は小さくてイケメンの部類で童顔っぽいけど、一応成人してるみたいだし。

もしかしたらそれを売りにしてるか、隠れてコンプレックスにしてる可能性も。だからお祖父さんの威光を使ってるんじゃ?とも推察。仲村先生もそう言う設定にしてたりして?

どうなんだろうか?


あとそれと、これはあくまでも『もしもこうだったら?』と言うif storyな展開で進めてます。その為に、過去の二次小説とも繋がってるところもあります。

特に、始めて書いた。


ヤンマガ兄妹のとある夜のお話 と直接的な繋がりがあります。
もしよろしかったら読んでくださいませ。


























さて少し遅れていた最新話を更新したいと思います。

今回は、キョーコsideから見たお話になります。

⚠️『』は、英語。「」は、日本語になってます。

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私は、部屋に敦…いや久遠さんと二人きりになってしまった。

本来のキラキラ輝く金髪に光の加減で茶色から緑色に変わる、神秘的な瞳…いつ見ても綺麗だなぁ。


見とれてると久遠さんが私の直ぐ側にあるベッドに移り座ってきて、私に一緒に座るよう促してきたので恥ずかしながらも隣に座った。


「ほら見てごらん、満月が綺麗だよ。」


ベッドの前にある窓から夜空に輝く大きな満月が見えていた。


「本当だ。綺麗…🌝」


いつの間にか、久遠さんは私の肩に手をやっていて身体に寄せていた。


「ほわわわわわっ😳💦ななななに~~。」


「そんなに驚かなくても…こうして二人っきりでいられるのって久しぶりだし。日本に帰ったらちゃんと皆に説明したいんだけどいいかな?」


そう言えば、素性も全部明かしちゃったんだっけ。


「何処まで日本の皆さん知ってるんですか?」


私は、買いつまんでの説明しか受けてないからまだ詳しい事は知らないままでいた。


「う~~ん。どう説明したらいいのか…日本どころか世界中のマスメディアがキョーコちゃんの事を注目してるからな。」


「へ?世界中?なんで?」


私は、首をかしげていると…


「それはキョーコちゃん君が、小国とは言えヨーロッパの王国の王家の血を引いてる人間でもあるからだよ。

お母さんからも聞いて知ってるんだろ?エスティリア王国の元王女様である、エステル王女の来孫にあたる人物で、現英国の王侯貴族の1人であるオーランド公爵の玄孫で、昭和の名女優でもある蓮見葉子さんのお孫さんで、俺の父さんの…繁縷(ひずり)家もかなり家柄は、古いらしくて過去には宮家からもお姫様が嫁いできたこともある家らしいんだ。

つまり皇族とも凄く離れてるけど、遠縁関係にあるらしいよ。そんなことも全部バレちゃったからね。」


はえ?宮家のお姫様が嫁いでる?

私は、驚きつつも話を続ける久遠さん。


「それに最上家もかなり古く続く武家だって聞いてるし。君は、エスティリア王国・英国王室・日本の皇族と言う3つの国の王族や皇族の血を受け継ぐ希な人物なんだ。

そう言った意味で、かなり注目されてるみたいなんだよ。更に言えば、現在エスティリア王家には直系筋のお姫様がいないらしくてね。王妃様や皇太子妃様はいても、産まれてきたのは男子ばかり、王子様しかいないらしい。

親族の王侯貴族の中にも、嫁いで来た人以外の女性ってほんの数人しか居ないみたいなんだよ。しかもかなり血縁的にも離れてるみたいだし。そんな中でもそれなりに近い血筋の未婚で子供のいない女性は、エステル王女の来孫であるキョーコちゃんだけなんだって。

そこから現在の第一王子様がキョーコちゃんと同世代だって事で、俺が素性バレした直後にエステル王女の来孫だって知ってしまったらしくて日本の外務省に連絡してきたらしい。

どうも君の事を国際ニュースの動画見て興味出て、会いたいって熱望してるらしいよ。」


やれやれと言った感じで久遠さんが説明してくれたけど……


「そんなことにまでなってたなんて…😓」


「今月末には、父親でもある今の皇太子の新国王への戴冠式もあって世界各国のVIPも招待されてるしね。もしかしたらキョーコちゃんへも招待状が送られてるんじゃ?って各局のワイドショーでも報道されてたよ。冴菜おばさんに何かしら連絡来てるんじゃないかな?」


そう言えば、お母さんがイギリスに来てから様子がおかしくなっていたけど…もしかしたらそれが原因かも?と私も推測した。


「もう夜遅いし、明日も撮影早いよね。そろそろ部屋に戻るよ。」


久遠さんがそう言うと、ベッドから立ち上がって扉を開けようとした瞬間、お母さんが扉を開けて入ってきた。


「うわっビックリした~。冴菜おばさん?もう帰ってきたんですね。」


お母さんは顔を真っ赤にしていて、いきなり久遠さんに対して問い詰めてきた。


「あんた!キョーコに変なことしてへんやろうな?軽いキス程度ならまだ百歩譲って許すけど、18歳になるまで絶対に手を出さんと約束するなら婚約は許したるわ!それと!絶対に浮気したらあかんで!もししたら……分かっとるな😈?キョーコも覚悟出来とるか?ハトコに嫁ぐ勇気あるんか?」


まるで般若の如く、悪鬼顔で私達に結婚の話を問い詰めてきた。そしたら、後ろから更にジュリエナさんもやってきて…


「まぁまぁ、落ち着いて冴菜。まだ2人のちゃんとしたお付き合いをしてるかの確認してないのよ。まぁ、私もちょっと突っ走っちゃった所もあるけど。ねぇ貴方?」


「そうそう、冴菜姉さんも少し落ち着けや。ちょっと飲み過ぎだぞ😅」


ムッとした顔つきで、後ろを振り向いたお母さん。

今度は、久遠さんのご両親に向かって怒り出した。


「なんやねんあんたらわ!自分らの息子とうちの娘をあんだけ結婚させろとか言っとった癖に!!大体あんたらわな……」


ドサッ!


何か言いかけた瞬間お母さんが倒れてしまった。


「お母さん!?」


「お、おい!冴姉ちゃん?って……あれ?」


良く見ると寝息が聴こえてきた。


「あんだよ、寝ちまっただけか😅心配させやがって。あんま飲めない癖に、あんなに飲むからだろ。」


そう言って横抱きにしてベッドに寝かせてくれた。


「すみません、お母さんが迷惑かけちゃって。」


「いや…こっちも悪かったな。身内だってこと黙っててさ。久遠の事もあったし、キョーコも似たような目に合うかもって心配になっちまって黙ってたんだよ。」


クーお父さんが私の頭を優しくポンポンと撫でてきて、笑顔で答えてくれた。


「明日も早くから撮影あるし、そろそろお暇するわ。ほら久遠も。」


「ん…分かった。それじゃあまた明日ねキョーコちゃん。」


そう言うと、顔を屈めて私の頬に軽くチュッとキスをして部屋を出て行った。

その後私は、その場でボケーっと突っ立っていたらしく、暫くしてお母さんが目を覚まして…


「あんた何しとんねん、早う寝んか。」


の一言でハッとして、ベッドに潜り込んだ。


⑩に続く。


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暫く滞っていたお話を更新致しました。

どうも体調が優れないんですよね。

本誌(原作)の方も、中々ストーリー進まないしなぁ。


大きな山って、何なんでしょうね?気になってしょうがない。


それにしても、このお話の設定を考えてた時に完成オリジナルストーリーの世界観を使っちゃったんですよね。

随分前に、完全ファンタジーストーリー(異世界転生物)を考えてノートに書いてたんですけど途中で頓挫しちゃったものがありまして、それを引っ張って来ちゃいました(笑)


本当は、それを某小説投稿サイトで連載してみようかな?と思ってたんですけど…ここで使っちゃったので今はまた別のストーリー考えている最中です。

いつか形にしてみたいなと思っております。





やれやれ長めになってしまった。短編話もこれで終わりです。さて、どーなるのかな?

後編も二部に分けます(笑)。三人称で展開されますので。ではどーぞ!

⚠️「」は、日本語。『』は、英語になっております。

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今年も、キョーコの誕生日が近づいていたある日のこと。

彼女は、事務所で宝田社長の孫娘であるマリアとグレイトフルパーティーの打ち合わせをしていた。


「ねぇねぇ、お姉さま。今年は、お姉さまの出た映画と蓮様やモー子さんが出た映画の打ち上げパーティーも兼ねてるんですのよね?」


「ええそうよ。だから去年より招待客増えちゃって…ほらレシピ増やしたのよ!裏方の厨房は、私に任せてマリアちゃん。」


胸を張ってキョーコは、沢山レシピが書かれたノートをマリアに見せた。


「お姉さま…今年は、レシピだけ前日に料理人達に教えればいいわ。お姉さまには、最初っからパーティーに参加して貰いますからね!」


「え!?マリアちゃん?」


マリアは、仁王立ちになってキョーコに突っぱねた。


そして、グレイトフルパーティーの前日。

午前中から、宝田社長の持つ迎賓館に沢山の料理人がやって来ていた。コック姿のキョーコが皆の前にマイクを持って現れたのである。


「いよっ!今年も待ってました~~!」

「今年も頑張りますよ、キョーコ料理長!」

「絶対に就職決めるぞ!頼んますキョーコ様!」


やんややんやとキョーコを上げる、料理人達。中には拝んでる人までいる😅

実は、去年のグレイトフルパーティーに参加した料理人達の殆どは、若手だったり調理学校に通っていた学生達だった。

その後、様々な高級レストランや有名パティスリー店、有名ホテルの厨房に採用されたり、中には店を構えて成功してる者もいるらしくジンクスが生まれてしまったとのこと。このグレイトフルパーティーに料理人として参加すれば将来安泰だと言う噂が立ってしまったらしい。



「では明日の料理のレシピを皆さんに教えますね。今年は、私も最初からパーティーに出なければならなくなってしまったので皆さんにお願いしたいと思っています。宜しくお願いします。」


キョーコが丁寧にお辞儀をすると、オオー!と料理人達が手を上げてきた。


「何か皆さんやけに張り切ってるけど、何なんだろ😅?」


キョーコは、噂やジンクスを知らなかった為に不思議がっていた。

それは兎も角、キョーコは色んなレシピを実際に作って、各料理担当・製菓担当の人達の前で教えていき、時には一緒に来ていた調理師学校の先生にまで関心を持たれてしまっていた。


レシピ本でも出した方が良いとまで言われながらも和気あいあいと料理を一通り教え終わると、明日の仕込みも作りはじめていた。

そんな時、厨房にミス・ジュリーウッズがやって来たのである。


「あーいたいたキョーコちゃん。ダーリンからここにいるって聞いてきたのよ。」


「ミューズ様?どうしてここに?」


「料理の方は、皆に教えたのよね?だったらこの子借りるわよ~~皆、後は宜しく頼んだわ!」


はーい!と皆が言って笑顔で手を振って送り出し、キョーコはミス・ジュリーウッズに手を引かれ厨房から引きずり出されてしまった。


「ミューズ様~~私に何のようですか?何か料理人の皆さんもやけに協力的だったような?」


「ん~~ふっふっふ、明日の為に今からエステ行くわよ!」


「へ…エステ😳💦!?」


キョーコは、言われるがままにミス・ジュリーウッズの車に乗せられ高級エステ店である『プル・ベル』へとやって来たのである。


「ここが…モー子さんが通ってると言う、高級エステ店🥺夢にまで見た高級感溢れるこのエントランス!アロマオイルの良い匂い!って…ちょっと待って、私そんなお金出せないし💦どうしよう?」


「キョーコちゃん大丈夫よ。誕生日プレゼントだってここのお代全部出してくれたらしいわ。あ、因みに言っとくけど蓮ちゃんやダーリンでもないわよ。友達でもないし、何でもキョーコちゃんのお母さんが出してくれたんだって。良かったじゃない、良いお母さんね。この際だから甘えちゃいなさいよ。」


ミス・ジュリーウッズがウインクをして教えたのである。


「え…お母さんが出してくれた?」


キョーコは、驚きつつもエステを受けることにしたのである。そして事務所へと戻ってきたら、今度は衣装部屋へと連れてこられた。


「よし!次は、このドレス一旦着てみて頂戴。」


「え?今度はドレス?」


言われるがままに、スタッフも一緒に何着も着せられスマホで撮られたりとキョーコの頭の中はハテナ状態に。


「何なの…今年のグレイトフルパーティー?去年と違うことが次々に起きてるんですけど~~💦」


そして、グレイトフルパーティー当日となった。キョーコは午前中は雑誌の取材を受けて、お昼は生放送のバラエティー番組に出演。

その際に、グレイトフルパーティーの話題とキョーコの誕生日ケーキのサプライズ登場があったりとして皆が祝福してくれたり、誕生日プレゼントがMCから生放送内で贈られたりと嬉しい事が続いていた。


夕方近くとなり某TV局でキョーコの元に社マネージャーが合流すると、キョーコは荷台を借りていて溢れんばかりの沢山の花束やプレゼントを乗せて運んでいた。


「だーっ💦キョーコちゃん何!?この膨大な量の花束やプレゼント!早く言ってくれれば良かったのに!」


「思ったより、誕生日プレゼントくれる人が多くて💦クリスマスプレゼントも兼ねてるからですかね?」


2人が話してると、近くにいたブリッジロックの3人とマネージャーもやって来たのである。


「おーいキョーコちゃん大丈夫?プレゼント荷台から溢れてるよ。車に全部乗るんかい💦」


「社さん、俺達事務所のワゴンで来てるからそっちに乗せてもいいよ。構わないよね?マネージャー。」


「ああどうせこの後、俺達もグレイトフルパーティーに行く予定だしその前に着替えるんで一旦事務所行くから。行き先一緒だろ?社さん構いませんよ。こっちにプレゼント全部乗せちゃえ!」


「すいませんね豊川マネも。」


マネージャー同士で、話し合いワゴン車の中にキョーコのプレゼントを入れたら、ブリッジロックのクリスマスプレゼントも一緒になって後部座席には2人しか乗れなくなってしまったので、社マネが運転する車に1人だけキョーコと一緒に乗ることに。


そこでブリッジのリーダーである光が、優生と慎一の計らいで乗ることに。

彼は、内心ドキドキしていた。キョーコの事をデビュー以来、タレント部の先輩として見ていたのもあるが異性として意識してるのもあったからだ。


「キョーコちゃん、今年のグレイトフルパーティーも楽しみにしてるからね。料理も美味しいんだろうな~。」


「ありがとうございます。今年も料理頑張りましたからね沢山食べていって下さいね。」


何気ない話をしながら事務所へと車を走らせて、到着するないなやキョーコは駐車場で待っていた奏江にいきなり手を捕まれ足早にミス・ジュリーウッズの移動美容室となってるトレーラーハウスへと連れてこられた。


「ビックリした~急に現れるんだもの。モー子さん待っててくれたの?まだパーティーには、全然間に合うと思うけど?」


「あんたの場合、ドレスアップに時間かかるんだから早く取り掛からないとダメでしょうが。」


「まぁまぁ2人とも。後は、私がやるから奏江ちゃんもやることあるんでしょ?」


ミス・ジュリーウッズが促すと奏江は、トレーラーから出ていった。


「じゃあまた後でね。」


「じゃあ、早速始めるわよ!キョーコちゃん。」


ミス・ジュリーウッズのヘアメイクが始まると同時に、迎賓館でも慌ただしくスタッフが動き始めていた。


後編②に続く。

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急遽、カテコライズにすることになりました。

思ったより長めの話になっちゃいましたね😅





急な出来事でした…😞。

数日前から我が家のお猫様である、ミーちゃんが体調を崩してしまい本日の夜(夜中の1時頃)に永眠致しました。



去年辺りから、年のせいか病気(腎臓病)にもなってしまい定期的に病院へと通い投薬治療や点滴療法を受けて生活しておりました。
お外にもあまり行かないようになって、お家でまったり過ごす事が多くなっておりましたね。

最近は、一段と元気がなくてヨロヨロと歩いていて一応ソファーの上でぬくぬくしたりとして過ごしていたところ、仕事から帰ってきたら横になっていて息が荒くなっていました。
母がずっと看ていてもう持たなそうだったので、そこから交代で看て過ごしていたところ…深夜に入ると虫の息状態に。

そして1時頃に完全に息がなくなり、眠るようにミーちゃんは永眠。虹の橋を渡りました。

2024年1月31日 午前1時 永眠
ミーちゃん 享年16歳(推定)



毛布にくるみお顔を綺麗にしてあげてお花を添えて、ミーちゃんの大好物のちゅーるも添えてあげて最後の1枚を撮りました。

本当に、ミーちゃんは掛け替えのない家族として過ごして、我が家の癒しのもとでアイドルでした。

本日の午後に母が、地元のペット霊園に連れてって火葬をお願いしました。
本当は、私も行きたかったけど…ペットの火葬だとお休みが取れないのでやむ無く後日、手を合わせに行くことに。
3月いっぱいは、霊園の方でミーちゃんのお骨を置かせて貰えて一般でお参り出来ると教えて貰いました。

本当にミーちゃん、私たちに元気いっぱいで可愛い顔を沢山見せてくれてありがとうね。
天国でお父さんと会えたかな?



さてさて、本日は休日。

久しぶりに予約していた美容室へ。✨


毎度お馴染み行きつけのお店。


FRESH SALAD EMOTION 


に来ました😃✂️✨


今回は、前にきた時クーポン券を貰ったのでそれを使ってちょっとお得に。

前回は、Googleで口コミをすると5%offサービスがあると言うので実際に何度か口コミしていたのでそれを見せたら、5%offになりました。ラッキー😆💕





今日の飲み物は、ホットの柚子茶です🍵😌✨

身体が温まりますね。


ヘッドスパとエステ&マッサージ受けて、リフレッシュ🍀😌🍀


ヘアカラーは、ピーチ系に🍑

美容室内で染めた直後に撮影。目元が怖い(笑)





この後、カットして仕上げて貰いました。時間は、約2時間程。でもヘアエステ受けてる最中は、ウトウトしちゃうので気にならないですね。


久しぶりの美容室にリフレッシュ出来ましたね✨


また今度きた時、ヘッドスパやろうっと。




最後は、キョーコsideから見たお話になります!

さてさてとうなるのかな?お楽しみください。

⚠️「」は、日本語。『』は、英語です。話が少し長めになっちゃったので中編を二部に分けました。

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私は、呉前Pに言われてその場に残り皆を見送った。すると…


「京子さん貴女は、村雨君と子供の頃に出会ってたんですね。あまり良い出会いではなかったようですけど。」


「私もさっき思い出しました。すみませんスタジオを騒がせてしまって。お叱りは充分に受けますので、本当に申し訳ありませんでした。」


「いえ、まだ撮影してませんでしたので何とかなりましたよ。でも今後は気をつけてくださいね。それと、お話は説教ではありません別の場所で話しましょう。こちらに来てください。」


呉前Pが別の話しがあると言うことで、スタジオを離れて応接室みたいな感じの部屋に通された。

そこには日本人男性1人と宝田社長と、Mr.Dことエルトラさんがソファーに座って待っていた。


「よう来たな最上君。」

『やあキョーコ待ってたよ。』


「あのう…社長何のご用でしょうか?」


「まずはこっちのキャスティングプロデューサーから挨拶させろ。」


キャスティングプロデューサーと言われて、もう一人の男性がソファーから立ち上がった。


「どうも始めまして京子さん。私は、日本語吹替声優担当のキャスティングプロデューサーをしている、俵田と申します。」


「日本語吹替声優担当?」


私は思わずおうむ返しに聞いてしまった。

その後ソファーに座るよう促され、話が進められた。


「えっと…それじゃあ私も声だけの出演だけど、映画に参加出来るって事ですか!?」


まさかの声優としての出演オファーが私に舞い込んだのである。


『キミの声が、アビゲイルとなんと無く似ている事に気付いてね。日本での海外作品の日本語吹替を担当する声優は、顔の雰囲気や声が似ている人物が採用される場合が多いって聞いてる。

他にも、フィクサー声優なんて呼ばれる俳優専任声優までいるんだろ?日本語吹替になっても違和感がないから日本の声優は、世界から見てもレベルが高いことで知られてる。

アビゲイルの場合は、今の所日本人の専任声優はいなくてね。彼女は、これからも演技の実力が延びる女優だと私は思ってて目をかけてるんだ。そこでキョーコを推薦させて貰ったんだよ。

今後も彼女が出演する映画やドラマが日本で公開・放映されるとキミの仕事も増えるしWin-Winな関係が築けるんじゃないかと思ってね。どうかな?この仕事受けてみる気はないかい?声だけの演技の仕事も良い経験になると思うよ。』


エルトラさんが満面な笑みで私に説得してきて、社長と呉前Pも頷き、俵田さんも…


「京子さんやってみませんか?声優のお仕事。今後も役者活動続けたいんなら勉強にもなるし私からもお願いしたいです。アビゲイルさんの吹替やってくれませんか?」


皆からの説得に私は決心した。


「分かりました。声優のお仕事引き受けさせて頂きます!」

『推薦してくれてありがとうございます、エルトラさん。』


私は、エルトラさんに深々とお辞儀をした。


『いやそんなことないよ。君は、日本人キャストの為に色々と動いてくれたんだって?皆の英語のスキルを上げるために、全編オール英語セリフでの模擬撮影のキッカケまで作ったって言うじゃないか。そこまでしてくれたキョーコに何かしらのお礼はしなくちゃと考えた上でのオファーなんだからな。勿論、ちゃんと演技力を見ての判断だよ。』


『へ?私の演技エルトラさん見たことないですよね?』


『あるよ『CRISIS LIST』の完成版のDVDを一枚貰ってね一通り見せて貰った。ライヤーを演じてるキョーコを見させて貰ったよ。いやいや中々の演技力に圧巻のアクションシーンだったよ。今、季節の関係で中断してるって言う日本の時代劇の映画のメイキング映像も少しだが見せて貰ったよ。』


「呉前さん?いつの間にDVD出来てたんですか?」


「あくまでも模擬撮影作品ですから勝手にサブスク等ての配信とか出来ませんけど、関係者には配っていたんです。勿論Mr.Dにも渡してました。」


いつの間にか、日本で撮っていた全編オール英語での模擬撮影作品の『CRISIS LIST 』が完成していて色んな関係者にDVDを渡していたことを知らされて驚いた。

そして出演者の中で、唯一『ROUTE』のキャストに入っていない私の事が見た人の中で話題になっていたらしい。


それもあってレナード監督にも、ルートに何で出さないんだ?と詰めよった人もいたらしい。その関係もあって、私をせめて日本での公開に合わせて日本語吹替声優に採用しようと動いてくれたんだって。


その後、私は社長と一緒に応接室を出て歩いていた。


「良かったな、少しでもルートに参加出来て。レオが言ってたが、今回は諦めたけど次回作には最上君を使いたいと言ってたぞ。」


「え!?次回作?二部作目に出れるんですか?敦賀さんや琴南さんと共演出来るんですか!?」


私は、興奮してしまい思わず共演してる所を想像していると…


「おいおいまだハッキリと決まった訳じゃないからな!それにもしかしたら…アメリカ滞在中の撮影は、ビザの関係で参加出来ないが日本の映究スタジオでの撮影の際に参加して貰うかも知れないと、呉前Pから言われてる。」


「え?日本での撮影では参加出来るって…。」


私は、ビックリしてしまった。


「厳密に言うと、映画ではなく公式HPで限定公開するスピンオフのショートムービーへの出演をお願いしたいそうだ。」


ん?スピンオフのショートムービー?


「それって…ルートの登場人物になるんですか?」


「最上君には二部作への伏線を含めてある役を演じてほしいそうだ。ショートムービーと言うより、世界観や映画の見所を説明するスピンオフになるらしい。君には、映画のナビゲーターみたいな役割をしてほしいそうだ。一応、原作に登場するキャラクターでもあるらしいぞ。」


「ナビゲーター役…。」


「ああ、俺としては悪くない話だと思うけどな。映画本編に出なくても、映画の公開中は誰だってHPを見るだろうしそこで君の姿を世界中の人間が知ることになる。それこそ絶大な宣伝になるだろ。」


社長は、私の方をジーッと見つめて意外な事を言ってきた。


「にしても…君も、本当に面白いな。コロコロ姿変わるし、自分の出てる作品殆ど見ないんだって?エゴサーチもしないと聞いてるぞ。普通なら、その世代の子達はするもんだがな。

やっぱりどこか抜けてると言うか…別の意味で大物というか。あのプリンス・セディすら興味湧かせたんだからな。」


ワハハハ!と豪快な笑いをしてきた社長。

私ってやっぱり普通じゃないのかなぁ?


「それは兎も角、ナビゲーター役宜しく頼んだぞ!吹替声優の方もな!」


そう言うとスタジオまで来て、社長は入らずに別れて私はスタジオに入った。

すると、社さんが居たので直ぐそばへと歩いていって問い詰めたのである。


「社さん、もしかして呉前さんのお話知ってたんですか?」


「あ、やっぱりそうだったんだ。聞いた?吹替声優とスピンオフのナビゲーター役の話。」


社さんは頷き肯定した。


「良かったねキョーコちゃんも、ルートの仲間入り果たして。ちょっと心配だったんだよね。」


「心配って…。」


「ん~だってさ、皆が演技してるのをキョーコちゃん食い入る様に見つめたり、無意識に撮影ゾーンの方に足向けてる時も度々あったろ?それで呉前Pやレナード監督や演出家も気付いてたらしいんだよね、本当は出演したい気持ちが高いんじゃないかって。でもキョーコちゃんの性格上、ワガママ言ってこないだろうしアピールしてくることもないから不思議に思ってたらしいんだ。

それに、他の日本人キャストの為に自ら芸能活動を休んでまでサポートを勝手出る人なんて滅多にいない。

普通だったら自ら売って出たり、中には強引に役を奪ってでも映画に出てやろうって実力行使に出る人もいるのにキョーコちゃんは謙虚過ぎるって、そんな子のために何かしてあげたいって気持ちになっちゃった製作陣が多いんだ。」


はい?いつの間にそんなことに……そう言えば、少し年配のスタッフさん達(特におじさん)が私にやたらとお菓子くれたり、スタイリストのお姉さんがイメチェンした私に色々とアドバイスさてくれたのよね。


そー言えば、モー子さんと一緒に最初会った衣装係のおじさんも不躾な行為をしてしまってすまないって謝ってきたっけ。


「最初は、どうもセディがスタッフにまで手を回して日本人キャストに嫌がらせするようにしてたらしいんだよね。でも、やっぱりスタッフにだってプロ意識があるし言いなりになりたくないって人も多かったみたいなんだ。だから正直に監督や演出補にプロデューサーに直に相談した人も多かったみたいだよ。

中には、お祖父さんであるMr.Dに直接怒った人もいたらしい。それで彼から、一応厳重注意されたみたいなんだ。

それで取り敢えず嫌がらせは無くなって、少し落ち着いたみたいなんだよね。ほら最近、撮影スムーズにいってるだろ?」


「はい?そこまでしてあの人は何考えてるんですか!?どんだけ日本人のこと嫌ってるんですか?映画を台無しにでもするつもりなんですか?」


私は、益々セディが大嫌いになってきた。ショータローより達が悪い。


「本当に何考えてるんだか…😓」


私達が話し合ってると、モー子さんと敦賀さんのシーンが終わり私達の所にやってきた。

村雨さんと、恵さんに力也さんも一緒だった。少し遅れて、クロエとアビゲイルもやってきた。


「あんた何プンスカしてるの?」

「キョーコちゃん?どうしたの?」


私は、セディの事と吹替声優とナビゲーター役の話を全部話した。


「セディの事は、もう無視した方がいいよ。それよりも吹替声優とナビゲーター役決まって良かったね、おめでとう。これで俺達と仲間入り果たしたね。」


「良かったじゃない。あんたも本当はこの映画に参加したかったんでしょ。」


「やったな!京子ちゃんもルートの仲間入りだ!」(村雨)

「凄いじゃないナビゲーター役も美味しいわよ。」(恵)

「吹替声優なら俺も経験あるからアドバイス出来るぞ!」(力也)


皆が私の声優とナビゲーター役ではあるものの、キャスティング入りに祝福してくれて嬉しかった。


『まさか私の日本語吹替に選ばれるとはね。ビックリよ、確かに何か親近感覚えると思ってたのよね。私達、声が似てたのね。それならこれから私の出る映画やドラマが日本で公開されたり放送される時は、日本語吹替は専任でキョーコがやってくれるってこと?』


『うん、そう言ってた。出来れば、その方が私の演技の経験値も上げられるし仕事的にも互いにWin-Winになるからって。』


『はは、確かにね~。いいなぁ私にも専任のフィクサー声優欲しい!』


私達が和気あいあいと話してると、別のスタジオで撮影していたセディがいつも一緒にいる取り巻き俳優達とこっちのスタジオに入ってきた。


『また群がってるのか…』


ボソッと言ったのを私は聞き逃さなかった。村雨さんも同じく聞こえてたらしくて…


『おい!お前なぁ、いい加減にしろよ!』


村雨さんがセディに突っかかろうとした所を敦賀さんがとめた。


「やめなよ村雨君。」

「はぁ?敦賀君はなんとも思わないんかよ!コイツはスタッフにまで手を回して嫌がらせしようとしたんだぞ。」


「俺だって、その事は知ってるさ。いいから見てなよ。」


そう言いながら、敦賀さんがセディの前に歩んでいく。周囲は、ざわめき出して私は流石にまずいと思って敦賀さんの元に。


「待ってください敦賀さん!」

「キョーコちゃん?」

「ここは私に任せてください。お願いします!」


私は、敦賀さんの前に立ち塞がってプリンス・セディこと、セドリック・D・ベネットに言い放った。


『貴方は一体何がしたいんですか!?何故そんなに日本人を嫌うんですか!?』


私は、今まで誰も言わなかったことを敢えて聞いた。彼は、私の顔を見て黙っていたが漸く口を開くと…


『兎に角、僕は日本人が大嫌いなんだよ。全員降板して欲しいくらいだ。』


『その逆もしかりです。そんなに日本人が嫌いなら貴方が降りればいいでしょう。それに原作者の先生にも文句言ったらどうです?ルートの原作には、外見上アジア系の人物が沢山出てくる。それが映画となると日本人やアジア系の人達が演じるのは必然的になります。

呉前Pやレナード監督にもお聞きしました。原作に忠実に映画を制作して欲しいと言われてると、原作者から改変は許さないとも。貴方のワガママを許すと映画は作れなくなりますよ。』


私は、至極まともな意見を言ったつもりだった。しかし彼もまたとんでもないことを言ってきたんだ。


『原作なんて関係ない。アジア系の登場人物を全て黒人に変えて作り直して欲しいくらいだ。それならコンプライアンス的にも大丈夫だろ。原作者も頭おかしいんじゃないか?何でアジア系の登場人物を沢山出したんだか。

それに僕は、世界に名を轟かせる為に映画に出てるだけだ。映画の内容や役柄なんて二の次なんだよ。主題歌だって僕が歌う予定なんだし。話題性のある映画に出れば、益々顔や歌が売れて世界のプリンスになるんだからな。』


ニヤニヤ笑いながら話すその姿に、その場にいた人達は呆然とした。映画の内容や役柄を二の次なんて…


『主題歌を歌うのは、貴方ではありません。』


呉前さんがいつの間にか私の隣にいた。


『は?何だと!主題歌を歌うのは僕だって音楽演出の人間だって話してじゃないか!』


『あくまでも候補者の1人として上げていただけです。しかし先日、主題歌を歌う人物が決定しました。ここにいる京子さんです。』


「「はい!?」」


思いもよらずな発表にその場にいた全員が驚いた…って、私!?


「はははははははい~~~~💦!?何でうちが!?何故にどないして?吹替声優とナビゲーター役だけやないんか~~?」


私はパニくってしまい思いもよらず京都弁になってしまっていた。


『彼女は、かなりの歌唱力の持ち主なんですよ。日本で役者もしてるんですけどね、少し前まで出演していたTVドラマの打ち上げパーティーの時にカラオケ大会があったらしいんですが…この際に歌った動画をその時の監督さんが見せてくれたんです。

そしたらビックリしましたよ。全部オール満点。洋楽も歌っていて、歌唱力だけでなくイントネーションも完璧。もしやと監督と広報プロデューサーに音楽演出の人間や主題歌をお願いしてる音楽プロデューサーにも見せてみたんですよ、そしたら皆気に入ってしまいましてね。

彼女だったらと満場一致しました。京子さん、引き受けて貰えませんか?』


確かに、BOX"R"の打ち上げパーティーをカラオケBOXでやって皆でカラオケ大会したけど…。最初に、天城越え披露したらまさかの100点満点だしちゃって、次々と色んな歌を歌わされてまさかの満点続きだったから私もビックリしちゃったの覚えてる。


その事を思い出しながらボケ~~っとしている私に、英語のまま主題歌オファーまでしてきたのでビックリんこ😓


『そ、そんなバカな。何でPAをしてる人間に主題歌なんて頼むんだ!日本で役者してるといっても、名前だってこっちじゃ全然知られてないだろ!』


『確かに、キョーコはアメリカではまだそんなに名前は知られてない。しかし演技力は持ってる、役柄によって姿も変えられる、英語力もあるし不思議な魅力を持った人物だと俺は思ってるんだがな。だからこそ二部作目への打診だってしてるんだし。

セディ、そんなに日本人が嫌いなら無理して出なくていい降板して貰っても構わん。君の代わりなんて他にもいるんだからな。今やCGで顔だけを変えるなんて造作ない。別の俳優を使って撮影し直しても一部だけ変えればいいんだ、そんなに時間かからないだろう。文句があるなら撮影所から出ていけ!』


レナード監督がスタジオの扉を指差して、セディに降板を言い渡すと歯ぎしりをしながら黙って歩きスタジオから出ていった。

翌日から、セディは撮影所に来なくなった…。


正式に、映画降板が決まり別の俳優さんがセディが演じる予定だった役を演じている。

なんと無く顔立ちは、似ているけど気取った感じもなく私達日本人とも和気あいあいと接してくれた。


その後日本に帰国して、映究スタジオでの撮影も程なく進み日本で撮影はオールアップ。

私も、冬になり泥中の蓮の残りのシーンを撮り終わって。

12月も終わりになる頃…私の誕生日が近づいていた。


後編① に続く。

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思ったより長めになっちゃいましたね。カテゴライズすりゃ良かったかな😅?

セディを成敗したい話をどうしても書きたかったので、長めになってしまいましたね。

これからはどうしようかな?


あとキョーコにも、何かしらの形でルートに関係した仕事させたいなと言う気持ちがあったので、吹替声優とナビゲーター役に実際だったらあり得ない主題歌オファーの話を考えました。